共有持分

共有持分ってなに?共有不動産の売却方法と注意点

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土地や建物などの不動産を取得したときの状況によっては、複数の人が共同で不動産を所有することがあります。

 

ある所有者が、共同所有の不動産のうち自分の持分だけを売却したいと考えた場合、それは可能なのでしょうか?

また、その場合、どのような方法があるのでしょうか?

 

ここでは、共有名義の不動産を売却する際のポイントをご紹介します。

 

■共有持分とは

共有持分とは、複数の人が所有している不動産の所有権の割合のことです。

例えば、100㎡の土地をAとBが半分の割合ずつ所有している場合、AとBの共有持分は1/2ずつとなります。

 

ここで重要なのは、共有は概念であって、土地に線が引かれて50m2ずつに区切っているわけではないということです。

 

・なぜ共有持分になるのか

不動産の共有は、夫婦、親子、兄弟姉妹がお金を出し合って購入した場合や、2人以上の相続人が共同で相続した場合に発生します。

 

特に、夫婦が共同でマイホームを購入するケースや、相続の際にアパートなどの賃貸物件を兄弟姉妹などで相続するケースなどがこれにあたります。

 

・共有持分の割合

不動産を共有する場合、その共有持分割合は任意に決めることはできません。

状況に応じて共有持分割合は決定することになります。

 

不動産を共同で購入した場合

不動産を複数の人が共同で購入した場合、その費用負担に応じて共有持分が決まります。

 

例えば、夫婦で土地2000万円、建物3000万円、合計5000万円の住宅を購入したとします。

この物件の購入時に夫が3500万円、妻が1500万円を支払うと、夫の共有持分は7/10、妻の共有持分は3/10となります。

 

また、住宅ローンで購入する場合についても、ローンの割合で持分割合が決まります。

上記の物件を夫が3500万円のローン、妻が1500万のローンを組んで購入する場合は、同様に夫の共有持分は7/10、妻の共有持分は3/10となります。

 

ただし、土地と建物は別々に登記されているため、実際に購入する際には、各人が土地と建物を別々にいくらで購入したかを確認する必要があります。

 

 

相続した不動産の場合

不動産を相続した場合、遺言書の内容や遺産分割協議書の内容に従って、自分の取り分が決まります。

 

もちろん、1つの不動産を単独で相続することも可能です。

相続人2人以上で均等に相続する場合もあれば、法定相続分に従って取り分が決まる場合もあります。配偶者がいる場合、配偶者の取り分は他の相続人の取り分とは異なります。

例えば、配偶者と子供3人が法定相続人の場合、配偶者の取り分は1/2、各子供の取り分は1/6となります。

 

各所有者がどの程度の共有持分を持っているかは、不動産の登記情報(謄本)を見て確認することができます。

 

■共有不動産の所有者ができること

不動産の所有者は、使用権、収益権のほかに、不動産の変更(処分)権、管理権、保存権を有しています。

ただし、共有不動産の場合は、これらの行為はそれぞれ単独で行うことも、そうでないこともあることに注意が必要です。

 

変更(処分)行為

単独で行うことができません。

 

不動産を物理的に変更したり、法的に処分したりする行為は、共有者全員の同意がなければできないほど、重要な行為です。

 

共有者が複数人いて、その過半数が賛成していても、一人でも反対していれば実行できません。

 

【変更(処分)行為】

・売却

・贈与

・長期賃貸借

・増築・改築

・大規模修繕

・抵当権の設定

・取り壊し

・建て替え

・分筆、合筆

 

管理行為

共有者の持分割合の過半数の同意が必要です。

 

民法第252条は、「共有者の管理に関する事項は、前条の場合を除き、共有者の持分数に応じて、その過半数で決する」と定めています。

 

共有者が3人いて、それぞれ3分の1の持分を持つ場合、3人の共有者のうち2人が同意すれば管理行為を行うことができます。

 

【管理行為】

・賃貸借契約の締結

・不動産の共同利用方法の決定

・賃料の減額

・賃貸借契約の終了

 

保存行為

各共有者は、単独で「保存行為」を行うことができます。

 

共有の物理的状態を維持する「保存」は、他の共有者が不利益を被らない限り、他の共有者の同意がなくても行うことができます。

民法でも「各共有者が保存行為をすることができる」と認めています。

 

【保存行為】

・修繕

・無権利者に明渡し請求、抹消登記請求

・法定相続による所有権移転登記

 

 

共有者が互いの権利を制限する状態

不動産の共有者は上記のような権利を持っていますが、単独では意思決定ができないため、各共有者がお互いの権利を制限し合っています。

 

■売却方法

複数人で共有している物件のうち、自分の持分だけを売却するのは難しいと思われるかもしれません。

 

しかし、自分の持分だけの売却であれば、他の共有者が同意しなくても売却することが可能です。

 

実際には、自分の持分だけを売却することは、単独で所有している物件を売却することよりも、ハードルが高く、買い取ってくれる不動産業者も少ないですが、共有者が反対しても自分の持ち分を売却することを止めることはできません。

 

では、実際にどのように自分の持分を売却するのでしょうか。

売却先によって下記のような方法が考えられますので、それぞれ確認してみましょう。

 

1、共有者全員の同意をとって売却する

2、他の共有者に自分の持分を売却する

3、不動産を分割し、自分の所有分だけ売却する

4、自分の持分を第三者に売却する

 

・共有者全員の同意をとって売却する

まず、不動産の共有者全員の同意をとって売却する方法です。

 

共有不動産の売却方法としては、最も一般的な方法です。
この売却方法の特徴は、権利関係が整っている状態のため、使用の制限がなく、購入者が通常の利用ができるため、売却価格が市場価格相当で売却できるようになることです。

 

他の売却方法と比べ、一人当たりの売却利益が高くなるのは、所有者にとって大きなメリットです。

しかし、共有者全員で売却するためには、共有者全員の同意が必要です。

 

共有者が1人でも売却に反対していれば、売却はできません。特に、その不動産に住んでいる共有者がいる場合は、売却の同意をとることが難しいケースが多いです。

また、共有者が多ければ多いほど、全員の合意に手間がかかるので、大変な労力がかかるかもしれません。

 

・他の共有者に売却する

自分の共有持分を他の共有者に売却することもできます。

 

他の共有者が持分の購入に前向きの場合であれば、売却先を探す手間がかからず、時間もかからないため、非常に手軽な方法です。

また、完全な第三者が共有に加わる場合とは異なり、持分割合が変わるだけなので、他の共有者の心理的な抵抗も少なくなる方法です。

 

しかし、共有不動産となっている状態の物件は、親族関係で共有していることが多く、その場合は親族間での共有持分の売買交渉となるため、金額面に納得できず、話がスムーズに進まない可能性もあります。

 

・不動産を分割して売却する

不動産を分割して売却するというのは、1つの土地を複数の土地に分割してそれぞれの土地に共有者が単独所有となるように振り分けることです。

この場合、土地の共有名義がなくなるため、売却がしやすくなるというメリットがあります。

 

しかし、不動産の分割には大きな問題点があります。

まず、分割には費用がかかるということ。

 

一つの土地をいくつかに分割する場合、境界を確定するための測量が必要です。
土地を分割したこと、それぞれの土地の所有者を決めたことを登記する必要もあります。

これらの手続きを行うためには、それなりの費用が発生することになります。

 

また、土地を共有者に分割する場合、分割の方法によっては均等に分割できない場合もあります。

土地の評価額は、広さだけでなく、道路に面しているか、日当たりはどうか、土地の形状、道路からの奥行きがどうかなどで決まります。

 

注意しなければならないのは、土地を均等に分割しても必ずしも平等にはならないということです。

また、せっかく広い土地でも、分割すると狭くなりすぎて、その価値が大きく損なわれることがあります。

 

むやみに土地を分割しない方が良い場合もあるのです。

 

・第三者に売却する

共有者と連絡が取れない、同意してもらえないなどの問題がある場合は、自分の持ち分だけを売却することも可能です。

ただし、市場価格に対して、持分の割合で買い取ってもらえるかというと、そうではありません。

 

なぜなら、持分のみの買取なので、購入者は自由にその土地を利用することができないからです。

そのため、売却価格はかなり低い金額になってしまうでしょう。

 

しかし、共有者の同意を得ることが難しい場合や、親族と揉め事になっているようなケースもあり、そのようなゴタゴタから解放されたいと思っている方もいるかと思います。

その場合は、専門の買取業者に査定を行ってもらい、金額に納得することができたら売却することも検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

■まとめ

共有持分を売却・処分したい場合、他の共有者との兼ね合いでスムーズにいかないことがあります。

 

自分たちだけで解決しようとして、かえってトラブルを大きくしてしまったというケースも少なくありません。

また、法律が深く関わっており、一歩間違えれば損害賠償を請求されることもあります。

 

共有不動産を売却したいが、他の共有者が協力的でない場合は、専門家に相談することをおすすめします。

 

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