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滅失登記は、火災や自然災害、解体などにより建物が物理的に存在しなくなったことを正式に記録するために行われる手続きです。
これにより、登記簿から建物の記録を削除し、正確な不動産の状態を反映させられます。
今回の記事では、滅失登記の概要や手続きの流れ、必要な書類、費用について詳しく説明します。滅失登記について包括的に理解したいとお考えの方は、ぜひお役立てください。
訳アリ物件専門のワケガイ編集部について
「ワケガイ」のコラムは、相続した空き家、共有持分、再建築不可物件、借地・底地など、いわゆる“訳あり不動産”にお悩みの方が、売却・処分・活用の判断を正しく行えるようにすることを目的に運営しています。私たちは運営会社・株式会社ネクスウィルが訳あり不動産の買取実務で培った一次情報にもとづいた記事づくりを徹底しています。
編集ポリシー・コンテンツ制作方針の詳細滅失登記とは
住宅や店舗などの建物に関しては、その構造や所有者情報をはじめとする詳細が客観的に分かるように法的な手続きを経て登記されています。
この登記制度のなかで、建物が解体や自然災害などにより物理的に存在しなくなった際、その状況を正式に記録する登記のことを「滅失登記」といいます。
不動産登記は主に二つの部分に分かれています。ひとつは表題部登記で、ここには建物の構造、面積、建築年などの物理的特徴が記載されます。もう一方は権利部登記で、ここには建物の所有者の情報や抵当権などの権利関係が記録されています。
通常、建物はこのように登記されているため、その状況に変更が生じた際(例えば建物の滅失)は、その変更を登記記録に反映させる必要があります。

丸岡 智幸
代表取締役 / 株式会社ネクスウィル
分けて「表示登記(表示に関する登記)」と「権利登記(権利に関する登記)」があります。「表示登記」はその不動産がどこにあり、面積はどれくらいか、どういう用途で使用されているのかといった基本的な情報を記載し、不動産を特定するためのものです。
出典: 丸岡智幸『拝啓売りたいのに家が売れません』
滅失登記の期限
建物の所有者や登記名義人は、建物が滅失した日から1ヶ月以内に滅失登記を申請する義務があります。
この義務を怠った場合、10万円以下の過料に処されることが法律で定められています。この短い期間内に申請する必要があり、さらに罰則が存在するため、建物の滅失を受けて迅速な対応が求められます。
滅失登記の申請を行う人
滅失登記の申請は、建物の所有者が行います。建物が複数人で共有されている場合でも、共有者の一人が単独で申請することが可能です。
さらに、解体時点で所有者がすでに亡くなっている場合は、相続人の中から一人が代表して滅失登記の申請を行えます。
滅失登記を行なっていないとどうなる?

滅失登記を放置すると、過料の可能性だけでなく、売却や名義整理の遅れ、将来の書類収集負担につながることがあります。
滅失登記を怠ると、複数のリスクに直面する可能性があります。
これには、過料の支払い、固定資産税の継続的な課税、土地の売却や再建築の障害などが含まれます。
たとえ建物がすでに取り壊されていても、その事実が地方自治体に知られなければ、固定資産税は引き続き課され続けます。土地を売却しようとする際に、登記簿上に建物の記録が残っていると、売却プロセスに支障を来す可能性がある点には留意しましょう。
滅失登記の必要書類

滅失登記では基本書類に加え、相続や住所変更、代理申請などの状況に応じて追加書類が必要になります。
滅失登記の際には、次の書類が必要になってきます。
- 建物滅失登記申請書
- 建物滅失証明書(取り壊し証明書)
- 解体業者の資格証明書
- その他
以下より、個別にみていきましょう。
建物滅失登記申請書
建物滅失登記申請書は、法務局のウェブサイトにある「不動産登記の申請書様式について」から様式と記載例を入手できます。
申請書には、申請人の住所・氏名や連絡先のほか、建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積、滅失した原因と日付などを記載します。建物に関する情報は、登記記録と食い違わないよう確認してから記入することが大切です。
自分で申請する場合は、法務局が公開している記載例を確認しながら作成すると、記入漏れを防ぎやすくなります。
建物滅失証明書(取り壊し証明書)
建物滅失証明書は、建物を取り壊した事実を証明するための書類で、一般的には解体工事を行った業者に発行してもらいます。
「取り壊し証明書」「建物取毀証明書」などと呼ばれることもあります。
建物を解体してから時間が経過している場合や、解体業者が廃業している場合などは、証明書を用意できないこともあるでしょう。その場合でも直ちに申請できなくなるとは限らず、上申書や建物が現存しないことを示す資料などによって手続きを進められるケースがあります。
必要な代替資料は個別の事情によって異なるため、証明書を用意できない場合は申請前に管轄の法務局へ相談するとよいでしょう。
解体業者の資格証明書
解体業者が法人の場合は、代表者の資格を証する書面や印鑑証明書などが必要になることがあります。
個人事業主が解体した場合は、解体業者本人の印鑑証明書などを確認します。
法人の会社法人等番号を申請書へ記載することで、代表者の資格を証する書面を省略できる場合があります。
必要となる証明書や省略できる書類は申請内容によって異なるため、提出時点の法務局の様式や案内を確認しておくと安心です。
その他
建物の所有者の状況に応じて、以下の書類が必要となるケースがあります。
- 住所変更が証明できる書類(住民票や戸籍謄本など)
- 氏名変更が証明できる書類(戸籍謄本や除籍謄本など)
- 代理権限証書(委任状)
- 被相続人(亡くなった人)との相続関係を証明する書類(所有者の戸籍謄本と除籍謄本、申請者の戸籍謄本など)
登記事項証明書の住所・指名が異なる場合、それぞれを示す「住所変更が証明できる書類」「氏名変更が証明できる書類」が必要です。さらに、所有者(存命)が申請できないなら「代理権限証書(委任状)」。すでに死亡しているケースでは、被相続人(亡くなった人)との相続関係を証明する書類が求められます。
滅失登記の申請手順

滅失登記は、必要書類を法務局へ提出し、手続き完了後に登記完了証を受け取る流れで進みます。
滅失登記の申請手順は、大きくは以下の2ステップに分けられます。
- Step1.滅失登記に必要な書類を法務局へ提出する
- Step2.登記完了証を受け取る
それぞれ、個別に解説します。
Step1.滅失登記に必要な書類を法務局へ提出する
必要書類を準備したら、建物の所在地を管轄する法務局へ提出します。
基本となるのは建物滅失登記申請書と建物滅失証明書です。解体業者が法人である場合は資格証明書や印鑑証明書などが必要になることがあり、所有者の住所・氏名が登記記録と異なる場合や、相続人が申請する場合、代理人へ依頼する場合には、それぞれ事情に応じた追加書類を求められます。
一方、権利証や登記識別情報通知は、通常の建物滅失登記で基本書類として提出するものではありません。
提出方法には法務局の窓口への持参や郵送があります。書類の要否を判断しにくいケースでは、提出前に管轄法務局へ相談しておくと手戻りを防ぎやすくなります。
Step2.登記完了証を受け取る
申請内容に問題がなければ、登記が完了した後に登記完了証を受け取ります。
完了までにかかる期間は、管轄する法務局や申請時期、書類の補正や実地調査の有無などによって異なります。そのため、全国一律に「1〜2週間」と考えるのではなく、管轄法務局が公表している登記完了予定日を確認するのが確実です。
郵送で登記完了証を受け取る場合は、登記処理の期間に加えて郵送に必要な日数も見込んでおきましょう。
滅失登記の必要書類と法務局についてよくある質問
滅失登記の必要書類と法務局についてよくある質問は、以下のとおりです。
- 滅失登記は自分で申請できますか?費用はいくらですか?
- 土地と建物の所有者が違う場合は?
- 滅失登記の委任状が必要なケースは?
- 滅失登記で解体証明書がなくても申請できますか?
- 滅失登記の謄本はどうやって取りますか?
それでは、それぞれの質問とその回答を紹介します。
滅失登記は自分で申請できますか?費用はいくらですか?
建物の所有者本人であれば、土地家屋調査士へ依頼せず、自分で滅失登記を申請できます。滅失登記そのものには登録免許税がかからないため、自分で手続きする場合に必要となる主な費用は、登記事項証明書や地図などの取得費用、郵送費などです。必要な書類によって増減しますが、800〜1,500円程度を一つの目安として考えられます。
土地家屋調査士へ依頼する場合の費用は3万〜5万円程度が目安です。日本土地家屋調査士会連合会の令和4年度調査では、建物滅失登記の報酬額は全国平均で約4.8万円となっています。相続が絡んでいる場合や、必要書類が揃わない場合など、自分での判断が難しいケースでは土地家屋調査士への依頼も検討するとよいでしょう。
土地と建物の所有者が違う場合は?
土地と建物の所有者が異なる場合、土地の所有者は建物の所有者ではないため、第三者の建物を自ら滅失登記することはできません。しかし、実際には建物が存在しないにもかかわらず登記記録が残っている場合などは、土地所有者から法務局へ申し出を行い、職権による滅失登記を促す方法があります。
滅失登記の委任状が必要なケースは?
建物の所有者本人以外が代理で申請する場合には、委任状が必要です。土地家屋調査士へ滅失登記を依頼する場合も、所有者から土地家屋調査士への委任状を作成します。
滅失登記で解体証明書がなくても申請できますか?
解体証明書を用意できない場合でも、事情によっては滅失登記を申請できる可能性があります。たとえば、解体業者がすでに廃業している場合や、解体から長期間が経過して書類が残っていない場合には、証明書を取得できないこともあるでしょう。そのようなケースでは、証明書を用意できない事情を説明する上申書や、建物がすでに存在しないことを確認できる資料などを使って手続きを進めることがあります。ただし、必要となる資料は個別の事情や法務局の確認内容によって変わります。解体証明書がない場合は、代替資料を自己判断でそろえる前に管轄法務局へ相談するとよいでしょう。
滅失登記の謄本はどうやって取りますか?
建物の滅失登記が完了すると、その建物の登記記録は閉鎖されます。過去の登記内容を確認したい場合は、通常の登記事項証明書ではなく、閉鎖事項証明書を請求します。閉鎖事項証明書は法務局の窓口のほか、郵送やオンラインによる証明書請求も可能です。請求する際は、対象となる建物の所在や家屋番号などを確認しておきましょう。
単に滅失登記が完了したことを確認する目的であれば、登記完了時に交付される登記完了証を利用できる場合もあります。提出先から特定の証明書を指定されている場合は、その指定に合わせて取得することが大切です。
まとめ
滅失登記は、建物がなくなった事実を法的に確定させ、登記簿を正確に保つために不可欠です。
滅失登記は、登記簿を正確に保つために不可欠なプロセスであり、適切な手続きを行うことで将来的な問題を避けられます。
ただし、滅失登記の手続きや必要書類の収集・作成には専門的な知識が求められます。不明点がある場合や、より複雑なケースでの対応が必要な場合は、専門家に相談しましょう。
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運営団体 2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。 訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。 経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。 これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。 |












