共有名義の不動産は売却できる?5つの方法やおすすめの買取業者を紹介

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「共有名義の不動産を売却したいが、自分だけの判断で売れるのかわからない」「共有者が協力してくれず、話が進まない」と悩む方は少なくありません。

共有名義の不動産は売却できますが、共有者全員の同意が必要」「自分の持分だけであれば単独で売却できる」などルールが複雑です。

そのため、共有名義の仕組みを理解しないまま進めると、共有者とのトラブルに発展したり、本来より安い価格で売却してしまったりすることがあります。

そこで本記事では、共有名義不動産を売却する方法や相場、売却の流れについて、共有持分・共有名義不動産の買取を専門とするワケガイ編集部がわかりやすく解説します。

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目次

共有名義の不動産は売却できる!ただし同意がポイント

共有名義売却の際のポイント

共有名義の不動産は売却できます。ただし、「不動産全体を売却するのか」「自分の持分だけを売却するのか」によって必要な手続きや条件が異なります。

主な売却方法の違いをまとめると、以下のとおりです。

売却方法必要な同意メリットデメリット
不動産全体を売却共有者全員の同意市場価格で売却可能1人でも反対すると不可
自分の持分のみ売却自分のみ他の共有者の同意不要市場価格より安くなりやすい
分筆して売却共有者全員の同意単独所有として売却可能土地のみ・測量費用が発生

どの方法が適しているかは、共有者との関係や不動産の種類によって異なります。まずは、それぞれの売却方法の特徴を理解したうえで、自分の状況に合った方法を選びましょう。

「不動産全体」は共有者全員の同意があれば売却できる

共有名義の不動産を市場価格に近い金額で売却したいなら、共有者全員で不動産全体を売却する方法が有力です。

不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要です。

共有者全員の意見がまとまれば、一般的な不動産と同じように売却できるため、持分のみを売却する場合よりも高値になります。

当社に寄せられるご相談でも、共有者全員ではなく「売却したい共有者の一人」からお問い合わせをいただくことが多くあります。

相続した実家では、住み続けたい共有者と現金化したい共有者で意見が分かれることも多いのです。

「自分の持分」だけなら同意なしで売却可能!

共有名義は「自分の持分」だけなら同意なしで売却

自分が所有する共有持分だけであれば、共有者の共有なくても売却できます。自分の権利のみを譲渡する行為であるため、他の共有者の同意は不要です。

当社でも「共有者と話し合いができない」「行方不明で連絡が取れない」などの理由で、自分の持分だけを売却したいというご相談をいただき、共有持分のみの買取を行っています。

ただし、共有持分だけを購入する人は限られ、不動産価格に対し、自分の持分の割合で売却できず、持分価格の30〜50%程度が一つの目安になります。

土地のみなら分筆して売却という方法も

共有名義の土地であれば、分筆によって単独所有にしてから売却できる場合があります。

分筆とは、1つの土地を複数の土地に分けて登記する手続きです。分筆後はそれぞれが独立した土地になるため、自分名義になった土地を単独で売却できます。

項目内容
対象土地のみ(建物は不可)
必要な同意共有者全員
メリット単独所有として売却できる
デメリット測量費用や登記費用がかかる

ただし、分筆するには共有者全員の合意が必要です。また、土地の形状や面積によっては分筆後の利用価値が下がることもあります。

分筆が適しているかどうかは、不動産会社や土地家屋調査士へ相談しながら判断しまsしょう。

【結論】不動産全体を売却したほうが手取りは増える

売却価格を重視するのであれば、共有者全員で不動産全体を売却する方法が最も有利です。

市場価格3,000万円の不動産を2分の1ずつ共有しているケースで比較すると、次のようになります。

売却方法売却価格の目安自分の手取り目安本来の持分価格に対する割合
共有持分のみを売却450万〜750万円450万〜750万円30〜50%程度
不動産全体を売却3,000万円(持分1/2:1,500万円)1,500万円100%

共有持分のみの売却では、買主が権利調整の負担を負うため価格が下がります。

共有者全員の協力が得られる状況であれば、まずは不動産全体の売却を検討した方が、高値で売却できる可能性が高いでしょう。

 

共有名義不動産を売却する5つの方法

共有名義不動産を売却する5つの方法

共有名義の不動産は、共有者全員で不動産全体を売却する方法もあれば、自分の持分だけを売却する方法もあります。

主な売却方法の特徴をまとめると、以下のとおりです。

売却方法メリットデメリット
共有者全員で不動産全体を売却する市場価格に近い金額で売却しやすい共有者全員の同意が必要
自分の持分だけを仲介会社を通じて第三者に売却する単独で売却できる買主が見つかりにくい
共有持分の専門買取専門業者に売却する短期間で売却しやすい売却価格が低くなりやすい
他の共有者に自分の持分を買い取ってもらう高値で売却できる可能性がある共有者との交渉が必要
他の共有者の持分を買い取り単独名義にしてから売却する市場価格での売却を目指せる持分を買い取る資金が必要

どの方法が適しているかは、共有者との関係性や売却を急ぐかどうかによって異なります。ここからは、各売却方法の特徴や向いているケースについて解説します。

方法①:共有者全員で不動産全体を売却する

共有名義不動産を最も高く売却しやすい方法は、共有者全員で不動産全体を売却することです。

一般的な不動産と同じように市場で売り出せるため、共有持分のみを売却する場合より高値になりやすい傾向があります。

メリットデメリット
市場価格に近い金額で売却しやすい共有者全員の同意が必要
買主を見つけやすい1人でも反対すると売却できない
売却代金を持分割合に応じて分配できる共有者との調整に時間がかかる場合がある

相続によって共有名義になった実家や土地では、この方法が合理的なケースが少なくありません。

方法②:自分の持分だけを仲介会社を通じて第三者に売却する

自分の共有持分だけを第三者へ売却することも可能です。共有持分の売却には他の共有者の同意は必要ないので、共有者が売却に反対している場合や連絡が取れない場合でも手続きを進められます。

メリットデメリット
他の共有者の同意が不要市場価格より安くなりやすい
共有関係から離脱できる買主が見つかりにくい
共有者との話し合いが不要売却まで時間がかかる場合がある

ただし、購入後に他の共有者との調整が必要になると、仲介会社を利用しても買主が見つからず、長期間売却できないこともあります。

方法③:共有持分の買取専門業者に売却する

共有持分の買取事例

「共有者との関係が悪い」「できるだけ早く共有名義から離れたい」場合は、共有持分の買取専門業者へ売却しましょう。

共有持分専門業者は、共有名義不動産や共有持分の権利関係を前提に買い取るため、他の共有者の同意がなくても売却できます。

メリットデメリット
短期間で売却しやすい市場価格より安くなりやすい
他の共有者の同意が不要業者によって査定額に差がある
共有者との交渉を避けられる不動産全体の売却より手取りが少ない

専門業者であれば最短数日〜数週間で売却できるケースもあります。価格よりもスピードや共有関係の解消を優先する場合に向いている方法です。

訳あり物件の買取専門サービスであるワケガイでは、共有持分のみの買取も多数行ってきました。共有持分を手放したいとお悩みの方は、ぜひご相談ください。

共有持分の買取実績はこちら

 

方法④:他の共有者に自分の持分を買い取ってもらう

他の共有者に自分の持分を買い取ってもらえば、

共有者は持分を取得することで単独所有に近づけるため、第三者への売却や買取業者より高い価格で購入してくれるでしょう。

メリットデメリット
高値で売却できる可能性がある共有者との交渉が必要
共有状態の解消につながる資金面の理由で断られることがある
第三者が共有者になることを防げる価格交渉が長引くことがある

相続した実家や土地では、この方法が最も円満に共有状態を解消できます。共有者が購入を希望している場合は、まずこの方法を検討しましょう。

方法⑤:他の共有者の持分を買い取り単独名義にしてから売却する

他の共有者の持分を買い取って単独名義になれば共有名義特有の制約がなくなり、通常の不動産として売却できます。そのため、市場価格に近い金額での売却を目指せます。

メリットデメリット
市場価格に近い金額で売却しやすい他の持分を買い取る資金が必要
売却手続きを自分で進められる共有者との交渉が必要
買主を見つけやすい取得費や登記費用が発生する

例えば、自分が2分の1の持分を所有している場合、残りの2分の1を買い取ることで単独所有になります。

共有者が売却に前向きで、購入資金を用意できる場合に有効な方法です。

 

共有名義不動産の売却でおすすめの買取業者5選

共有名義不動産を売却する場合、どの業者に依頼するかによって売却価格や手続きの進めやすさが大きく変わります。

主な買取業者の特徴をまとめると、以下のとおりです。

社名対応エリア強み付加サービス
ワケガイ全国対応共有持分・共有名義など訳あり不動産に特化士業連携、相続・権利関係の相談
訳あり物件買取プロ全国対応共有持分や事故物件などの買取実績が豊富士業連携、スピード買取
不動産買取本舗主に関東・関西スピード査定・早期買取に対応最短翌日買取
株式会社フレキシブル主に首都圏共有持分・借地権・底地の買取に強み権利関係が複雑な案件に対応
株式会社中央プロパティー全国対応共有持分の売却や共有トラブルの解決に強み共有不動産専門サービスを運営

特に共有持分のみを売却するケースでは、一般的な不動産会社では対応できないことも少なくありません。

そのため、共有持分や共有名義不動産の取扱実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。ここからは、それぞれの買取業者の特徴や強みを詳しく紹介します。

①:ワケガイ

訳あり物件の買取サービス「ワケガイ」

ワケガイは、共有持分や共有名義不動産のような訳あり物件の買取専門サービスです。

複雑な案件にも対応しており、全国の不動産を対象に査定・買取を行っています。

ワケガイでは、共有持分案件を多く扱う司法書士や複数の提携弁護士と連携しており、必要書類の取得や権利関係の整理をスムーズに進められる体制を整えています。

法的な問題を抱えているケースでも、状況に応じて専門家へ相談しながら売却を進めることが可能です。

項目内容
運営会社株式会社ネクスウィル
本社所在地東京都港区新橋5-10-5 PMO新橋Ⅱ10F
営業時間9:00〜18:00
宅建番号国土交通大臣(1)第10481号

②:訳あり物件買取プロ

訳あり物件買取プロ

(出典:訳あり物件買取プロ

訳あり物件買取プロは、共有持分や事故物件、再建築不可物件など、一般市場で売却が難しい不動産の買取を専門に行っているサービスです。

同社は共有持分のような訳あり不動産の取扱実績を持ち、全国の物件に対応しています。売却を急いでいる場合には、スピード査定・スピード買取に対応している点も特徴です。

項目内容
本社所在地東京都江東区木場2丁目17-16 BESIDE KIBA 3階
営業時間10:00〜19:00
宅建番号国土交通大臣(1)第10112号

③:不動産買取本舗

不動産買取本舗

 (出典:不動産買取本舗

不動産買取本舗は、共有持分や相続不動産などの買取に対応している不動産会社です。関東・関西エリアを中心に買取実績を公開しています。

共有者との話し合いがまとまらないケースや、早期に現金化したいケースで相談先の一つとなるでしょう。

項目内容
運営会社Jグランド株式会社
本社所在地東京都渋谷区恵比寿4-20-3

恵比寿ガーデンプレイスタワー7階

営業時間平日 9:00~18:00(定休日:土日祝)
宅建番号国土交通省(1)第10202号

④:株式会社フレキシブル

株式会社フレキシブル

(出典:株式会社フレキシブル

株式会社フレキシブルは、共有持分や借地権、底地など権利関係が複雑な不動産の買取を行っている不動産会社です。

共有不動産に関する相談実績も多く、首都圏を中心にサービスを展開しています。

項目内容
運営会社株式会社フレキシブル
本社所在地東京都台東区東上野1-15-3 エムビルⅡ3階
営業時間要問い合わせ
宅建番号東京都知事(1)第83259号
強み共有持分・借地権・底地など権利関係が複雑な不動産の買取に対応。

⑤:株式会社中央プロパティー

株式会社中央プロパティー

(出典:株式会社中央プロパティー

株式会社中央プロパティーは、共有持分の売買や共有不動産の問題解決に特化したサービスを提供している不動産会社です。

共有持分専門サイトも運営しており、共有者とのトラブルや権利調整が必要な案件にも対応している点が特徴です。

項目内容
運営会社株式会社中央プロパティー
本社所在地東京都千代田区丸の内1丁目6番5号 丸の内北口ビルディング23F
営業時間9:00 ~ 19:00 [年中無休]
宅建番号宅地建物取引業 東京都知事 (3) 第94093号

賃貸住宅管理業 国土交通大臣(1)第001470号

 

共有名義不動産の売却相場は売却方法によって異なる

共有名義不動産の売却相場は、一律ではありません。誰に売却するかによって価格が大きく変わります。

売却方法ごとの相場の目安は以下のとおりです。

売却方法相場の目安特徴
他の共有者へ売却持分価格の70〜100%程度比較的高値で売却しやすい
共有持分買取業者へ売却持分価格の30〜50%程度早期売却しやすい
仲介会社を通じて第三者へ売却持分価格の50〜80%程度高値の可能性があるが買主探しが必要
共有者全員で不動産全体を売却市場価格の90〜100%程度最も高値になりやすい

共有名義不動産を少しでも高く売却したい場合は、まず売却方法ごとの相場を理解することが大切です。ここからは、売却先ごとの価格の目安や特徴を解説します。

他の共有者へ売却するケースの相場

他の共有者へ売却する場合は、共有持分の中で最も高値になりやすい方法です。

項目内容
相場の目安持分価格の70〜100%程度
売却難易度共有者との交渉が必要
価格の傾向比較的高い
向いているケース共有者との関係が良好な場合

共有者は持分を取得することで単独所有に近づけるため、第三者よりも共有持分の価値を高く評価しやすいからです。そのため、相場は持分価格の70〜100%程度が目安となります。

例えば、市場価格3,000万円の不動産を2分の1ずつ共有している場合、理論上の持分価格は1,500万円です。このケースでは、1,050万〜1,500万円程度で売却できる可能性があります。

共有者が単独所有を希望している場合は、買取業者へ売却する前に購入の意思がないか確認してみるとよいでしょう。

共有持分買取業者へ売却するケースの相場

共有持分買取業者へ売却する場合の相場は、持分価格の30〜50%程度が目安です。

項目内容
相場の目安持分価格の30〜50%程度
売却難易度低い
価格の傾向比較的低い
向いているケース早期売却したい場合

共有持分を購入した業者は、その後に他の共有者との交渉や共有物分割請求などを行い、利益を確保する必要があります。

そのため、将来的なコストやリスクが査定額に反映されるのです。

例えば、市場価格3,000万円の不動産を2分の1ずつ共有している場合、理論上の持分価格は1,500万円です。この場合、買取価格は450万〜750万円程度が目安となります。

仲介会社を通じて売却するケースの相場

仲介会社を通じて共有持分を売却する場合の相場は、持分価格の50〜80%程度が目安です。

一方で、購入希望者を探す必要があるため、売却まで時間はかかります

項目内容
相場の目安持分価格の50〜80%程度
売却難易度やや高い
価格の傾向業者買取より高くなりやすい
向いているケース売却を急いでいない場合

 

共有者全員で不動産全体を売却するケースの相場

不動産全体を売却する場合は、共有持分特有の制約がなくなるため、一般的な不動産と同じように市場で取引できます。

そのため、相場は市場価格の90〜100%程度が目安となります。

項目内容
相場の目安市場価格の90〜100%程度
売却難易度共有者全員の合意が必要
価格の傾向最も高い
向いているケース共有者全員が売却に同意している場合

共有者との調整は必要になりますが、売却価格だけを見ると最も有利な方法です。

 

共有名義不動産を売却する流れ

共有名義不動産の売却は、一般的な不動産売却と大きな流れは同じです。共有名義不動産の売却は、一般的に以下の流れで進みます。

  • STEP①:共有者全員の意思確認
  • STEP②:必要書類の準備
  • STEP③:不動産会社への査定依頼
  • STEP④:売買契約の締結
  • STEP⑤:決済と持分割合に応じた代金分配

共有者との調整が必要になる点を除けば、手続き自体は通常の不動産売却と大きく変わりません。以下より、各ステップの内容と注意点について解説します。

STEP①:共有者全員の意思確認

共有名義不動産全体を売却する場合は、最初に共有者全員の意思を確認しましょう。前述のとおり、不動産全体の売却には共有者全員の同意が必要です。

売却価格や売却時期、売却後の代金分配について認識が一致していないと、途中で手続きが止まる原因になります。

<確認すべき内容>

  • 全員が売却に同意しているか
  • 最低限希望する売却価格はいくらか
  • いつまでに売却したいか

売却代金をどのように分配するか特に相続によって共有状態になっている不動産では、共有者ごとに考え方が異なることもあります。

不動産会社へ査定を依頼する前に、売却方針について話し合っておくと、その後の手続きを進めやすくなります。

STEP②:必要書類の準備

共有者全員の意思がまとまったら、売却に必要な書類を準備します。書類に不足があると売却手続きが進められないため、査定依頼と並行して準備を進めるとスムーズです。

主な必要書類取得先
登記事項証明書(登記簿謄本)法務局
固定資産税納税通知書市区町村
本人確認書類本人保有
印鑑証明書市区町村
住民票市区町村
権利証(登記識別情報通知)本人保有

共有者が複数いる場合は、それぞれの本人確認書類や印鑑証明書が必要になることもありますので、事前に不動産会社へ相談し、必要書類を確認しておくと安心です。

STEP③:不動産会社への査定依頼

必要書類が揃ったら、不動産会社へ査定を依頼します。

共有名義不動産は、一般的な不動産会社だけでなく、共有持分や共有名義不動産を専門に扱う会社にも相談すると相場を把握しやすくなります。

<確認ポイント>

  • 査定額が相場とかけ離れた金額になっていないか
  • 仲介と買取のどちらが自分の状況に合っているか
  • どのくらいの期間で売却できそうか

共有名義不動産の売却実績が豊富か査定は1社だけでなく、複数社へ依頼するのがおすすめです。査定額だけでなく、共有不動産の取扱実績やサポート内容も比較しながら依頼先を選びましょう。

STEP④:売買契約の締結

不動産全体を売却する場合は、共有者全員が売主として契約に参加する必要があります。自分の共有持分のみを売却する場合は、その持分所有者のみで契約できます。

<契約前に確認したいポイント>

  • 売却対象が「不動産全体」なのか「共有持分のみ」なのか
  • 売却価格や引渡日に誤りがないか
  • 不動産全体を売却する場合、共有者全員が契約に参加できるか
  • 共有持分のみを売却する場合、持分割合や登記内容に誤りがないか
  • 手付金や契約解除の条件が明記されているか

売買契約を締結すると、売却価格や引渡日などの条件を一方的に変更することは原則できません。不明点がある場合は、署名・押印する前に不動産会社や司法書士へ確認しておきましょう。

STEP⑤:決済と持分割合に応じた代金分配

契約で定めた日に決済と物件の引渡しを行います。

決済では買主から売買代金が支払われ、所有権移転登記の手続きに移ります。不動産全体を売却した場合は、売却代金を持分割合に応じて各共有者へ分配するのが一般的です。

<決済時に行うこと>

  • 売買代金の受領
  • 所有権移転登記
  • 鍵や書類の引渡し
  • 代金の分配

例えば、3,000万円で売却した不動産を2分の1ずつ共有していた場合、それぞれ1,500万円ずつ受け取ります。

なお、売却益が出た場合は後日、共有者ごとに譲渡所得税の申告が必要になるため、売却価格や取得費が分かる資料は保管しておきましょう。

 

共有名義の売却で起きやすいトラブル・リスク・回避策

共有名義不動産の売却では、価格や手続きよりも共有者との関係が原因で問題が発生することがあります。主なトラブルと回避策をまとめると、以下のとおりです。

トラブルリスク対応策
共有者の一人が売却に反対して話が進まない不動産全体を売却できず、固定資産税や管理負担が続く早い段階で売却方針や希望条件を共有する
共有者が認知症や行方不明で同意が取れない売買契約を締結できず、売却手続きが停止する成年後見制度や不在者財産管理人の選任を検討する
親子共有名義で相続が絡んで揉める相続人が増え、権利関係がさらに複雑になる生前から売却・相続方針を話し合っておく
持分買取業者に売られて関係が悪化する第三者が共有者となり、親族間トラブルに発展する持分売却前に共有者へ相談し、買取の意思を確認する

共有名義の問題は時間が経つほど解決が難しくなる傾向があります。共有者が増える前に対応することで、売却や権利整理を進めやすくなります。

ここからは、それぞれのトラブルと対処法について解説します。

共有者の一人が売却に反対して話が進まない

不動産全体の売却には共有者全員の同意が必要なため、持分割合が小さい共有者であっても反対すれば売却できません。

当社にお問い合わせいただくご相談者様にも、「実家に住み続けたい共有者」と「利用予定がないため現金化したい共有者」で意見が分かれていることがあります。

また、相続をきっかけに兄弟間の関係が悪化し、そもそも協議の場を設けられない状況も多々ありました。

<具体的な論争例>

  • いくらなら売るか」をめぐって、共有者ごとの希望価格が合わない
  • 「売却するか、残すか」をめぐって、共有者間で対立する
  • 誰が管理費や固定資産税を負担するかで、不公平感が生じる
  • 親族間の関係が悪化しており、そもそも話し合いができない

どうしても合意できない場合は、自分の共有持分のみの売却するや、共有物分割請求を検討することも選択肢になります。

共有者が認知症や行方不明で同意が取れない

共有者の所在地が不明な場合の買取実績

共有者が認知症になった場合や行方不明になっている場合、不動産全体の売却手続きは簡単には進められません。

売買契約を締結するには本人に意思能力が必要ですので、以下のような対応が求められます。

状況主な対応方法
共有者が認知症である成年後見人の選任を家庭裁判所へ申立てる
共有者が行方不明である不在者財産管理人の選任を申立てる
共有者が死亡している相続人の確定と相続登記を行う

これらの手続きには数か月以上かかることもあります。

共有者の高齢化が進んでいる場合や、長期間連絡を取っていない共有者がいる場合は、売却を検討し始めた段階で弁護士や司法書士へ相談しておきましょう。

訳あり物件の買取専門サービスであるワケガイでは、共有者の方が行方不明になってしまった物件の買取実績もありますので、ぜひご相談ください。

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親子共有名義で相続が絡んで揉める

共有名義に関する報道

(出典:朝日新聞「母の実家の相続阻む『メガ共有』知らぬ間に59人に増えた相続人」)

親子共有名義の不動産は、相続が発生すると権利関係が複雑になり、トラブルにつながることがあります。

親と子の2人で共有していた不動産でも、親が亡くなると親の持分を複数の相続人が引き継ぐためです。その結果、共有者の人数が増え、売却や活用の意思決定が難しくなります。

よくあるケース発生する問題
親と子で2分の1ずつ共有親の持分を複数の相続人が取得する
相続人同士で意見が対立売却や活用方針が決まらない
相続登記を放置権利関係がさらに複雑化する

例えば、親と長男が共有していた不動産で、親の持分を兄弟3人が相続すると、共有者が4人になることもあります。

共有者が増えるほど話し合いは難しくなるため、生前の段階で売却や相続方法について家族で話し合っておくことが望ましいでしょう。

持分買取業者に売られて関係が悪化する

共有者の一人が持分買取業者へ売却したことで、親族関係が悪化するケースもあります。

共有持分は本人の判断で売却できるため、他の共有者へ相談せずに業者へ売却することも可能です。その結果、見知らぬ第三者が共有者となるのです。

起こりやすい状況リスク
共有者へ相談せず売却する親族間の信頼関係が悪化する
第三者が共有者になる共有状態の解消を求められることがある
価格面で不満が残るトラブルが長期化する

もちろん、共有持分の売却自体は法律上認められた権利です。しかし、共有者との関係を維持したい場合は、まず他の共有者へ購入の意思がないか確認することをおすすめします。

 

共有名義不動産の売却にかかる税金や費用、確定申告

共有名義不動産を売却する際は、売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。売却には、以下のような税金・費用がかかってきます。

項目内容主な負担者
譲渡所得税売却益に対して課税される税金各共有者
印紙税売買契約書に貼付する印紙代売主・買主
登録免許税抵当権抹消や登記手続きで発生する税金主に売主
仲介手数料仲介会社へ支払う成功報酬売主
その他諸経費司法書士報酬、書類取得費、交通費など売主
確定申告売却翌年に行う税務申告各共有者

以下より、個別にみていきましょう。

譲渡所得税

共有名義不動産を売却して利益が出た場合は、共有者ごとに譲渡所得税が発生します。譲渡所得の計算式は以下のとおりです。

  • 譲渡所得 = 売却価格 −(取得費+譲渡費用)

例えば、譲渡所得が3,000万円発生した場合、持分割合ごとの税額は次のようになります。

共有者持分割合譲渡所得税額(長期20.315%)
Aさん2分の11,500万円約304万円
Bさん4分の1750万円約152万円
Cさん4分の1750万円約152万円

また、譲渡所得税の税率は所有期間によって異なります。

区分所有期間税率(所得税・住民税合計)
短期譲渡所得5年以下39.63%
長期譲渡所得5年超20.315%

(参考:国税庁「短期譲渡所得の税額の計算/長期譲渡所得の税額の計算

不動産を取得してから5年を超えているかどうかで税率は大きく変わります。売却時期によって手取り額が変わるため、事前に所有期間を確認しておきましょう。

3,000万円特別控除は共有者それぞれに適用

マイホームを売却する場合は、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。
(参考:国税庁「マイホームを売ったときの特例」)

この特例が適用されると、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けます。共有名義の場合でも、要件を満たしていれば共有者ごとに適用を受けることが可能です。

共有者控除額の上限
Aさん最大3,000万円
Bさん最大3,000万円
Cさん最大3,000万円

例えば、夫婦で共有している自宅を売却し、それぞれに譲渡所得が発生した場合、各共有者が3,000万円控除を利用できることがあります。

ただし、投資用不動産や空き家などは適用対象外となるケースもあります。

利用できるかどうかは、居住実態や所有状況によって異なるため、売却前に税理士や税務署へ確認しておくと安心です。

印紙税

印紙税は、不動産売買契約書を作成する際に、収入印紙を購入して納付する税金です。

税額は契約金額によって決まり、売買代金が高くなるほど負担額も増えます。通常は売主と買主がそれぞれ保管する契約書に対して印紙を貼付します。

契約金額印紙代
1万円未満非課税
1〜10万円200円
10〜50万円400円
50〜100万円1,000円
100〜500万円2,000円
500〜1,000万円1万円
1,000〜5,000万円2万円
5,000万〜1億円6万円
契約金額の記載のないもの200円

(参考:国税庁「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」)

譲渡所得税と比べると負担は大きくありませんが、売却費用の一つとして把握しておきましょう。

登録免許税

登録免許税は、登記手続きで支払う税金です。

共有名義不動産の売却では、通常の所有権移転登記にかかる登録免許税は買主が負担します。売主側に住宅ローンが残っている場合は、抵当権抹消登記の費用が必要です。

主なケース費用の目安負担者
所有権移転登記固定資産税評価額×2%買主が負担することが一般的
抵当権抹消登記不動産1件につき1,000円売主
司法書士報酬1〜3万円程度売主

(参考:国税庁「登録免許税の税額表

住宅ローンを完済している場合は、売主側で登録免許税が発生しないケースもあります。売却前に登記事項証明書を確認しておくとよいでしょう。

仲介手数料

仲介会社を利用して売却する場合は、仲介手数料が発生します。

仲介手数料は成功報酬であり、売買契約が成立したときに支払います。共有名義不動産であっても、不動産全体の売却価格を基準に計算されるのが一般的です。

売却価格仲介手数料の上限(税込)
1,000万円39万6,000円
2,000万円72万6,000円
3,000万円105万6,000円

※計算式:(売却価格×3%+6万円)+消費税

ただし、共有持分買取業者へ直接売却する場合は、仲介会社を介さないため仲介手数料は発生しません。

仲介と買取では売却価格だけでなく、諸費用も含めて比較することが大切です。

その他諸経費

共有名義不動産の売却では、税金や仲介手数料以外にも費用が発生することがあります。売却価格だけでなく、こうした費用も考慮して手取り額を見積もりましょう。

費用項目発生するケース目安
司法書士報酬相続登記や持分移転登記を依頼する場合3〜10万円程度
弁護士費用共有者とのトラブルや交渉が必要な場合相談内容による
戸籍・住民票等の取得費相続人調査や本人確認が必要な場合数千円〜数万円程度
交通費・出張費遠方の物件や共有者との面談が必要な場合状況による
測量費用境界確定や分筆を行う場合20〜100万円程度

相続した不動産や共有者が多い不動産ほど、売却前の調査や手続きに費用がかかる傾向があります。

売却後は共有者全員が確定申告する

確定申告書のサンプル

(出典:国税庁「申告書の記載例

共有名義不動産を売却した場合は、共有者それぞれが確定申告を行う必要があります。

税務上は「不動産全体を売却した」のではなく、「各共有者が自分の持分を売却した」として扱われるためです。そのため、譲渡所得や税額も共有者ごとに計算します。

項目内容
申告者共有者全員
申告時期売却した翌年の2月16日〜3月15日頃
計算方法持分割合に応じて譲渡所得を算出
必要書類売買契約書、取得時の契約書、仲介手数料の領収書など

例えば、兄弟3人で共有している不動産を売却した場合、それぞれが自分の持分に応じた譲渡所得を計算し、個別に申告する必要があります。

また、3,000万円特別控除などの特例を利用する場合も確定申告が必要です。売却後は契約書や領収書を保管し、申告期限までに手続きを行いましょう。

 

FAQ:共有名義の売却に関するよくある質問

ここまで共有名義不動産の売却方法や相場、税金について解説してきました。最後に、共有名義不動産の売却でよく寄せられる質問を紹介します。

住宅ローンが残っている共有名義の不動産は売却できる?

売却できます。ただし、売却時には住宅ローンを完済し、金融機関が設定している抵当権を抹消する必要があります。

売却代金でローンを完済できない場合は、自己資金で不足分を補うか、金融機関と相談して任意売却を検討することになります。

離婚で夫婦共有名義の家を売る場合の注意点は?

共有名義であっても、不動産全体を売却するためには夫婦双方の同意が必要です。離婚後に連絡が取りづらくなったり、一方が住み続けたいと考えたりすると、売却が進まないことがあります。

ペアローンや連帯債務が残っている場合は、売却代金でローンを完済できるかも確認しておきましょう。

共有名義のままだと固定資産税は誰が払う?

固定資産税は共有者全員に納税義務があります。共有者の一人だけが長期間負担している場合は、後から持分割合に応じた負担分を請求できる可能性もあります。

 

まとめ:共有名義不動産は早めの売却・整理を検討しよう

共有名義の不動産は、不動産全体を売却する場合と共有持分のみを売却する場合で、売却価格や手続きが大きく異なります。

価格を重視するのであれば、共有者全員で不動産全体を売却する方法が有利です。

一方で、共有者との関係が悪い場合や合意形成が難しい場合は、共有持分のみを売却する方法も選択肢になります。

共有名義不動産の売却では、「誰に売るか」「いつ売るか」によって手取り額が大きく変わります。まずは不動産の相場や共有者の意向を確認し、自分に合った売却方法を検討してみてください。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

丸岡 智幸(宅地建物取引士)

訳あり不動産の買取を専門にする会社の代表取締役。
相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産の買取を専門としている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を運営。
買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』を2024年5月2日に出版。

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