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共有持分の売却時に起こるトラブル例を紹介!対処法を把握して、安全に売却しよう

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こんにちは。ワケガイ編集部です。

共有名義の不動産は、利用ルールの複雑さや意思決定の難しさから扱いにくく、売却に踏み出そうとした途端に状況が動かなくなるケースが多々あります。

相続をきっかけに共有状態が続いている物件では、感情面の行き違いが残っている。あるいは持分の扱いに誤解があるといった事情から、思うように整理を進められないまま時間だけが過ぎてしまうことも珍しくありません。

第三者へ売却したあとの関係性やトラブルの可能性まで考えると、早い段階で全体像を理解しておく必要があるのが共有持分という所有形態です。

そこで本記事では、そんな共有持分の売却時に起こりやすいトラブルとその回避策を詳しく解説します。

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目次

共有持分の特徴

共有名義の不動産は、単に所有者が複数いるというだけでは語り切れない独特の性質を持っています。相続や離婚をきっかけに共有状態になる方が多く、「名義を複数人で持つ」と聞くと、何となく平等で扱いやすいように思えるかもしれません。

共有持分の特徴

しかし、法律上の権利構造と実際の使われ方にはズレが生じやすく、その点が後のトラブルの火種になることがあります。

ここからは、共有持分がどのような仕組みで成り立っているのかを理解するうえで、とくに押さえておきたい2つの特徴を解説します。

単独で処分できる一方、単独では自由に利用できない

共有持分の特徴として最初に知っておきたいのは、「売る自由」と「使う自由」の扱いが異なる点です。共有者は、自分が持っている持分を単独で第三者へ売却できます

相手の同意を得る必要はありません。相続で共有状態になった際、「自分の持分だけでも手放したい」という事情を抱えている人にとっては、この仕組みが出口のひとつになります。

一方、建物や土地そのものの利用となると話が変わります。例えば、自分の持分が2分の1でも、他の共有者の同意がなければ勝手に建物を改修したり、その土地を排他的に使ったりすることはできません。

共有物はあくまで「全員で持っているもの」という前提があり、使い方を決めるには共有者の意思が影響します。この“売る自由と使う制約”の非対称性は、一般的な単独不動産とはまったく違った取り扱いであり、共有不動産ならではの複雑さを生み出しています。

他の共有者と意思決定を行う必要がある

共有持分のもうひとつの大きな特徴は、物件に関する意思決定が単独では完結しない点です。例えば、建物の修繕や賃貸に出すかどうかといった、物件の価値や状態に関わる決定は、共有者同士の合意が前提になります。共有者が3人なら3人、それぞれの事情や考え方が異なるため、思うように話が進まないことは珍しくありません。

この構造は、とくに相続で共有状態になった不動産で現れやすい傾向があります。生活の拠点が異なっていたり、不動産への思い入れに温度差があったりすると、議論がかみ合わず、結論が出ない状態が続きます。

相続から何年も話し合いがまとまらないまま、管理の負担だけが増えていく例も見られます。

関連記事:共有者が行方不明の場合の対処方法について詳しく解説

持分割合と実際の支配力が一致しない場合がある

共有不動産では、登記上の「持分割合」と、現実にどれだけその物件を動かせるかという「影響力」が一致しないことがあります。

持分が大きければ発言力も強いように思えますが、実際の意思決定は多数決ではなく、内容ごとに必要とされる同意の範囲が異なります。

例えば、簡単な修繕は単独でも進められる一方、建物の取り壊しや大規模な改修など、物件の価値に大きく関わる判断には共有者全員の合意が必要になります。結果として、持分が少ない共有者でも反対すれば物件の処分が進まない状況が生まれます。

こうした不均衡は、相続で兄弟が3分の1ずつ持っているケースより、特定の共有者だけが持分の一部を第三者へ売却し、新たな共有者が加わった場合に顕著です。

物件の管理に関心がない共有者でも、権利として発言できるため、管理や売却の話し合いが滞りやすくなります。逆に、持分は少なくても物件を実際に利用している人の意向が強く働く場面もあります。

相続・離婚など感情的背景を伴う共有が多い

共有不動産が難しいと言われる理由の一つに、法的な仕組みだけでは説明できない“感情の問題”があります。共有状態が発生する典型例は相続と離婚ですが、どちらも当事者の心情が揺れやすい局面です。

相続では、故人との関係性や生前の事情が共有者間で異なり、その温度差が話し合いに影響します。兄弟間での長年のしこりが不動産の扱いを巡って表面化することもあり、冷静に議論ができない状況に陥ることがあります。

一方が売却を望んでいても、もう一方が応じない理由に「気持ちの整理がつかない」ことを挙げる例は多々あります。表向きの理由は別にしても、根底には感情が横たわっています。

 

共有持分の売却方法

共有持分を手放したいと考えたとき、どこへ売るかによって手続きの流れもリスクも大きく変わります。他の共有者との関係性や物件の状態、過去の経緯などによって最適な選択肢は異なるため、まずは売却ルートの特徴を把握しておくことが大切です。

代表的な共有持分の売却方法としては、次のものが挙げられます。

  • 方法①:共有者へ持分を買い取ってもらう
  • 方法②:第三者へ持分のみを売却する
  • 方法③:共有持分の買取専門業者に売却する

次項より、個別にみていきましょう。

方法①:共有者へ持分を買い取ってもらう

共有者同士で話し合いができる場合、もっともシンプルな売却方法が「残っている共有者に買い取ってもらう」形です。共有状態を解消できるため、購入する側にとっても将来の管理が楽になるというメリットがあります。

売却する側も、第三者が新たな共有者として加わることによるトラブルを避けられる点は大きな利点です。

もっとも、この方法が成立するのは、共有者が買い取る意思と資金力を持っている場合に限られます。相続で共有になった物件では、兄弟姉妹の一部が「手放したいが、買い取る余裕はない」という状況に陥るケースもあります。

価格交渉で折り合いがつかず、話し合いが長期化しかねません。持分の価値が市場価格と直結しない点もネックで、「高すぎる」「安すぎる」という不満が出やすいのです。

方法②:第三者へ持分のみを売却する

共有者間での調整が難しいときは、外部の個人や投資家に持分のみを売却する方法があり、共有者の同意は不要で、法律上は単独で契約を成立させることができます。そのため、早く現金化したい人にとっては出口が確保されているという安心感があります。

ただし、物件全体を自由に使えるわけではないので、持分だけを購入したい人は多くありません。一般の買主よりも、共有物の扱いに慣れた投資家や専門的な買い手が中心になります。買主が新たに共有者として関わり始めることで、残った共有者と衝突することもあります。利用ルールや立ち入りの扱い、将来の管理方針など、さまざまな面で調整が必要になることが多いのです。

方法③:共有持分の買取専門業者に売却する

共有状態の不動産に特化した専門業者へ売却する方法は、近年利用が増えています。一般の買主や共有者との交渉を省略でき、査定から契約、現金化までのスピードが速い点が特徴です。

共有不動産の扱いに慣れているため、複雑な権利関係にも対応でき、必要書類や売却後の流れまで含めてサポートが得られるケースもあります。

とはいえ、専門業者であっても条件はさまざまで、説明の丁寧さや料金体系のわかりやすさには差が出てきます。共有者への連絡の取り方や交渉姿勢が適切かどうかも業者選びの大きなポイントになります。

共有不動産は少しのすれ違いで関係がこじれやすいため、業者の介入が原因で共有者同士の対立が深まるケースも見られます。

 

共有持分を売却した場合に起こるトラブル例

共有持分の売却は、持分だけを手放すという点で通常の不動産取引とは性質が異なります。売却した本人は共有状態から離れられる一方で、残された共有者は新たに第三者と共同で所有することになります。

代表的なトラブル例としては、次のものが挙げられます。

  • 共有者との関係が悪化し、話し合いが困難になる
  • 新しい共有者から使用料(賃料)を請求される
  • 買主と利用ルール・立ち入りを巡って衝突が生じる
  • 売却条件や価格を巡っての認識違いが発覚する
  • 共有物分割請求訴訟を起こされる可能性がある
  • 業者との契約内容に食い違いがあり紛争に発展する

それぞれ詳しく解説します。

共有者との関係が悪化し、話し合いが困難になる

共有持分を第三者へ売却すると、残った共有者の間で不信感が生まれやすくなります。「相談もなく外部の人へ売った」と受け止められると、これまで築いてきた関係が揺らぎ、今後の協議が難しくなることがあります

共有不動産では管理方法や固定資産税の分担など、共同で決めなければならない事項が多々あります。ところが、人間関係がぎくしゃくすると、こうした話し合いが成立しにくくなり、管理が滞るケースが見られます。
(参考:総務省「固定資産税」)

相続を背景とする共有では、この傾向がとくに強くなります。兄弟姉妹の間に価値観の違いや言いづらさが残っている場合、持分売却をきっかけに感情面の対立が表面化することがあります。法律上は単独で売却できても、現実の関係性に影響が及ぶ点は意識しておきたいところです。

新しい共有者から使用料(賃料)を請求される

持分を売却すると、新しい買主が共有者として加わります。残った共有者が建物に住んでいたり、土地を単独で利用していたりすると、買主はその状態を「排他的な利用」と捉えることがあります。

民法では、共有物を一人だけが占有している場合、他の共有者が使用料相当額を求めることができるとされています。これが根拠となり、「自分は使えないのに、あなたは自由に使っているのだから費用を負担してほしい」と請求が行われることがあります。
(参考:e-Gov 法令検索「民法」)

こうした場面では、利用実態の認識が双方で異なることが多く、話し合っても溝が埋まらないケースがあります。共有者が変わることによって、これまで曖昧に保たれていたバランスが崩れ、金銭的な要求として表面化することもあるため、共有状態にある物件では注意が必要です。

買主と利用ルール・立ち入りを巡って衝突が生じる

新しく共有者になった買主が、建物の内部を確認したい、敷地へ立ち入りたいなどと求める場面もあるでしょう。所有者として権利を持つ以上、状況把握を望むのは自然ですが、残った共有者が生活やプライバシーの面から抵抗を感じ、拒むことがあります。

このとき、どこまでが正当な立ち入りか、どこからがプライバシーの侵害なのかの線引きが難しく、双方の主張がぶつかることがあります。共有物は原則として共同利用が前提であり、利用の仕方については共有者同士の調整が求められます。

しかし、利用頻度や目的が合わないまま話し合いが進むと、相手が権利を主張しているのか、干渉しようとしているのかが分からなくなり、衝突へ発展しやすくなります。こうした摩擦は、共有状態が続く限りくり返し生じる可能性がある点も、見逃せない特徴といえます。

売却条件や価格を巡っての認識違いが発覚する

共有持分の売却では、一般的な不動産売買と異なる前提が多いため、契約後になって条件の受け止め方に差が生まれることがあります。持分だけを売る取引では物件全体の利用権が伴わず、評価額の算定根拠も特殊です。

市場価格と比較しにくい構造があるにもかかわらず、売主が通常の不動産取引と同じ感覚で臨むと、「聞いていた金額と違う」「相場より極端に安く売ってしまったのではないか」と感じる場面が出てきます。価格面だけでなく、引渡しの時期や残置物の取り扱い、共有者への通知範囲など、細部の取り決めも誤解を招きやすい部分です。

特に、買取業者や投資家と取引する場合は、提示された条件の意味を正確に理解していないと、売却後に食い違いが顕在化しやすくなります。

共有物分割請求訴訟を起こされる可能性がある

共有持分を購入した新しい共有者が、現状の共有状態を望まない場合、共有物分割請求訴訟を起こすことがあります。この訴訟は、共有状態そのものを解消するための手続きで、話し合いがまとまらない場合に裁判所へ申し立てるものです。

訴訟へ移行すると、最終的な処分方法を当事者が自由に選べるわけではなく、裁判所が競売を選択する可能性があります。競売になると、市場価格より低い金額で売却されることが多く、共有者全員にとって望ましくない結果になるでしょう。

この問題は、持分を売却した本人にも影響が及ぶことがあります。売却によって共有関係を離れたつもりでも、残された共有者が競売に巻き込まれることで、物件の処分自体が周囲の生活や相続計画に影響を与える場合があるためです。

業者との契約内容に食い違いがあり紛争に発展する

共有持分の売却に慣れていないまま業者へ相談すると、契約内容の理解不足からトラブルが生じることがあります。

共有持分の取引は通常の不動産売却と違い、権利関係の複雑さを踏まえた独自の契約条項が含まれることが多く、引渡条件、必要書類、費用負担の範囲など、細かな取り決めがいくつもあります

ところが、こうした前提を十分に説明しない業者も存在し、のちに「聞いていた話と違う」と感じる状況が生まれやすくなります。

さらに、買取価格の提示方法や手付金の扱い、解約時の責任範囲などが曖昧なまま契約を進めてしまうと、解釈のずれから紛争に発展することがあります。

共有不動産は関係者が複数いるため、ひとつの誤解が大きな問題につながりやすいのも特徴です。契約書を読んでも専門用語が多く理解しづらい場面があるため、不安がある場合には早い段階で専門家へ相談し、内容を確認してから進める姿勢が求められます。

 

トラブルを避けるために共有持分の売却前にやっておいた方がいいこと

共有持分を売却する際には、契約そのものよりも前段階の準備が結果を左右することがあります。共有不動産は関係者が複数いる上、権利関係の理解度に差があるため、事前のすり合わせが欠けたまま売却を進めると、後から条件面や利用方法を巡って対立が生じやすくなるのです。

そんなトラブルを避けるために確認しておきたい事項としては、以下のものが挙げられます。

  • 共有者間での利用状況・希望条件を事前に整理しておく
  • 不動産全体の価格と持分価値を客観的に把握しておく
  • 想定される利用権の扱いやリスクを事前に確認しておく
  • 契約条件・必要書類を確認し、説明不足を防いでおく

次項より、詳しく解説します。

共有者間での利用状況・希望条件を事前に整理しておく

共有状態のまま物件が使われている場合、誰がどの範囲を利用しているのか、管理負担をどう分けてきたかを共有者の間で確認しておかなければなりません。

これまでの利用実態を明らかにしておくと、新しい共有者が加わったあとに「占有状態が不公平だ」と指摘される可能性を減らせます。また、共有者それぞれが将来的にどのように物件を扱いたいのかを把握しておくと、売却後の見通しが立てやすくなります。

相続によって共有になった不動産では、利用していない共有者が状況を知らないまま話し合いに参加することも多く、情報不足が誤解の原因になることがあります。

関係性に問題がなければ、売却前に一度利用状況を整理し、共有者間で最低限の認識を合わせておくと、売却後の摩擦が起きにくくなります。

不動産全体の価格と持分価値を客観的に把握しておく

共有持分を売却する際には、「持分だけの価格」が単独不動産とは異なる点を理解しておく必要があります。物件全体の価値を知ることは前提ですが、その情報だけでは持分の適正価格は判断できません

持分の市場性は低く、自由な利用ができないため、実勢価格から大きく差し引かれることが一般的です。この構造を把握せずに売却を進めると、「相場より安く売られたのではないか」という不満につながり、業者や買主とのトラブルに発展する恐れがあります。

また、共有者間で買い取りを検討する場合も、第三者への売却を想定する場合も、不動産全体の評価額と持分の評価額は切り分けて考える必要があります。複数の提示を比べるうえでも、事前に全体価値と持分価値の双方を確認しておくと、判断を誤りにくくなります。

想定される利用権の扱いやリスクを事前に確認しておく

共有持分を売却すると、新しい共有者が加わり、利用権を巡る状況が変化します。どこまで立ち入りが認められるか、敷地や建物をどの程度使えるかといった点は、具体的に線引きがされていないことが多く、売却後に誤解が生まれやすい部分です。

また、残った共有者が物件を単独利用している場合には、使用料の請求が発生する可能性があるため、売却前に利用実態とリスクを整理しておく必要があります。

共有物分割請求訴訟の可能性も、共有状態では常に念頭に置くべき課題です。売却した持分を取得した相手が共有状態を嫌い、解消を求めるために裁判へ踏み切ることがあります。

競売に発展すると、物件全体が強制的に売却されるため、共有者の生活や計画に影響が生じることもあります。こうした実務上のリスクを把握しておくと、売却先を選ぶ際の判断がしやすくなります。

契約条件・必要書類を確認し、説明不足を防いでおく

共有持分の売却では、契約内容の理解度がトラブル発生率に直結します。持分の扱いは専門的な要素が多く、引渡しの条件、契約解除の規定、費用負担の範囲など、通常の不動産売却とは異なるポイントが含まれます。

これらを十分に把握しないまま契約へ進むと、売却後に「聞いていた話と違う」と感じる場面が生まれ、紛争へ発展することがあります。

とくに相続登記が終わっていない物件では、持分を売却する前に相続関係を整理しなければならないケースもあります。契約内容と手続きの流れを事前に理解しておくことで、余計な混乱を避けやすくなります。

 

共有持分の売却で発生する費用

共有持分の売却では、通常の不動産売却と同じ種類の費用がかかる部分もあれば、共有特有の事情によって追加で必要になる費用が生じる場合もあります。

代表的なものとしては、以下のとおり。

  • 譲渡所得税
  • 仲介手数料(※仲介による売却の場合)
  • 測量費・書類取得費などの実費
  • 所有権移転登記に関する費用(※持分をまとめる場合や名義変更が必要な場合)

以下より、詳しく解説します。

譲渡所得税

共有持分の売却で利益が出た場合には、通常の不動産と同様に譲渡所得税の対象になります。ここでいう利益とは、売却価格から取得費や売却にかかった費用を差し引いた金額で、単純に「売れた金額」に対して税金がかかるわけではありません

取得費が不明な場合や古い物件の場合には、概算取得費(売却金額の5%)を用いるケースもあり、計算方法によって税額が大きく変わることがあります。

共有持分は単独では売却価格が低くなりやすく、譲渡益が出ないケースもあります。ただし、取得費が不明または少額とされる場合には、売却価格によっては課税対象となる可能性があるため、事前の確認が必要です。

さらに、居住用財産の3,000万円特別控除は、共有持分の売却では使えるケースと使えないケースが分かれます。建物に実際に住んでいたかどうかが判断基準になるため、控除の可否は慎重に確認しておく必要があります。

関連記事:共有持分を売却した際にはどのような税金がかかる?

仲介手数料(※仲介による売却の場合)

不動産会社に仲介を依頼して共有持分を売却した場合、売買契約が成立すると仲介手数料が発生します。手数料の計算方法は通常の不動産売却と同じで、売却価格に応じて上限額が定められています

具体的には、売却価格が400万円を超える場合、「売却価格 × 3% + 6万円(税別)」が上限となります。

例えば、共有持分を300万円で売却した場合でも、仲介手数料の上限は「300万円 × 3% + 6万円=15万円(税別)」となり、売却額に対して無視できない費用になります。

共有持分は単独での需要が限られるため、売却価格自体が低くなりやすい傾向があります。その結果、手元に残る金額に対して仲介手数料の割合が高く感じられる点は、事前に理解しておきたいところです。

なお、仲介手数料は契約が成立した場合にのみ発生しますが、仲介による売却では、買い手が見つかるまでに時間がかかることもあります。

測量費・書類取得費などの実費

共有持分を売却する際には、物件の状態や権利関係によって、一定の実費が生じることがあります。すべての取引で必要になるわけではありませんが、土地を含む物件や、共有状態が長く続いている不動産では、売却の前提として確認や手続きが求められる場面が出てきます。

なかでも発生しやすいのが測量費です。境界が曖昧なままでは、買主が将来のトラブルを懸念し、売買をためらうことがあります。そのため、条件として測量を求められるケースがあります。測量の内容によって費用は大きく異なり、目安は次のとおりです。

  • 簡易測量:5万円〜10万円前後
  • 確定測量(境界標の設置を含む):30万円〜80万円程度

共有状態が続いてきた土地では、過去に正式な境界確認が行われていないことも多く、売却を進める段階で初めて測量が必要になることがあります。

また、売却手続きの中では、法務局や市区町村で取得する書類も複数あります。代表的なものとして、登記事項証明書や固定資産税評価証明書が挙げられます。

  • 登記事項証明書:1通600円
  • 固定資産税評価証明書:1通300〜400円程度

1通ごとの金額は大きくありませんが、相続が絡み、複数人分や複数年分を揃える場合には、合計で数千円から1万円前後になることもあります。

所有権移転登記に関する費用(※持分をまとめる場合や名義変更が必要な場合)

共有持分そのものを売却する場合、売主側には通常、所有権移転登記の費用は発生しません。

しかし、共有者同士で話し合いを行い、持分を買い取ってまとめる場合や、共有者の一人が持分を放棄して他の共有者へ名義を引き継ぐ場合には、登記費用が必要になります。これは、名義が移動する以上、法務局で正確な記録に置き換える義務があるためです。

費用の中心となるのが登録免許税で、不動産の固定資産税評価額に持分割合を掛け合わせ、その金額に税率(通常は2%)を乗じて算出します。売買による取得であれ、持分放棄による名義移転であれ、計算方法は基本的に変わりません。

<建物の登記にかかる税率>

内容税率
所有権の保存0.4%
売買または競売による所有権の移転2%
相続または法人の合併による所有権の移転0.4%
その他の所有権の移転(贈与・交換・収用等)2%

(参考:国税庁「登録免許税のあらまし」)

また、登記申請を司法書士へ依頼する場合には、依頼内容に応じた報酬が加わります。名義変更が複数人にまたがる場合や、遺産分割協議書の作成を伴う場合には、追加の手続きが必要になることもあります。

 

共有持分の売却は訳あり物件の専門業者に相談するのがおすすめ

共有持分の売却は、一般的な不動産取引とは異なる要素が多く、買主が限られる点が最大の特徴です。共有者間の関係性、持分の評価方法、利用権の扱いなど、通常の仲介売却では対応が難しい領域が含まれています。

そのため、共有持分を専門に買い取る業者へ相談すると、査定から契約までの流れがスムーズに進むケースが多く見られます。ただし、専門といってもサービス内容や対応品質には違いがあるため、業者を選ぶ際には慎重に見極める必要があります。

具体的には、以下のポイントが選定基準になります。

  • 選定のポイント①:共有持分の取引実績が豊富であるか
  • 選定のポイント②:買取条件・費用の説明が明確であるか
  • 選定のポイント③:共有者への対応スタンスが適切であるか
  • 選定のポイント④:秘密保持や個人情報管理が徹底されているか

それぞれ個別にみていきましょう。

選定のポイント①:共有持分の取引実績が豊富であるか

共有持分の取引には、専門的な判断が求められます。価格の算定方法、共有者への連絡の取り方、利用状況のヒアリングなど、通常の不動産売却より細かい配慮が必要になる場面が多いため、実績の少ない業者では対応に無理が生じることがあります。

取引実績が豊富な業者であれば、過去の事例から適切な進め方を把握しているため、共有者間の関係性に配慮しつつ手続きが運べることが期待できます。

また、実績がある業者は、共有持分特有のリスクを踏まえたうえで査定を行うため、価格の根拠がわかりやすい点もメリットです。売却後に共有者へどのような影響が及ぶ可能性があるかについても説明が得られやすく、手続きの全体像を把握したうえで売却の判断ができます。

選定のポイント②:買取条件・費用の説明が明確であるか

共有持分の売却でトラブルになりやすいのが、契約条件や費用の説明が不足している場合です。持分売却には一般的な不動産取引とは異なる費用や特有の条件が含まれるため、説明が曖昧だと、契約締結後に「聞いていた内容と違う」と感じるきっかけになります

信頼できる業者であれば、価格の根拠、必要経費、引渡し条件、共有者への通知の範囲など、細かな点まで丁寧に説明し、売主が不安を抱えないように配慮します。

また、解約時の取り扱いや、調査費用・書類取得費用の扱いが明確かどうかも確認しておきたいポイントです。

費用負担がどの場面で発生するのかを事前に理解しておけば、手続きを進める段階で混乱が生まれにくくなります。共有持分の売却では、手続きの途中で条件が変わることもあるため、疑問点にすぐ回答してくれる業者であることも安心材料となります。

選定のポイント③:共有者への対応スタンスが適切であるか

共有持分の売却では、売主本人だけでなく、残っている共有者との関係にも配慮する必要があります第三者が新たな共有者として加わることになるため、業者の説明や連絡の仕方によっては、共有者同士の関係がぎくしゃくする場合があります。

特に、共有者へ突然連絡を入れたり、売却を強引に進めるような姿勢を取る業者であれば、売主自身の信用にも影響が生じかねません。どのように共有者へ情報を伝えるのか、どこまで関与するのかといった点は慎重に確認しておきたいところです。

実務経験が豊富な業者であれば、共有者への伝え方に一律の“正解”がないことを理解しており、相手の状況に配慮しながら段階的にコミュニケーションを取る姿勢を示します。共有者に対して過度に圧力をかけたり、誤解を生む説明を行ったりする業者は望ましくありません。

選定のポイント④:秘密保持や個人情報管理が徹底されているか

共有持分の売却では、相続の事情、離婚の経緯、資金状況など、個人的な背景を含む情報を業者へ提供することになります。

そのため、情報管理の姿勢が曖昧な業者に依頼すると、意図しない形で共有者や第三者へ情報が伝わり、関係が悪化する可能性があります。特に、売却理由にデリケートな事情がある場合は、秘密保持の徹底が安心して取引を進めるための前提になります。

信頼できる業者であれば、本人の同意がない限り共有者へ内容を伝えないことを明確に説明し、情報の扱いについて文書で示すなど、取り扱い方針が整っています。

また、問い合わせ段階から個人情報の扱いが丁寧で、必要以上の情報を求めない姿勢も見受けられます。反対に、早い段階で共有者へ連絡することを促したり、売却理由を過度に聞き出そうとする業者は注意が必要です。

 

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FAQ:共有持分売却に関するよくある質問

共有持分の売却は、法律関係や税金、共有者との関係など、複数の論点が絡み合うため、個別の事情によって判断が分かれやすい分野です。

そこで以下では、共有持分の売却を考える際によく寄せられる質問を取り上げ、実務上の考え方を整理していきます。

共有持分を売却した場合、元の共有関係はどう変わるのか?

共有持分を売却すると、その持分を取得した買主が新たな共有者として加わります。残った共有者の権利内容は変わりませんが、今後の協議相手が第三者へ切り替わる点が大きな変化です。

利用ルールや立ち入りの扱いなど、従来の暗黙の取り決めが通用しなくなる場合もあり、共有状態のバランスが変わることがあります。

共有持分を売却したとき、3,000万円特別控除は適用できるのか?

3,000万円特別控除は「居住用財産の売却」が条件となるため、共有持分の売却でも一定の条件を満たせば適用できます。ただし、控除の対象となるのは“持分の売主自身が実際に住んでいた家屋とその敷地”であり、他の共有者が居住していた場合や、自分は住んでおらず持分だけを相続した場合などは対象外となります。

共有持分を利用して節税できるケースはあるのか?

共有持分を使った節税としてよく取り上げられるのは、相続税評価額の調整に関する話題ですが、実務では思ったより限定的です。共有状態では利用の自由度が低く市場価値が下がりやすいため、相続税評価額が単独所有より低くなることがあります。

共有持分を売却した場合の税金はどのように計算されるのか?

共有持分を売却すると、利益が出た場合には譲渡所得税が課税されます。計算式は通常の不動産と同じで、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡所得を算出し、その金額に税率(所有期間に応じて変動)を掛けて税額を求めます。

注意したいのは、持分売却では取得費の把握が難しいケースが多い点です。相続物件で取得費が不明な場合は、概算取得費(売却額の5%)を用いることがありますが、これが税額に大きく影響します。

 

まとめ

共有持分の売却は、権利関係の理解度や共有者同士の関係性によって進め方が変わります。利用状況や希望条件のすり合わせができていないまま動くと、売却後に予期せぬ摩擦が残ることがあります。

持分の価値、売却先ごとの特徴、共有者へ与える影響を一つずつ把握し、自身の状況に合った解決方法を選ぶことが大切です。特に、契約条件や税金の扱いは誤解が生じやすいため、不明点をあいまいにせず、必要に応じて専門家へ確認しながら進めましょう。

共有状態に負担を感じているなら、早めに選択肢を整理し、無理のない形で次のステップへ踏み出しましょう。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

松本 大介(司法書士)

得意分野:相続全般、遺言書作成、不動産売却
お客様に「君にまかせてよかった」「君だから依頼したんだよ」そう言っていただけることを目標に、この仕事に誇りを持って取り組んでおり、お客様の立場に寄り添い考えるよう心がけています。

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