こんにちは。ワケガイ編集部です。
相続や離婚をきっかけに不動産の共有状態となり、「自分の共有持分だけを売りたい」と考える方は少なくありません。しかし、実際には「買い手が見つからない」「思ったより安くしか売れないと」いったケースも多くあります。
共有持分は、共有不動産におけるそれぞれの所有者の権利の割合であり、法的には単独での売却も可能ですが、売却そのものは非常に難しいのが実情です。さらに、条件次第で価格に大きな差が生まれます。
そこで本記事ではそんな共有持分をなるべく高く売るためにできる対策を詳しく解説します。

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「共有持分の窓口」運営のワケガイ編集部について
共有持分の窓口のコラムは、共有持分・共有不動産にお悩みの方が、売却・処分・離婚・ペアローン・トラブル対応の判断を正しく行えるようにすることを目的に運営しています。私たちは運営会社・株式会社ネクスウィルが、共有持分、空き家、再建築不可物件などの訳あり不動産の買取実務で培った一次情報にもとづいた記事づくりを徹底しています。
共有持分の窓口の詳細はこちら共有持分とは
共有持分とは、複数人が共同で所有する「共有不動産」における、それぞれの人が持っている所有権の割合を指します。
単独名義の不動産であれば、所有者の判断で自由に使ったり売却したりできますが、共有名義の場合、各自が持つ権利は明確に区分されているものの、物件全体に対する使い方には制約が伴います。
共有状態になる典型的なケースとしては、以下のような例があります。
- 親子や兄弟などで共同購入した不動産
- 相続によって不動産を複数人で引き継いだ場合
- 離婚後も名義を整理していない元夫婦の共有物件
出資額に応じて持分割合が決まるのが一般的で、たとえば購入時に1,000万円を出した人が2,000万円出資した人と共有する場合、その持分は「3分の1」と「3分の2」に分かれることになります。
このように、共有持分は明確な数字で管理されるものの、実際の活用や売却には注意が必要です。
自分の持分だけなら自由に売却可能
共有不動産のうち、自分が持っている持分は原則として自由に売却できます。
民法第206条ではこの点について以下のように規定されています。
“法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する”
引用:民法第206条
共有者が持つ「共有持分」もこの所有物に含まれるため、自らの持分を他人に譲渡することは法的に認められているのです。たとえば、夫婦で共有する土地のうち、妻が「3分の1」、夫が「3分の2」を持っている場合、妻は夫の承諾がなくても、自分の「3分の1」だけを第三者に売却することができます。
ただし、注意すべきなのは「売却できる」ことと、「売却が成立しやすい」ことは別だという点です。法的に許されていても、現実にはそう単純に進まない場面も多々あります。
関連記事:共有名義人が認知症になったら、不動産は売却可能?成年後見人制度とセットで解説
共有持分の売却が難しい理由
共有持分の売却が難しい理由は、以下のようなリスクがあるからです。
- 他の共有者が物件に住んでおり、自由に使えない
- 共有者が複数いることで、今後の活用や売却が困難になりかねない
- 登記や相続の手続きが未整理で、権利関係が不明瞭
つまり、買い手から見れば「持分を買っても、すぐに使えない」「売却しづらい」「他の共有者と揉めるかもしれない」といったリスクがあるため、積極的に購入しようという動機が生まれにくいのです。
このような背景から、共有持分は市場での流通性が低く、「訳あり不動産」として扱われることもあります。結果として、価格面でも一般の不動産に比べて不利になりやすいのが現実です。
共有持分の価格査定における6つのポイント
共有持分の価格査定におけるポイントは、以下の6つです。
- 査定のポイント①:持分の割合と流動性
- 査定のポイント②:土地と建物の持分バランス
- 査定のポイント③:共有者の構成と人数
- 査定のポイント④:物件の構造・築年数・立地条件
- 査定のポイント⑤:抵当権や差押えなどの権利制限
- 査定のポイント⑥:境界の明確さと測量の有無
それぞれ個別にみていきましょう。
査定のポイント①:持分の割合と流動性
持分割合は、共有持分の査定で確認される基本要素の一つです。
割合が大きいほど単純に同じ比率で査定額が上がるわけではありませんが、買主が取得後に共有関係を整理しやすいか、共有物の管理にどの程度関与できるかを判断する材料になります。
民法第252条では、共有物の管理に関する事項は、原則として各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決めるとされています。そのため、過半数に届くかどうかなど、持分割合によって取得後の選択肢が変わる点は査定にも関係します。
一方、持分が小さくても、物件の立地や利用状況、他の共有者との関係によって評価は変わります。持分割合だけで価格を判断せず、共有関係を含めて査定することが重要です。
査定のポイント②:土地と建物の持分バランス
土地と建物のいずれに持分を持っているかによっても、査定結果は大きく変わります。
両方に持分がある場合、物件全体の活用や売却の可能性が高まり、業者側も前向きに評価をしやすくなります。
一方、土地だけに持分がある、あるいは建物だけしか所有していないといった場合は、利用に制限が出るケースもあります。たとえば、建物が他人名義であれば、自分の持分を買い取っても自由に使用できない可能性があるのです。
このように、土地・建物の持分が片方しかないケースは、実質的に扱いづらい物件として見なされ、査定額にも影響することがあります。
査定のポイント③:共有者の構成と人数
共有者の人数は査定に影響する要素ですが、「何人以上なら安くなる」と一律に決まるものではありません。
買主が重視するのは、取得後に他の共有者と連絡や協議を進められるか、共有関係の整理にどの程度の手間や費用がかかるかという点です。
たとえば、連絡が取れない共有者がいる、共有者同士の対立が続いている、誰が物件を使用しているのか整理できていないといった事情があると、取得後の調整負担が大きくなります。反対に、共有者の連絡先や利用状況が把握できていれば、査定時に状況を判断しやすくなります。
査定を依頼するときは、共有者の人数だけでなく、連絡の可否や占有状況、これまでの協議内容も伝えると、より実態に沿った査定につながります。
査定のポイント④:物件の構造・築年数・立地条件
共有持分であっても、不動産そのものの状態が査定に影響するのは言うまでもありません。
たとえば、以下のような要素は評価の際に重視されます。
- 建物の築年数や構造(木造・鉄骨造など)
- 管理状況や老朽化の度合い
- 最寄り駅からの距離や周辺の生活環境
- 接道状況(再建築が可能かどうか)
特に「再建築不可」や「接道義務を満たしていない」場合には、将来的な活用が難しいと見なされ、価格が大きく下がる傾向があります。また、見た目以上に耐震性や雨漏りといった構造上の不具合が影響することもあるため、物件の状態は軽視できません。
査定のポイント⑤:抵当権や差押えなどの権利制限

抵当権や差押えがある場合は、残債額や抹消の見込み、金融機関との調整などが査定に影響します。
抵当権や差押えの有無は、共有持分の査定で確認しておきたい項目です。
抵当権が残っていても法律上の売却自体が直ちに禁止されるわけではありませんが、抵当権は不動産に残るため、買主は債務が履行されなかった場合の競売リスクなどを考慮する必要があります。
そのため、住宅ローンが残っている場合は、残債額や抵当権を抹消できる見込み、売却時に必要となる金融機関との調整内容が査定に影響します。差押えがあるケースでも、解除や抹消に向けた手続きが必要になることがあり、その負担が価格に反映される可能性があります。
査定前に登記事項証明書で権利関係を確認し、抵当権や差押えがある場合は、その原因と解消の見通しまで整理して伝えると、条件を踏まえた査定を受けやすくなります。
査定のポイント⑥:境界の明確さと測量の有無
土地の売買で頻繁に問題となるのが、隣地との境界があいまいな状態です。
境界線が不明確なままだと、購入後にトラブルに発展する可能性があるため、買取業者は慎重に判断せざるを得ません。
特に、以下のような場合は査定額が下がる傾向があります。
- 測量図や境界確認書が用意されていない
- 境界標が現地に存在しない
- 隣地所有者との境界確認が未実施
一方で、測量図や境界確定資料が整っている場合には、取引の透明性が高まり、価格にも好影響を与えることがあります。「書類があるかどうか」だけでなく、「現地で物理的に確認できるか」も含めて評価されている点にご留意ください。
共有持分の売却の相場はどのくらい?

共有持分の売却価格は一律ではなく、持分割合や共有関係、物件条件などによって変動します。
結論から言えば、明確な相場は存在しません。
なぜなら、持分の割合や他の共有者との関係、物件の状態によって価格が大きく変わるからです。
目安としては、「不動産全体の評価額 × 持分割合 × 2分の1〜3分の1程度」となるケースが多く、たとえば3,000万円の物件で「3分の1」の持分を持っている場合、買取価格は300万円〜500万円ほどに抑えられることもあります。
また、共有者と連携が取れるかどうかによっても価格は変動します。持分割合が多くても、他の共有者が非協力的であれば、売却の難しさが価格に反映されることもあります。
この場合、基本的には持分割合の大きいBのほうがAよりも買取価格が高くなる傾向にあります。
Aは共有者全員が共有不動産の売却に同意している一方、Bが共有不動産の売却に反対していた場合は、Aのほうが買取価格が高くなるケースもあるのです。
自分の共有持分の相場が気になったなら、まずは共有持分の簡易査定ができるので以下より試してください。

共有持分を高く売るために売主ができる4つの対策
共有持分を高く売るために売主ができる4つの対策は、以下のとおりです。
- 対策①:持分割合を増やす
- 対策②:共有者と協力体制を築く
- 対策③:登記・権利関係を整える
- 対策④:物件情報を整理する
それぞれ個別に解説します。
対策①:持分割合を増やす
持分割合が大きくなると査定で有利に働く可能性はありますが、査定額を上げる目的だけで他の共有者の持分を買い増すのが得とは限りません。
買い増しには持分の購入代金に加え、契約や登記に伴う費用が生じるため、売却時の価格上昇分より取得コストが大きくなることもあります。
他の共有者から持分を取得できる状況であれば、まず現在の持分の査定額と、買い増しに必要な総額を比較しておくことが大切です。共有関係を単純化できる見込みがある場合でも、費用を含めた手取りベースで判断すると売却後の差が分かりやすくなります。
実際に持分を取得した場合は、所有権移転登記も必要です。不動産の物権変動は、登記をしなければ第三者に対抗できないため、取得後の登記まで含めて手続きを進めます。
関連記事:共有名義の不動産を「名義変更」する方法とは?
関連記事:持分移転登記とは?手続き方法や費用、リスクについて解説
対策②:共有者と協力体制を築く
共有者同士の関係性は、表には見えにくいものの、売却価格に意外なほど影響します。
買取業者の立場から見ると、「他の共有者と連絡が取れない」「話し合いに応じてくれない」という状況は、大きなリスクと捉えられるからです。
たとえば、次のような状態であれば、評価が上がる可能性があります。
- 共有者の連絡先が把握できており、連絡が取れる
- 売却について共有者が一定の理解や協力を示している
- これまでに特段の対立やトラブルがない
こうした状況が整っていれば、業者側の不安が減り、結果として査定額にも良い影響を与えることがあります。まずは、連絡先の確認や軽い意思確認からでも構いません。できる範囲で協力関係を築いておくことが、売却成功への一歩になります。
関連記事:他の共有者から共有持分を取得する方法とは?
関連記事:共有不動産を占有された場合、家賃請求はできるのか?
対策③:登記・権利関係を整える
登記の状態は、買い手にとって「この不動産は本当に安心して取引できるものか」を見極めるための重要な判断材料です。
たとえば、相続登記がされておらず、登記簿に被相続人の名前が残っているような状態では、売却そのものが進めにくくなります。
登記が整理されていないことによって生じる問題は、次のようなものです。
- 契約前に法定相続人全員の調整が必要になる
- 所有権の所在が不明確で、査定自体が保留される
- 手続きの煩雑さから、業者が買取を敬遠する
こうしたリスクを回避するためにも、「誰の名義になっているか」「登記内容が現状と一致しているか」は早めに確認しておきましょう。
不安な場合は、司法書士など専門家に相談するのもひとつの方法です。
関連記事:自己破産すると共有名義の不動産はどうなる?他の共有者への影響についても解説
対策④:物件情報を整理する
売却にあたっては、不動産の状態を示す基本的な資料を事前に用意しておくと、業者とのやりとりが格段にスムーズになります。
必要な資料には、以下のようなものがあります。
- 登記簿謄本(全部事項証明書)
- 公図・測量図・境界確認書などの土地資料
- 建物の平面図や仕様書
- 固定資産税納税通知書や評価証明書
これらが揃っていると、業者は「調査に時間がかかる不透明な物件」とは見なさず、評価や査定を前向きに進めやすくなります。特に、土地に関しては境界の明確さが取引の成否を左右することもあるため、可能であれば「境界標があるかどうか」も現地で確認しておくと安心です。
対策⑤:買取専門業者に依頼する

買取業者を比較するときは、査定額だけでなく費用や決済時期、契約条件まで同じ条件で見比べることが重要です。
共有持分は、買い取った後に必要となる他の共有者との調整や保有コストの見込みが業者ごとに異なるため、査定額に差が出やすい不動産です。
共有持分を扱い慣れた買取業者であれば、権利関係や占有状況を踏まえて査定できるため、売却先の候補になります。
査定を比較するときは、提示額だけでなく、「なぜその金額になるのか」という査定根拠も確認することが重要です。契約時に差し引かれる費用、引渡し条件、決済時期までそろえて比べると、最終的な手取り額と売却条件を判断しやすくなります。
一社だけでは提示額が妥当か判断しづらいため、可能であれば複数社へ同じ条件で査定を依頼し、金額と根拠を比較しましょう。高値だけを基準にせず、条件変更の有無や説明の具体性まで確認することで、納得できる売却先を選びやすくなります。
関連記事:【2026年版】共有持分の買取業者のおすすめ厳選6社!共有名義の不動産を売却したい方へ!
共有持分の買取なら「ワケガイ」にご相談ください!

当社(株式会社ネクスウィル)は、訳あり不動産に特化した買取サービス「ワケガイ」を提供しています。
共有持分や再建築不可物件など、通常の市場では評価がつきづらい不動産でも、法的・実務的な整理を前提とした適切な査定を行っています。共有者との交渉が難しいケースや、持分の割合が大きい場合などは、通常よりも高い条件での買取が成立する可能性もあります。
こうした「条件によっては想定以上の価格がつくこともある」のが、共有持分の買取に精通した専門業者に依頼する利点です。他社では断られた物件でも柔軟に対応できるよう、士業との連携体制も整えています。お気軽に無料査定をご活用ください。
共有持分の査定についてよくある質問
共有持分の査定についてよくある質問は、以下のとおりです。
- 共有持分の買取は早く現金化したい場合に向いていますか?
- 共同購入するとき共有持分はどう決めますか?
それでは、それぞれの質問とその回答を紹介します。
共有持分の買取は早く現金化したい場合に向いていますか?
買取業者が直接買主になるため、仲介のように第三者の購入希望者を探す工程がなく、早期の現金化を目指しやすい方法です。また、自分の共有持分だけを売却する場合は、原則として他の共有者の同意を得ずに進められます。一方、買取価格は共有関係や物件の条件によって変わり、他の共有者への売却や不動産全体の売却より低くなることもあります。早さだけで決めず、査定額と売却条件を比較して判断することが大切です。
共同購入するとき共有持分はどう決めますか?
共同購入では、実際に負担する購入資金の割合に合わせて登記上の持分を定めるのが基本です。たとえば夫婦で住宅を購入する場合、実際の資金負担割合と登記上の持分割合が異なると、その差額について贈与税の問題が生じることがあります。頭金だけでなく、住宅ローンを誰がどの割合で負担するかも含めて整理したうえで、持分割合を決める必要があります。
まとめ
共有持分をなるべく高く売却するためには、ただ業者に査定を依頼するだけでは不十分です。
物件の条件や登記の状況、他の共有者との関係性など、さまざまな要素が価格に影響します。
まずは自身の持分割合や登記内容を確認し、必要に応じて登記の整理や他共有者との連携を進めることが大切です。
共有持分に特化した専門業者に早い段階で相談することで、一般の不動産会社では提示されにくい、より現実的かつ高い金額での売却につながる可能性もあります。自身の状況を正しく把握し、戦略的に売却準備を進めましょう。





















