共有持分【基礎知識】

共有持分のリスクとは? 共有状態はなぜリスクが高いのか?

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親や祖父母からの相続、夫婦でのマイホーム購入が発生した場合、共有不動産を所有することになります。知識がないまま共有不動産を所有してしまうと、後々大きなトラブルに発展しかねません。

これから共有不動産を検討されている方は、共有不動産のリスクについて事前に把握しておきましょう。

本稿では、共有持分のリスクと回避方法をセットで解説しますので、すでに共有状態にあり、何らかのトラブルを抱えている方は、共有状態の解消方法について参考にしてください。

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なぜ「共有持分」状態はリスクがあるのか?

共有持分を持つことのリスクを考える前提として、財産権(物に対する権利)の基本的な考え方を確認しておきましょう。日本の法律では「一物一権」が原則です。

具体的には、下記のような内容を意味しています。

  • 権利の対象は単一のものでなければならない。
  • 一つの物に対して一つの権利しか存在しないこと。

不動産でも、原則として「1つの不動産に対して2つの所有権(完全に無制限の所有権)」が対立することはありません。所有権と抵当権は別の権利なので、1つの不動産に共存させても「一物一権」の原則に反することはないのです。

ただし、全く同質の所有権を持つ場合には、共有権を共存させることができないという原則からすると、共有状態は例外であるとわかります。

それを踏まえると、共有持分には以下のようなリスクがあるといえます。

  • リスク①:手を加えるには他の共有者の同意が必要
  • リスク②:分割請求のリスクがある
  • リスク③:価値が低くなる

次項より、個別に解説していきます。

リスク①:手を加えるには他の共有者の同意が必要

2人以上の当事者が不動産を共有している場合、全員が「自分の持ち分に応じて」不動産全体を使用できてしまいます。つまり、各共有者は自分の使用権を持っていますが、他の共有者の使用権を損なうことは可能なのです。

そのため、共有者は“ある程度の不便さ”を受け入れなければならず、単独所有の場合とは異なり、自分の思うように不動産を処分したり変更したりすることはできなくなってしまいます。

具体的な制限事項をみてみましょう。

変更・処分行為

変更や処分の行為には、すべての共有者の同意が必要です。変更・処分の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 不動産を売却したり、質権を設定したりすること
  • 田畑を宅地化したり、建物の大規模修繕を行うこと
  • 分筆、合筆などを行うこと
  • 増改築をすること
  • 長期賃貸借をすること

管理行為

管理行為とは、共有不動産売買の性質を変えない範囲での使用・改良行為です。管理行為については、各共有者の持分の過半数によって決定されます。

管理行為の例としては、以下のとおりです。

  • 対象物の使用方法の決定
  • 賃貸借契約の締結(長期賃貸借は処分行為となる)
  • 一般賃貸借契約における賃料の減額

保存行為

保存行為は、各共有者が各自の判断で行えます。例えば、次のようなものです。

  • 非所有者を排除するための明渡し請求または抹消登記
  • 共有物件の修繕

特に賃貸物件では、外部の人間(入居者)との関係を調整するためには、共有者の合意が前提となるケースも多々あります。共有者の数が多ければ多いほど、小さな調整が難しくなるでしょう。

自分の持分は自由に処分できる

自分の持分だけを処分したい場合は、自分の判断で処分できます。他の共有者の協力を得ず、自分の持分を自由に売却、あるいは抵当に入れられるのです。

もし自分の持分を売却し、それが共有者間で引き継がれた場合は、購入者は他の共有者と新たな共有関係を結ぶことになります。

相続で権利関係が複雑になる

経年とともに、共有者の一部または全員が死亡して「相続」が発生し、関係者の数が増えると、問題はより深刻になります。

2人から4人、8人……と人数が増えてくると、合意形成が段々と難しくなり、共有不動産の変更や処分、管理が事実上不可能になることもあります。

そのため、共有者の人数が少ないうちに共有状態を解消したり、共有人数を減らしたりして、リスクを軽減する措置をとるようにしましょう。

リスク②:分割請求のリスクがある

共有状態のまま放置して、他の共有者からの共有解消要求があったとします。その際、要求に応じないでいると、訴訟を起こされて分割請求を迫られかねません。

共有物分割訴訟を提起するための正式な要件は、「訴訟提起前に協議を尽くしても合意に至らないこと」ですが、これについてもいくつかの解釈があります。例を挙げると、以下のとおりです。

  • 実際の協議が不調に終わった場合
  • 最初から相談を受けることを拒否した者がいる場合
  • 契約が成立したにもかかわらず、その履行を拒否している人がいる場合

上記のような場合には、訴訟に発展する可能性があります。したがって、他の共有者から分割要求を受けた場合には、それを真摯に受け止め、共有関係を解消するためにはどのような方法がベストなのかを検討するのが賢明です。

リスク③:価値が低くなる

共有持分のままでは、所有不動産の価値も低くなってしまいます。例えば、1/2の権利を持っている人が、自分の持分だけを売却することになった場合、売却価格は、不動産全体を売却した場合の1/2以下の金額になってしまうのが一般的。

これは、共有持分を買ったとしても、通常の不動産の使用よりもはるかに制限されてしまうため、買い手側にもリスクがあることが理由です。

共有持分のリスクを回避する方法

では、共有関係を解消することで、共有持分のリスクを回避できます。具体的には、次のとおりです。

  • 現物分割
  • 価格賠償
  • 換価分割
  • 自分が買い取る
  • 他の共有者に売却
  • 第三者へ売却
  • 持分放棄
  • 共有物分割請求

以下より、個別に解説します。なお、共有持分のメリットについては以下の記事でも説明していますので、あわせて判断材料にしてください。

関連記事:不動産共有のメリット・デメリットとは?マイホーム購入の際の判断基準を紹介

現物分割

現物分割とは、不動産をそのまま分割して、各人の単独財産とすることです。土地を物理的に分割することは「分筆」と呼ばれます。

ただし、分筆された不動産の取り分は元の取り分と同じになりますので、各人が自分の持分を相手に譲渡しなければなりません。

価格賠償

価格賠償とは、共有不動産を一人だけが所有し、他の共有者に代償金を支払う分割方法です。

実際には、共有関係を解消しようとする一人が、その不動産を自分だけのものにしたいと考えている場合が多く「その人が不動産を取得することが適切かどうか」「適切な価格補償をどうするか」について、裁判で争われることがあります。

換価分割

共有状態にある不動産全体を売却し、売却益を均等に分ける方法です。全員が等しく金銭を受け取ることになるため、不公平感の少ない方法といえるでしょう。

自分が買い取る

実際に不動産の管理や固定資産税の支払いも行なっていて「自分が買い取りたい」という場合は、他の共有者へ買い取りを申し出られます。

単独所有になれば管理負担が大幅に軽減され、土地などの管理方法をすべて自分で決めることができるようになります。

他の共有者に売却

条件に問題がなければ、各共有者は自分の持分を自主的に売却することができます。不動産を相続したものの、管理や保有をするつもりのない共有者は、条件が合えば他の共有者に売却するのも選択肢の1つです。

前述のように、一人が他の共有者の持分をすべて買い取るのが望ましいですが、単に共有者の数を減らすために売却する場合もあります。

第三者へ売却

相続で共有持分を所有することになった場合、共有者全員が継続して保有することを望まない不動産については、できるだけ早く売却するのが望ましいでしょう。

なぜなら、不動産を保有し続けると、その間の固定資産税やその他維持費が発生するため。その不動産が原因で発生した問題(老朽化した建物が倒壊して通行人に怪我をさせる危険性など)についても責任を負わなければならないからです。

売却を決めてからも、買い手が見つかるまでに数年かかることも珍しくありませんので、早い段階から専門家に相談しましょう。

持分放棄

持分放棄とは、共有関係からの離脱を希望する共有者が、民法255条に基づき、放棄の意思を通知する行為です。これは契約とは異なり「単独行為」と呼ばれる法律行為ですので、放棄の意思表示をすることで、相手の同意がなくても実行できます。

共有物分割請求

共有を解消するための手続きとしては、「共有物分割」も選択肢になるでしょう。具体的な手順は以下のとおりです。

Step1:共有物分割協議いきなり裁判をするのではなく、まずは話し合いで持分分割を試みる。
Step2:民事調停の実施分割方法や価格などについて合意が得られない場合は、裁判所が関与して具体的な内容を取り決める。
Step3:共有物分割請求訴訟決着がつかない場合は、最終的に裁判所が分割の種類(現物分割、価額賠償、換価分割)とその内容を決定する。

何もしないで自然に共有者がいなくなることはないため、共有状態にリスクを感じたら、早めに共有者の解消を検討しましょう。

まとめ

不動産の共有持分を持っていると、自分一人では不動産の処分や変更、管理ができないため、不動産の利用や利益が制限されることがリスクといえます。

自分の持ち分だけを売却することは可能ですが、不動産全体を売却するには当事者全員の合意が必要であり、共有者の数が増えれば増えるほど難しくなるでしょう。

共有不動産の分割について当事者が合意できない場合は、裁判になってしまうこともあります。リスクを感じる場合は共有持分を専門的に買い取ってくれる業者への相談も検討しつつ、共有状態の早期解消を目指しましょう。

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この記事の監修者

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松本 大介(司法書士)

得意分野:相続全般、遺言書作成、不動産売却
お客様に「君にまかせてよかった」「君だから依頼したんだよ」そう言っていただけることを目標に、この仕事に誇りを持って取り組んでおり、お客様の立場に寄り添い考えるよう心がけています。

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