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底地投資は失敗しやすい?収益源や注意点を詳しく紹介

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不動産投資への関心が高まっている2024年現在においても、底地投資というフレーズも聞くケースもあるでしょう。確かに収益性はあるものの「契約の複雑さ」「税負担の問題」など、底地投資固有の課題が多く存在するのも事実です。

そこで今回は、底地投資の概要や収益モデルに加え、実施にあたっての注意点を解説します。

底地とは

「底地」とは、土地の借り手が借地権を有する土地を指し、一般的に「貸し地」とも呼ばれます。この土地の所有者は「地主」と称され、土地を借りる人は「借地人」といいます。

地主は、借地人から地代(賃料)を受け取る権利を持ち、契約の更新時には更新料を要求することも可能。さらに、借地人が土地の使用権を第三者に譲渡する場合には、その譲渡を地主が承認する必要があり、この際に承諾料を請求することが認められています。

これにより、地主は土地を貸し出すことで安定した利益を得ることができるのです。

一方、「借地」とは、個人や法人が他者から借り受けている土地を指します。この土地には「借地権」という特定の権利が付随します。この権利により、借地人は土地を自由に利用でき、例えば自己の建物を建設することも可能になります。

このように、「底地」と「借地」は同一の土地を指しますが、地主と借地人の立場によって呼び名が変わります。地主から見た場合は「底地」、借地人から見た場合は「借地」となるのです。

関連記事:底地権とは?借地権との違いをわかりやすく解説

底地投資のビジネスモデルとは

底地投資とは、賃貸経営の負担を軽減しつつ、継続的な収益を目指す投資戦略です。このアプローチでは、利用に制限がある底地を比較的低いコストで取得し、その後は固定資産税や都市計画税などの限られたコストで運営を続けることが可能。

旧借地法の下では借地人の権利が法律により強固に保護されているため、通常、借地人が借地権を放棄することはほとんどありません。これにより、底地投資は収益が途絶えるリスクが極めて低いといえます。

このように、底地投資は収益の安定性を重視する投資家にとって魅力的な選択肢となり得るのです。

底地投資における収益源

底地投資における収益源には、以下のようなものがあります。

  • 地代
  • 一時的な収入
  • 底地の売却益

それぞれ、個別に解説します。

地代

地代は、土地の利用に対して地主に支払われる使用料を指します。その計算には複数の方法が存在し、一般的には「利回りや収益性を基にした計算」「周辺の賃貸事例に基づく比較」「固定資産税・都市計画税の3〜5倍程度」を目安に設定されることがあります。

ただし、土地の面積や地域特性、利用方法によって地代は大きく変動するため、正確な額を求めるには詳細な不動産鑑定が不可欠です。

一時的な収入

借地権の存在下では、建物の増改築や名義変更などの際に地主の承諾が必要となります。この承諾を得るため、借地人は通常、地主に対して承諾料を支払うことになります。加えて、賃貸借契約の更新時にも更新料が発生することがあります。

これらの一時的な収入は、定期的な地代収益に加える形で得られ、地域や土地の用途に応じて異なる場合があります。承諾料や更新料などの具体的な金額は、契約時に「特別条件」として契約書に明記することで、地主と借地人の間での明確な合意に基づいて支払われます。

底地の売却益

借地人は、土地所有者と比較して低い地代で土地を利用できるものの、所有権がないため一定の制限が伴います。特に、建て替えや大規模な改修が必要になった場合の融資受け入れが難しい点は問題となるでしょう。

これにより、「底地を地主から買い取る」ことが選択肢となります。このような場合、底地の買取専門業者への売却よりも、より高い収益性を目指すことが可能です。

しかし、借地人の権利が法律によって強く保護されている旧借地法下の底地では、特別な事情がなければ地主が自由に土地を取り戻すことは難しく、契約更新の際にも借地人の意向が強く影響します。

それでも、相続などの理由で借地権を手放す借地人もいます。その場合、地主が借地権を買い戻し、土地の完全な所有権を回復することで、更地としての売却が可能になります。

関連記事:底地を売却する方法とは?売却のメリットや注意点を紹介

底地投資のメリット

底地投資を行うメリットには、次のものが挙げられます。

  • ランディングコストが安い
  • 臨時収入を得られる可能性がある

それぞれ詳しく解説します。

ランディングコストが安い

底地投資の大きな利点は、その運用に伴うコストが非常に低いことです。建物を所有している場合、時間の経過と共に劣化が進むため、定期的なメンテナンスや修繕が必要となり、これらのコストは所有者の負担となります。

さらに、賃貸物件を管理する際には、維持管理費や通信費などのランニングコストが毎月発生し、これらは賃料収入から差し引かれるため、純粋な収益を圧迫する要因です。

対照的に、底地投資では土地の修繕や更新の必要がなく、ランニングコストは固定資産税のみとなります。そのため、地代収入から固定資産税を差し引いた後の純利益は、運用者にとって純粋な収益として計上されるのです。

臨時収入を得られる可能性がある

底地投資のもう1つの利点は、定期的な地代収入に加え、臨時収入を獲得する機会があることです。具体例を挙げると「建物のリノベーションや拡張」「契約更新時の更新料」「所有権の変更や名義変更に伴う承認料」「借地条件の変更に対する承認料」などが含まれます。

これらの臨時収入は、定期収入に加えてさらなる利益をもたらす可能性があります。加えて、底地に借地権を持つ借地人が存在する限り、毎月安定した地代収入を見込むことができます。

マンションやアパート経営では空室リスクが常に付きまといます。しかし、底地投資では借地権が有効な限り、地代の支払いが継続されるため、滞納や空室のリスクが極めて低いのです。

このように、底地投資は安定した収益源を提供し、不動産投資の中でも比較的安全な選択肢として位置づけられています。

底地投資が失敗しやすい理由

一方で、底地投資は以下の理由から「失敗しやすい」といわれています。

  • 最終的な売却が難しい
  • 税負担・支出金が多い

次項より、個別にみていきましょう。

最終的な売却が難しい

底地においては、土地の所有権と建物の所有権が分離されています。この規制において、地主は土地の使用を許可する代わりに借地人から地代を受け取れています。

しかし、この仕組みは借地人が地主の許可なしに土地を自由に売却したり、建物を建てたりすることを制限してもいるのです。

そのため、不動産投資家が土地を自由に利用し、最大限の収益を追求することは難しいといえます。底地を投資目的で購入するなら、これらの利用制限を十分に理解し、投資計画を立てる必要があります。

土地利用の制限は底地投資の大きなデメリットであり、投資の失敗に繋がる可能性があります。

税負担・支出金が多い

底地所有者は、一般的な不動産所有者と同様に、固定資産税や都市計画税を含む複数の税金を負担する必要があります。さらに、不動産を投資目的で購入した場合には不動産取得税が加算され、相続を通じて底地を取得した場合には相続税が課されることになります。

これらの税金は、底地投資の総コストに大きく影響し、特に不動産の収益性が低い場合には、税負担が投資失敗の原因となり得るでしょう。

贈与や相続を通じて底地を取得した場合、収益性と税負担のバランスには特に注意が必要です。利回りが低い底地を相続した場合、相続税の支払いのために土地を売却する必要が生じることもあります。

同様に、収益性が低い底地を贈与する場合、贈与税の負担を軽減するために贈与額を調整する必要があるかもしれません。

底地と建物の所有権が分離されている場合、税金の負担もそれぞれの所有者に分配されます。

「底地の所有者は土地に関する税金」「建物の所有者は建物に関する税金」をそれぞれ負担します。この税金の分離負担は、底地と建物を分けて所有する際の重要な懸念材料といえます。

底地投資を成功させるためのポイント

底地投資を成功させる上では、以下のポイントを踏まえておきましょう。

  • 契約内容をしっかり確認する
  • 土地の状況をチェックする
  • 地代と土地の需要のバランスを図る

それぞれ個別に解説します。

契約内容をしっかり確認する

底地投資における契約は、長期間にわたることが多く、契約の細部にわたって注意深い検討が必要です。

契約内容を確認する際には、契約期間、地代の額、契約解除条件、建物の修繕責任、その他特記事項を含む全項目を詳細に検討しましょう。契約が口頭でのみ行われている場合は、その内容を文書化しておくことが重要です。

定期借地権に関しては、その特性を理解し、契約書に明記されている。あるいは口頭での合意があるかを確認する必要があります。契約内容が不明確な場合は、地主と借地人間での認識の齟齬を避けるために、明確化することが不可欠です。

土地の状況をチェックする

土地の使用目的と実際の用途が一致しているかを確認し、固定資産税の評価額に影響がないかを確認する必要があります。

契約書と異なる用途で土地を利用する場合は、地主と事前に相談し、必要な手続きを踏むことが重要。土地の境界線が明確でない場合は、専門家による測量を行い、隣地とのトラブルを避けるために境界を明確化しましょう。

地代と土地の需要のバランスを図る

地代の適正価格設定は、底地投資の成功において最も重要な要素の1つです。地代は土地の立地、周辺の市場価格、土地の面積、建物の状態など多くの要素を考慮して決定します。

固定資産税は土地の評価額に基づいて計算されるため、土地の価値と市場動向を把握し、適正な地代を設定することが収益性を高める上でのポイントです。

土地の需要を考慮した物件選定も重要であり、将来的に需要が見込まれる地域や用途の土地を選定することで、長期的な収益の安定性を確率できるでしょう。

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まとめ

底地投資で、成功を収めるためには、契約内容の精査、土地の状況理解、地代と土地需要のバランスなどを適切に管理する必要があります。

しかし、税負担や土地利用の制限など、底地投資固有の問題に対処するためには、専門的な知識と戦略が求められます。

これらの要素を総合的に理解し、適切に対応することが、底地投資を行う上で重要。最適な投資結果を実現するためにも、経験豊富なプロフェッショナルの助言を求めましょう。

運営団体
株式会社ネクスウィル

2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。
経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。
これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

丸岡 智幸 (宅地建物取引士)

訳あり不動産の買取を専門にする会社の代表取締役。
相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産の買取を専門としている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を運営。
買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』を2024年5月2日に出版。

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