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一般の方にとって、事故物件とはその定義も曖昧なものであり、もし所有物件が事故物件であったなら大いに悩まれることでしょう。
事故物件に関する告知義務やその期限、物件情報の備考欄や特記事項の記載方法など、不動産取引において注意すべき点も多岐にわたります。
本記事では、事故物件に関する要点を分かりやすく解説し、不動産取引におけるリスクを最小限に抑えるための情報を提供します。事故物件を所有していてお悩みの方は、ぜひお役立てください。
目次
事故物件に明確な定義はない
「事故物件」には厳密な定義はなく、その扱いについてはしばしば議論を呼びます。特に、後述する心理的瑕疵をどう扱うかは難しい問題です。物理的な欠陥は目で見て判断可能ですが、心理的瑕疵は無形であり、その受け取り方は人によって大きく異なります。
例えば、過去の事件や事故死が全く気にならない人もいれば、自然死であっても深く気にする人もいます。心理的瑕疵が事故物件の定義にどう影響するかを理解することは重要です。
事故事故物件に関するガイドラインとは
心理的瑕疵を含む事故物件の扱いについては、告知義務の範囲や必要性に関して法的に明確な定義は存在しません。
しかし、不動産の売買や賃貸においては、自殺や犯罪による死亡などの事実を伝える告知義務が法的に設けられています。例えば、建物内での死亡はもちろん、マンションの隣棟での飛び降り自殺や共用部での死亡事故も告知対象になります。
火事で焼死者が出た家屋を解体し、土地として売却する場合にも、その事実を伝える必要があります。
一般的に事故物件は「瑕疵(かし)」を抱えた物件のこと
事故物件とは、一般的には「瑕疵(かし)」を抱えた家屋を指します。瑕疵は4種類に大別され、それぞれ以下のとおり。
- 心理的瑕疵
- 物理的瑕疵
- 法的瑕疵
- 環境的瑕疵
上記について、詳しくみていきましょう。
心理的瑕疵
一般的に、事故物件と聞けば多くの人が心理的瑕疵を思い浮かべるでしょう。これは、精神的あるいは心理的に不安や不快感、抵抗感を引き起こす要因を指します。事故死や自殺、他殺、孤独死などがこれに該当します。
ただし、「家族に看取られながらの自然死」などは心理的瑕疵と見なされないこともあります。一方で、孤独死に関しては、発見が遅れて悲惨な状況になっていれば、事故物件として扱われる可能性が高いのが実情です。
物理的瑕疵
物理的瑕疵とは、建物や土地自体の重大な欠陥や破損を指します。建物の場合、柱や基礎の破損、雨漏り、シロアリ被害などがこれに該当します。土地においては、土壌汚染や地盤沈下などが物理的瑕疵の一例です。
法的瑕疵
法的瑕疵とは、建築基準法などの法律に基づく制限によって、物件の再建築やリノベーションが制限されるケースを指します。具体的には、接道義務を満たしていない再建築不可の物件や、計画道路予定地に指定されている土地などが含まれます。
環境的瑕疵
環境的瑕疵は、物件自体に欠陥はないものの、周辺環境に問題がある場合を指します。例えば、工場からの騒音や臭気、近隣に存在する火葬場や暴力団の事務所、近隣トラブルなどが環境的瑕疵の例です。
事故物件の告知義務とは
不動産取引において、仲介業者には物件の瑕疵を伝える義務があります。この義務は、瑕疵の有無や内容を重要事項説明書に記載し、契約者に説明することで果たされます。
事故物件である事実の告知は、宅地建物取引業法によって定められており、事故物件であることを知っていてもそれを隠して契約を進めることは違法とされます。仲介業者がこのような行為を行った場合、損害賠償請求や宅建業の免許取り消しのリスクがあります。
ただし、仲介業者が事故物件であることを知らない場合や、大家や管理会社から明確な回答を得られない場合もあります。
ガイドラインでは、大家や管理会社の確認を超える調査を仲介業者に求めていないため、業者は自ら把握した情報に基づいて告知義務を果たすことになります。
告知義務の対象
アパートやマンションなどの集合住宅においては、ベランダやエレベーターといった日常生活で使用する共用部分で発生した事故や事件は告知義務の対象とされています。一方、建物内の別の部屋や通常使用しない共用部分で発生した事案については、通常、告知の必要はありません。
以前は、共用部分での事故や事件が告知されないことも多かったですが、住み心地に影響を与える可能性があるため、ガイドラインではこれらを告知対象と明確化しています。
ベランダは専有部分と誤解されがちですが、実際には共用部分に分類され、専有使用権が与えられています。
告知義務の期限
事故物件の告知に関しては、法律上「時効」の規定が設けられていません。そのため、事故から長い年月が経過していても、告知義務は継続されます。
例えば、凶悪犯罪が発生した場合や広く知られた大きな事故については、50年以上経過後も告知する必要があるとされるケースもあります。
しかし、実際には事故物件を購入した後に長期間居住した場合、次の売却時には告知しないのは一般的。心理的瑕疵の捉え方には個人差があるため、告知に関しては専門家の意見を参考にしながら、ケースバイケースで対応するのが適切です。
事故物件の見分け方
なお、一般的には事故物件は以下の方法で見分けられます。
- 物件情報の備考欄や特記事項
- 不自然な修繕の有無
- ネット上の情報を参照する
自身が売却する際にも備えて、しっかりと把握しておきましょう。
物件情報の備考欄や特記事項
物件情報の備考欄や特記事項には、物理的、心理的、環境的な瑕疵の有無が記載されることがあります。これらの瑕疵は、住む上での快適さや安全性に影響を与える可能性があるため、特に注意が必要です。
物理的瑕疵としては、地盤沈下や耐震性の問題、環境的瑕疵としては、嫌悪施設(例:火葬場、暴力団事務所、風俗店)の近隣が挙げられます。
これらの情報は入居者にとって重要な判断基準となるため、物件情報に「瑕疵あり」「告知事項あり」との記載がある場合は、その詳細を確認することが不可欠です。
不自然な修繕の有無
不自然な修繕の有無で事故物件か否かを判断されるケースも存在します。部分的に新しくされたフローリングや浴室のタイルなどがある場合、その修繕の理由や履歴を尋ねることが推奨されます。
過去に事件があった物件では、外観の変更や名称の変更が行われることもあります。これらはオーナーの変更に伴うものかもしれませんが、気になる点があれば確認することが安心に繋がるでしょう。
ネット上の情報を参照する
事故物件に関する情報はネット上でも入手可能です。「大島てる」というサイトは、事故物件の情報を地図上で確認できるため、参考になります。
しかし、このような情報は一般ユーザーの投稿に基づくものなので、必ずしも正確とは限りません。ネットの情報を参照する際には、最終的には不動産屋さんに確認することが重要です。
関連記事:大島てるに事故物件として記載されたら削除依頼は可能?
まとめ
各種瑕疵の識別、告知義務の対象と期限など、事故物件に関して把握しておくべきことは多岐にわたります。そのため、自分だけの判断で不安な場合は、専門家のアドバイスを求めることも重要です。
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