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戸建て物件は「買取」「仲介」のどちらがおすすめ?判断基準を詳しく紹介

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戸建ての売却を検討する際、買取と仲介の2つの方法があることはご存知でしょう。買取は不動産会社が直接物件を購入し、仲介は不動産会社が売主と買主の間に入って売買を成立させる方法です。

しかし、具体的にどのような違いがあるのか、どのような場合に買取や仲介が適しているのか、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。

買取と仲介の特徴を理解することは、戸建ての売却を成功させるために非常に重要です。そこで本記事では、買取と仲介の違いを詳しく解説し、それぞれの特徴や適した物件の種類、買取業者の選び方などをお伝えします。

そもそも買取と仲介はどう違う?

不動産を売却する際、大きく分けて買取と仲介の2つの方法があります。それぞれの特徴や違いを理解することで、自分に合った売却方法を選択できます。

買取は、不動産会社が直接物件を購入する方法です。売主は不動産会社と直接交渉を行い、合意した価格で売却します。この場合、不動産会社が買主となります。

一方、仲介は、不動産会社が売主と買主の間に入り、売買の仲介を行う方法です。不動産会社は売主から物件情報を得て、広告や営業活動を通じて買主を探します。買主が見つかれば、売主と買主の間で売買契約を結びます。

買取と仲介の主な違いは以下のとおりです。

項目買取仲介
売却までの期間通常1日〜14日程度買主が見つかるまで不明
売却価格市場相場の7割程度市場相場
不動産会社の役割買主仲介業者

買取は短期間で確実に売却できるメリットがある一方、売却価格は市場相場より低くなる傾向があります。

仲介は売却価格を高く設定できる可能性がある反面、買主が見つかるまで売却時期が不明確であり、一戸建ての場合、平均で6ヶ月程度かかるとされています。

したがって、売却までの期間を重視する場合は買取を、売却価格を重視する場合は仲介を選ぶのがよいでしょう。

関連記事:不動産買取とは?仲介との違いや、選ぶ際のポイントを詳しく紹介

戸建て物件の「直接買取」の相場

戸建て物件を買取で売却する際の相場は、物件の状態によって大きく異なります。一般的に、標準的な物件であれば市場価格の7〜8割程度が目安となります。

ただし、不動産会社が買取後に転売する際、一定の利益率を確保する必要があります。多くの場合、不動産会社は転売益として10%程度の利益を目標としています。

買い取った物件に不具合がある場合、不動産会社は修繕を行ってから転売します。修繕費用は通常、物件価格の1割程度を見込んでいます。

つまり、不動産会社は転売益と修繕費用を合わせて2割程度を確保したいと考えているため、標準的な物件の買取価格は市場価格の8割程度になるのです。

物件状態に応じた売却価格の変動幅

ただし、物件の状態によって買取価格は大きく変動します。

築浅で修繕の必要がほとんどない優良物件であれば、市場価格の9割程度で買い取ってもらえる可能性があります。

逆に、築古で取り壊しや大規模リフォームが必要な物件では、市場価格の5割程度になることもあります。

物件の状態市場価格に対する割合
優良物件9割
標準物件8割
要取り壊し・大規模リフォーム物件5割
事故物件1〜2割

自殺や殺人事件などがあった事故物件は、仲介での売却価格が市場価格の2〜3割程度になるため、買取価格は1〜2割程度まで下がる可能性があります。

戸建て物件の買取依頼をするメリット

戸建て物件の買取を専門業者に依頼するメリットとしては、次のものが挙げられます。

  • 短期で売却可能
  • 周りに知られる可能性が低い
  • 業者によっては法的なサポートも受けられる

以下より、詳しく解説します。

短期で売却可能

買取の最大のメリットは、早く確実に売却できることです。

買取の場合、不動産会社の査定を受けて価格に納得できれば、すぐに売買契約を結び、引き渡しまで進められます。通常、売却までに要する期間は2週間〜1ヶ月程度です。

一方、仲介の場合、最初に査定を受けても、その価格はあくまで予想売却価格であり、実際に売却できる保証はありません。買主が見つかるまでには平均で3ヶ月程度かかり、物件によっては6ヶ月以上かかることもあります。

さらに、売買契約から引き渡しまでに1〜2ヶ月程度を要するのが一般的です。買取では不動産会社からのキャンセルはほとんどありませんが、仲介では売買契約後に買主からキャンセルされるリスクもあります。

したがって、確実に短期間で売却したい場合は、買取の方が適しているといえます。

周りに知られる可能性が低い

買取のもう1つのメリットは、近所に知られずに売却できることです。

買取の場合、不動産会社が一度査定に訪れるだけで、その後はインターネット広告やチラシの配布などは行われません。

対して、仲介の場合は販売期間中に複数の購入希望者が家を訪れ、インターネット広告や近所へのチラシ配布も行われます。販売期間が長期に及ぶことから、自然と近所に売却の事実が知れ渡ってしまいます。

離婚やご近所トラブルなどの理由で売却する場合、近所に知られたくない人にとっては、買取の方がメリットがあるでしょう。

業者によっては法的なサポートも受けられる

買取は仲介ではないため、仲介手数料がかからないのもメリットの1つです。

仲介手数料は、取引額に応じて以下の速算式で計算される上限額が設定されています。

取引額 (売買金額)速算式(上限額)
200万円以下5%
200万円超〜400万円以下4%+2万円
400万円超3%+6万円

例えば、400万円超の物件なら3%程度の仲介手数料がかかり、かなりの金額になります。

借金返済などで資金が必要であり、手数料を支払う余裕がない人にとっては、買取の方が適しているでしょう。

以上のように、買取には短期間で確実に売却できる、近所に知られずに売却できる、仲介手数料がかからないなどのメリットがあります。自身の事情に合わせて、買取と仲介のどちらを選ぶべきか判断することが大切です。

戸建て物件の買取依頼をするデメリット

戸建て物件を買取で売却することには、いくつかのデメリットも存在します。主に以下の3つが挙げられます。

  • 業者選びが簡単ではない
  • 売却価格が安くなる
  • 買取拒否される場合もある

次項より、個別にみていきましょう。

業者選びが簡単ではない

戸建ての買取は、マンションに比べて買取会社が少ないことも課題の1つです。

マンションの買取を行っている不動産会社は多数ありますが、戸建ての買取を行っている会社は限られています。その理由は、戸建ての販売価格が予測しにくく、売れ残りのリスクが高いからです。

レインズによって公開されている『築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)』をみると、過去10年間の戸建てとマンションの売り出し価格・成約価格は以下のように推移しているとわかります。

(出典:レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」)

過去10年間の平均では、マンションの成約価格は売り出し価格の99%であるのに対し、戸建ての成約価格は売り出し価格の80%にとどまっています。つまり、戸建ては売り出し価格と実際の成約価格との間に2割もの差が生じているのです。

これは、戸建ての価格査定が難しいことが原因です。不動産会社にとって、戸建ての買取は売却予想価格を見誤ることで損失を出すリスクが高いビジネスといえます。そのため、戸建ての買取を敬遠する不動産会社が多く、買取会社を見つけるのが難しくなっていると推定できます。

売却価格が安くなる

買取の最大のデメリットは、売却価格が仲介に比べて低くなる傾向があることです。

標準的な物件の場合、買取価格は市場価格の約80%程度になることが多いため。さらに、解体や大規模リフォームが必要な物件では、買取価格が市場価格の50%程度まで下がることもあります。

戸建ては取り壊して転売するという選択肢があるため、マンションよりも買取価格が低くなる物件が多いのも特徴です。

買取拒否される場合もある

買取は不動産会社が再販売を前提とした取引であるため、需要が見込めない物件は買い取ってもらえないことがあります。

仲介であれば、誰かが購入してくれる可能性がありますが、買取の場合はリフォーム後の需要が見込める物件でないと対応してもらえないケースもあるため、留意しましょう。

戸建て物件を買取依頼する業者選びのコツ

戸建て物件を買取依頼する業者選びのコツは、以下のとおりです。

  • 買取実績を確認する
  • 買取業者以外からも査定額を入手する

それぞれ詳しく解説します。

買取実績を確認する

戸建ての買取は、マンションに比べて取り扱う業者が少ないため、実績のある業者を見つけることが重要です。買取実績が豊富な業者は、戸建て特有の査定ノウハウを持ち、適切な価格で買い取ってくれる可能性が高いといえます。

地域密着型の業者を選ぶことも有効です。地域密着型の業者は、その地域の不動産市場に精通しているため、より正確な査定を行える可能性があります。

業者の買取実績は、ホームページや広告などで確認できる場合もありますが、直接問い合わせて聞くのが確実です。その際、単に買取件数だけでなく、地域や物件種別などの詳細な実績についても確認しておくとよいでしょう。

買取実績が豊富で、地域に精通した業者を選ぶことで、適切な価格で買い取ってもらえる可能性が高まります。

買取業者以外からも査定額を入手する

買取業者を選ぶ際のもう1つのポイントは、複数の業者から査定額を入手することです。

買取価格は業者によって差があるため、1社だけの査定では適正価格かどうか判断が難しくなります。そこで、買取業者だけでなく、仲介の不動産会社からも査定額を入手することをおすすめします。

仲介の不動産会社は、売却予想価格を査定するため、この価格を参考にすることで、買取業者の査定額が適正かどうかを判断しやすくなります。

ただし、仲介の査定額はあくまで売却予想価格であり、買取価格とは異なることに注意が必要です。

買取に向いた戸建て物件の特徴

買取に適した戸建て物件には、いくつかの特徴があります。具体的には、以下の3つ。

  1. 早く売却したい人
  2. 事故物件
  3. 不具合の多い物件

1つ目は、「早く売却したい人」が所有する物件です。借金の返済が必要な人や、離婚で早期に家を売却したい人など、何らかの事情で物件を早く売りたい人にとって、買取は適しています。

2つ目は、「事故物件」です。自殺や殺人事件などがあった物件は、仲介での売却が難しく、長期間売れ残ってしまうこともあります。買取であれば、すぐに手放すことができ、維持費からも解放されるため、長期間持ち続けるよりもメリットがあります。

3つ目は、「不具合の多い物件」です。不動産会社は、買取後に自社で修繕することを前提に購入するため、不具合のある物件でも買い取ってくれます。

不具合が多いほど価格は低くなりますが、「売主が修繕しないと買わない」という条件にはなりません。仲介では、不具合がある物件は買主から修繕を条件とされることが多いため、買取の方が売却しやすいといえます。

仲介に向いた戸建て物件の特徴

「できるだけ高く売却したい場合は、買取よりも仲介がおすすめ」という先述の内容を踏まえ、仲介に適した戸建て物件の特徴を見ていきましょう。買取での売却を検討中の方も、本当に買取が最適なのか、今一度確認してください。

仲介に向いている物件は、主に以下の3つの特徴があります。

  1. 時間的に余裕のある人
  2. 立地や築年数の条件が良い物件
  3. リフォーム済みの物件

1つ目は、「時間的に余裕のある人」が所有する物件です。売却までの時間に余裕があるのであれば、わざわざ買取で焦って安く売却する必要はありません。仲介であれば、より高い価格で売却できる可能性が高まります。

2つ目は、「立地や築年数の条件が良い物件」です。例えば、駅から徒歩10分以内の物件や、築10年以内の物件などは、仲介でも早期に売却できる可能性が高いです。条件の良い物件であれば、仲介で少し価格を低めに設定するだけで、スムーズに売却できるでしょう。

3つ目は、「リフォーム済みの物件」です。リフォームを済ませた物件は、買主にとって魅力的であるため、相場よりも高く売却できる可能性があります。早期売却を希望する場合でも、やや価格を低めに設定することで、仲介での早期売却が可能になります。

まとめ

戸建て物件の売却には、買取と仲介の2つの方法があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。早期売却を優先する場合は買取が、高値売却を優先する場合は仲介が適しています。

事故物件や不具合の多い物件は買取に、立地や築年数の条件が良い物件は仲介に向いているといえます。ただし、買取価格は物件の状態によって大きく変動するため、複数の業者から査定を受けて比較検討することが重要です。

一方、仲介では売却までに時間がかかるリスクがあるため、売却予定時期や希望価格を明確にしておく必要があります。

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運営団体
株式会社ネクスウィル

2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。
経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。
これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

丸岡 智幸 (宅地建物取引士)

訳あり不動産の買取を専門にする会社の代表取締役。
相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産の買取を専門としている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を運営。
買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』を2024年5月2日に出版。

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