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事故物件とは、その物件内で自殺、他殺、事故死など、通常でない死が発生した物件を指します。このような事故物件は、心理的瑕疵があるとされ、一般的に敬遠される傾向にあります。
こういった物件を利活用する上では、リフォームが必要となる場面も多々あります。
そこで本記事では、事故物件のリフォームに関する基本的な知識から、業者選びのポイント、リフォーム後の留意点まで、わかりやすく解説します。
目次
事故物件のリフォームとは
事故物件のリフォームとは、過去に事件や事故、自殺などで人が亡くなった物件、いわゆる事故物件の内装や設備を改修することです。
事故物件は心理的瑕疵(かし)があるため、売却や賃貸が難しいケースが多いですが、適切にリフォームすることで、その影響を軽減し、物件の価値を高められます。
リフォームの内容としては、特殊清掃による汚染の除去、壁紙や床材の張り替え、設備の交換などが一般的です。ただし、リフォーム後も事故物件であることの告知義務は残るため、完全に事故物件の影響を取り除くことはできません。
事故物件の定義
事故物件とは、その物件内で自殺、他殺、事故死など、通常でない死が発生した物件を指します。物件自体に欠陥があるわけではありませんが、心理的瑕疵があるとされ、一般的に敬遠される傾向にあります。
2021年に国土交通省が公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、告知の対象となる死因を自殺、他殺、事故死としています。
一方で、病死や老衰などの自然死は告知対象外とされていますが、孤独死など発見が遅れ、特殊清掃が必要になったケースは告知の対象となります。
事故物件をリフォームする目的と効果
事故物件をリフォームする主な目的は、心理的瑕疵を軽減し、物件の価値を高めることです。リフォームにより、事故や事件の痕跡を取り除き、新しい内装や設備に替えれば、事故物件であることを感じさせにくくなります。
これにより、購入者や入居者の心理的抵抗を和らげ、売却や賃貸がスムーズに進む可能性が高まります。リフォームを機に間取りの変更や設備の高級化を行うことで、物件の資産価値を高める効果も期待できます。
ただし、リフォーム後も事故物件であることの告知義務は残るため、完全に事故物件のイメージを払拭することは難しいという点には注意が必要です。
事故物件のリフォームの進め方
事故物件のリフォームを進める際は、通常のリフォームとは異なる手順と注意点があります。具体的な進め方は、以下のとおり。
- 手順①:特殊清掃の実施
- 手順②:リフォーム箇所と内容の検討
- 手順③:リフォーム業者の選定
それぞれ個別に解説します。
手順①:特殊清掃の実施
事故物件のリフォームでは、まず特殊清掃を実施します。特殊清掃とは、事故や事件による血痕、体液、異臭などを専門的な技術と資材で除去する清掃のこと。事故現場の状況によっては、床材の下地まで汚染が及んでいる可能性もあるため、徹底的な清掃が必要です。
特殊清掃は、一般的な清掃会社では対応できないことが多いため、特殊清掃に特化した業者に依頼するのが一般的です。特殊清掃が不十分だと、異臭が残ったり、汚染が再発したりする恐れがあるため、確実に実施しましょう。
関連記事:事故物件のお祓いは必要?供養との違いや必要費用を紹介
手順②:リフォーム箇所と内容の検討
特殊清掃が完了したら、次はリフォームの箇所と内容を検討します。事故物件の場合、汚染が広範囲に及んでいることが多いため、壁紙や床材、建具など、内装全般を交換することが一般的です。
事故現場となった部屋だけでなく、物件全体の印象を変えるため、他の部屋も含めたリフォームを検討するとよいでしょう。
キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りは、事故物件のイメージを払拭するために、特に重点的にリフォームすることをおすすめします。リフォームの内容は、物件の状況や予算に合わせて、優先順位を付けて決めていきましょう。
手順③:リフォーム業者の選定
事故物件のリフォームでは、経験豊富で信頼できる業者を選定することが重要です。事故物件の工事は、一般的なリフォームとは異なる専門的な知識と技術が必要とされるため、事故物件の施工実績がある業者を選ぶことをおすすめします。
特殊清掃を行う業者とリフォーム業者が連携して工事を進められるかどうかも、業者選定の際の重要なポイント。リフォーム業者の選定にあたっては、複数の業者から見積もりを取り、内容と価格を比較検討することが大切です。
事故物件であることを伝えた上で、適切な提案とアドバイスをしてくれる業者を選びましょう。
事故物件をリフォームする際の業者選びのポイント
事故物件のリフォームを依頼する際は、通常のリフォームとは異なる視点で業者選びをする必要があります。具体的には、以下の点に留意しましょう。
- 事故物件の取り扱い経験
- 特殊清掃との連携
- 施工事例や口コミの確認
- 見積もりの透明性と適正価格
次項より、詳しく解説します。
事故物件の取り扱い経験
事故物件のリフォームを依頼する際は、まず業者の事故物件取り扱い経験を確認することが重要です。事故物件の工事には、一般的なリフォームとは異なる専門的な知識と技術が求められます。
例えば、汚染の除去や特殊な清掃、心理的影響を考慮した内装の提案など、事故物件特有の対応が求められます。
これらの知見は、事故物件の工事経験を積むことで培われるものです。したがって、事故物件のリフォーム実績が豊富な業者ほど、適切な対応とアドバイスが期待できます。業者選びの際は、事故物件の取り扱い実績を確認し、経験豊富な業者を優先的に検討しましょう。
特殊清掃との連携
事故物件のリフォームでは、工事に先立って特殊清掃を行う必要があります。特殊清掃は、リフォーム工事とは別の専門業者が行うことが一般的です。
リフォーム業者を選ぶ際は、特殊清掃業者との連携がスムーズに行えるかどうかも重要なポイント。理想的には、リフォーム業者が特殊清掃業者を手配し、両者が密に連絡を取り合って工事を進められることです。
特殊清掃とリフォームが効率的に連動することで、工期の短縮やトラブルの防止につながります。業者選びの際は、特殊清掃との連携体制についても確認しておくとよいでしょう。
施工事例や口コミの確認
事故物件のリフォーム業者を選ぶ際は、過去の施工事例や口コミを確認することも重要です。施工事例を見ることで、業者の技術力や提案力、仕上がりのクオリティを知ることができます。
特に、事故物件特有の課題をどのように解決しているか、注目してみることをおすすめします。口コミを調べることで、業者の対応力や顧客満足度、トラブル対処能力などを把握できます。
事故物件の工事は、施主との密なコミュニケーションが求められるため、顧客対応の評判が良い業者を選ぶことが大切です。
見積もりの透明性と適正価格
事故物件のリフォーム業者を選ぶ際は、見積もりの透明性と価格の適正さにも注目が必要です。
事故物件の工事は、一般的なリフォームに比べて特殊な作業が多く、費用が高額になりがち。そのため、見積もりの内容が明確で、各工程の費用内訳が詳細に示されていることが求められます。
事故物件だからといって、過剰に高い価格を提示する業者には注意が必要です。複数の業者から見積もりを取り、内容と価格を比較検討することで、適正な価格かどうかを判断しましょう。
事故物件のリフォーム費用の相場
事故物件のリフォーム費用は、事故の内容や物件の状況によって大きく異なります。ここでは、特殊清掃、内装のリフォーム、リノベーションの3つに分けて、それぞれの費用相場を解説します。
特殊清掃費用
特殊清掃の費用は、事故の内容や汚染の度合い、部屋の広さなどによって異なります。簡単な清掃であれば10万円程度で済む場合もありますが、広範囲に及ぶ汚染や特殊な処理が必要な場合は、50万円以上かかることもあります。
特殊清掃業者によっても価格が異なるため、複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
ただし、特殊清掃は事故物件のリフォームに欠かせない工程であるため、費用を惜しんで不十分な清掃を行うことは避けましょう。適正な価格で、信頼できる業者に依頼することが大切です。
内装のリフォーム費用
事故物件の内装リフォーム費用は、一般的なリフォームと同様に、リフォームする箇所や材料、仕様によって大きく異なります。壁紙の張り替えや床材の交換、建具の交換など、基本的な内装工事であれば、1部屋あたり30~50万円程度が相場です。
ただし、事故物件の場合は、汚染の除去やシミ、臭いの対策など、特殊な処理が必要となることが多いため、通常よりも費用が高くなる傾向があります。
内装リフォームの範囲や仕様を適切に設定し、予算内で最大限の効果を得られるプランを立てることが重要です。
リノベーション費用
事故物件をリノベーションする場合の費用は、リノベーションの内容によって大きく異なります。間取りの変更や設備の全面的な入れ替え、高級材料の使用など、大規模なリノベーションを行う場合は、1,000万円以上の費用がかかることもあります。
一方、内装のリフォームに加えて、部分的な間取りの変更や設備の更新を行う程度であれば、500~800万円程度で済む場合もあります。
事故物件のリノベーションは、物件の資産価値を高め、事故物件のイメージを払拭する効果的な方法ですが、費用対効果を十分に検討し、適切な範囲でリノベーションを行うことが大切です。
事故物件のリフォーム後の留意点
事故物件をリフォームした後も、いくつかの留意点があります。ここでは、特に重要な以下2つを解説します。
- 告知義務について
- 住宅ローンについて
それぞれ個別にみていきましょう。
告知義務について
事故物件をリフォームしても、物件の履歴が消えるわけではありません。売却や賃貸の際には、事故物件であったことを告知する義務があります。
告知義務は、宅地建物取引業法に定められており、重要事項説明の際に、物件の瑕疵(かし)として説明する必要があります。
リフォームによって物件の印象が変わっても、事故物件であったという事実は伝える必要があるのです。
告知義務を怠ると、後のトラブルの原因になることがあるため、適切に対応することが大切です。リフォーム後に事故物件であることを隠して売却した場合、債務不履行や瑕疵担保責任を問われる可能性があります。
住宅ローンについて
事故物件のリフォーム資金を住宅ローンで調達する場合、審査が通りにくいケースがあります。事故物件は売却が難しく、担保価値が低いと判断されるためです。ただし、住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なるため、一概に借りられないとはいえません。
事故の内容やリフォームの内容、物件の立地や価格によっては、審査に通る可能性もあります。事前に複数の金融機関に相談し、借入れの可能性を探ることをおすすめします。
住宅ローンが利用できない場合でも、他の資金調達方法を検討する必要があります。自己資金やリフォームローン、その他の融資制度などを活用し、資金計画を適切に立てることが重要です。
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事故物件のリフォームには、特殊清掃や内装の工事、大規模なリノベーションなど、一般的な物件よりも高額な費用がかかる傾向があります。リフォーム後も事故物件であったことの告知義務があり、売却や賃貸の際に支障となるケースもあります。
こうした事故物件や空き家、共有持分物件などの「訳あり物件」にお悩みの方は、当社が提供する不動産買取サービス「ワケガイ」をご利用ください。
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まとめ
事故物件のリフォームは、特殊清掃の実施、リフォーム箇所と内容の検討、信頼できる業者の選定など、一般的なリフォームとは異なる手順と注意点があります。
リフォーム費用も特殊清掃や内装工事、リノベーションなどによって高額になる傾向があるため、適切な予算管理が重要です。さらに、リフォーム後も事故物件であったことの告知義務があるなど、留意すべき点は少なくありません。
事故物件のリフォームは、物件の資産価値を高め、心理的瑕疵を軽減する効果的な方法ですが、専門的な知識と経験が必要とされる難しい取り組みでもあります。リフォームを検討する際は、事故物件の扱いに精通した不動産のプロに相談することをおすすめします。
適切なアドバイスを得ることで、リフォームの成功率を高め、事故物件の資産価値を最大限に高められるでしょう。
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