親が亡くなった後の実家に住むのはあり?判断のために知っておくべき注意点とは

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親が亡くなり実家を相続して住むべきか悩んでいませんか?

相続後の実家に住むときにはメリット・デメリットを正確に理解した上で、総合的に判断することが大切です。

相続の手続きや注意点、住まない場合の具体的な進め方についても知っておかないと、費用や手間の負担が大きくなってしまいます。

本記事では、相続した実家に住む場合と住まない場合のメリットとデメリット、各選択肢の手続き、避けるべき行為について詳しく解説していきます。

相続した実家をどうするか迷っている方はぜひ参考にしてください。

相続した実家に住むメリットとデメリット

実家を相続するメリット・デメリット

相続した実家に住むときのメリット・デメリットは以下の通りです。

相続した実家に住むメリット

親が亡くなった後も実家に住む選択には、住居費を抑えやすく、慣れた環境で生活を続けられるメリットがあります。

住宅ローンを完済している実家であれば、毎月の家賃や住宅ローンの返済が発生しない点も大きな利点です。

さらに、一定の要件を満たせば小規模宅地等の特例を利用でき、相続税の負担を抑えられる可能性もあります。実家を相続して住む場合は、生活面だけでなく税負担も含めてメリットを確認することが大切です。

相続した実家に住むデメリット

実家を相続すると、その不動産の所有者として固定資産税を支払う必要があります。

税額は固定資産評価証明書や課税明細書で確認できます。

老朽化した実家の場合、水回りや屋根、外壁など大規模なリフォームが必要になることがあります。リフォーム費用が高額になれば、金銭的な負担が大きくなります。

実家の立地が現在の勤務先から遠かったり、間取りが家族構成に合わなかったりする場合、生活しづらくなるかもしれません

通勤時間や交通費、リフォーム費用などを総合的に考える必要があります。

資産価値や立地、老朽化の度合いを考慮して判断しよう

親が亡くなった後も実家に住むかどうかは、思い入れだけで決めず、今後も無理なく暮らせる家なのかを基準に判断することが重要です。

実家の資産価値が低下していたり、建物の老朽化が進んでいたりすると、将来的に大きな修繕費が必要になることがあります。

また、通勤や買い物の利便性が現在の生活に合っているか、固定資産税や維持費を継続して負担できるかという確認も欠かせません。実家に住み続ける場合は、立地・建物の状態・維持費をまとめて比較したうえで判断するとよいでしょう。

関連記事:配偶者居住権とは?相続における権利範囲と注意範囲を解説

 実家を相続して住む際の手続きと注意点

実家を相続して住む際に必要な遺産分割協議・相続登記・相続税申告などの手続きを示した図解

親が亡くなった後も実家に住み続ける場合は、遺産分割協議や相続登記、相続税の確認など必要な手続きを順番に進めることが大切です。

実家を相続して住むと決めたら、以下の相続手続きを適切に行うことが重要です。

  • 遺言や遺産分割協議で相続人の合意を得る
  • 相続登記の手続きを行う
  • 相続税の申告と納税

遺言や遺産分割協議で相続人の合意を得る

遺言や遺産分割協議で相続人の合意を得なければ、自分だけの判断で実家を取得できるわけではありません。

遺言書などで取得者が決まっていない場合、遺産分割が終わるまでは実家を共同相続した状態になるためです。

そのため、誰が実家を取得するのかを相続人同士で話し合い、一人が取得する場合は他の相続人へ代償金を支払う方法なども検討します。実家を相続して安定して住み続けるには、早い段階で権利関係を整理しておくことが重要です。

関連記事:実家じまいとは?タイミングや必要な費用・手順について解説

相続登記の手続きを行う

遺産分割によって実家を取得する人が決まったら、相続登記を行って不動産の名義を変更します。

親が亡くなった後も実家に住むこと自体はできますが、名義を親のまま放置すると、将来の売却や担保設定などで手続きが進めにくくなるおそれがあります。

さらに、相続登記は2024年4月から義務化されているため、取得した不動産をそのまま放置することは適切ではありません。実家に住み続ける場合も、遺産分割だけで終わらせず相続登記まで済ませておく必要があります。

相続税の申告と納税

亡くなった親の家に住む場合も、相続財産の総額によっては相続税の申告・納税が必要です。

相続税がかかるかどうかは、実家だけでなく預貯金や有価証券などを含めた相続財産の総額が基礎控除額を超えるかによって決まります。

また、親と同居していた相続人が引き続き実家に住むなど一定の要件を満たす場合は、小規模宅地等の特例によって土地の評価額を大きく減額できる可能性があります。

親が亡くなった後も実家に住む予定なら、相続税の申告が必要かどうかに加えて、特例を利用できるかも確認しておくことが重要です。
(参考:国税庁「相続税」)

相続した実家に住まない場合の選択肢と手続き

相続した実家に住まない場合の売却・賃貸・土地活用・相続放棄の選択肢を示した図解

相続した実家に住まない場合は、売却・賃貸・土地活用・相続放棄などの選択肢があります。費用や管理負担、期限を確認したうえで早めに方針を決めることが大切です。

相続した実家に住まない場合でも、売却、賃貸、土地活用、相続放棄などによって必要な手続きが異なります。

売却する

売却価格だけでなく、税金や仲介手数料、家財の処分費用なども確認したうえで、手続きを進めましょう。

相続した実家を売却するメリットは、不動産を現金化でき、相続税の納税資金や他の投資に充てられることです。

ただし、老朽化した建物は買い手がつきにくく、売却価格も低くなりがちです。リフォームしてから売却する選択肢もありますが、費用が高額になりやすく利益が少なくなります。

売却するタイミングにも注意が必要です。相続開始から3年以内に売却すれば、売却時の譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「空き家に係る譲渡所得の特別控除」の適用を受けられます。ただ、被相続人が亡くなる直前まで一人暮らしであったこと、売却までの間は空き家であったことなどの要件を満たさなければなりません。

なお、実家を売却する際の主な流れは以下のとおりです。

  1. 不動産会社に査定を依頼する
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 広告掲載や内覧などの売却活動を行う
  4. 買主と売買契約を締結する
  5. 代金の決済と物件の引渡しを行う

売却価格だけでなく、税金や仲介手数料、家財の処分費用なども確認したうえで手続きを進めましょう。
(参考:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)

賃貸に出す

実家を賃貸に出せば、毎月の賃料収入を得られるというメリットがあります。

また、入居者がいることで建物が管理され、老朽化を防ぐこともできます。

ただし、入居者の募集や退去時の修繕、家賃の管理などに手間と費用がかかります。賃貸に出す前に必要となる主な対応は、以下のとおりです。

項目主な対応
建物・設備水回りや設備を点検し、必要に応じて修繕する
家財・遺品家財道具の処分や遺品整理を行う
賃料立地・築年数・周辺相場をもとに設定する
入居者募集広告掲載や内覧、入居審査を仲介会社に依頼する
賃貸管理家賃集金や修繕、入居者対応の方法を決める

賃料を設定する際は、近隣の相場だけでなく、物件の立地や設備、築年数なども考慮します。

敷金や礼金、更新料などの条件もあわせて決めなければなりません。入居者の募集は、不動産仲介会社に依頼するのが一般的です。仲介会社は、物件の広告掲載や内覧対応、入居審査、賃貸借契約の締結などを行います。

入居後は、家賃の集金や入居者との連絡、建物の維持・修繕、トラブル対応などが必要です。所有者自身で管理することも可能ですが、手間や専門知識が必要なため賃貸管理を管理会社への委託も検討しましょう。

更地にして土地活用する

老朽化が進んだ実家を取り壊して更地にすれば、駐車場経営や貸し資材置き場、太陽光発電事業など、さまざまな土地活用が可能です。

建物の解体費用はかかりますが、更地であれば管理が容易で、固定資産税の負担も軽減されます。

土地の活用方法は、立地や周辺環境、土地の形状や面積などによって異なります。

【例】

土地の立地・特徴主な活用方法
駅前・繁華街時間貸し駐車場
工場・物流施設が多い地域貸し資材置き場・倉庫
日当たりの良い郊外太陽光発電事業

土地活用するには、まず不動産コンサルタントや土地活用の専門家に相談し、最適な方法を。その上で、事業計画を立て、必要な許認可を取得し、工事を発注します。資金調達は、金融機関からの借り入れや補助金・助成金の活用が一般的です。

土地活用で得られる収益は、事業の種類や規模によって大きく異なります。

  • 駐車場経営:1区画あたり月額1万~3万円程度
  • 太陽光発電事業:1kWあたり年間1万5,000円程度

ただしリスクとして、駐車場経営では近隣に競合施設ができれば収益が下がる可能性があります。また、太陽光発電事業では天候不順による発電量の低下や設備のトラブルによる修繕費用の発生などが懸念されます。

相続放棄する

相続した実家が老朽化したり立地が悪く活用が難しい場合、相続放棄を検討しましょう。

相続放棄は、相続開始を知った日から3カ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。

申述が受理されれば、相続人としての権利と義務(債務など)が発生しなくなります。ただし、相続放棄は、実家を含む被相続人のすべての財産を放棄しなければなりません。

預貯金などの金融資産も含めて、プラスの財産も引き継げなくなるので注意が必要です。

実家の相続でやってはいけない損をする行為

実家の相続で誤った対応をすると損をする場合があるため、以下のポイントを意識しましょう。

  • 管理を怠り特定空き家に指定されること
  • 相続登記をせずに放置すること
  • 建物だけを取り壊すこと
丸岡 智幸

丸岡 智幸

代表取締役 / 株式会社ネクスウィル

不動産を相続した際、所有権の移転登記(相続登記)が適切に行われないケースは少なくありません。しかし、2024年4月1日からは、相続発生から3年以内に相続登記の申請を行わないと、最大10万円の過料が科される可能性があるため、注意が必要です。

出典: 丸岡智幸『拝啓売りたいのに家が売れません』

管理を怠り特定空き家に指定されること

相続した実家の管理を怠ると、「特定空家等」に指定される恐れがあります。

特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態や、著しく衛生上有害となるおそれのある状態にある空き家のことを指します。

指定を受けると、行政からの勧告や命令、代執行、最大50万円の過料といったペナルティを受けるおそれがあります。固定資産税の住宅用地の特例が適用されなくなり、最大6倍の課税となる点も痛手です。

定期的に通って換気したり、庭木を剪定したりと、こまめな管理を心がけましょう。
(参考:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)

相続登記をせずに放置すること

相続登記をしないまま放置してしまうと、トラブルのもとになります。

登記名義が被相続人のままでは、第三者に勝手に売却されたり、抵当権を設定されたりする恐れがあります。共有名義になる可能性もあり、他の相続人の債権者から差し押さえを受けるかもしれません。

相続人が亡くなった場合もさらなる相続(二次相続)が発生し、権利関係が複雑になります。不動産の売却や賃貸の際にも相続登記が必要となるため、早めの名義変更がおすすめです。

建物だけを取り壊すこと

管理を楽にするために建物だけを解体するのはおすすめできません。

更地は住宅用地の特例が適用されず、固定資産税が高くなります。建物を解体すると「住宅用地」から「非住宅用地(雑種地)」に地目変更され、固定資産税の負担が約3〜6倍になってしまいます

建物の管理が大変なら、賃貸に出すことを検討しましょう。

「ワケガイ」なら訳あり物件も短期で買取可能!

訳あり物件・不動産の買取・売却のワケガイ
相続した実家に住まず、売却を検討する際に、物件の状態や立地によっては買い手が見つからないことがあります。

老朽化が進んだ空き家やゴミ屋敷、事故物件など、いわゆる「訳あり物件」は特に売却が難しいケースが多いのです。

当社が提供するワケガイは全国47都道府県の訳あり物件を対象に、最短1日での買取を実現します。空き家やゴミ屋敷はもちろん、共有持分物件や再建築不可の土地なども、現状のまま買い取り可能です。

査定は無料で、買取額は最大3億円。仲介手数料もかからないため、煩雑な売却活動をせずにスピーディーに不動産を売却できます。相続した実家の売却に悩んでいる方は、ぜひワケガイの空き家買取サービスをご検討ください。

実家の親が亡くなった後に住むときによくある質問

実家の親が亡くなった後に住むときによくある質問は、以下のとおりです。

  • 親が亡くなって、その家にそのまま住める?
  • 親の死後、実家に住み続けることはできる?
  • 親の死後、実家をどうするか決められない場合はどうすればよい?

それでは、それぞれの質問とその回答を紹介します。

親が亡くなって、その家にそのまま住める?

同居していた家にそのまま住み続けること自体は可能ですが、相続手続きを済ませていないと法律上は相続人全員の共有状態になります。他の相続人が売却や分割を求めた場合、住み続けられなくなる可能性があるため注意が必要です。安定して住み続けたいのであれば、遺産分割協議で自分が単独で取得するように話し合い、相続登記まで済ませておくことが重要になります。

親の死後、実家に住み続けることはできる?

住み続けること自体はできますが、名義が親のままでは売却も担保設定もできず、固定資産税の負担者もあいまいなままになります。他の相続人がいる場合は、住み続ける代わりに代償金を支払う、あるいは持分に応じた家賃相当額を求められるといった調整が必要になることもあります。トラブルを避けるには、早い段階で遺産分割協議を行い、誰が取得するのかを書面で明確にしておきましょう。

親の死後、実家をどうするか決められない場合はどうすればよい?

判断に迷う場合でも、まずは相続登記を済ませて権利関係を確定させることが先決です。そのうえで、住む・貸す・売る・解体するといった選択肢を、維持費や立地、建物の状態と照らし合わせて比較検討します。賃貸や売却が難しい立地でも、訳あり物件を専門に扱う買取業者であれば対応できる場合があります。判断を先送りするほど老朽化と維持費の負担が増えていくため、期限を決めて検討し、必要に応じて不動産会社や専門家へ相談するとよいでしょう。

まとめ

相続した実家に住むかどうかはメリット・デメリットを考慮し適切な手続きと注意点を押さえる必要があります。

特に、「管理を怠る」「相続登記を放置する」「安易に建物を取り壊す」といった行為は、思わぬ損失につながる可能性が高いので避けましょう。

一方で、実家の相続は法的にも複雑な問題が絡むため、素人判断で対応することは危険です。資産価値や立地、建物の状態、相続人の意向など、さまざまな要素を総合的に考慮した上で、最適な選択をしなければなりません。

もし少しでも実家の相続に不安や迷いがあるなら、専門家に相談することをおすすめします。プロにサポートしてもらいながらリスクを最小限に抑え、納得のいく相続を実現しましょう。

運営団体

株式会社ネクスウィル

2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。

訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。

経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。

これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

丸岡 智幸 (宅地建物取引士)

訳あり不動産の買取を専門にする会社の代表取締役。
相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産の買取を専門としている。
訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を運営。
買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』を2024年5月2日に出版。

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