所有している空き家に他人が不法占拠して住んでしまったらどうする? 対処法と空き家の活用法

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近年、「空き家問題」は深刻で、その数は年々増えている状況です。実は、「空いている」ことをいいことに、他人が勝手に住みついてしまうことは稀なことではありません。

もし自分が所有している空き家に他人が住んでいることがわかった場合、どうしたらいいでしょうか。

今回は空き家が不法占拠された場合の対応策に加え、そうならないための対策もあわせて解説します。現在、空き家を所有している人はもちろん、将来的に相続で空き家を所有することになりそうな方も参考にしてください。

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空き家に所有者ではない人が住んだ場合、どうなる?

空き家に所有者の許可なく入り込み、生活の拠点として占有している場合は、不法占拠として明け渡しを求める対象になります。

侵入の態様や占有の程度によっては、刑法上の住居侵入等や不動産侵奪が成立する場合もあります。

ただし、犯罪が成立するかどうかは個別の事情によって判断されます。所有者が自力で追い出そうとすると別のトラブルにつながるため、安全を確保したうえで警察や弁護士に相談することが大切です。

住居侵入罪に問われる

刑法第130条では、正当な理由なく人の住居や、人が管理する邸宅・建造物などに侵入する行為を処罰対象としています。

空き家であっても、所有者などが管理している建造物へ無断で侵入した場合は、同条に該当する可能性があります。

法定刑は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。2025年6月1日に施行された刑法改正によって、従来の「懲役」や「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されています。
(参考:e-Gov法令検索「刑法」)

不動産侵奪罪に問われる

不動産侵奪罪は、単に他人の不動産へ立ち入っただけで成立する罪ではありません。

不法領得の意思をもって他人の占有を排除し、自分または第三者の占有へ移したと評価される場合に成立する可能性があります。

刑法第235条の2では、不動産侵奪罪の法定刑を10年以下の拘禁刑と定めています。実際に「侵奪」にあたるかどうかは、占有の方法や期間、原状回復の難しさなどを踏まえて判断されます。

不法占拠しやすい空き家の特徴

外観から明らかに無人である空き家は、不法占拠のターゲットになりがちです。

例えば、郵便物がポストに溜まり、溢れる状態は、すぐに空き家であることを示唆しているでしょう。

カーテンや雨戸が常に閉じられていると、頻繁に通行する人々に空き家であることが気づかれやすくなります。庭の草木が伸び放題になっている場合、外部からの視線を遮り、不法占拠者にとって隠れやすい環境になります。

さらに、施錠されていても、時間をかければ開錠可能なため、犯罪者やホームレスに狙われやすくなるのです。

玄関ドアや雨戸の破損、外壁の剥がれなど、主要箇所の破損が目立つ物件も、空き家と判断されやすく、不法占拠のターゲットになり得るでしょう。これは、生活に必要な箇所の修繕が行われていないためです。

空き家に住んでいる人を退去させる方法

空き家の不法占拠で警察が対応する場面と民事手続きで明渡しを進める場面の違い

不法占拠を発見したら、無理に追い出さず、記録を残して警察や弁護士へ相談し、法的手続きで明渡しを進めます。

空き家に住んでいる人を退去させる方法は、以下のとおりです。

  • 警察に通報する
  • 明け渡し請求をする
  • 自力救済は禁止

それぞれ、個別にみていきましょう。

警察に通報する

空き家の不法占拠で警察が対応する場面と民事手続きで明渡しを進める場面の違い

侵入への警察対応と、不法占拠者を退去させるための民事上の明渡し手続きには役割の違いがあります。

空き家の中に見知らぬ人がいる、侵入している最中であるなど緊急性がある場合は、無理に中へ入ったり直接声をかけたりせず、安全な場所から110番へ通報します。

緊急ではないものの、不審な出入りや侵入の痕跡がある場合は、最寄りの警察署や警察相談専用電話「#9110」への相談が適しています。

通報や相談の際は、物件の所在地、異変に気づいた時期、確認できた人物や出入りの状況などを整理しておくと、状況を伝えやすくなります。証拠を残すために無理に相手へ近づく行為は避けることが大切です。

明け渡し請求をする

警察へ通報しても、不法占拠者を建物から退去させるために民事手続きが必要になるケースがあります。

任意の退去に応じない場合は、所有権などに基づいて建物の明け渡しを求め、訴訟で明け渡しを命じる判決などの債務名義を得たうえで、強制執行を申し立てるのが基本的な流れです。

建物の明け渡しに関する強制執行は、目的となる不動産を管轄する地方裁判所の執行官が行います。相手の氏名が分からない場合や占有状況が複雑な場合は検討すべき手続きも増えるため、早い段階で弁護士へ相談するとよいでしょう。
(参考:裁判所「不動産引渡(明渡)執行」)

自力救済は禁止

自力救済、つまり裁判所などの公的な手段を利用せずに自ら権利を回復しようとする行為は法律で禁止されています。

不法占拠者を力ずくで追い出したり、その荷物を無断で処分するような行為は避け、法的な手段を優先しましょう。

空き家を不法占拠されないための対策

空き家を不法占拠されないための対策は、以下のとおりです。

  • 定期的に訪れ清掃する
  • 倉庫や物置は撤去する
  • 民間サービスに依頼し、見回りや管理をしてもらう

それでは、各対策の内容について解説します。

定期的に訪れ清掃する

空き家が放置されていると判断されやすい状況、例えば草が伸び放題である、郵便物が溜まっているなどを避けるために、定期的な訪問と清掃が効果的です。

家屋自体の換気や清掃も行い、劣化を防ぎましょう。出発する際には窓やドアの施錠を忘れないようにしましょう。

倉庫や物置は撤去する

侵入しやすい倉庫や物置は撤去するか、施錠を徹底しましょう。軒下など人が隠れることができるスペースにも注意が必要です。

不法占拠だけでなく、放火のリスクに対しても、燃えやすい物の撤去を考慮することが重要といえます。

関連記事:実家の片付け費用はどのくらい?業者選びのコツを詳しく解説

民間サービスに依頼し、見回りや管理をしてもらう

遠方に住んでいる、高齢で自力での管理が難しいなどの理由で空き家の管理が困難な場合は、民間の管理サービスの利用を検討しましょう。

見回りだけでなく、草刈り、ポストの清掃、家屋の換気、屋根の雪下ろしなどのオプションがある業者も存在します。各サービスの内容や費用については事前に業者に確認しましょう。

空き家を放置することのリスク

空き家の不法占拠や放置によって生じる建物劣化・行政や税の負担・所有者責任の3つのリスク

空き家を放置すると、建物の劣化だけでなく、行政上の措置や税負担、損害賠償責任につながる可能性があります。

空き家を放置すると、不法占拠者が発生する可能性があるほか、以下のリスクが考えられます。

  • 「特定空家」に指定される
  • 建物の倒壊によって損害賠償責任を求められる
  • 不法投棄をされてしまう
  • 近所迷惑になる
  • 自分の子どもや孫に迷惑をかける可能性も

それぞれ、詳しくみていきましょう。

「特定空家」に指定される

空家法では、倒壊など保安上の危険がある状態や、衛生上有害な状態、著しく景観を損なっている状態など、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす空き家を「特定空家等」とし、市区町村が助言・指導、勧告、命令などの措置を取れる制度を設けています。

さらに、2023年12月施行の改正によって、放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家を「管理不全空家等」として指導・勧告の対象にできるようになりました。管理不全空家等または特定空家等として市区町村から勧告を受けると、その敷地は固定資産税等の住宅用地特例から外れます。

特定空家等に対する命令に従わない場合は、50万円以下の過料が科される可能性があります。必要な要件を満たした場合には行政代執行が行われることもあるため、建物の状態が悪化する前に管理を続けることが大切です。
(参考:国土交通省「空家法とは>」)

関連記事:空き家の放置を続けるとどうなる? 行政代執行までの流れを解説!

建物の倒壊によって損害賠償責任を求められる

老朽化した空き家の屋根材や外壁、塀などの設置・保存に問題があり、それによって第三者へ損害を与えた場合は、民法第717条に基づく損害賠償責任が問題になります。

同条では、まず土地の工作物の占有者が責任を負い、占有者が損害の発生を防ぐために必要な注意をしていた場合は所有者が責任を負うと定めています。

空き家でも所有者に損害賠償責任が生じる可能性があるため、ひび割れや傾き、部材の落下などにつながる異常を放置しないことが大切です。

不法投棄をされてしまう

草が生い茂った空き家は不法投棄のターゲットになりやすく、ゴミや大型廃棄物が投棄される可能性があります。不法投棄者が特定できない場合、清掃や処分の責任は最終的に所有者に帰属し、大型ゴミの処分には高額な費用が発生します。

近所迷惑になる

劣化した外壁やあふれる郵便物などの空き家は、周辺の景観を損なうだけでなく、悪臭や倒壊による被害で近隣住民に迷惑をかけることがあります。これらは近隣トラブルに発展するリスクを含みます。

自分の子どもや孫に迷惑をかける可能性も

空き家は相続の際にも問題となり得ます。所有者が亡くなると、その空き家は子どもや孫に相続されます。特に過疎化が進む地域では、土地の価値は更に下落し、手放すことが難しくなります。

将来的に次世代に負担を強いることになり得るため、長期的な視点での対応が必要です。

空き家にかかる費用

住んでいない場合でも、空き家に関する権利や義務は所有者が有することになり、所有している限り以下のような費用がかかります。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 損害賠償費用
  • 火災保険
  • 空き家の修繕費・管理費

次項より、個別に解説します。

固定資産税・都市計画税

空き家であっても、土地や建物は原則として固定資産税の課税対象になります。

都市計画税も、対象となる地域の土地・家屋には自治体の条例に基づいて課税されます。

一方、「空き家になった」という理由だけで、住宅用地の特例が直ちに外れるわけではありません。住宅用地に該当する敷地には、小規模住宅用地であれば固定資産税の課税標準を6分の1とする特例があります。

ただし、管理不全空家等または特定空家等として市区町村から勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例の対象から除外されます。

関連記事:不動産の「固定資産税」の計算方法とは?所有物件の課税額はいくらになる?

損害賠償費用

前述の通り、空き家の放置によるリスクで損害賠償責任を負う可能性があります。

この場合、損害賠償費用の支払いが必要になることがあるでしょう。

特に建物倒壊や事故が発生した場合、かなりの金額になりかねないため、留意が必要です。

火災保険

空き家は、放火や災害による火災のリスクが高いため、火災保険への加入が推奨されます。

これは万が一の際に大きな経済的損失を防ぐためです。

ただし、空き家は保険会社によっては加入を拒否されることもありますので、事前に確認が求められます。

関連記事:築古の戸建て物件でも火災保険には入っておくべき?選び方と活用法を解説

空き家の修繕費・管理費

空き家の劣化防止や不法占拠のリスクを減らすためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。これには修繕費や管理費が発生し、これらの費用も考慮に入れる必要があります。

空き家の解体について

「空き家問題を解決するためには解体すればいい」と思うかもしれません。もちろん解体することがベストですが、解体には多額の費用がかかり、そう簡単に行えないケースがあります。

自治体によっては空き家解体に補助が出るケースも

多くの自治体では、空き家の解体に補助金を出しています。

この補助金は「老朽危険家屋解体撤去補助金」「空き家解体補助金」「空き家解体助成金」など様々な名前で呼ばれており、自治体によって補助金の上限額などが異なります。

空き家を活用するための補助金を出している自治体もあります。空き家に関する補助金の詳細については、自治体に問い合わせて確認することが重要です。

解体後に土地を売却

空き家を解体して更地にすることで、土地の売却が容易になる場合があります。

解体にかかった費用があっても、土地が売却できればそのコストを回収できる可能性が考えられます。

売却による収益は、今後の計画に役立てましょう。

空き家の活用方法

空き家の活用方法は、以下のとおりです。

  • 人に貸す
  • 駐車場にする
  • 空き家バンクに登録する
  • 隣地の所有者に売却する
  • 業者に売却する

それでは、空き家の活用方法を見ていきましょう。

リフォームをして居住する

空き家が初めから住める状態でない場合でも、リフォームによって快適な居住空間に変えることが可能です。

固定資産税や管理費が発生するため、自宅として利用することでその価値を最大限に活かせます。

関連記事:「空き家」となった実家はどう活用するのがいいの?具体的なアイデアを詳しく紹介

人に貸す

自分が住まない場合、賃貸として他人に提供する選択肢もあります。これにより賃料収入が得られ、固定資産税などの費用を賄うことが可能。

ただし、新たに不動産投資のために資金を投入する際は、知識と慎重な判断が必要です。不動産投資はリスクを伴うため、安易な気持ちで始めると失敗するリスクもあります。

駐車場にする

空き家を取り壊して駐車場に変えることも有効な手段です。コインパーキングの経営も考えられますが、こちらも収益物件と同様に十分な知識が求められます。

空き家バンクに登録する

自宅としても売却も困難な場合、空き家バンクへの登録を検討するとよいでしょう。空き家バンクは、地方公共団体が運営する空き家物件情報の提供サービスで、利用希望者とのマッチングを図れます。

隣地の所有者に売却する

立地条件などの理由で一般的な売却が難しい場合、隣地の所有者に売却を提案するのも1つの手段です。隣地の所有者が拡張計画を持っている可能性もあり、売却の機会が生まれるかもしれません。

業者に売却する

一般の買い手が見つからない場合は、専門の買取業者に売却を検討するのも一つの方法です。

売却価格は市場価格より低くなる可能性がありますが、迅速な取引とトラブルの少なさがメリットです。合意が得られれば、スピーディーに現金化が進むことも大きな利点といえるでしょう。

まずは空き家の簡易査定ができるので以下より試してください。

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※半角数字、ハイフン無し

※住所末尾(建物名・部屋番号)までご入力ください。

空き家の不法占拠についてよくある質問

空き家の不法占拠についてよくある質問は、以下のとおりです。

  • 空き家活用で失敗しやすいのはどのようなケースですか?
  • 空き家は何年でダメになりますか?
  • 空き家と判断される基準は?
  • 20年住み続けると空き家は他人のものになりますか?

それでは、それぞれの質問とその回答を紹介します。

空き家活用で失敗しやすいのはどのようなケースですか?

周辺の需要や必要な改修費、用途地域などの法規制、維持管理にかかる費用を確認せずに活用を始めると、想定した収益を得られない可能性があります。賃貸、駐車場、売却などは、立地や建物の状態によって向き不向きが変わります。

空き家は何年でダメになりますか?

空き家が「何年で使えなくなる」という一律の年数はありません。建物の構造や築年数、雨漏りの有無、湿気、換気、害虫被害、管理頻度などによって劣化の速度が変わります。長期間訪れていない空き家は、小さな不具合を発見する機会も減ります。定期的に建物の状態を確認し、雨漏りや破損を早い段階で補修することが劣化の抑制につながります。

空き家と判断される基準は?

空家等対策の推進に関する特別措置法では、「居住その他の使用がなされていないことが常態である」建築物とその敷地を「空家等」と定義しています。そのため、単に一定期間留守にしているだけで直ちに法律上の空家等になるわけではありません。実際の使用状況や管理状況などを踏まえて判断されます。

20年住み続けると空き家は他人のものになりますか?

20年間住み続けただけで、空き家の所有権が自動的に他人へ移るわけではありません。民法第162条では、所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を20年間占有した場合に、所有権を取得できると定めています。占有を始めた時点で善意かつ過失がなかった場合は、10年間の占有によって取得時効が成立する可能性があります。実際に取得時効の要件を満たしているかどうかは、占有の経緯や状態を含めて個別に判断されます。「20年間住んでいた」という期間だけで所有権の取得が決まるものではありません。

まとめ

空き家を不法占拠されている場合はもちろん、空き家を持て余している場合もプロに相談しましょう。

現段階で空き家を所有していることにお悩みのことはなかったとしても、今後不法占拠や放火をされてしまったり、費用などの負担が重くかかってきたりするかもしれません。

売却をしたり空き家バンクに登録したりと、空き家の活用方法はさまざまなものが存在します。プロに相談することで客観的に最適なアドバイスをもらえるでしょう。

本ブログで情報発信を行っている「ワケガイ」は、訳あり物件を積極的に買い取っている専門業者です。所有物件についてお悩みの方は、訳あり物件の買取に特化したワケガイに、ぜひお問い合わせください。

運営団体
株式会社ネクスウィル2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。
経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。
これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

丸岡 智幸 (宅地建物取引士)

訳あり不動産の買取を専門にする会社の代表取締役。
相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産の買取を専門としている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を運営。
買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』を2024年5月2日に出版。

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