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土地の所有者がわからず、売買や管理が進められない「所有者不明土地」が問題となっています。
所有者不明土地とは、登記簿などを調べても所有者がすぐに判明しない、または所有者と連絡が取れない土地のことです。
相続登記が行われないことなどが原因で発生し、土地の活用が難しくなるだけでなく、雑草の繁茂やごみの不法投棄など、周辺環境に悪影響を及ぼす場合もあります。
本記事では、所有者不明土地の現状や増加してきた背景、全国で実際に発生した問題事例について詳しく解説します。
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編集ポリシー・コンテンツ制作方針の詳細所有者不明土地とは

所有者不明土地とは、不動産登記簿などを確認しても所有者がすぐにわからない、または所有者が判明しても連絡がつかない土地のことです。
具体的には、以下のようなケースが該当します。
- 所有者が転居している: 登記簿の住所が更新されておらず、現在の所在がわからない
- 相続登記がされていない: 名義人の死亡後も登記が変更されず、相続人が多数になっている
- 所有者の情報が古い: 登記簿などの情報が更新されておらず、現在の所有者を特定しにくい
- 共有者の情報が不足している: 土地の共有者全員を確認できない
所有者不明土地が発生する主な原因は、相続登記や住所変更の登記が行われないことです。
実際に、法務省が2017年に公表した調査では、最後の所有権登記から50年以上経過した土地の割合は大都市で6.6%、中小都市・中山間地域で26.6%でした。
また、国土交通省の調査では、登記からの経過年数が長いほど、登記簿上で所有者の所在を確認できない割合が高くなる傾向があります。
具体的には、最後の登記から0〜29年の土地では21%だったのに対し、70〜89年の土地では79%に上りました。
ただし、登記が古い土地のすべてが所有者不明というわけではありません。 登記簿で確認できなくても、戸籍や住民票などを調査することで、所有者が判明する場合もあります。
(参考:国土交通省「所有者不明土地を取り巻く状況と課題について」)
所有者不明土地が増加している背景

所有者不明土地の増加は、人口減少や高齢化、相続登記の未実施など、複数の要因が関係しています。
所有者不明土地問題研究会が2017年に公表した推計では、2016年時点の所有者不明土地は約410万haで、九州の面積(約367万ha)を上回るとされました。
所有者不明土地の増加を防ぐ対策が進まない場合、2040年には約720万haに達すると予測されています。
所有者不明土地が増加し、問題の解消が難しくなっている背景には、主に以下の3つがあります。
①:社会構造の変化
人口減少や高齢化、都市部への人口集中などにより、地方を中心に土地の利用や管理に対する関心が薄れていることが要因の一つです。
例えば、相続した土地が遠方にあり、利用予定もない場合、管理や売却が後回しになることがあります。
また、土地を所有すること自体が負担となり、相続後も登記が変更されないまま放置されるケースもあります。
関連記事:「所有者不明土地」の主な課題とは?注目すべき3点を解説
②:相続登記が長年義務化されていなかった
所有者不明土地が増加した大きな原因の一つは、相続登記が長年義務化されていなかったことです。
以前は、土地を相続しても登記を変更する義務がなく、亡くなった人の名義のまま放置されるケースがありました。
その状態で相続が繰り返されると、相続人が増え、現在の所有者を特定することが難しくなります。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、現在は原則として不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することになりました。
2024年4月1日より前の相続も義務化の対象となり、原則として2027年3月31日までに登記が必要です。
③:土地所有者の探索にかかる労力が大きい
所有者の特定に多くの時間や費用がかかることも、問題の解消を難しくしている要因です。
例えば、相続登記が長期間行われていない土地では、戸籍や住民票などを調べ、多数の相続人を確認しなければならない場合があります。
相続人の一部と連絡が取れなければ、遺産分割協議や土地の売却をスムーズに進めることができません。
相続が繰り返されるほど権利関係が複雑になり、土地の管理や活用が進まなくなる可能性があります。
「土地を所有する」ことへの負担感が強い現状
土地を所有すると、草刈りなどの管理作業や税金の支払いが必要となるため、負担を感じる人も少なくありません。
国土交通省が実施した「令和2年度 土地問題に関する国民の意識調査」では、土地の管理に負担を感じる人がいる一方、将来の相続に向けた準備が進んでいない実態も明らかになっています。
主な調査結果は以下のとおりです。
| 調査項目 | 主な回答 | 割合 |
|---|---|---|
| 未利用地の所有で感じる負担 | 草刈りなどの管理作業 | 56.4% |
| 税金や管理費用 | 40.0% | |
| 土地を管理していない理由 | 管理は必要ないと思っている | 51.6% |
| 草刈りなどの管理作業が負担 | 32.3% | |
| 土地が遠方にあり、行くのが負担 | 29.0% | |
| 土地・住宅の相続への対応状況 | 何も対応していない | 58.3% |
| 家族との話し合いや専門家への相談などを行っている | 19.6% | |
| 相続に向けた対応をしていない理由 | まだ早いと思っている | 44.4% |
| 特に理由はない | 27.8% | |
| 相続制度や手続きがわからない | 16.9% |
※2020年度の調査結果。調査項目ごとの回答者数は、順に140人、31人、1,618人、944人。相続への対応状況を除き複数回答。
この結果から、土地の維持管理に負担を感じている人がいる一方で、相続への準備を後回しにしている人も多いことがわかります。
しかし、土地の管理や相続登記を放置すると、所有者の特定が難しくなり、将来の売却や活用に支障が生じる可能性があります。
所有者不明土地の発生を防ぐためにも、早めに家族で土地の管理方法や相続について話し合っておくことが大切です。
(参考:国土交通省「令和2年度『土地問題に関する国民の意識調査』の概要」)
所有者不明土地による支障事例
所有者不明土地は、公共事業の遅れや土地の管理不足など、さまざまな問題を引き起こします。
国土交通省が2017年に公表した資料では、次のような事例が紹介されています。
| 事例 | 土地の状況 | 発生した問題 |
|---|---|---|
| ① 相続人を特定できない | 国道建設予定地の相続人が148名に増加し、一部の相続人を特定できなかった | 133名に180回以上の協議を行い、土地の取得まで約3年を要した |
| ② 相続人が多数存在する | 河川改良予定地の相続人が242名に上り、うち3名の所在が不明だった | 用地交渉が難航し、資料公表時点で約1年10か月が経過していた |
| ③ 登記名義人の法人が解散している | 約5,280㎡の山林が、すでに解散した3法人の名義になっていた | 土地使用の承諾が得られず、急傾斜地の崩壊対策事業に着手できなかった |
| ④ 土地の利用方針を決められない | 約18haの土地で、地権者約170名のうち約40名について相続登記がされていなかった | 樹木の伐採や広場の整備を進められず、景観の悪化やごみの不法投棄が発生した |
| ⑤ 廃棄物を処分できない | 大量の家電製品などが置かれた土地で、所有者の現在の住所が不明だった | 不法投棄か保管物か判断できず、自治体による処分が難しくなった |
これらの事例から、所有者がわからない土地は、公共事業や土地の有効活用を妨げるだけでなく、周辺環境にも悪影響を及ぼす可能性があることがわかります。
また、所有者の探索や関係者との交渉には多くの時間と費用がかかるため、相続登記などを適切に行い、所有者を明確にしておくことが重要です。
(参考:国土交通省「所有者不明土地を取り巻く状況と課題について」)
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「土地の所有者が分からない」という事態は、土地利用の停滞や取引の不活性、税金の未納といった問題だけでなく、土地のメンテナンスが行われないことから、放置された土地が荒れ、不法投棄が増加。結果として獣害や治安の悪化などの問題が生じるケースも少なくありません。
これらの事例を通じて感じる共通点は、所有者の特定や土地の活用に向けた取り組みに直接反対する人は少ないものの、時が経つことで解決が難しくなり、高額なコストが発生しているという現状です。

丸岡 智幸
代表取締役 / 株式会社ネクスウィル
極端なケースでは普通の住宅の土地、建物に100人単位の共有名義人が出現する場合もあります。
出典: 丸岡智幸『拝啓売りたいのに家が売れません』
所有者不明土地のよくある質問
所有者不明土地を放置するとどうなる?
所有者不明土地を放置すると、周辺環境の悪化や土地の売買・活用に支障が生じる可能性があります。例えば、雑草の繁茂やごみの不法投棄、倒木などによって、近隣住民に被害が及ぶ場合があります。また、時間が経つほど相続人が増え、所有者の特定や権利関係の整理が難しくなることもあります。
相続人がいない土地はどうなる?
相続人がいない土地は所定の手続きを経て、最終的に国庫に帰属する場合があります。相続人がいない場合、家庭裁判所が選任する「相続財産清算人」が、財産の管理や債務の清算などを行います。ただし、亡くなった人と特別な関係にあった人が、家庭裁判所の判断によって財産を取得する場合もあります。
所有者不明土地は売却できる?
所有者不明土地でも、所有者の特定や必要な法的手続きを行うことで、売却できる場合があります。例えば、相続登記がされていない土地では、相続人を調査し、権利関係を整理する必要があります。また、所有者の所在がわからない場合でも、裁判所による所有者不明土地管理制度などを利用して売却できる可能性があります。ただし、手続きには条件があるため弁護士や司法書士などに相談しましょう。
土地の所有者はどうやって調べられる?
土地の所有者は、法務局で登記事項証明書を取得することで確認できます。登記事項証明書には、登記上の所有者の氏名や住所などが記載されています。ただし、相続登記や住所変更の登記がされていない場合は、実際の所有者と一致しないことがあります。登記簿だけで所有者を特定できない場合は、司法書士などに相談し戸籍などを調査する方法も検討しましょう。
まとめ
所有者不明土地は、相続登記が行われないことなどが原因で発生し、土地の売買や活用、公共事業の進行に支障をきたす場合があります。
こうした問題を防ぐためには、日頃から家族や親族と土地の所有状況や将来の相続について話し合っておくことが大切です。
2024年4月から相続登記が義務化されたため、土地を相続した場合は期限内に必要な手続きを行いましょう。
所有者の特定や相続手続きが難しい場合は専門家に相談し、早めに対応することをおすすめします。
本ブログで情報発信を行っている「ワケガイ」は、訳あり物件を積極的に買い取っている専門業者です。所有物件についてお悩みの方は、訳あり物件の買取に特化したワケガイに、ぜひお問い合わせください。
運営団体 2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。 訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。 経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。 これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。 |












