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相続というのは、時に予期せぬ責任とコストを伴います。特に、空き家の相続は多くの方にとって頭の痛い問題です。
遠方にある家、維持管理が困難な家屋を相続することは、財産ではなく負担になることも少なくありません。そんな状況で選択肢の1つとなるのが「相続放棄」です。しかし、相続放棄は単に手を引くという以上の意味を持ち、慎重な判断が求められます。
この記事では、空き家を相続した際に考えるべき相続放棄のメリットとデメリット、その手続きの流れ、注意点について解説します。
目次
相続放棄とは
相続放棄は、被相続人(故人)の財産や負債を一切承継しない選択のことで、これにより相続人としての地位を放棄します。この選択を行うと、相続人であったことがなかったかのように扱われ、相続財産は他の相続人が分割します。
相続放棄以外の選択肢には、「単純承認」と「限定承認」があります。単純承認は故人のプラスとマイナスの資産を全て引き継ぐこと。限定承認は故人のプラスの財産の範囲内でのみ負債の弁済を行い、それ以上の責任を負わない方法です。
相続放棄や限定承認を選ぶ場合は、家庭裁判所への申立が求められます。。相続放棄が認められると、相続への一切の関与が不可能になるため、マイナスの財産が多い場合に特に考慮すべきです。
関連記事:空き家を相続する場合の判断基準とは?相続放棄についてもセットで紹介
相続人全員が相続放棄をするとどうなる?
全ての相続人が相続放棄を選択した場合、民法の規定により、不動産など所有者のいない財産は国庫に帰属します。
ただし、実際に相続人が存在しないことを証明するためには、弁護士や司法書士を相続財産管理人として指名し、その申請が受理される必要があります。
相続放棄をすると空き家の管理義務はなくなるのか?
相続放棄を行った場合でも、民法では相続人としての責任を放棄することはできますが、相続財産管理人が選任されるまでの期間、相続放棄者は空き家を含む相続財産の管理を続けなければならないと定められています。
そのため、相続放棄をしても、直ちに空き家の管理義務が免除されるわけではありません。
相続財産管理人への報酬は通常、遺産から支払われますが、空き家のような価値の低い財産を放棄する場合、遺産が不足しているケースが多々あります。
この場合、相続財産管理人の選任にかかる費用は申立人が負担することになり、場合によっては数十万円の予納金が必要です。この高額な費用のため、多くの空き家が放置される傾向があります。
加えて、価値の低い空き家の場合、国が財産を引き取ることは稀で、管理人を選任しても業務の終了が見込めず、長期にわたり報酬を支払い続けることになります。そのため、場合によっては相続して維持費を支払う方が経済的かもしれません。
さらに、相続放棄をすると、自らで売却する選択肢も失われますので、相続放棄の是非については慎重に検討することが重要です。
想像放棄に必要な書類
相続放棄を行う際、家庭裁判所に提出する書類は以下の通りです。提出書類は申述人と被相続人との関係によって異なるため、詳細については専門家への相談をおすすめします。
- 相続放棄の申述書
- 被相続人の住民票除票
- 被相続人の死亡記載がある戸籍謄本
- 申述人の戸籍謄本
- 収入印紙(申述人1人につき800円)
- 切手
相続放棄の申請手順について
相続放棄には期間が限定されています。「相続を知ってから3ヶ月」と定められており、その期間を「熟慮期間」といいます。これを過ぎると原則として家庭裁判所で受け付けてもらえなくなるため、相続するしかなくなってしまいます。
相続放棄の手順は、以下のように大別できます。
- 手順①:書類を用意して家庭裁判所に申し立て
- 手順②:家庭裁判所から送付された照会書に回答
- 手順③:相続放棄申述受理通知書が届く
それぞれ、個別にみていきましょう。
手順①:書類を用意して家庭裁判所に申し立て
まず、必要な書類を用意し、被相続人の最終住所地の家庭裁判所に「相続放棄の申述」を行います。通常、相続人本人が申し立てを行う必要があります。
手順②:家庭裁判所から送付された照会書に回答
申し立て後、家庭裁判所から相続放棄に関する照会書が送付されます。指示された箇所に回答を記入し、家庭裁判所に返送します。
手順③:相続放棄申述受理通知書が届く
審査が行われ、申述が受理されると、相続放棄申述受理通知書が送られてきます。これを受け取ることで相続放棄の手続きは完了です。
相続放棄した後に保存義務から脱する方法
以下の方法をとることで、相続放棄した後に保存義務から脱することも可能です。
- 他の相続人に保存義務を引き継ぐ
- 家庭裁判所で相続財産清算人の申し立てを行う
次項より、詳しくみていきましょう。
他の相続人に保存義務を引き継ぐ
相続放棄をした場合、次順位の相続人に相続権が移ります。この人が相続を受け入れれば、遺産の占有とともに保存義務も引き継がれます。
ただし、彼らも放棄する場合、占有者に保存義務が残るため、留意が必要です。
家庭裁判所で相続財産清算人の申し立てを行う
占有者が相続放棄しても、他の相続人が相続しない場合、保存義務は継続します。この場合、「相続財産清算人」を家庭裁判所に申し立てる必要があります。
相続財産清算人は、被相続人の債権者に対して債務を支払い、清算後の残余財産を国庫に帰属させる役割を担います。例えば、空き家を売却するか、国庫に帰属させる手続きを行います。
この清算人に遺産を引き継げば、相続放棄者であっても遺産の管理義務から免れます。
まとめ
空き家を相続放棄しても、管理者責任は残る可能性があることから、継続して費用がかかってしまうなど、相続人にとって負担が大きい場合があります。
相続放棄期間が3ヶ月しかないため、焦って決断することで後々後悔しないように、お困りの場合は早めにプロに相談しましょう。
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運営団体 株式会社ネクスウィル 2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。 |