共有持分

不動産を共有で所有するメリットとは? ペアローンで住宅を購入するメリットとデメリットを解説します。

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マイホームの購入を考えている方の中には、一人の収入ではローンが足りないので、夫婦両方の収入を合算して借り入れを行いたいと考えている方も多いと思います。

このような場合、物件を夫婦の名前で「共有」として登録するのが一般的です。

共有で不動産を所有するメリット、デメリットを見ていきましょう。

 

■単独名義と共有名義

・単独名義

不動産を一人だけの名義で登記することを「単独名義」といいます。

単独所有であれば、基本的には自分の判断で管理や売却を行うことができます。

 

・共有名義

同じ不動産を1人ではなく、2人以上で所有することを「共有名義」といいます。


不動産が共有の場合、物理的な2つの部分のどちらかが使用できるということではなく、共有者全員が不動産全体を使用・利用する権利を持っているますが、お互いに制限しているということになります。

つまり、ある共有者が共有持分の100分の1しか持っていなくても、その人は財産全体を使用・利用する権利を持っているのです。

また、共有不動産の売却や管理については、共有者1人だけでは決められない場合が多く、どの程度の同意が必要なのかは、その重要性によって異なります。

 

・変更(処分) : 共有者全員の同意が必要

・管理 : 共有者の持分価格の過半数で実行可能

・保存 : 各共有者が単独で行える

 

このように、共有状態では、変更(処分)という重要な行為に関係者全員が同意しなければならず、関係者にとってはかなりの負担になります。

 

■共有名義のメリット

不動産を共同名義にするメリットは何でしょうか?

・住宅ローンのダブル控除

住宅ローンを組んで不動産を購入した場合、所得税ではいわゆる「住宅ローン控除」が大きな魅力となります。

現行の制度では、住宅ローンの年末残高と住宅の購入価格のうち、どちらか少ない方の1%が10年間(住み始めた時期によっては13年間)、所得税から控除されます。

所得税から控除しきれなかった金額は、住民税から控除されます。

 

ただし、上限額が「40万円」に設定されているため、夫婦だけで借りる場合は4000万円以上のローンを組んでも、それ以上は控除額が増えません。

住宅ローン控除は世帯ごとではなく、夫婦個別に申告することになっていますので、その場合、夫婦2人で借りれば、上限額は2人とも80万円となり、借入総額が4000万円を超えても控除額を増やすことができます。

 

つまり、「ペアローン」や「連帯債務」のように、夫婦の両方が実質的に債務を負っているケースでは、2人分の控除を受けたほうが有利な場合があるということです。

(どちらかが連帯保証人になっている場合は、「連帯保証人」は債務者ではないので、住宅ローン控除を受けることはできません)

 

・売却時のダブル特別控除

マイホームを売却した場合、利益(売却益)があれば、その利益(譲渡所得)に対して課税されます。

しかし、「3,000万円特別控除」という税制上の優遇措置があり、利益の額から3,000万円を課税価格(税金を計算する価格)として差し引くことができるので、大幅な節税になります。

また、夫婦で共有している不動産については、「夫婦それぞれ」が譲渡所得から3,000万円を控除できるので、こちらも有利です。

 

■共有名義のデメリット

次に、共有名義のデメリットを考えてみましょう。

・共有者全員の同意が必要

不動産を売却したり抵当権を設定したりするには、共有者全員の同意が必要になります。

つまり、不動産が共有されている場合、単純に不動産全体を売却することはできず、他の人が反対すれば自分の持ち分だけを売却することになります。

 

・登記費用が2倍に

夫婦で1つの住宅に対して、それぞれが住宅ローンを組み、抵当権を設定した場合、登記費用は2倍になります。

 

・共有者が亡くなると、相続の対象となる

例えば、所有権が1つの物件の場合、所有者が死亡すると、法定相続人(民法で定められた範囲内の相続人)全員がその物件を共有することになります。

その不動産が相続人の1人以上の名義になっている場合は、相続時に遡って所有していたとみなされます。

これは、不動産が法定相続人の1人の名義になっていると、前述の「処分行為の制限」など、将来的に問題が生じる可能性があるからです。

 

また、相続前に共有していた場合、共有者の一人が相続すると、共有者の数が増えることがあります(これについても後述します)

共有者の数が増えれば増えるほど、合意形成が難しくなりますので、相続などで権利が変化するタイミングで「少数の共有者をまとめる」ことをオススメします。

 

■留意点

上記の問題点を考慮した上で、それでも共有名義での不動産購入を希望する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

 

・共有名義とペアローン

共有名義を登記する際には、所有権の割合を「◯分の◯」といった形で、合計の割合が100%になるようにする必要があります。

しかし、具体的にはどのように決めればよいのでしょうか?適当に「これくらいにしたい」とか「50/50でいいよ」と決めてはいけません。

重要なのは、「各共有者の出資比率やローンの負担比率に応じて、正確に持分を設定する」ことです。

例えば、3,000万円の住宅を購入する際に、妻が独身時代の貯金から300万円を頭金の一部として拠出し、残りの頭金とローンを夫が負担する場合、夫が9/10、妻が1/10が適切です。

妻の分が全く含まれていない場合は、妻が夫に300万円を贈与したことになり、夫に贈与税がかかります。

(年間110万円までの贈与は非課税なので、それを超える分は課税されます)

 

 

・離婚などによる名義変更

もちろん、最初から離婚を意識して家を買う人はいないでしょうが、人生にはうまくいかないことがあります。

単純に「財産ではなく、夫の持分を取ればいい」と考えているケースも多いようですが、これは危険です。

夫婦でローンを組んで財産を共有する場合、銀行の住宅ローン契約の条項に拘束され、銀行の許可なく所有権を変更することは通常、契約違反となります。

つまり、妻に夫の持ち分を引き継ぐだけの経済力があるのであれば、銀行と相談して残債を含めたローン全体の債務者となり、同時に夫の持ち分も引き継ぐべきなのです(もちろん、その場合は妻が再度銀行のローン審査を通過する必要があります)。

もし、夫の持分を勝手に妻に譲渡してしまうと、ローンの契約内容に違反することになり、残債の分割払いができなくなり、妻は全額を一括で返済しなければならなくなります。

それから、妻が夫の持分を移転せずに住み続けた場合も、もしも経済的理由で夫がローンの支払いができなくなった場合、夫の持分は容赦なく差押えられ、競売にかけられてしまう可能性があります。

 

・共有者(夫)が亡くなった場合

共有者(夫)が死亡して相続が発生した場合、法定相続人(民法上の相続人)全員が不動産を相続する権利を有しており、法定相続人全員で遺産分割協議を行って相続人を決定することになります。

 

例えば、子供が2人いる場合は

夫の1/2の持分は妻にその1/2、
子供にその1/4がそれぞれ相続される形になりますので、
妻が3/4、子供がそれぞれ1/8ずつ持分を所有することになります。

共有持分の相続人が複数いる場合は、一人に絞るのが最善です。

何故ならば、今後さらに、孫、ひ孫の代まで持分が分かれて相続されていった場合、管理や処分が困難となり、いずれ誰も管理しない空き家状態となってしまう可能性があるからです。

 

■共有名義の物件を売却したい場合は?

では、すでに共有名義になっている不動産を売却したい場合はどうすればよいのでしょうか。

 

売却するには共有者全員の同意が必要です。

前述の通り、共有名義の不動産を売却するには、共有者全員の同意が必要ですが、実際にはなかなかうまくいかないことが多いようです。

例えば、現在所有している共有者は売却したくないが、他の共有者は売却したいと考えている場合や、そもそも売却したいと考えている共有者が他の共有者に連絡してもうまく対応してくれない場合などです。

また、当事者同士で話し合いを迫られると、人間関係の問題に発展することもあります。

 

・専門の買取業者に査定依頼する

では、共有者と意見が合わない場合や、話し合いができない場合はどうすればいいのでしょうか。

法的には、自分の持分しか処分できませんが、これを利用して、共有持分を専門に扱っている不動産業者に売却することができます。

あなたと関係のない一般の方が、あなたの持分を購入することはできないでしょう。

 

しかし、そのような共有持分を専門に扱っている不動産業者は、持分を売りたいと思っている当事者の持分だけを購入してくれるかもしれません。

持分が購入されると、残りの当事者との間で、単一の所有権を作るための交渉が行われます。

購入価格は、不動産全体の市場価格×持分の割合よりもかなり低くなりますが、面倒な共有関係から解放され、迅速に不動産を売却できることを考えるとメリットは大きいです。

 

■まとめ

不動産を共有名義にすることは、税金の控除などのメリットがある一方で、相続によってさらに共有者が増えるリスクや、各共有者が自由に売却できないなどのデメリットもあります。

共有持分を売却するかどうかで意見が分かれた場合には、共有持分だけを売却して、不動産全体を売却しないことも可能ですので、共有持分を専門に買取する会社に相談するのも一つの方法です。

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