について今すぐご相談できます。
不動産を売却したものの、確定申告の要否や手続き方法がわからない、特例制度を活用したいが判断に迷うといったケースでは、申告漏れや計算ミスにより、予期せぬ税負担やペナルティが発生する可能性があります。その際に重要となるのが、不動産売却後の確定申告の正しい知識です。
不動産売却後の確定申告とは、売却による譲渡所得に対して納める税金を計算し、申告する手続きのこと。適切な申告を行わないと、加算税や延滞税といった追加負担が生じるリスクがあります。
そこで今回は、確定申告の必要性から具体的な手順、活用できる特例制度まで、実務に役立つ情報について紹介します。
訳アリ物件専門のワケガイ編集部について
「ワケガイ」のコラムは、相続した空き家、共有持分、再建築不可物件、借地・底地など、いわゆる“訳あり不動産”にお悩みの方が、売却・処分・活用の判断を正しく行えるようにすることを目的に運営しています。私たちは運営会社・株式会社ネクスウィルが訳あり不動産の買取実務で培った一次情報にもとづいた記事づくりを徹底しています。
編集ポリシー・コンテンツ制作方針の詳細不動産売却後の確定申告は必要?確定申告の基礎知識
不動産を売却した後の確定申告について、多くの方が「必要なのか」「いつまでに何をすべきか」と不安を抱えています。確定申告の要否は、売却による譲渡所得の有無によって判断します。
確定申告が必要なケース
不動産売却で利益(譲渡所得)が生じた場合は、原則として確定申告が必要です。売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額が譲渡所得となります。
例えば、2,000万円で購入した不動産を3,000万円で売却し、仲介手数料などの諸経費が200万円の場合、譲渡所得は800万円となり、確定申告が求められます。
不動産売却による譲渡所得には、所有期間に応じて異なる税率が適用されます。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得として39.63%、5年を超える場合は長期譲渡所得として20.315%です。いずれも所得税・復興特別所得税・住民税を合計した税率です。
(参考:国税庁「土地や建物を売ったとき」)
確定申告が不要なケース
不動産の売却で譲渡損失が発生し、ほかに申告が必要となる事情がなければ、原則としてその売却について確定申告は不要です。ただし、マイホームの譲渡損失に関する損益通算や繰越控除の特例を利用する場合は、確定申告が必要です。
また、3,000万円特別控除などを適用することで課税される譲渡所得がゼロになる場合も、特例を受けるための確定申告が必要です。
確定申告を行わないとどうなる?
確定申告を怠ると、税務署から調査が入る可能性が高まります。税務署は不動産取引の情報を把握しており、申告漏れを発見した場合、本来の税額に加えて重い加算税が課されます。
無申告加算税は、税務署の調査を受けた後の期限後申告などの場合、納付すべき税額のうち50万円までの部分が15%、50万円超300万円までの部分が20%、300万円超の部分が30%です。ただし、調査の事前通知を受ける前に自主的に期限後申告した場合は、原則として5%に軽減されます。
(参考:国税庁「延滞税の割合」)
不動産売却時の確定申告で使える特例制度
不動産売却時の税金は特例制度を利用することで、大幅な負担軽減が期待できます。特に自宅として使用していた不動産の売却では、複数の特例を組み合わせることも視野に入れた検討が有効です。
3,000万円特別控除
マイホーム売却時に最も活用される特例が3,000万円の特別控除制度です。自宅として使用していた土地や建物を売却する際、その譲渡所得から最高3,000万円までを控除できる仕組みです。
具体的には、居住用財産を4,000万円で売却し、取得費と諸経費の合計が2,000万円の場合、譲渡所得2,000万円から特別控除を適用すれば税負担はゼロとなります。
ただし、特例の適用には一定の条件があります。現在住んでいる自宅のほか、以前住んでいた家屋も、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば対象となる場合があります。
また、親子や夫婦など特別の関係がある人への売却ではないことや、売却した年の前年・前々年に同じ特例を受けていないことなども要件です。
(参考:国税庁「マイホームを売ったときの特例」)
買い換え特例
住み替えを考えている方に朗報となるのが、買い換え特例制度です。マイホームを売却して新たな住宅を購入する際、譲渡所得への課税を繰り延べることができます。
この特例を使えば、売却時の税金を新しい住宅の売却時まで先送りすることが可能です。売却金額が1億円以下で、売却した年の前年から翌年までの3年以内に新たな住宅を取得するといった要件を満たす必要があります。
住宅ローン控除との併用も認められているため、住み替えの際の資金計画に大きな影響を与える特例といえます。
(参考:国税庁「特定のマイホームを買い換えたときの特例」)
譲渡損失の損益通算
土地や建物を売却して損失が生じても、原則として給与所得などの他の所得から差し引くことはできません。ただし、一定の要件を満たすマイホームの売却では、譲渡損失を他の所得と損益通算できる特例があります。
主な制度には、マイホームを買い換える場合の特例と、住宅ローンが残っているマイホームを売却する場合の特例があります。いずれも、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていることなどが要件です。
なお、住宅ローンが残っているマイホームを買い換えずに売却する場合は、売却価額が住宅ローン残高を下回ることが必要で、損益通算できる金額にも上限があります。
(参考:国税庁「マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」)
適用要件を満たせば、損益通算しきれなかった損失を翌年以後3年間にわたって繰り越せる場合があります。
なお、買い換え特例と住宅ローン控除は、一定の期間内では併用できません。また、この特例には、売却した住宅の居住期間が10年以上、売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていることなどの要件があります。
適用にあたっては、新居の住宅ローン控除との比較も含めて検討しましょう。
(参考:国税庁「不動産を譲渡して譲渡損失が生じた場合」)
不動産売却の確定申告に必要な書類と準備
不動産売却の確定申告では、複数の書類が必要となります。申告期限に余裕をもって準備を進めることで、スムーズな手続きにつながります。書類の中には取得に時間がかかるものもあるため、早めの準備が賢明です。
必ず必要となる基本書類
不動産売却の確定申告では、確定申告書第一表・第二表、第三表(分離課税用)、譲渡所得の内訳書などを使用します。
また、売却価格や取得費を確認するため、売却時・取得時の売買契約書、仲介手数料などの領収書を準備しておきましょう。
なお、登記事項証明書などの添付が必要になるかどうかは、適用する特例によって異なります。一定の場合には、不動産番号を記載した明細書によって添付を省略できます。
特例適用時に追加で必要となる書類
3,000万円特別控除などの特例を利用する場合は、特例ごとに定められた書類を準備する必要があります。
(参考:国税庁「住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」)
例えば、マイホームの3,000万円特別控除では、譲渡所得の内訳書などを提出します。売却した住宅の所在地と住民票上の住所が異なる場合などには、戸籍の附票の写しなど、居住実態を確認できる書類が必要です。
買い換え特例では、売却した住宅と新たに取得した住宅の契約書や登記事項証明書などが必要になります。
また、譲渡損失の損益通算では、利用する特例によって必要書類が異なります。住宅ローン残高証明書のほか、損失額の明細書や計算書などが求められるため、申告前に適用する制度の必要書類を確認しましょう。
紛失や取得できない場合の対処法
取得時の売買契約書を紛失してしまった場合、税務署では概算取得費として売却価格の5%を取得費として認めています。ただしこの方法では取得費が低く見積もられ、結果的に譲渡所得が増えて税負担が大きくなる傾向にあります。
そのため、不動産会社や金融機関に保管されている契約書の控えの有無を確認したり、固定資産税の課税明細書など、取得価格を推定できる書類を探したりすることをおすすめします。
登記事項証明書についても、不動産番号を記載した明細書の提出で代替できる場合があります。
不動産売却の確定申告の具体的な手順
不動産売却後の確定申告は、手順を踏んで丁寧に進めることが重要です。大きく分けると、以下の4段階です。
- 手順①:必要な申告書類を入手する
- 手順②:譲渡所得を正確に計算する
- 手順③:確定申告書を正しく記入する
- 手順④:申告書を提出し納税手続きを行う
それぞれ個別にみていきましょう。
手順①:必要な申告書類を入手する
申告に必要な書類は、国税庁のウェブサイトから入手できます。土地や建物を売却した場合は、主に「確定申告書第一表・第二表」「確定申告書第三表(分離課税用)」「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)」を使用します。
譲渡所得の内訳書には、不動産の売却価格や取得費、譲渡費用などを記入します。その計算結果を基に、第三表で分離課税の所得金額や税額を計算します。
なお、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に従って必要事項を入力し、申告書を作成できます。
手順②:譲渡所得を正確に計算する
譲渡所得の計算は売却価格から取得費と譲渡費用を差し引くことから始まります。取得費には物件の購入価格に加え、購入時の仲介手数料や登記費用なども含まれます。
建物の場合は取得からの減価償却費も考慮する必要があり、建物の構造によって定められた償却率を用いて計算します。譲渡費用には売却時の仲介手数料や印紙代、測量費用などが該当します。
これらの費用を正確に積み上げることで、適切な課税所得の計算が可能となります。
手順③:確定申告書を正しく記入する
確定申告書の記入は「譲渡所得の内訳書」から始めます。物件の所在地や面積、取得日、売却日などの基本情報を記入し、続いて収入金額や必要経費を書き込みます。
その後、計算結果を確定申告書第三表(分離課税用)などの必要な欄に反映します。特に税額の計算では、所有期間が5年以下か超えるかで税率が大きく異なるため、所有期間の確認は慎重に行う必要があります。
記入漏れや計算ミスがないよう、1つひとつの項目を丁寧に確認しながら作業を進めます。
手順④:申告書を提出し納税手続きを行う
完成した申告書は居住地を管轄する税務署に提出します。提出方法は窓口持参のほか、郵送やe-Taxによる電子申告も選択できます。
納税は申告期限と同じ3月15日までに完了する必要があります。納付方法は金融機関の窓口やATM、インターネットバンキング、クレジットカードなど多様な選択肢が存在します。納付書は税務署で入手するか、e-Taxなら電子的に発行を受けることが可能です。
確定申告は一連の手続きが完了して初めて終了となるため、納税までしっかりと管理することが大切です。
確定申告の期限と対応方法
不動産売却の確定申告は、売却した年の翌年2月16日から3月15日までの期間に行う必要があります。税制改正や社会情勢により期限が変更されることもあるため、最新の情報を確認しておくことが大切です。
期限間際は税務署が混雑するため、書類の準備が整い次第、早めに申告することをおすすめします。
やむを得ない事情で期限までに申告できない場合は、期限後申告という形で対応することになります。
ただし、期限後申告では無申告加算税が課される場合があります。税務署の調査を受けた後の申告などでは、納付すべき税額に応じて15%・20%・30%の段階的な割合が適用されます。一方、調査の事前通知前に自主的に期限後申告した場合は、原則として5%に軽減されます。
さらに、納付が遅れた期間に応じて延滞税も発生するため、期限内の申告が非常に重要となります。
確定申告を税理士に依頼すべきケースとは?
不動産売却の確定申告は自分で行うことも可能ですが、取引金額が大きく、1つのミスが大きな負担に繋がる可能性があります。特に、複数の特例制度を組み合わせたい場合や、事業用不動産の売却では、税理士への依頼を検討するのが賢明です。
税理士に依頼するメリットは、専門的な知識に基づいた適切な申告が可能になる点です。前述したマイホームの3,000万円特別控除と買い換え特例の選択において、将来の税負担も考慮した最適な判断を導き出せます。
また、建物の減価償却費の計算や、取得費が不明な場合の対応など、複雑な計算も正確に行えます。
報酬は案件の複雑さにもよりますが、一般的に10万円から30万円程度です。取引金額が大きい場合は、この費用以上の節税効果が期待できる可能性も高いため、専門家の力を借りることは賢明な選択といえます。
もし確定申告に失敗するとどうなる?
不動産売却後の確定申告は、高額な取引を扱うだけに、税務署による調査で申告内容に誤りが見つかった場合、追加の税負担が生じるだけでなく、加算税などのペナルティも課されかねません。
ここからは、そういった場合に備えて、確定申告に失敗してしまった場合に発生する事柄を解説します。
確定申告の申告漏れや計算ミスで追徴課税を受けた場合
確定申告の内容に誤りがあった場合、税務署から修正申告を求められます。例えば、建物の取得費の計算を誤り、譲渡所得を過少に申告してしまった場合、不足分の税金に加えて過少申告加算税が課されます。
この加算税は、修正により増加した税額の10%(過少申告額が期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分については15%)となります。
具体的な事例として、マンションを4,000万円で売却し、取得費を3,000万円と申告したものの、実際の取得費が2,000万円だったケースを見てみましょう。この場合、本来の譲渡所得は2,000万円のところ、1,000万円と申告していたことになります。
差額の1,000万円に対する税金約200万円に加えて、過少申告加算税として20万円程度が追加で課されることになります。
期限後の確定申告で加算税を課された場合
確定申告期限を過ぎてからの申告には、無申告加算税が課される場合があります。税務署の調査を受けた後の期限後申告などでは、納付すべき税額のうち50万円までの部分が15%、50万円超300万円までの部分が20%、300万円超の部分が30%となります。
ただし、調査の事前通知前に自主的に期限後申告した場合は、原則として5%です。また、期限から1か月以内の自主申告など、一定の要件を満たせば無申告加算税が課されない場合もあります。
さらに、納付が遅れた期間に応じて延滞税も発生します。延滞税の割合は年によって異なり、2026年は納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、それ以降が年9.1%です。
これに加え、実際に納付が遅れた日数に応じて延滞税が発生します。延滞税の金額は納期限や納付日、適用される年ごとの割合によって変わるため、個別に計算する必要があります。
(参考:国税庁「延滞税について」)
確定申告の失敗を防ぐためのチェックポイントと対策法
不動産売却の確定申告で失敗しないためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
最も基本的なチェックポイントは「申告書の記載内容の正確性」です。
特に金額の転記ミスは致命的な問題となるため、電卓で何度も確認しましょう。具体的には、譲渡所得の内訳書から確定申告書への転記、各種特例の適用条件の充足状況、必要書類の添付漏れなどを重点的にチェックします。
申告書の提出前には、以下の項目を必ず確認しましょう。まず、売却資産の所在地や面積は登記事項証明書と一致しているか。
次に「取得費や譲渡費用の金額は領収書等の証明書類と合っているか」「適用を受けようとする特例の要件は満たしているか」をチェックします。これらの確認を怠ると、後から修正申告が必要になる可能性があります。
わからない点がある場合は、税務署の確定申告相談コーナーを利用するのも1つの方法です。相談コーナーでは、申告書の作成方法から特例の適用まで、経験豊富な職員が丁寧にアドバイスをしてくれます。
ただし、確定申告期間中は非常に混雑するため、早めの相談をおすすめします。相談の際は、売買契約書や登記事項証明書など、必要書類を忘れずに持参することが重要です。
確定申告は税理士に相談すべき?
不動産売却の確定申告を自分で行うことは可能ですが、特例制度の選択や減価償却費の計算など、専門知識が必要な場面も少なくありません。
とりわけ売却金額が高額な場合や、複数の特例制度を検討する場合は、税理士への相談が必要です。税理士に依頼することで、税金の計算や書類作成の手間が省けるだけでなく、将来を見据えた最適な特例の選択も可能になります。
報酬は一般的に10万円から30万円程度ですが、適切な申告により思わぬ節税効果が得られることもあります。
まとめ
不動産売却後の確定申告は、単なる手続きではなく、将来の資産形成にも影響を与える重要な局面といえます。特に、特例制度の選択は慎重な判断が求められ、一度選んだ特例は原則として変更できないため、十分な検討が必要です。
確定申告の期限は売却した翌年の3月15日までと決められており、期限を過ぎると加算税や延滞税が課されます。取引金額が高額な場合や、複数の特例制度を検討する場合は、不動産取引に精通した税理士への相談をおすすめします。
本ブログで情報発信を行っている当社(株式会社ネクスウィル)は、訳あり物件の買取に特化したサービス「ワケガイ」を提供しています。
最短1日の買取が可能で、法的な手続きについては丸投げしていただけます。訳あり物件にお悩みの方は、ぜひ下記よりご相談ください。
運営団体 2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。 訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。 経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。 これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。 |












