相続した実家や長年空き家になっている住宅を整理せず放置すると、老朽化による倒壊や、ゴミの不法投棄、害虫の発生といった深刻な問題が発生します。
近隣住民とのトラブルや行政からの指導につながることもあり、対応が遅れるほど整理の手間やコストも増えていきます。
いざ空き家を整理しようとすると、片付けから草刈り、修繕などやることが多く、どこから手をつけていいか分からなくなります。
本記事では、そんな空き家整理を自力で実施する方法に加え、業者に依頼する場合の費用相場やコツなどをワケガイ編集部が解説します。
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編集ポリシー・コンテンツ制作方針の詳細空き家整理はなぜ必要?放置するデメリットとは
空き家は放置すると急速に劣化し、税金がかかるだけでなく、修繕費や草刈りなどの管理費が重くのしかかることになります。
実際に、2025年5月に発表された40~69歳までの男女1万6,342人を対象にした調査では、親名義の戸建てを相続した場合10軒に1軒が空き家になる可能性があると判明しています。

(出典:PR Times「【相続・終活に関する全国調査2025 結果発表第2弾】親名義の戸建て10軒に1軒が空き家になる可能性」)
空き家は手入れをしないまま放置されると、周囲にさまざまな悪影響を及ぼします。建物自体の老朽化が進行すれば、屋根の崩落や壁の破損といった物理的な危険が生じるほか、湿気やカビ、害虫・害獣の温床にもなりかねません。
さらに、庭木が繁茂したり郵便物が溜まったりすると、空き家であることが外からも一目瞭然となります。このような状態は不法侵入やゴミの投棄を招き、地域の治安や景観に悪影響を与えることにもなりかねません。
空き家は所有者が気づかないうちに地域のリスク要因となることが多いため、放置せず、早い段階で整理や管理に取り組むことが必要なのです。
関連記事:「空き家」となった実家はどう活用するのがいいの?具体的なアイデアを詳しく紹介
空き家対策特別措置法による「特定空き家」に指定されるリスクもある

特定空家に指定された後、自治体からの勧告や命令を無視すると、住宅用地の特例の解除や行政代執行による解体が行われます。
空き家の管理状態が悪化すると、「特定空家等」だけでなく、その前段階にあたる「管理不全空家等」として市区町村の措置対象になる可能性があります。
空家等対策の推進に関する特別措置法は2015年に全面施行され、2023年6月14日に公布、同年12月13日に施行された改正法によって管理不全空家等への指導・勧告制度が設けられました。管理不全空家等として勧告の対象になるのは、指導後も状態が改善されず、そのまま放置すれば特定空家等に該当するおそれが大きいと判断された段階です。
特定空家等については、助言・指導、勧告、命令を経て、必要に応じて行政代執行に至る場合があります。2025年5月15日には、2017年に特定空家等とされた浜松市中央区鍛冶町の木造2階建ての建物について、所有者が解体命令に応じなかったことから行政代執行による解体工事が始まりました。

(出典:Daiichi TV「浜松市の中心街に放置された“特定空き家” 解体に応じない所有者に代わって 市が解体工事開始」)
また、特定空き家に指定されることで大きな影響を受けるのが固定資産税です。通常、住宅用地には課税額を軽減する特例措置がありますが、特定空き家になるとこの軽減が解除され、税額が最大で6倍程度に跳ね上がる可能性があります。
(参考:e-Gov 法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」)
関連記事:空き家の放置を続けるとどうなる? 行政代執行までの流れを解説
空き家整理を自力で行えるかどうかの判断基準
空き家の整理を進める際、多くの人が悩むのが「自分たちで片付けるべきか、それとも業者に任せるべきか」という判断でしょう。
実際問題として、費用を抑えたい気持ちがある一方で、作業の負担や時間的制約も無視できません。ここでは、判断の目安となる具体的なポイントについて解説します。
自力で行えるケース
空き家整理を自力で進めやすいのは、建物内へ安全に立ち入ることができ、荷物が比較的少なく、大型家具や家電の搬出も自分たちで手配できる場合です。
空き家が近距離にあり、何度か通えるのであれば、部屋ごとに作業日を分ける方法も取れます。作業を始める前に、残っている荷物の量、粗大ごみの回収方法、搬出経路、運搬に使う車両を確認しておくことが大切です。
床の腐食や強いカビ、害虫・害獣の発生が見られる場合や、家一軒分の家財がほぼ残っている場合は、安全面と作業量を考えて専門業者への依頼が適しています。
関連記事:空き家問題への対策方法とは?放置リスクと解決法を徹底解説
業者に依頼すべきケース

放置されていた空き家
荷物の量が多い場合や、長期間放置されて劣化や破損がある空き家の場合は、無理をせず専門業者への依頼を検討すべきです。
特に、家の中に大型家具や家電が多く残されている、湿気やカビによる劣化が進んでいる、あるいは虫や動物の被害が見られるといったケースでは、作業の負担が非常に大きくなります。
また、高齢者の単身世帯や、空き家が遠方にあって通うのが困難な人にとっては、自力での対応は身体的・精神的に大きな負担となりかねません。片付け作業には想像以上に重労働が伴い、時間的な拘束も長引くでしょう。
専門の整理業者は、不用品の回収から処分、必要に応じて清掃や解体前の準備まで幅広く対応してくれます。費用はかかりますが、作業の安全性や時間効率を考えると、結果的に満足度が高いケースが多くみられます。
空き家整理を業者に依頼した場合の費用相場
1K程度の小さな物件なら5万円前後から依頼可能なケースもありますが、3LDK以上で荷物が多い場合は20〜30万円を超えることも珍しくありません。
価格帯には幅がありますが、物件の広さや残置物の量、立地条件によって大きく異なります。
家電リサイクル法の四品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)があると、粗大ごみでは出せず、処分費用が高くなります。
作業内容によって料金が加算される点にも注意が必要です。単純な片付け作業だけでなく、「家電のリサイクル処分費用」「車両の出入りが難しい場合の追加料金」など、条件によって見積もりが大きく変動するケースも存在します。
階段しかない集合住宅や、駐車スペースがない住宅地では、作業員の人数や運搬コストが増える傾向にあります。
また、業者によっては整理後の清掃や、解体前提のスケルトン化といったオプションサービスも提供されています。必要な範囲を見極めたうえで、不要なサービスを省くことで費用を抑えることも可能です。
空き家整理と業者に依頼する際の注意点
空き家整理と業者に依頼する際の注意点は、以下のとおりです。
- 実績を確認する
- 見積もり内容を精査する
- 追加費用の有無を確認する
- 許認可や対応地域を確認する
それぞれ個別にみていきましょう。
実績を確認する
整理業者を選ぶ上で最も重要なのは、単に「年間◯件対応」などの数字を見るのではなく、公式サイトに掲載されている事例や対応内容をみて、自分の状況に近いケースが扱われているかをチェックすると具体的なイメージがつかめます。
特に注意したいのは、「遺品整理」「空き家片付け」「ゴミ屋敷対応」といったサービス名称の違いです。業者によって得意分野が異なるため、漠然と実績数だけを見るのではなく、自分が依頼したい作業の経験があるかどうかに着目しましょう。
口コミや第三者サイトでの評価も参考になりますが、自作自演のレビューもあるため、複数の媒体で比較すると安心です。
見積もり内容を精査する
見積書では総額だけを見るのではなく、どこまでの作業が料金に含まれているかを確認します。
「一式」と記載された項目がある場合は、作業内容や追加料金の条件まで確認しておくことが大切です。
特に確認しておきたい内容は以下のとおりです。
| 見積項目 | 確認ポイント |
| 作業範囲 | 仕分け・搬出・清掃のどこまで含まれるか |
| 人員・車両 | 作業員の増員や車両追加で料金が変わるか |
| 処分費 | 不用品の処分費が総額に含まれているか |
| 家電 | リサイクル料金や収集運搬料金が別途必要か |
| 追加料金 | 階段作業や長距離搬出など、料金が増える条件は何か |
| 買取 | 買取可能な家財がある場合、見積額から差し引かれるか |
複数社を比較する場合は、依頼する作業範囲をそろえて見積もりを取ると金額の違いを確認しやすくなります。
追加費用の有無を確認する
作業当日に「想定外だったので別料金がかかる」といったことを避けるには、あらかじめ追加費用が発生する条件を確認しておく必要があります。
具体的にいうと、以下のような状況では、見積もり段階で説明されていなければ追加請求のリスクが存在します。
- 大型家具や家電が多数ある
- 分別が必要な生活ゴミが混在している
- 車両が敷地に入れず、運搬に手間がかかる
これらに該当する可能性がある場合は、事前の現地確認をお願いし、見積もりに明記してもらうのがベターです。口頭で済ませるのではなく、書面での確認を忘れないようにしましょう。
許認可や対応地域を確認する

家庭の不用品を処分する際に、一般廃棄物の許可・委託や古物商の確認が必要になる場面を整理しています。
空き家から出る家具や生活用品など、家庭から排出される不用品は一般廃棄物として扱われます。
処分まで業者に任せる場合は、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた事業者か、市区町村から委託を受けた事業者が収集・運搬に関与しているかを確認することが大切です。
産業廃棄物収集運搬業の許可だけでは、一般家庭から出た不用品を収集・運搬できません。古物商許可は、中古品を再販する目的で買い取る際に関係する許可であり、家庭ごみを回収するための許可とは別です。
片付け業者自身が収集・運搬を行わず、許可を持つ事業者へ引き渡すケースもあります。契約前に「不要品を誰が収集し、どのように処分するのか」まで確認すると、処理経路を把握できます。
空き家整理にかかる費用を抑えるコツ
空き家整理にかかる費用を抑えるコツは、以下のとおりです。
- 自力でできる作業は事前に済ませておく
- 複数業者から相見積もりをとる
- 買取可能な品物を活用して処分費用を減らす
- 自治体の助成制度や粗大ゴミ回収を活用する
次項より、詳しく解説します。
自力でできる作業は事前に済ませておく
業者にすべて任せると、そのぶん費用は上乗せされていきます。
衣類や雑貨など軽量で扱いやすい不用品をあらかじめ袋詰めしておくだけでも、作業時間が短縮され、人件費を抑えることにつながります。また、貴重品や重要書類の選別も事前に済ませておくと、業者が触れずに済む分だけ作業がスムーズになります。
掃除まで完璧に行う必要はありませんが、ある程度の整理整頓を済ませておくだけでも、見積額が抑えることが可能です。費用と労力のバランスを見ながら、無理のない範囲で準備を進めましょう。
複数業者から相見積もりをとる
価格やサービス内容は業者ごとに異なります。一社だけの見積もりで決めてしまうと、相場より高い料金を支払ってしまう可能性があります。
最低でも2〜3社から見積もりを取り、比較検討するのが基本です。その際、単純な価格だけでなく、見積もりの内訳や説明の丁寧さ、対応の柔軟さなども比較しましょう。
買取可能な品物を活用して処分費用を減らす
整理対象の中に、再販可能な家具・家電・骨董品などが含まれている場合、それを買い取ってくれる業者を選ぶことで、処分費用の一部を相殺できます。
ブランド家具やアンティーク品、未使用の贈答品などは買取対象になりやすいものです。
業者によっては整理作業と買取査定を同時に行ってくれるところもあるため、あらかじめ買取実績が豊富な業者を選ぶのも一つの方法です。
自治体の助成制度や粗大ゴミ回収を活用する
自治体によっては、空き家に残された家財の処分費用を補助する制度があります。
全国共通の制度ではなく、対象となる空き家、補助率、上限額、売却・利活用の要件などは自治体ごとに異なります。
片付けを始めてからでは申請できない制度もあるため、業者との契約や家財の搬出前に、空き家がある市区町村の公式サイトで確認することが大切です。予算額に達すると年度途中で受付が終了する場合もあります。
補助制度を利用できない場合でも、自治体が回収する粗大ごみとして出せる家具などを先に処分すれば、業者へ依頼する物量を減らせます。対象品目、料金、収集日、持ち込み施設の有無を確認し、自力で対応できる範囲に取り入れると整理費用を抑えられます。
空き家整理を自力で進める手順

家全体の確認から仕分け、不用品処分、掃除・修繕までの流れを整理した図解です。
空き家整理を自力で進める手順は、以下のとおりです。
- STEP①:家全体の状態を確認し、作業の優先順位を決める
- STEP②:残す物・処分する物を仕分ける
- STEP③:不用品を処分する(粗大ゴミ・リサイクル・寄付など)
- STEP④:掃除や修繕を行い、整理を完了させる
それぞれ個別にみていきましょう。
STEP①:家全体の状態を確認し、作業の優先順位を決める
まずは家全体を見渡し、建物の状態や残されている荷物の量、劣化の程度を把握します。
特に注意したいのは、水回りや天井の状態、カビや腐食の有無です。危険が伴う箇所は後回しにするか、必要であれば業者への依頼も視野に入れます。また、すべてを一度に片付けようとせず、部屋ごと・用途ごとに優先順位をつけて取り組むと作業が進めやすくなります。
STEP②:残す物・処分する物を仕分ける
家財は「残す物」「処分する物」「判断を保留する物」の3つに分けると整理しやすくなります。
現金、通帳、印鑑、権利証や登記関係の書類、保険証券、貴金属、写真などは、ほかの不用品とは別に確保しておくことが大切です。
相続した空き家では、家財の中に相続財産が含まれている場合があります。相続人が複数いるときは、一人では処分を決めにくい品もあるため、判断がつかない物は捨てずに保留しておく必要があります。
段ボールや封筒の中に重要書類が残っているケースも考えられるため、中身を確認せずにまとめて廃棄するのは避け、確認済みの物から処分対象へ移すとよいでしょう。
STEP③:不用品を処分する(粗大ゴミ・リサイクル・寄付など)
不用品を処分する際には、自治体の粗大ゴミ回収、リサイクルショップへの持ち込み、寄付団体の活用など複数の選択肢があります。
家電リサイクル法の対象となる製品(テレビ・冷蔵庫など)は所定の方法で処分しなければなりません。買取可能な家具や未使用品がある場合は、リユース業者に依頼することで、費用負担を軽減できるでしょう。
STEP④:掃除や修繕を行い、整理を完了させる
最後に、掃除や簡単な修繕を行って空き家整理は完了です。
長期間使っていなかった家はホコリやカビが溜まりやすいため、掃除機や雑巾だけでなくマスクや手袋を着用して行いましょう。
ドアの建てつけや照明の不具合など軽微な修繕は自力で対応できますが、床下の腐食など構造に関わる問題は専門家に相談したほうが安全です。整理後の活用方法に応じて、どこまできれいにするかを判断するとよいでしょう。
筆者自身、相続した空き家を整理したことがありますが、そのタイミングは真夏で非常に過酷だったため、可能であれば気候の安定した季節を選びましょう。
空き家整理でお悩みなら「ワケガイ」の買取サービスをご検討ください!

当社(株式会社ネクスウィル)は、訳あり物件の買取に特化した不動産サービス「ワケガイ」を提供しています。
空き家の整理には、時間と労力、何よりも費用がかかります。さらに、老朽化や荷物の多さ、権利関係の複雑さから、片付けの後に売却が難航するケースも少なくありません。
ワケガイでは、そうした整理が進まない空き家を含め、共有持分や再建築不可、ゴミ屋敷など、一般には買い手が見つかりにくい物件でもスムーズに買取対応しています。
「まずは整理してから売る」ではなく、「整理前に売る」という選択肢も可能ですので、まずはお気軽に無料査定をご活用ください。
まずは空き家の簡易査定ができるので以下より試してください。

空き家整理についてよくある質問
空き家整理についてよくある質問は、以下のとおりです。
- 遺品整理で「ネコババ」とは何ですか?
- 亡くなった人の物は処分した方がいいですか?
それでは、それぞれの質問とその回答を紹介します。
遺品整理で「ネコババ」とは何ですか?
「ネコババ」は遺品整理の正式な用語ではなく、整理中に見つかった現金や貴金属などを、本来報告すべき人が無断で自分のものにする行為を指して使われる俗語です。業者へ依頼する前に現金、通帳、貴金属、重要書類などを可能な範囲で確認し、残しておく物を写真や一覧で記録しておくとトラブル防止につながります。作業中に貴重品が見つかった場合の扱いについても、契約前に確認しておくと役立ちます。
亡くなった人の物は処分した方がいいですか?
亡くなった人の物を急いで一括処分せず、まず相続関係と品物の内容を確認します。相続人が複数いる場合、相続財産は遺産分割が終わるまで共同相続人の共有となるため、価値のある家財を一人の判断で処分するとトラブルにつながる可能性があります。現金、通帳、貴金属、権利関係の書類などは先に取り分け、思い出の品や所有者を判断しにくい物も保留しておくことが大切です。
まとめ
空き家は、時間が経つほど建物の劣化や管理コストが増え、トラブルの原因にもなりかねません。できるだけ早い段階で整理に着手することをおすすめします。
荷物が少なく、手の届く範囲であれば自力で対応できますが、物量が多い場合や老朽化が進んでいる場合は、無理せず専門業者に依頼するのが安全です。その際は、見積もりの内容や追加費用の有無、業者の実績・許可などをきちんと確認しましょう。
また、事前にできる作業を済ませておいたり、買取サービスや自治体の制度を活用したりすることで、整理費用を抑えることも可能です。状況に応じて最適な方法を選び、空き家問題を前向きに解決していきましょう。
運営団体 2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。 訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。 経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。 これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。 |











