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不動産の共有持分を相続する時に必要な税金とは? 相続税の計算方法や手続きを解説

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相続は人生の中で何度もあることではないため、「相続をすると相続税がかかる」ということは何となく分かっていたとしても、実際にいくらかかるのか、また手続きの仕方などを詳しく把握している方は少ないでしょう。

そこで、今回は相続税の計算方法や手続きの仕方についてご紹介します。

さらに不動産の共有持分を相続したときのケースについてもお伝えするので、不動産の相続予定がある方はぜひ参考にしてください。

■相続税とは?

・相続税とは

ある人が亡くなったときに、その人の財産を「相続」や「遺贈」によって引き継ぐ際に発生する税金のことを相続税と言います。

次に相続と遺贈の違いについて説明します。

 

「相続」とは?

「相続」とは、死亡をきっかけに、亡くなった人の権利や義務などの財産や負債、立場が移転することを言います。

この場合、亡くなった人のことを「被相続人」と言い、財産は被相続人の一定の身分関係の人に引き継がれます。そして、その引き継ぐ人を「相続人」と言います。

 

「遺贈」とは?

「遺贈」とは、遺言をもって第三者に財産に関する権利を無償で移転させることを言います。

この場合、亡くなった方は「遺贈者」、引き継ぐ人は「受遺者」となります。

 

・相続税が課税される人とは

相続税が課税されるのは、相続や遺贈によって財産を受け取った人になります。

法定相続の場合、遺産をもらえる人は配偶者と血族であり、これを「法定相続人」と言います。


優先順位は以下の通りとなります。

 

【法定相続人の順位】

-配偶者は必ず相続人となる

-第一順位:子供および代襲相続人

-第二順位:父母などの直系尊属

-第三順位:兄弟姉妹

 

・基礎控除内であれば相続税はかからない

財産の合計金額が基礎控除額を超えなければ、相続税はかかりません。

基礎控除額を超えた場合、超えた分が課税対象となります。(控除額については「相続税の計算方法」にて説明します。)

それではどのようなものが「財産」とみなされるのか、次にご紹介します。

 

・相続税課税対象となるもの

相続する上で課税対象となるものは下記の通りです。

 

【課税対象のもの】

-現金や預貯金

-株式や債券など

-不動産(土地・建物・山林など)

-貴金属や宝石・骨董品などの家財

-リゾート会員権やゴルフ会員権

-著作権や特許権

など

 

【その他相続税がかかる財産(みなし相続財産)】

-生命保険金

-死亡退職金

-被相続人から生前に贈与を受けて贈与税の納税猶予特例を受けていた農地など

-財産を取得した人が被相続人の死亡3年以内に被相続人から財産贈与を受けている場合

など

 

生命保険金や死亡退職金など、亡くなったときには財産として持っていなかったとしても「みなし相続財産」として、課税対象に含まれることがあります。

 

・相続税課税対象ではないもの

相続税の課税対象とならないものもあるのでご紹介します。

 

【課税対象ではないもの】

-墓地や墓石・仏具など

-国や公益法人などに寄附した財産

-非課税枠内で受け取る生命保険金・死亡退職金(500万円×法定相続人数)

など

 

墓石や仏具については、価値があり金銭に替えることができるものの場合は課税対象となることがあります。一方、日常礼拝しているようなものは通常、第三者がお金を出して買うことは想定できないため、課税対象にはなりません。

 

■相続税の計算方法

次に、相続税の計算方法と控除額などについてご紹介します。

 

・自分で計算しなくてはいけない

相続税は自分で計算し、申告書を作成しなくてはいけません。

自分でできない場合は税理士さんに依頼し作成してもらうことも可能です。

 

・計算方法と基礎控除額

相続税は遺産金額から基礎控除額を引き、残りの金額の割合に応じた税率を掛けて算出することができます。

基礎控除額は以下の通りです。

 

【基礎控除額】

3000万円+(法定相続人数×600万円)

 

・税率と控除額

税率と控除額は下記の通りです。

下記で算出した数字を下回る場合は、納付も申告もする必要はありません。ただし、特例などを適用して税額が発生しない場合、申告が必要になることもあるので注意しましょう。

 

【税率と控除額】

法定相続分に応ずる取得金額1000万円以下:税率10%(控除なし)

法定相続分に応ずる取得金額3000万円以下:税率15%(控除50万円)

法定相続分に応ずる取得金額5000万円以下:税率20%(控除200万円)

法定相続分に応ずる取得金額1憶円以下:税率30%(控除700万円)

 

■相続税の納付方法

相続税はどのように納付すればいいのでしょうか?期限や申告方法についてご紹介します。

 

・納付期限は10カ月

相続税には、納付期限があるため注意が必要です。

期限は相続発生を知った日の翌日~10カ月以内とされています。提出期限が土・日・祝日であれば、これらの日の翌日が期限となります。

期限を過ぎてしまうと、加算税や延滞税といったペナルティがかかってしまう他、相続税に関する特例が受けられなくなる可能性があります。

 

・申告方法

上述したように、相続税は自ら申告する必要があります。

管轄の税務署に申告書を提出しましょう。申告書はホームページからダウンロードすることが可能です。わからないことがあれば、最寄りの税務署の窓口で相談することができます。

 

・納付方法

相続税の納付方法は以下の通りです。

 

1.現金

原則として、現金一括での支払いになります。

納付書を銀行や郵便局・税務署などに持っていき、窓口で納付します。

 

2.クレジットカード

平成29年1月より、クレジットカードでの支払いも可能になりました。

窓口に行かず納付できることがメリットですが、決済手数料がかかるため注意しましょう。また納付額が1000万円以上の場合はクレジットカードでの支払いができません。

 

・納付できない場合の対処方法

相続税の支払いは現金一括が原則ですが、事情があり支払いができない場合、どのようにしたらいいのでしょうか?その方法をご紹介します。

 

1.延納

要件を満たすことができれば、相続税を分割して支払うことができます。

しかし延納期間中は利子税の納付も必要です。税率は遺産の割合や延納期間によって異なりますが、原則として年3.6%~6.0%となっています。要件とは下記の通りです。

 

【延納が認められる要件】

-相続税の金額が10万円を超えること

-金銭で納付することが難しい理由があり、かつ納付を困難とする金額の範囲内であること

-延納税額および利子税額に相当する担保を用意できること(担保を提供する必要がない場合もある)

-期限までに延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること

 

2.物納

要件を満たした場合、相続財産による物で納付することが認められています。

要件とは下記の通りです。

 

【物納が認められる要件】

-延納によっても金銭で納付することが困難であり、かつその納付を困難とする金額を限度としていること

-期限までに物納申請書に関係書類を添付して税務署長に提出すること

-物納に充てることが可能な財産であること(日本国内にあること)

など。

 

「物納に充てることが可能な財産」とは、下記の通りです。

第一順位:不動産・国債証券・船舶・上場株式など

第二順位:非上場株式

第三順位:動産

 

・期限までに遺産額が確定しない場合の対処方法

相続税の申告は相続発生を知った日の翌日~10カ月以内であり、遅れるとペナルティがあると上述しました。しかし期限までに遺産額が確定しない場合はどうしたらいいのでしょうか?

その際には、「おおよそこれくらいになるだろう」という概算額を一旦、申告します。多く納税してしまった場合、申告をすれば還付を受けることができます。

 

■不動産の相続とは?

相続の中でも大きな額になり得るものが「不動産」です。

次から不動産の相続についてお伝えします。

 

・不動産の相続とは?

不動産の相続とは、家や土地を所有している人が亡くなった際に、その所有権が子供などに引き継がれることです。所有権移転登記をすることで相続人が確定します。

 

・不動産相続人の決め方

不動産を相続する人の決め方は下記の通りです。

不動産のみではなく、すべての遺産を下記の方法で決めることができます。

 

1.遺産分割協議で決める

法定相続人全員で遺産の分け方について話し合うことを「遺産分割協議」と言います。

これによって不動産の相続人を決めた際には、相続人全員の実印が押された「遺産分割協議書」と全員分の印鑑証明書が必要となります。

 

・2.遺言書によって決める

亡くなった方が遺言書を残していれば、原則として遺言の内容通りとなります。

しかしその遺言の内容が各相続人にとって不公平になる場合、遺産分割協議で決め直すケースもあります。また、遺言書をもとに不動産相続をするためには、「有効な遺言書」が必要です。自筆の遺言書は法的有効性をクリアしていないことがあるため、気をつけましょう。

 

・3.法定相続人

上述した法定相続人で分配する方法もあります。

ちなみに、法定相続人になれない人は下記の通りです。

 

【法定相続人になれない人】

・内縁関係(事実婚状態)の人

・離婚した元配偶者

・被相続人の廃除を受けた人(家庭裁判所で「相続廃除」の申し立てができる)

など。

 

 

■不動産は2人以上(共有)でも相続できる

もとは単独名義の不動産でも、2人以上で相続することは可能です。

その場合の相続税や注意点などをご紹介します。

 

・相続税は持分割合で算出

相続税は持分割合で算出し、支払う必要があります。

持分とは共有者それぞれが持っている所有権の割合のことです。

 

・不動産を共有で相続するときの注意点

不動産を2人以上で相続登記をする前に、いくつか注意点があるので確認しておきましょう。

 

1.共有にすると不動産を扱いづらくなる

「相続した不動産を売りたい」と思った場合でも、自分1人の判断で売ることができません。共有者全員の合意が必要になります。また合意して売ることになったとしても、共有者全員が売主として手続きに関与しなくてはいけません。

売却以外にも、不動産の変更(処分)行為とみなされることには全員の合意・協力が必要になるため、不動産を自由に扱えなくなると言えるでしょう。

 

2.自分の子孫に迷惑をかける可能性がある

共有で相続をすると、その相続人からさらに相続が発生したとき、不動産に関わる人がどんどん増えていってしまいます。自分の子供や孫の代になったときに、「不動産の登記はされているけれど、連絡を取れない人との共有状態だから売るに売れない」などといった迷惑をかけてしまう可能性があります。

 

・不動産は1人での相続がおすすめ

不動産の相続は2人以上でも可能ですが、相続税を持分割合で算出しなくてはいけなかったり、共有になったあとのデメリットも多かったりするため、1人での相続をおすすめします。

遺言書に誰か1人で相続登記をする旨が書いてあればその通りにし、なければ協議をして1人に決めましょう。単有にすることで他の相続人が不公平になってしまう場合、預貯金などで同じ価値の分を分配するといいでしょう。

また、1人に決められない場合は下記の方法もあります。

 

売却してお金で分配する

不動産を売り、売却益を相続人で分配することもひとつの方法です。

しかし、売却する前には必ず相続登記をする必要があります。ここで共有名義の登記をしてしまうと複雑になってしまうため、代表者を1人決めて単有で登記をし、売却が済んだあとで他の相続人に分配しましょう。

 

現物分割をする

建物が建っていない土地の場合、物理的に分けて分配すること(分筆)もひとつの方法です。

例えば相続人AとBがいる場合、2人の共有名義で相続登記をした後、土地を2つの登記簿になるよう物理的に分けます。2つの土地がAとBの共有状態となっているため、お互いの持分をそれぞれ譲り合うことで、それぞれ単有の状態にすることができます。

■相続にお困りの場合は、プロに相談を

相続税は申告をしないとペナルティがあるため、確実に行う必要があります。

計算方法が複雑で自分で算出できなかったり、不動産の相続も絡んで煩わしかったりする場合、プロに相談するといいでしょう。

相続を協議する時期は忙しいこともあり、「不動産の相続人を決められないから、とりあえず法定相続人全員で登記をしておこう」と、してしまうケースがあります。一旦共有状態にしてしまうと、解消時にトラブルになったり余分な費用がかかったりするため、この方法はおすすめしません。早めにプロに相談することで、相続税もスムーズに申告することができるでしょう。

 

【監修】

司法書士リーガル・パートナー 代表 堀内貴敬。

22歳で司法書士資格取得後
一貫して個人の不動産・相続・相続対策に取り組んでいる
不動産法務と相続のプロフェッショナル。
セミナー講師やYouTubeでの解説が「わかりやすい」と高評価。
ご相談に丁寧に向き合うことを大事にしている。

http://legal-ps-tokyo.com/

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