空き家

空き家の成功事例6選!具体的な実践方法も交えて紹介

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こんにちは。ワケガイ編集部です。

親が高齢になり、実家を相続する可能性が出てきた場合や、既に誰も住んでいない家を所有している場合には、老朽化や税負担、近隣トラブルなどの問題が発生します。その際に重要なのが「空き家対策」です。

空き家対策とは、放置せずに管理・活用・処分を通じて安全性や資産価値を維持するための取り組みです。

そこで本記事では、空き家問題の現状や放置リスク、行政の支援制度、そして実際の成功事例をもとに、効果的な空き家対策の方法を解説します。

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目次

空き家問題とは?

日本では人口減少と高齢化が進み、空き家の増加が深刻化しています。総務省の調査によると、2023年時点で全国の空き家はおよそ900万戸に達し、住宅の約13%を占めています。

空き家問題の現状

(出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」)

特に地方や郊外では、親の他界後に相続された実家が放置されるケースが多く、管理されないまま老朽化が進むことで、地域の安全や景観に悪影響を及ぼしています。

空き家が長期間放置されると、建物の傷みが進み、倒壊の危険や害虫の発生といった生活環境上の問題が発生します。防犯面でも不法侵入や放火などのリスクが高まり、「人が住まない家」が近隣に不安を与える存在になってしまうこともあります。

さらに、所有者にとっては固定資産税や修繕費といった維持費の負担が続くうえ、特定空家に指定されると税優遇の対象外となり、経済的損失も大きくなります。

こうした問題を受けて、国は「空家等対策特別措置法」を施行し、自治体が老朽空き家の指導や解体命令を行える仕組みを整備しました。空き家問題はもはや一部の所有者だけの課題ではなく、地域全体で向き合うべき社会問題となっています。

(参考:e-Gov 法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」)

 

空き家対策をせずに放置するリスク

空き家をそのまま放置しておくと、想像以上に多くの問題が生じます。老朽化した建物は時間とともに劣化が進み、修繕が難しくなるだけでなく、周囲の住民や地域にも影響を及ぼします。

放置によって起こりやすい代表的なリスクとしては、以下のものが挙げられます。

  • 倒壊や老朽化による近隣への被害がある
  • 特定空家に指定され、行政指導・罰則の対象になりかねない
  • 草木の繁茂や害虫・害獣の発生で苦情がある
  • 不法侵入や放火など犯罪に巻き込まれかねない
  • 相続人間で管理責任や処分方針を巡るトラブルに繋がる 

それぞれ個別にみていきましょう。

倒壊や老朽化による近隣への被害がある

人が住まなくなった家は、日常的な換気やメンテナンスが行われないため、短期間で急速に劣化します。雨漏りや腐食が進むと、屋根瓦や外壁材が剥がれ落ち、近隣の車や通行人に損害を与える危険もあります。

地震や台風の際には、倒壊や飛散物による二次被害が発生することもあり、所有者が損害賠償を求められるケースも存在します。

特に木造住宅では、湿気による柱の腐朽やシロアリ被害が早期に進む傾向があり、「見た目は残っていても構造的には危険」という状態に陥りやすいのが特徴です。放置期間が長いほど修繕費用も膨らみ、最終的には解体しか選択肢が残らないこともあります。

特定空家等に指定され、行政指導・罰則の対象になりかねない

長年管理が行われず、周囲に悪影響を及ぼす状態になると、自治体から「特定空家」に指定される可能性があります。

特定空家とは、倒壊や衛生上の問題が懸念される建物に対し、行政が助言・指導・勧告・命令を行える制度です。勧告を受けても改善されない場合、最終的には行政代執行で解体され、その費用が所有者に請求されることもあります。

(参考:e-Gov 法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法

空き家を所有している限り、利用していなくても固定資産税は毎年課税されます。しかも、建物が老朽化して危険と判断され、前述した「特定空家」に指定されると、住宅用地特例が解除されて税額が最大で6倍に跳ね上がることがあります。これは、所有者が放置を続けることへの強い抑止措置です。

草木の繁茂や害虫・害獣の発生で苦情がある

人が住まなくなった家では、庭木や雑草が急速に伸び、隣地に越境したり、害虫や小動物のすみかになることがあります。夏場には蚊やハチが発生し、冬場にはネズミやハクビシンが屋根裏に侵入するケースも見られます。

これが近隣の住民にとって大きな迷惑となり、自治体への苦情や通報につながることも珍しくありません。見た目の印象も悪化し、周囲の住宅地全体の資産価値が下がる原因にもなります。

空き家は「自分の家だから自由にしてよい」という問題ではなく、地域環境や安全に直結する社会的課題です。日常的な点検や草刈りだけでも、被害やトラブルを未然に防ぐことができます。

不法侵入や放火など犯罪に巻き込まれかねない

人の気配がなくなった住宅は、防犯の観点から非常に危険です。夜間に照明がつかず、郵便物やチラシがたまった状態は「留守の家」であることを周囲に知らせてしまいます。

そのため、不法侵入や窃盗、さらには放火といった犯罪に利用されることがあります。実際、警察庁の統計でも放火事件の発生場所として「空き家・空き地」が一定割合を占めています。

また、空き家は不法投棄やホームレスの不法占拠の温床にもなりやすく、近隣住民の不安を招く要因になります。

こうした事件が起きると、警察や消防だけでなく、清掃や修繕などの対応費用もすべて所有者が負担することになります。建物を安全に保つには、定期的に見回りを行い、外から見ても「管理されている」とわかる状態を維持することが防犯上の抑止力になります。

相続人間で管理責任や処分方針を巡るトラブルが発生する

空き家は、実家の相続をきっかけに発生することも多々あります。相続人が複数いる場合、名義が共有のまま放置され、管理や処分をめぐって意見がまとまらない状況に陥りがちです。

「建物の修繕や固定資産税の支払いを誰が負担するか」「売却するのか残すのか」といった、判断を先延ばしにすると、相続人同士の関係が悪化し、結果としてどちらも動けないまま老朽化が進んでしまいます。

特に地方では「誰も使わないが手放しづらい」という心理的な理由から、何年も放置される例が後を絶ちません。

早い段階で専門家を交えて話し合い、遺言書や遺産分割協議書の中で空き家の扱いを明確にしておくことが、後のトラブルを防ぐ有効な手段です。空き家問題は、相続問題と密接に結びついているという意識を持つことが大切です。

 

空き家対策の実践例

ここからは、全国で行われている代表的な取り組みのうち、特に再現性の高い活用モデルを紹介します。

  • 賃貸・リノベーション活用による安定運用
  • サテライトオフィス・コワーキング・シェアオフィス誘致型
  • 宿泊施設・古民家宿泊業への物件再生型
  • 飲食店・カフェ・複合施設転用型
  • 地域コミュニティ拠点・交流スペース型
  • 駐車場・倉庫など軽利用型(修繕コスト抑制型) 

いずれも、単に建物を残すだけでなく、地域や人の流れを生み出す形へと再生している点が共通していますので、しっかりとみて行きましょう。

賃貸・リノベーション活用による安定運用

老朽化した空き家をリフォームして賃貸住宅として活用する方法は、最もポピュラーで実践的な手段の一つです。

賃貸活用の魅力は、家賃収入を得ながら建物を維持できる点にあります。自治体によっては、耐震補強やバリアフリー改修に対する補助金を設けており、初期費用を抑えながらリノベーションが可能です。

例えば、古い平屋を若者や単身者向けの賃貸物件に改修するケースでは、もとの構造を活かしつつ内装をシンプルに整えることで、低コストながらデザイン性のある空間が生まれます。入居者が決まれば、家賃によって管理費用をまかなうことができ、結果的に「負動産」を「収益物件」に転換できます。

ただし、リフォーム後の需要調査や管理体制の整備も必要です。。長期的な運用を視野に入れるなら、不動産管理会社や地元の工務店と連携し、安定した維持管理を続けることが鍵になります。

サテライトオフィス・コワーキング・シェアオフィス誘致型

リモートワークが定着した今、空き家をオフィス(あるいはシェアスペース)として再生することも検討可能です。特に地方都市では、都心の企業が新しい働き方の拠点としてサテライトオフィスを開設するケースが増えています。

自治体もこの流れを後押ししており、改修費の一部を補助したり、テレワーカーの移住を促進したりする制度を設けています。

また、コワーキングスペースは単なる仕事場ではなく、地域住民や移住者がつながる交流拠点にもなり得ます。空き家活用を通じて新しいコミュニティを生み出す好例といえるでしょう。

宿泊施設・古民家宿泊業への再生

観光資源に恵まれた地域では、空き家を宿泊施設として改修する動きが活発です。古民家を活かし「一棟貸し」や「農泊」といったスタイルは、旅行者に非日常の体験を提供できるため人気があります。

特に歴史的な町並みを残す地域では、景観と調和したリノベーションによって町全体の価値を高めることにもつながります。

空き家を宿泊施設として再生することは、単なる活用ではなく、地域の文化や暮らしを観光資源として再評価する試みでもあります。

飲食店・カフェ・複合施設転用型

商店街や住宅地の空き家を飲食店やカフェとして再生する事例は、地域の活性化にもつながる代表的な活用法です。

古い木造住宅を改修して小規模な飲食店にすることで、建物の温もりを活かした個性的な空間が生まれます。特に若い世代の起業家や地域に移住した料理人が選択するなど、「空き家 × 地域ビジネス」が新しい定着モデルになりつつあります。

奈良県五條市では、町家をリノベーションしてカフェや体験型ショップとして再生した事例があり、観光客だけでなく地元住民の交流の場としても機能しています。こうした事例では、複数のテナントが入居する「複合施設型」にすることで、維持費の分担や安定した集客効果が見込めます。

一方で、飲食業は改装コストや衛生設備の整備など初期費用がかかる点にも注意が必要です。事業計画を立てる際は、自治体の創業支援制度や空き家改修補助金をうまく組み合わせることが成功の鍵となります。

地域コミュニティ拠点・交流スペース型

空き家を地域住民が自由に集えるコミュニティ拠点としての活用も検討の余地があります。特に、過疎化が進む地域では、空き家を地域の寄り合いや子ども食堂、サークル活動の場に転用することで、住民同士のつながりを保つ役割を果たしています。

高知県梼原町のように、町が主体となって空き家を改修・貸し出す事例では、行政が管理を担うことで利用者の負担を軽減し、持続的な運営が可能になっています。また、こうした拠点は災害時の避難所や物資配布場所としても機能し、地域の防災力を高める効果も期待されています。

活用にあたっては、「誰が管理するのか」を明確にしておくようにしましょう。NPOや自治会などが主体となることで、公共性と継続性を両立させる運営が実現しやすくなります。空き家を「地域が共有する資産」として再生させる発想が、これからのまちづくりに求められています。

駐車場・倉庫など軽利用型(修繕コスト抑制型)

建物の老朽化が進み、改修や再建築が難しい場合でも、土地の活用方法は残されています。

代表的なのが、建物を解体して駐車場や倉庫として利用する“軽利用”型の活用です。建物の維持管理費が不要になるうえ、初期費用も比較的抑えられるため、「とりあえずの活用」として選ばれるケースが多く見られます。

具体的には、市街地では月極駐車場として貸し出すことで安定した収入源を確保でき、郊外では農機具や資材置き場として貸し出すなど、立地に応じた使い方が可能です。固定資産税の軽減措置を維持しながら、将来的な売却や再利用へのステップとして位置づけることもできます。

この方法は大規模な改修を伴わずに土地の管理状態を保てるため、相続した古い家や再建築不可物件の「維持と活用の中間策」としても有効です。放置せず、適度に収益と管理を両立できる形を探ることが、現実的な空き家対策の第一歩といえるでしょう。

 

空き家対策の成功例6選

全国各地では、自治体や地域住民が一体となって空き家問題に取り組み、成功を収めている事例も存在します。ここからは、行政が主導したものから地域共同体による実践まで、再現性のある代表的な事例を紹介しますので、個別にみていきましょう。

【梼原町(高知県)】町が空き家を改修し、サブリース運営で定住促進を実現

高知県梼原町では、町が主体となって地域内の空き家を改修し、移住希望者や定住促進を目的とした世帯に低家賃で貸し出す「サブリース運営」を実施しています。

改修費には国土交通省および高知県の補助事業を活用し、耐震化・水洗化といった住宅性能の向上を図りながら、所有者負担ゼロで再生を進めている点が特徴です。所有者にとっては、老朽化による固定資産税の負担を軽減でき、建物の維持管理も町に委ねられるという利点があります。

梼原町(高知県)の空き家活用例

(出典:国土交通省「参考事例集」)

この事業では、町が空き家を借り上げ、改修後に定住希望者へ貸与することで、移住者の住宅確保と地域の空き家解消を同時に実現しています。人口約3,200人という小規模自治体ながら、平成25年から令和5年までに約240人の移住者を受け入れる成果を上げました。

町内に不動産業者が存在せず、空き家バンクの運営を委託できる団体がないという課題を抱える中で、行政自らが改修・賃貸まで一貫して担う体制を築いた点は特筆に値します。

【五條市(奈良県)】歴史的町家を滞在型観光施設にリノベーション

奈良県五條市では、歴史的町家を改修して滞在体験型の観光施設として再生する取り組みが進められています。

市が主体となり、空き家となっていた町家の「離れ」と「蔵」をリノベーション。宿泊機能を備えた施設に生まれ変わらせ、伝統的な町並みを活かしたまちづくりの一環として整備されました。事業費は約4,600万円で、その一部に国の「空き家再生等推進事業(空き家住宅の活用)」による補助金を活用しています。

五條市(奈良県)の活用例

(出典:国土交通省「空き家再生等推進事業(空き家住宅の活用)の事例」)

この施設の特徴は、単なる宿泊施設にとどまらず、地域の文化体験を組み合わせて運営されている点です。宿泊者は、地元食材を使った料理体験や伝統工芸のワークショップを通じて、地域の暮らしに触れることができます。これにより、観光客の滞在時間が延び、地域の経済循環にも寄与しています。

この取り組みは、歴史的建造物の保存と地域活性を両立させた好例といえます。町家という地域資源を「文化を伝える宿」として再生した五條市の事業は、全国の自治体にとっても再現可能性の高いモデルとされています。

【守山市(滋賀県)】駅前空き家をシェアオフィス・創業拠点に改修

滋賀県守山市では、駅前に位置する空き家を改修し、地域食堂・物販・相談スペースなどを備えた複合交流施設「Café Ink MORIYAMA」として再生しました。

老朽化していた理髪店を改修し、耐震・内装・設備を更新。総事業費は605万円で、うち国費と自治体で約400万円を負担し、残りを民間資金で賄いました(守山市空き家活用推進補助金・空き家対策総合支援事業を活用)。

守山市(滋賀県)の活用例

(出典:国土交通省「近畿管内における空き家活用事例」)

この施設では、地元食材を活用した飲食提供のほか、起業・就労・生活支援の相談、レンタルスペース運営、子ども食堂などを展開。子育て世代やシニア、ひきこもり経験者など多様な人々の社会参加を支える拠点として機能しています。改修後は、就労支援の成果も生まれ、地域活動の拠点として定着しました。

【大台町(三重県)】旧郵便局舎を食品加工施設へ転用し、地域産業を支援

三重県大台町では、長年空き家となっていた旧郵便局舎を改修し、食品加工や地元産品の販売拠点として再生する取り組みが行われました。

事業主体は一般社団法人AWAプロジェクトで、町や地域住民、伊勢路リノベーション協議会などと連携しながら、改修計画の立案から実施までを共同で推進しました。改修にあたっては、建物の堅牢な構造を活かしつつ、必要最小限の設備更新にとどめることで、限られた予算内での再生を実現しています。

大台町(三重県)の活用例

(出典:国土交通省「空き家対策の現状について」)

この施設は、地域農家や食品関連事業者が気軽に利用できる加工スペースとして整備され、地元産品のブランド化や6次産業化を支える役割を果たしています。特に、既存建物を新築せずに再利用することで、環境負荷と財政コストを抑えながら地域経済を循環させる点が評価されています。

関連記事:空き家活用の方法10選!それぞれのメリット・デメリットとは?

 

空き家対策で使える補助制度一覧

空き家の改修や除却には、まとまった費用が必要です。老朽化が進んでいる場合は数百万円単位の支出になることも珍しくありません。

こうした負担を軽減するため、国や自治体ではさまざまな補助制度を設けています。ここからは、空き家の活用・除却を検討する際に知っておきたい主要な3つの制度を紹介します。

空き家再生等推進事業(除却・活用補助)

国土交通省が実施する代表的な支援制度で、老朽化した空き家の除却や、地域の実情に合わせた活用を促すことを目的としています。自治体が申請主体となり、耐震性が低く危険な建物の解体費用や、利活用に向けたリフォーム費用の一部が補助対象になります。

(参考:国土交通省「空き家再生等推進事業について」)

この制度は、単なる解体支援にとどまらず、「地域の空き家をどう使い直すか」という視点を重視しているのが特徴です。例えば、古民家を地域交流スペースや宿泊施設として改修する場合にも適用されることがあります。

空き家対策総合支援事業

空き家対策を総合的に支援するための枠組みで、調査から除却、活用までを一体的に補助する制度です。市区町村が実施主体となり、地域内の空き家実態調査やデータベース整備、所有者への啓発活動、除却や利活用の実施など、幅広い取組みが対象となります。

(参考:国土交通省「国土交通省における空き家対策支援メニュー等」)

特に、空き家バンクの運営や相談体制の強化、地域住民を巻き込んだ協議体の設置など、ソフト面での支援にも補助が充てられる点が特徴です。

自治体にとっては、空き家問題に体系的に取り組むための基盤整備事業としての役割があり、間接的に市民の生活環境改善にもつながります。所有者にとっても、この制度を活用する自治体のエリアに住むことで、除却やリノベーション費用の一部を軽減できる可能性があります。

空き家対策モデル事業(モデル性重視型補助)

「空き家対策モデル事業」は、特に先進的で地域に波及効果のある取り組みを支援するための制度です。単に建物を除却・改修するだけでなく、地域活性化や移住促進、防災対策など、複合的な成果が期待できるプロジェクトを対象としています。

(参考:国土交通省「令和7年度 空き家対策モデル事業の募集を開始~先進的な空き家対策の取組を支援します!~」)

例えば、空き家を拠点にした地域コミュニティの再生や、若者・子育て世帯の移住を促すリノベーションなどが具体例です。自治体が民間企業や大学、NPOと連携して応募するケースも多く、成功事例は他地域のモデルとして全国に共有されます。補助率は最大で2分の1程度とされていますが、評価されるのは「独自性」と「実効性」。つまり、単なるリフォームではなく、地域全体の課題解決につながる設計が求められます。

各自治体による空き家改修・利活用補助制度

多くの都道府県や市町村では、老朽化した空き家を安全に再利用するための改修費補助制度を設けています。対象は、個人所有の住宅や空き家バンク登録物件などで、耐震補強・バリアフリー化・省エネ改修といった工事に対して、改修費の3分の1程度(上限100〜200万円)を助成するのが一般的です。

改修後に賃貸住宅や地域交流拠点、移住者向け住宅として活用するケースが多く、地域の防災・景観改善にも寄与しています。多くの自治体で「工事前の申請」「5年以上の活用見込み」が条件となるため、利用を検討する際は、所在地の自治体公式サイトで詳細を確認するとよいでしょう。 

 

空き家を相続しそうな場合の対応方法

親の高齢化や実家の空き家化が進むと、「いずれ相続するかもしれない家」をどう扱うかが現実的な課題になります。相続が発生してから慌てて対応すると、名義変更の遅れや税負担の見落としなど、思わぬトラブルを招くことがあります。

ここからは、相続前から準備できる5つの対応ステップを整理しておきましょう。

  • 相続予定の不動産の権利関係と名義を確認する
  • 相続登記に備えて早めに手続きを進める
  • 維持管理費や固定資産税などの負担を把握しておく
  • 利用・活用・売却の方針を家族で共有する
  • 活用予定がない場合は相続放棄や買取相談を検討する 

それぞれ詳しく解説します。

相続予定の不動産の権利関係と名義を確認する

まず行うべきは、登記簿謄本などを確認し、現在の所有者や共有関係を明確にすることです。祖父母や親の名義のまま長年放置されている場合、法定相続人が複数に分かれていることも多く、相続手続きが複雑化しがちです。

また、土地と建物で名義が異なるケースや、借地権・地上権が関わっている場合もあります。こうした権利関係を早めに整理しておくと、相続後の売却や活用がスムーズに進みます。法務局での登記情報照会や、司法書士への相談を通じて、現状を正確に把握しておきましょう。

相続登記に備えて早めに手続きを進める

2024年から相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内に登記を行わなければ、過料の対象となる可能性があります。これまで「登記しなくても困らない」とされてきた時代は終わり、今後は早期の名義変更が求められます。

(参考:東京法務局「相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)」)

登記を怠ると、将来売却や貸出をしようとした際に手続きが止まってしまう恐れがあります。相続人が多い場合や、行方不明の相続人がいる場合は特に注意が必要です。遺産分割協議書を作成し、全員の同意を得たうえで登記を行う準備を早めに進めておくことが大切です。

維持管理費や固定資産税などの負担を把握しておく

空き家を相続すると、毎年の固定資産税だけでなく、草刈りや修繕、火災保険といった維持費も発生します。特に地方では、使用しないまま管理費用だけが積み重なり、想定外の出費になることも珍しくありません。

また、建物の老朽化が進み「特定空家」に指定されると、固定資産税の軽減措置が解除され、税額が数倍に増えることがあります。事前にどの程度の維持費がかかるかを試算し、必要であれば専門業者による管理委託も検討するとよいでしょう。

利用・活用・売却の方針を家族で共有する

相続予定の空き家をどう扱うかは、家族の意向をすり合わせることから始まります。「誰かが住むのか」「賃貸に出すのか」「売却するのか」など、方針を明確にしないまま時間だけが経過すると、建物の価値が下がり、結果的に判断の自由度が狭まってしまいます。

家族会議の場では、感情論に偏らず、維持費や税金、将来の生活設計を踏まえて話し合うことが必要です。自治体の空き家相談窓口や不動産会社など第三者の意見を交えると、現実的な方向性が見えやすくなります。

活用予定がない場合は相続放棄や買取相談を検討する

どうしても利用や管理が難しい場合は、相続放棄を含めた選択も視野に入れるべきといえます。

相続放棄は、家庭裁判所で手続きを行うことで、資産だけでなく負債や維持費の負担からも解放されます。ただし、放棄には期限(相続開始を知ってから3か月以内)があるため、早めの判断が必要です。

一方、資産価値がある程度残っている場合は、空き家買取業者や不動産会社に相談することで、短期間で現金化する道もあります。活用の見込みがない家を長年抱え込むよりも、早期に処分して負担を軽減する方が、現実的な解決につながります。

 

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老朽化した空き家をそのままの状態で売却したい方や、共有名義で合意形成が難しいケースなども、柔軟に買取可能です。複雑な不動産でも、専門スタッフが一貫して手続きを支援いたします。お気軽に無料査定をご活用ください。

 

空き家対策に関するQ&A

空き家をどう扱うかは、所有者の事情や地域の状況によって異なります。ここからは、実際によく寄せられる質問をもとに、空き家の解決策や活用のポイントをわかりやすく整理しました。放置によるリスクを防ぎつつ、将来につながる形で活かすための考え方を紹介します。

空き家問題を解決するためには、どんな方法がありますか?

空き家問題の解決には、主に「売却」「賃貸」「利活用」「解体」の4つの方向性があります。すぐに管理の負担をなくしたい場合は、専門業者への買取が最も現実的です。一方で、将来的に再利用を考える場合は、最低限の修繕や草刈りを行い、資産価値の低下を防ぐ管理が必要になります。

また、自治体の空き家バンクに登録すれば、移住希望者や地域事業者とマッチングする可能性もあります。目的を「収益化」「維持」「手放す」のどれに置くかを明確にすることが、最適な方法を選ぶ第一歩です。

田舎の空き家を活用するには、どんな選択肢がありますか?

地方の空き家は、都市部に比べて需要が限られますが、工夫次第で再生のチャンスがあります。古民家をリノベーションしてカフェや宿泊施設として活用する事例や、テレワーカー向けのサテライトオフィスに改装する動きが全国で広がっています。

実際に成功した空き家対策の事例にはどんなものがありますか?

成功事例として代表的なのは、行政と地域住民が協力して空き家を再生したケースです。

いずれも、単に建物を直すのではなく、「誰が使うか」「地域にどう貢献するか」を明確に設計した点が共通しています。補助金や地域協働の仕組みをうまく活かすことで、再生は現実的な選択肢になります。

空き家を売らずに活用する場合、どんな注意点がありますか?

売却せずに活用する場合は、管理と費用のバランスを慎重に考える必要があります。

賃貸や事業活用を選ぶ場合でも、耐震性や防火性能、設備の老朽化といった安全面の確認も求められます。特に古い木造住宅では、雨漏りやシロアリ被害など、表面からは見えない劣化が進んでいることがあります。

 

まとめ

空き家問題は「誰の家にも起こりうる身近な課題」です。放置すれば劣化や税負担が進む一方で、早めに動けば補助制度や専門家の支援を活用し、再生・売却・地域貢献など多様な選択肢を取ることができます。

まずは、所有する家の現状を把握し、活用か処分かの方向性を家族で共有することが第一歩です。自治体の支援制度を活用しながら、無理なく持続可能な管理・活用方法を選び、資産として再生させる行動を始めましょう。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

丸岡 智幸 (宅地建物取引士)

訳あり不動産の買取を専門にする会社の代表取締役。
相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産の買取を専門としている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を運営。
買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』を2024年5月2日に出版。

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