不動産が相続財産に含まれると、相続人同士の話し合いが思うように進まず、関係が悪化してしまうケースが見られます。現金とは異なり、不動産は分割しづらく将来の負担についても考え方が分かれやすいためです。
本記事では、不動産相続でもめやすい理由や典型的なトラブル例、実際にもめてしまった場合の対応手順について解説します。

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共有持分の窓口の詳細はこちら不動産の遺産相続で揉める4つの理由

不動産を含む相続では自由に分けられないという特徴があります。トラブルになりやすい主な理由は以下のとおりです。
- 不動産は分割しにくく公平性の判断が難しいため
- 共有名義になると意思決定が複雑になるから
- 評価額・負担の認識が相続人ごとにずれやすいため
- 思い入れや感情の差が衝突を生みやすいから

丸岡 智幸
代表取締役 / 株式会社ネクスウィル
普通、遺産が多いほど相続で揉めるのではないかと思われがちですが、実は相続で揉めるのは遺産が少ないケース、特に遺産の多くが不動産のケースだと言われています。
出典: 丸岡智幸『拝啓売りたいのに家が売れません』
不動産は分割しにくく公平性の判断が難しいため
不動産には「一つの物を複数人で分けられない」という特徴があります。相続人が三人いても、家や土地そのものを三等分にして渡すことはできません。誰が不動産を引き継ぐのか、あるいは売却して現金化するのかといった判断が必要です。例えば、長男が実家に住み続けたいと考えていても、他の相続人が「売却して現金で分けたい」と主張するケースが見られます。
不動産の評価額にも差があり、固定資産税評価額・路線価・実勢価格など、どれを基準にするかで数百万円単位の違いが生まれることもあります。
共有名義になると意思決定が複雑になるから
不動産を相続すると、多くの場合は「共有名義」という形で複数人が権利を持つ状態になります。売却や大規模修繕には、原則として共有者全員の合意が必要です。(参考:e-Gov 法令検索「民法」)
共有名義が長くなると管理の負担にも偏りが生じます。また、売却の際に連絡が取れない共有者がいると契約が進まないというケースもあります。
関連記事:共有名義での相続登記はしても大丈夫?メリット・デメリットを詳しく解説
評価額・負担の認識が相続人ごとにずれやすいため
不動産の価値は、固定資産税評価額・路線価・実勢価格など複数の算出基準があり評価が大きく変わります。
そのため「この家はもっと高く売れるはずだ」「この立地では期待できない」と意見がそろわず、遺産をどう分けるか難しくさせています。
相続後の不動産には固定資産税や修繕や庭木の管理などの負担も発生します。その支払いを誰が担うのか、将来的な負担がどれ程あるのか、相続人それぞれの意見が対立することも少なくありません。
思い入れや感情の差が衝突を生みやすいから
不動産は単なる資産ではなく、家族の記憶や生活の痕跡が刻まれた場所でもあります。幼い頃に過ごした実家であれば、相続人ごとに抱く感情は大きく異なります。
特に、親と同居していた相続人と遠方に住む相続人の間では、家に対する価値の感じ方が大きく異なる傾向があります。
「親が暮らした家を守りたい」「固定資産税の負担が増える前に売却したい」と相続人によって優先するものが異なるケースは珍しくありません。誰かの記憶や思い入れが強いほど、協議の場で意見がぶつかりやすくなります。
不動産相続で揉める主な6つのケース

不動産相続では以下のように協議が難航して、相続人の間で揉めるケースがあります。
- 実家を誰が相続するかで意見が対立する
- 売却・維持・賃貸など方針が一致せず協議が進まない
- 共有名義のまま放置され管理負担が一部に偏る
- 相続人の一部が無断で居住・利用してトラブルになる
- 連絡不能の相続人がいて遺産分割協議が成立しない
- 生前贈与や援助への不公平感から配分争いが起きる
実家を誰が相続するかで意見が対立する
家の相続では相続人の立場や生活環境によって希望が分かれやすく、協議がまとまりにくくなります。「自宅として使い続けたい」「遠方に住んでいて実家を引き継ぎたくない」という意見の違いがあるからです。特に、一人が住み続けたいと望む場合、他の相続人に対して金銭的な調整(代償金)を支払う必要があります。
しかし、この金額の妥当性についても相続人同士の評価が一致しないことが多く、話し合いが長引く原因になります。
売却・維持・賃貸など方針が一致せず協議が進まない
不動産の扱い方は相続人によって考え方が大きく異なります。
- 売却して現金化したい
- 思い出のある家を残したい
- 賃貸に出して収益化したい
維持には固定資産税のほか、老朽化した建物の修繕費や管理の手間もかかります。賃貸を検討する場合も、借主が付くかどうか、必要な初期投資を誰が負担するのかといった点で意見が割れるケースも少なくありません。
共有名義のまま放置され管理負担が一部に偏る
相続後に共有名義となった不動産は、意思決定のたびに相続人全員の同意が必要になります。売却や賃貸といった大きな判断に限らず、庭木の手入れや修繕といった日常的な管理でも、誰がどの程度関わるべきかを巡って不満が生まれやすい傾向です。
特に、実家の近くに住んでいる相続人が日常の管理を担い、他の相続人は何も関与しないという状況が続くと、不公平感が強くなります。売却しようとしても一人でも反対すれば手続きが進まないため、共有状態が長期化しやすくなります。
相続人の一部が無断で居住・利用してトラブルになる
相続手続きが終わっていない段階で特定の相続人が実家を独占的に使い始めると、ほかの相続人との摩擦が生じやすくなります。
不動産は相続人全員の共有財産です。誰か一人が許可なく使用すると、他の相続人が「自分たちの持分が侵害されている」と感じることも珍しくありません。
無断使用が続くと、共有者の一人が単独で利益を得ている状態を調整すべく、使用している相続人に対して「使用料相当額」を請求できる場合があります。
しかし、請求の可否や金額の妥当性について相続人同士で解釈が異なり、さらに対立を深めることもあります。
連絡不能の相続人がいて遺産分割協議が成立しない
遺産分割協議は相続人全員の参加が前提となっているため、誰か一人でも連絡が取れなくなると話し合いそのものが成立しません。遠方に住んでいる、連絡先がわからない、そもそも関係が疎遠で連絡がつかないといったケースがよくあります。
連絡不能の状態が続くと、家庭裁判所で「不在者財産管理人」の選任を申し立てる手続きが必要です。
連絡の取れない相続人に代わって協議に参加する仕組みですが、申し立てから選任まで一定の時間がかかります。費用負担も生じるため、相続人にとって負担が増える要因になります。
生前贈与や援助への不公平感から配分争いが起きる
相続では親から受けた生前贈与や過去の支援の差によって、配分争いが起きやすくなります。「あの時だけ特別に援助を受けていた」「住宅資金を支援してもらっていた」という場合、他の相続人の不満につながります。
法律上は「特別受益」や「寄与分」という考え方があり、生前贈与があった場合には相続分を調整します。
しかし、「どこまでを生前贈与とみなすか」「その価値をどのように評価するか」などが曖昧になりやすいため、協議が難航することも珍しくありません。
不動産相続で揉めたときの対応手順

不動産相続で揉めてしまった場合、以下のような手順で進めましょう。
- 手順①:相続人全員で協議の場をあらためて設定する
- 手順②:不動産の評価額・維持費・権利関係を整理する
- 手順③:共有状態の解消方法(買取・代償・売却)を検討する
- 手順④:専門家に仲裁役として入ってもらう
- 手順⑤:調停・審判など法的手続きで解決を図る
手順①:相続人全員で協議の場をあらためて設定する
相続で揉めているときは、あらためて「正式な協議の場」を持つことが必要です。家族同士の雑談レベルで意見をぶつけ合っても、論点が散らばってしまい、かえって対立が深まることもあります。
誰がどのような意向を持っているのか、ひとつずつ確認していく場を整えることから始めましょう。
誰かが話し合いに消極的な状態のまま協議を続けても前に進みません。相続人同士だけでの話し合いが難しいと感じる場合には、第三者に同席を依頼する方法もあります。
手順②:不動産の評価額・維持費・権利関係を整理する
話し合いの前提条件として、不動産に関する情報を相続人の間で共有しておくことが必要です。評価額を示す基準が複数あったり、誰がどの費用を負担してきたのかを明確にするためです。
固定資産税評価額、路線価、査定価格など、それぞれの意味や用途を整理し、どの基準を話し合いの前提にするのかを全員で確認しておきましょう。これまでの維持費の支払い状況も整理し、その負担についても協議します。
手順③:共有状態の解消方法(買取・代償・売却)を検討する
次に共有状態をどのように解消するかを検討しましょう。不動産を複数人で共有している限り、意思決定のたびに全員の合意が必要になり負担が続きます。
共有を解消する方法としては、主に3つの方法があります。
- 相続人の一人が他の持分を買い取る方法(買取・代償分割)
- 不動産を売却して現金で分ける方法(換価分割)
- 不動産会社による持分買取を利用する方法
相続人の生活事情や不動産の状態によって適切な方法は変わります。共有によって揉めている場合は早い段階で解消の方向性を決定しましょう。
手順④:専門家に仲裁役として入ってもらう
相続人同士での協議が進まないと感じたときは、第三者である専門家に仲裁役として入ってもらいましょう。相続の話し合いには法律、税金、不動産の評価など複数の専門領域が関わるため、専門家が同席することで協議を進めやすくなります。
弁護士は相続人の間で調整役を担い、司法書士は登記や共有関係の整理に詳しく、相続の手続き全体を把握しながら協議することができます。
手順⑤:調停・審判など法的手続きで解決を図る
協議や専門家の仲裁でも合意に至らない場合、家庭裁判所の調停に進みます。
調停とは第三者である調停委員を交えて話し合いを進める手続きですが、それでも折り合いがつかない場合は、家庭裁判所の審判によって分割方法が決定されます。裁判所が法令に基づいて客観的に判断するため、相続人の意向がすべて反映されるわけではありません。
話し合いが完全に停滞しているなら法的手続きを検討しましょう。
不動産相続で揉めないようにするための予防策
| 予防策 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 遺言書を作成する | 誰が不動産を取得するのか、売却するのかなど、相続後の扱いを決めておく |
| 資産や負担を共有する | 不動産の価値や固定資産税、維持費、管理状況などを家族で共有しておく |
| 共有名義を避ける方法を検討する | 1人が不動産を取得して他の相続人に金銭を支払う方法や、売却して現金で分ける方法を検討する |
| 家族で話し合っておく | 実家を残すのか売るのかなど、それぞれの希望や考えを生前から確認しておく |
| 専門家に相談する | 遺言書や分割方法、相続税などについて弁護士・司法書士・税理士などに相談する |
遺言書で不動産の扱いを明確に決めておく
不動産を相続する場面で頼りになるのが遺言書です。遺言書があれば、誰がどの不動産を取得するのか、あるいは売却して現金化するのかといった判断が明確になります。
遺言書に具体的な取り扱いを書き残しておけば、相続人はその意思を基準に判断できるため、不動産の処分がスムーズになります。
相続人へ資産内容・維持費・将来負担を事前共有しておく
資産や維持費、将来の負担を事前に共有しておきましょう。不動産相続で争いが起きる背景には、「どれほどの価値があるのか」「維持にいくらかかるのか」といった基本的な情報を家族が把握していないことがあります。
固定資産税の通知書や管理状況のメモを相続人の間で共有しておきましょう。
共有名義を回避する分割方法を早い段階から検討しておく
生前の段階で「誰がどの財産を引き継ぐのか」を検討し、共有名義にならないよう整理しておきましょう。不動産を複数人で共有すると、相続後の管理や意思決定が難しくなります。
具体的には、特定の相続人が不動産を取得し他の相続人には金銭で調整する代償分割という方法や、あらかじめ売却して現金化しておく方法もあります。
不動産という分けにくい財産は生前に整理しておくことで負担を大きく減らせます。
生前から相続人が対話できる環境を整えておく
生前に家族が自然に話し合える環境が整っていると、相続の際に意見がぶつかりにくくなります。
「実家をどうするか」「不動産の管理をどう考えているか」と日常の会話で触れられるだけでも、相続トラブルを避けやすくなります。
相続人が気軽に意見を言えるような雰囲気を作ることで、相続発生後の協議でも対話しやすくなります。普段から情報を共有し、価値観の違いを認識し合うことが大切です。
専門家の関与により相続プランを見直しておく
専門家に相談することで選択肢の幅が大きく広がります。不動産の評価や相続税の試算、分割方法の検討など、家族だけでは判断が難しい部分を客観的に整理してもらえるため、計画全体が具体的になります。
生前のうちに専門家へ相談すれば、遺言書の内容を整えることもでき、税負担の見通しも具体的に把握できます。また、家族の状況に応じて無理のない分割方法を提示してもらえるため、感情だけで判断が偏ることを避けられます。
相続する不動産の価値算出の方法

相続の話し合いを進める上では、相続人全員が不動産の価値に対して同じ認識を持つ必要があります。不動産価値を算出する方法として以下の手法があります。
- 固定資産税評価額を用いて目安を把握する
- 路線価方式で土地の価値を算定する
- 実勢価格・査定価格で市場価値を確認する
- 相続税評価額と売却見込み額の違いを理解する
固定資産税評価額を用いて目安を把握する
固定資産税評価額は、市区町村が毎年通知する「固定資産税課税明細書」に記載されている金額です。税金を計算するための基準となる数値であり、一般の方が最も手軽に確認できる評価額でもあります。
この評価額を参考にすると大まかな不動産の規模や相場感を共有しやすくなります。
ただし、固定資産税評価額は市場価格とは一致しません。地域にもよりますが、市場価格より低めに設定されていることが多く、「売却できる金額」とは別物です。あくまで最初の目安として捉え、これだけで不動産の価値を判断しないことが大切です。
路線価方式で土地の価値を算定する
相続税の申告において、土地の評価に使われるのが「路線価方式」です。国税庁が毎年公表する路線価図から、土地が接している道路の価値(1㎡あたりの単価)を確認し、敷地の広さや形状などを加味して計算します。
固定資産税評価額よりも相続税に直結する性質を持つため、相続の場面ではこちらの評価が重視されます。
実勢価格・査定価格で市場価値を確認する
実際に売却した場合の金額に近いのが「実勢価格」です。不動産会社が行う査定や、近隣の成約事例を参考にすると、市場でどれほどの価値があるかを把握できます。
査定は不動産会社によって金額の幅が出るため、複数の不動産会社へ依頼しましょう。売却を前提としていなくても、市場価格を知ることで「家を残すべきか」「現金化すべきか」といった判断がしやすくなります。
共有名義になった不動産の持分の市場価値を知りたいなら、まずは共有持分の簡易査定ができるので以下より試してください。

相続税評価額と売却見込み額の違いを理解する
相続の場面では、「相続税評価額」と「売却見込み額(市場価格)」が大きく異なります。
相続税評価額は税務上の基準であり、売却を前提とした評価ではありません。地域の需要・建物の状態・周辺環境などは相続税評価に反映されにくいものです。
相続人の中には「相続税評価額が高いから高く売れるはず」と考える人もいますが、実際は逆転するケースも見られます。
相続不動産を分割することになった場合の分け方
相続した不動産を分割する方法についても紹介します。
現物分割で不動産を物理的に分けて取得する
現物分割とは、不動産そのものを物理的に区分して相続人ごとに取得する方法です。土地の広さに余裕があり、複数の区画として利用できる場合に検討されます。建物を取り壊して土地を分筆するケースもありますが、現実には法規制や形状の問題など、分筆が可能な状況は限られています。
現物分割がうまく機能するのは、区画ごとに価値の差が大きくなく、相続人がそれぞれ独立して利用したい場合です。
ただ、建物がすでに建っている住宅地では、建物の解体費用や再建に関する負担も考慮する必要があります。
代償分割で一人が不動産を取得し他の相続人へ金銭で調整する
代償分割は、不動産を相続人の一人が取得し、その代わりに他の相続人へ「代償金」を支払うことでバランスを取る方法です。現物分割が難しい場合に選ばれることが多く、相続人の中に不動産を引き継いで住み続けたい人がいる場合に適した分割方法です。
代償分割を進める際の注意点は、代償金の額をどのように決めるかです。不動産の市場価格や相続税評価額、査定結果など、複数の基準を踏まえて算定しますが、相続人によって価値の捉え方が異なるため、合意が難しいこともあります。
公平性を保ちながら特定の相続人が不動産を取得できる点では合理的な方法ですが、金銭の算定と支払い計画を丁寧に詰めることが求められます。
換価分割で不動産を売却し現金を按分する
換価分割は、不動産そのものを相続人が引き継ぐのではなく、売却して現金化した上で公平に分ける方法です。不動産は価値が一体化しており、相続人それぞれが等しく取得するのが難しいため、現金という形に変えることで分割の手続きがシンプルになります。
相続人の生活環境がばらばらで、誰も不動産を使う予定がない場合には特に選ばれやすい方法です。
売却を前提とするため、不動産会社の査定を複数取り、市場価格の妥当性を確認してから進めるのが一般的です。
維持管理の負担を誰が担うかで揉める心配もなくなり、相続開始後の管理コストを極力抑えることにもつながります。
共有分割で複数人が持分を持ち合う形を継続する(※非推奨)
共有分割は、不動産を売却せず、相続人がそれぞれ一定の割合の「持分」を取得して共有状態を維持する方法です。
売却・賃貸・大規模修繕といった重要な決定は原則として全員の合意が必要になるため、相続後に話し合いが停滞するリスクが高まります。
また、不動産の管理を誰が担うのかという問題も避けられません。実家の近くに住む相続人だけが草刈りや修繕を続けるなど、負担に偏りが生まれる状況がよくみられます。共有状態が長期化すると、相続人が増える「数次相続」が起こり、関係者が増えて意思決定がいっそう難しくなることもあります。
共有分割は一時的な選択にとどめ、早い段階で共有状態を解消する方針を検討しましょう。
不動産を相続放棄する場合の注意点

相続放棄には特有のルールや制約があり、仕組みを理解せずに手続きを進めると、予期せぬ負担が残ることがあります。相続放棄の際に押さえるべきポイントは以下のとおりです。
- 相続放棄は家庭裁判所での申述が必要となる
- 放棄後も管理責任が残る場合がある
- 他の相続人に権利と負担が移る
- 相続放棄は原則として撤回できない
相続放棄は家庭裁判所での申述が必要となる
相続放棄は、単に「いらない」と宣言すれば成立するものではありません。家庭裁判所に対して正式な申述を行い、受理されることで初めて効力が生じます。申述には期限があり、原則として相続の開始を知った日から3か月以内に手続きを行う必要があります。
この期間内に判断しなければならないため、迷ったまま時間だけが過ぎてしまうと、放棄が認められなくなってしまいます。
家庭裁判所での手続きは書面中心で行われますが、不備があると受理されず、再提出が必要になることもあります。期限内に適切な判断をするためには、早めに必要書類を確認しておきましょう。
放棄後も管理責任が残る場合がある
相続放棄をしたからといって、直ちに不動産の管理から完全に解放されるわけではありません。相続放棄は「最初から相続人ではなかった」という扱いになりますが、次の相続人が決まるまでの間、最低限の管理責任が残ることがあります。
例えば、倒壊の危険がある建物を放置して周囲に損害を与えた場合、管理を怠ったとして責任を問われる可能性があるため注意が必要です。
相続放棄は不動産の維持負担を避ける方法として有効ですが、「放棄すればすべての責任から離れられる」という認識は正確ではありません。
他の相続人に権利と負担が移る
相続放棄をすると、その相続人は法律上「はじめから相続人ではなかった」扱いになるため、ほかの相続人が順番に繰り上がって遺産を引き継ぐことになります。結果として、不動産の権利だけでなく管理負担も他の相続人にそのまま移る形です。
「管理や固定資産税から離れたい」と思っても、その分の負担が誰か一人に集中する場合があるため、相続人同士で事前に理解しておくことが大切です。
相続放棄は原則として撤回できない
相続放棄は一度成立すると、原則として撤回できません。放棄を選ぶ前には、不動産の価値や管理責任、家族内での影響などを十分に検討しておく必要があります。
不動産の場合、将来売却して高値がつく可能性があったり、利用方法によって収益が生まれる余地があったりすることもあります。短期的な負担だけを見て判断せず、生前の対話や専門家の助言を取り入れながら慎重に進めましょう。
相続後の共有持分も「ワケガイ」なら短期で買取可能!

当社(株式会社ネクスウィル)は、相続で扱いに困りやすい不動産を迅速に売却できるサービス「ワケガイ」を提供しています。共有名義のまま話し合いが進まないケースや、老朽化した実家の維持負担が重くなってしまった場合など、相続不動産には時間と労力がかかりやすい特徴があります。
協議が長期化すると管理責任や固定資産税だけが残り、さらに状況が複雑になりかねません。当社では、共有持分の単独買取や、再建築不可物件・空き家の現状買取など、通常の市場で扱いづらい不動産にも対応しています。
相続の話し合いが思うように進まず先行きが見えないとき、一度価値を把握するだけでも判断材料が整います。お気軽に無料査定をご活用ください。
FAQ:不動産相続のトラブルに関するよくある質問
相続で揉める家族にはどのような特徴がありますか?
不動産の価値や預貯金などの財産状況を共有していないと、相続が発生してから意見が食い違うことがあります。また、親の介護や生前贈与などに対する不公平感が、相続をきっかけに表面化するケースもあります。
不動産が3,000万円の場合、相続税はどの程度になりますか?
3,000万円の不動産を相続しても、必ず相続税がかかるわけではありません。相続税は不動産だけでなく、預貯金や株式などを含めた相続財産全体をもとに計算します。また、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があるため、財産の合計額が基礎控除の範囲内であれば、原則として相続税はかかりません。不動産の価格だけでは相続税額を判断できず、相続人の人数やほかの財産なども確認する必要があります。
遺産相続で揉めた際にはどのような手続きが必要になりますか?
相続人同士の話し合いで遺産分割がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる方法があります。調停では、裁判官や調停委員が間に入り、相続人それぞれの意見を聞きながら合意を目指します。それでも話し合いがまとまらない場合は、遺産分割審判に移り裁判所が遺産の分け方を判断します。
相続でもめる主な原因にはどのようなものがありますか?
相続でもめる原因としては、不動産の分け方や評価額への不満、生前贈与による不公平感、介護や財産管理の負担の偏りなどが挙げられます。とくに不動産は、現金のように簡単に分けられないため、「誰が取得するのか」「売却するのか」といった点で意見が分かれやすくなります。さらに、家族間のこれまでの関係や親への貢献度に対する考え方の違いが重なり、対立が深くなるケースもあります。相続後のトラブルを減らすには、生前から財産の状況や希望について家族で話し合っておきましょう
まとめ
不動産相続で揉める主な原因は、財産を分けにくいことや、不動産の評価額、維持費・税金などに対する考え方の違いです。とくに実家を誰が相続するのか、売却するのか、共有のまま残すのかで意見が分かれると、話し合いが長引くことがあります。
トラブルを防ぐには、相続が発生してから考えるのではなく、不動産の価値や権利関係、今後かかる費用などを整理したうえで、家族で話し合っておくことが大切です。
すでに揉めている場合も、不動産の評価額や所有関係を確認し、売却や共有状態の解消など、具体的な方法を検討しましょう。遺言書を作成したり、財産の内容や希望を家族に伝えたりしておくことも、相続後のトラブル防止につながります。
不動産相続は、家族の感情だけでなく、法律や税金も関わる問題です。話し合いが難しい場合は問題を放置せず、必要に応じて弁護士や司法書士、税理士などの専門家に相談しながら解決しましょう。





















