家の売却でやってはいけないこと22選!失敗しないためのポイントを詳しく解説

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家の売却では「やっていけないことの原則」に背くと、相場より安く手放したり売却が長期化するおそれがあります。

特に住宅ローンが残っている家や事故物件は、通常の家とは売却方法が異なるため注意点が必要です。

物件の不具合を隠したり、不動産会社に任せきりにするといった行動も、売却後のトラブルになります。

本記事では家の売却でやってはいけないこと22選を、準備・売却活動・契約・引き渡しの段階ごとに解説します。高齢者が失敗しない家の売り方や、信頼できる不動産会社の選び方まで紹介するので売却前によく確認しておきましょう。

家の売却でやってはいけないことを22選を段階別に総整理

家の売却でやってはいけない5つのNG行動

家の売却を成功させるには、準備から引き渡しの各段階でやってはいけないことがあります。

段階やってはいけないこと理由・リスク
売却準備相場を調べずに売り出す適正価格を見誤り損失につながる
売却価格査定1社だけに査定を依頼する価格の妥当性を判断できない
不動産業者との契約担当者を比較せず決める営業力不足で売却が長期化
販売中内覧の準備を怠る印象が悪化し成約率が低下
契約・引渡し瑕疵を隠して売却する契約不適合責任で損害賠償の恐れ

わずかな判断ミスが数百万円単位の損失につながることもあるので、注意しましょう。特に、住宅ローンが残っている場合や共有名義・古家など条件に特徴がある場合は、慎重な準備が必要です。

家の売却準備でやってはいけないこと7選

家の売却準備でやってはいけないこと7選

売却を成功させるには、スケジュールや査定の比較などの準備が非常に重要です。契約トラブルや価格で損しないように、やってはいけないことを確認しましょう。

  • スケジュールを立てずに売却活動を始める
  • 自分で相場を調べず査定依頼をする
  • 一社しか査定を依頼しない
  • 媒介契約の種類を理解せず契約する
  • 売却にかかる費用・税金を見積もらない
  • 住宅ローン残債・担保抹消を確認せず進める
  • 売却方法(仲介・買取)を検討せず決めてしまう 

それぞれ個別に解説します。

①:スケジュールを立てずに売却活動を始める

家の売却スケジュール5段階

予定を立てずに査定に出して売却活動を始めてはいけません。売却には下記のように法律上・税務上の期限や準備期間が決まっているので、計画が不十分だと手続き待ちになり売却が長引いてしまいます。

段階目安期限
査定・不動産会社選び売却開始の2週間〜1か月前
媒介契約査定後〜売却活動開始前
売却活動1〜3か月程度
買付・売買契約買付後1〜2週間程度
決済・引き渡し売買契約後1〜2か月程度

住宅ローンの完済時期、確定申告の期限、引っ越し予定などを踏まえずに進めると、取引直前にスケジュールが破綻しかねません。「いつまでに現金化したいのか」から逆算して、全体を3〜6か月単位で計画するようにしましょう。

②:自分で相場を調べず査定依頼をする

査定する前に、まずは相場を掴んでおきましょう。不動産会社によって査定方法は異なり、立地条件や販売方針によって数百万円単位の差が出ることもあります。

レインズマーケットインフォメーションで相場を調べたうえで査定を受けると「この価格は高すぎる/安すぎる」の判断ができ、根拠のある価格交渉が可能です。

③:一社しか査定を依頼しない

家を売却する際は、一社だけでなく複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。

いくつか査定を受けないと金額や提案内容が本当に適正なのか判断できません。不動産会社によって「経験」「販売戦略」「対応の早さ」「説明のわかりやすさ」に差があります。

少なくとも3社以上に査定を依頼し、「なぜその査定額になるのか」「どのように売却を進めるのか」まで比較しましょう。

極端に高い査定額を提示された場合、売却後に値下げを迫られることがあるので注意が必要です。

④:媒介契約の種類を理解せず契約する

媒介契約の内容を理解しないまま署名するのも避けましょう。

媒介契約は売主と不動産会社の関係を決める重要な書面です。

契約には3種類あり、どの契約を選ぶかによって進め方が変わります。

種類特徴売主の自由度報告義務
専属専任媒介契約1社に限定、自分で見つけた買主とも契約不可1週間に1回
専任媒介契約1社に限定だが、自力で見つけた買主と契約可2週間に1回
一般媒介契約複数社への依頼が可能なし

スピードを優先するなら「専属専任」、幅広く買主を探したいなら「一般」を選びましょう。契約書の内容を理解し、自分の目的(価格重視・スピード重視)に合う契約を選ぶことが売却成功につながります。

⑤:売却にかかる費用・税金を見積もらない

家を売却する前に、諸費用や税金を見積もっておくことが大切です。

家の売却では、売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。売却のために直接かかった費用を差し引いたうえで、譲渡益が出た場合には譲渡所得税などがかかる可能性があります。

費用項目目安金額支払時期
仲介手数料売却価格×3%+6万円+消費税契約時・引渡し時
印紙税1〜6万円契約時
抵当権抹消費用1〜3万円引渡し時
譲渡所得税利益×20〜39%翌年の確定申告時
ハウスクリーニング5〜10万円販売活動前

これらを考慮せずに売却を進めると、住み替え資金や住宅ローンの返済計画に影響が出ることがあります。
(参考:国税庁「No.3252 取得費となるもの」)

「いくらで売れるか」だけでなく、「諸費用や税金を差し引いた後に、実際にいくら手元に残るのか」まで確認しておきましょう。

⑥:住宅ローン残債・担保抹消を確認せず進める

住宅ローンが残っている家を売却するときは、事前に残債を確認しておくことが大切です。住宅ローンを完済し金融機関の担保を抹消しなければ、基本的に家の売却手続きを完了することはできません。

残債が売却価格を上回る場合は、自己資金で不足分を補ったり任意売却を検討する必要があります。契約トラブルにつながることもあるため、事前に金融機関へ残債を確認し売却代金で完済できるか確認しておきましょう。

⑦:売却方法(仲介・買取)を検討せず決めてしまう

家を売るときは、仲介と買取の違いを理解したうえで売却方法を選ぶことが大切です。

仲介とは市場で一般の買主を探す方法です。高く売れる可能性はありますが、売却まで時間がかかるのがデメリットです。一方、買取とは不動産会社が直接買い取る方法で、現金化できるスピードは早いものの、価格は相場より下がる傾向にあります。

「もっと早く売れたのに」「もう少し高く売れたのに」と後悔しないよう、目的に応じて売却方法を検討しましょう。

 

家の売却活動中にやってはいけないこと10選

家の売却活動中にやってはいけないこと10選

売却活動が始まると、価格設定、内覧対応、交渉によって、結果が大きく変わります。機会を逃さないよう、売却活動中にやってはいけない10個のNG行動を紹介します。

  • 相場を無視して高すぎる価格で売り出す
  • 逆に過度に安く設定してしまう
  • 物件の不具合や不利点を隠す/後出しする
  • 内覧対応を怠る・雑にする
  • 提示された条件交渉をすべて拒否する/急に妥協する
  • 売り出し活動を業者に丸投げしてしまう
  • 売れるまで貸し出してしまう
  • 荷物・残置物をそのままにしておく  
  • 訳あり物件の告知義務を曖昧にする
  • 不動産広告の掲載内容を確認せずに任せる

それぞれ個別にみていきましょう。

①:相場を無視して高すぎる価格で売り出す

せっかくだから少し高めで出したい、といって相場を大きく上回る価格で売り出すのは避けましょう。買主からの問い合わせ自体が激減したまま時間が経つと、売れ残り感が出てしまいます。その結果、値下げを繰り返して相場より安く売ってしまうケースも珍しくありません。

不動産市場は「最初の印象」が大切です。始めから現実的な価格設定を行い、1〜2か月後に調整することで、高値での売却につながります。

②:逆に過度に安く設定してしまう

「早く売りたいから」と相場より安く設定しすぎるのも危険です。かに成約スピードは上がりますが、本来得られるはずの利益を逃してしまいます

特に、複数の買主が現れる可能性があるエリアでは、相場より3~5%程度高めの価格設定からスタートし、反応を見て調整しましょう。早く売れる価格だけを基準に決めてしまうと後悔する可能性があります。

③:物件の不具合や不利点を隠す/後出しする

設備の不具合や過去の修繕歴などを意図的に隠すことは、トラブルの原因になります。契約後に買主が事実を知った場合、「契約不適合責任」を問われ、損害賠償や契約解除に発展することもあります。

例えば、雨漏りや白蟻被害がある場合は、修繕済みかどうか・今後のリスクを明記することで、トラブルを防げます。

不利な情報であっても、正直に開示し書面で明確に残すようにしましょう。

④:内覧対応を怠る・雑にする

内覧前には、掃除・換気・照明の調整・家具配置の見直しなどの準備も大切です。内覧は買主にとって物件の第一印象を決める重要な場面ですので、印象が悪いといくら立地や価格が良くても購入をためらわれることがあります。

部屋が散らかっていたりカーテンを閉め切っていると、大切に使われていない家という印象を与えかねません。

対応時の言葉遣いや態度にも注意し、買主に対して「早く決めてほしい」といった圧力をかけないようにしましょう。誠実で穏やかな説明を心がけることが、成約率を高める鍵になります。

⑤:提示された条件交渉をすべて拒否する/急に妥協する

価格交渉や引き渡し時期の調整など、売買交渉では柔軟さが求められます。「少しでも高く売りたい」とすべての交渉を拒否してしまうと買主が離れてしまい、結果的にチャンスを逃してしまいます。

「価格は50万円までなら下げられる」「引き渡しは1か月延長まで対応可能」などの具体的な基準を決め、冷静に判断できるようにしましょう。

焦って大幅な値下げに応じないよう、事前に「どこまで譲れるか」を明確にしておくことが大切です。

⑥:売り出し活動を業者に丸投げしてしまう

業者に丸投げではなく主体的に売却を進めることも大切です。

不動産会社に任せきりにすると、販売状況の報告が不十分なまま時間が過ぎ、気づけば相場が下がっていたというケースも珍しくありません。

媒介契約を結んだ後も、定期的に販売状況を確認し、価格・広告・反響を一緒に分析しましょう。

内覧件数や反応の傾向を把握しておけば、価格の調整や広告写真の見直しといった改善をすることができます。

⑦:売れるまで貸し出してしまう

「売れるまでの間、家賃収入を得よう」と考えて一時的に貸し出すのは、売却活動の大きなリスクになります。入居者がいる状態では内覧の調整が難しくなり、買主は現地を見ないまま判断しなければなりません。

それだけでなく、賃貸契約を結んでしまうと退去時期の調整や契約解除の手続きが必要になり、すぐに引き渡しできないケースもあります。

どうしても貸し出す場合は短期契約に限定し、売却時期が優先できる条件を必ず設定しておきましょう。

⑧:荷物・残置物をそのままにしておく

売却時にゴミが大量に

空き家に残された残地物

売却時に不要な家具や家電、生活用品を残したままにするのは避けましょう。部屋が狭く見えるうえ、買主が「片付け費用がかかりそう」と感じて印象を悪くします。特に空き家の場合は、ホコリやカビの発生、動物の侵入など、管理面のトラブルも起きやすくなります。

「住む人の暮らしを想像できる状態」に整えることが内覧成功のポイントです。リフォームやリノベーションを行わなくても、清掃と不用品撤去だけで印象は大きく変わります。

残置物を整理できない場合は、不動産会社に「現状有姿での販売可否」を相談し、あらかじめ契約書で条件を明記することが大切です。

⑨:訳あり物件の告知義務を曖昧にする

物件に関する情報を曖昧にし不利な事実を伏せることは、絶対に避けましょう。

特に「事故や事件があった」「近隣トラブルがある」「再建築不可」「共有持分がある」といった訳あり要素を隠してはいけません。
(参考:国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました」)

たとえ軽微な内容でも、買主が心理的抵抗を感じる可能性がある事項は事前に説明する義務があります。

伝え方にも配慮が必要で、感情的・主観的な表現ではなく、客観的な事実を伝えることが大切です。誠実な情報開示は買主との関係を良好に保つだけでなく、売主自身をトラブルから守ることにもつながります。

⑩:不動産広告の掲載内容を確認せずに任せる

家の売却を不動産会社へ依頼した後も、広告の掲載内容を必ず確認しましょう。

不動産広告には、宅地建物取引業法や「不動産の表示に関する公正競争規約」に基づくルールがあります。物件の価格や面積、築年数、交通アクセス、設備などについて、事実と異なる内容や買主に誤解を与える表示をすることは認められていません。

<チェック項目>

  • 売出価格
  • 土地・建物の面積
  • 築年数や間取り
  • 最寄り駅までの距離や所要時間
  • 設備やリフォームの履歴
  • 再建築不可などの取引条件
  • 写真と現在の物件状態の相違

広告の作成や法令の遵守は不動産会社の役割ですが、実際の物件と異なる説明が掲載されている場合は放置せずに不動産会社へ訂正を依頼しましょう。

 

家の売買契約・引き渡し段階でやってはいけないこと6選

家の売買契約・引き渡し段階でやってはいけないこと6選

売買契約や引き渡しといった最終段階では、契約内容の確認不足や手続きの遅れだけでも法的リスクを伴うことがあります。売主側が「もう売れるから安心」と気を緩めてしまう場面だからこそ、次のようなことはやってはいけません。

  • 契約書をよく読まず署名・捺印してしまう
  • 引き渡し前に物件状況を勝手に変更する
  • 引き渡し期日を守らない・遅延する
  • 家財を残して引き渡す/残置物処理を忘れる
  • 登記抹消・抵当権抹消手続きを怠る
  • 確定申告や税務処理を誤る/申告を怠る 

それぞれ個別にみていきましょう。

①:契約書をよく読まず署名・捺印してしまう

契約書への署名前に確認すべきこと

契約書は不動産会社任せにせず、必ず自分の目で一文ずつ確認しましょう。契約書には、価格や引き渡し日だけでなく「契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)の範囲」

「設備の引き渡し条件」「違約金の定め」など、重要な取り決めが細かく記載されています。内容を十分に理解せずに署名・捺印した場合、後で「そんな約束はしていない」と主張しても通りません。

特に注意すべきは、「特約」や「備考欄」です。これらには標準条項にない条件や売主に不利な内容が含まれている場合があるのでよく確認しましょう。

②:引き渡し前に物件状況を勝手に変更する

引渡し前に無断で設備や家具を変更してはいけません。契約時点での状態が「引き渡し時の基準」になるためです。例えば契約成立後に照明やエアコン、カーテンレールなどを「自分で買ったから」と勝手に外すと契約違反にあたる可能性があります

やむを得ず変更する場合は、事前に不動産会社や買主へ説明し、同等品を設置するなどの対応が必要です。引き渡し後に「契約不適合」として修補や損害賠償を求められることもあるため注意しましょう。

③:引き渡し期日を守らない・遅延する

引き渡しの期日は必ず守るようにしましょう。契約書に定めた期日は、売主・買主双方の予定に基づいて設定されています。引っ越し準備が間に合わず期日を過ぎると、買主側の資金繰りや住宅ローンにも影響を及ぼします

期日を守れなかった場合、違約金や損害賠償を請求されることもあります。スムーズに引き渡すためには、契約締結直後から逆算して準備スケジュールを立てることが大切です。

どうしても遅れそうな場合は、早めに仲介会社を通じて買主に連絡し日程調整を行いましょう。

④:家財を残して引き渡す/残置物処理を忘れる

引き渡しの際は、家具や家電を残さないようにしましょう。買主の新生活に支障をきたすだけでなく、契約内容によっては契約不適合とみなされ、撤去費用の請求や損害賠償につながるおそれがあります

特に空き家や相続した物件では、荷物が多く残っていることがあります。売却前に専門業者へ「残置物撤去」や「ハウスクリーニング」を依頼しておくと安心です。

もし現状のまま引き渡す場合は、「現状有姿での引き渡し」と明記し、買主と合意を取っておく必要があります。

⑤:登記抹消・抵当権抹消手続きを怠る

住宅ローンを完済したあと、抵当権の登記をそのままにしてはいけません。抵当権とは、金融機関が貸したお金を回収できる権利のことで、登記簿に残ったままだと「ローン返済が終わっていない」とみなされ、買主に所有権を移せません。

抹消手続きには、金融機関から受け取る「登記識別情報(権利証)」や「解除書類」などが必要です。司法書士に依頼する場合は1万〜2万円前後の費用がかかります。

⑥:確定申告や税務処理を誤る/申告を怠る

家を売って利益(譲渡益)が出た場合は、翌年の2月16日〜3月15日の間に譲渡所得税の確定申告が必要です。申告を怠ると、延滞税や加算税が課される可能性があります。

ただし、マイホームの売却には「3,000万円特別控除」や「買い換え特例」などの節税制度もあるので、正しく活用できれば負担を大きく減らすことが可能です。
(参考:国税庁「マイホームを売ったときの特例/特定のマイホームを買い換えたときの特例」)

損失が出た場合も、「譲渡損失の損益通算」や「繰越控除」により翌年以降の所得税を軽減できます。
(参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)

税務処理は後回しにせず、早い段階で税理士や専門家に相談しましょう。

住宅ローン残債がある家の売却で注意すべきこと

住宅ローン残債がある家の売却で注意すべきこと

住宅ローンが残っている家を売る場合は、アンダーローンかオーバーローンかによって取るべき対応が変わります。

アンダーローン時の売却で気をつけるポイント

アンダーローンとは、売却価格が住宅ローン残債を上回っている状態です。売却代金でローンを完済できるため、抵当権抹消の見通しも立てやすく、通常の売却とほとんど同じ流れで進めることができます。

例えば、住宅ローン残債が2,000万円で売却価格が2,500万円の場合、売却代金からローンを完済できます。ただし、手元に500万円がそのまま残るわけではありません。

仲介手数料、登記費用、引っ越し費用、必要に応じた測量費などがかかるため、売却価格からこれらの費用を差し引いた金額が手元に残ります。

アンダーローンであっても、「ローンを完済できるから大丈夫」と考えるのではなく、売却価格・残債・諸費用を含めて手元にいくら残るかを確認しておきましょう。

オーバーローン時に検討すべき任意売却

オーバーローンとは、売却価格より住宅ローン残債の方が多い状態です。売却代金だけでローンを完済できないため、不足分を自己資金で補う必要があります。

例えば、住宅ローン残債が2,500万円で売却価格が2,000万円しか見込めない場合、500万円の不足が発生します。この不足分を補えない場合は金融機関の合意を得て任意売却になります。

任意売却はローン残債が残る不動産を売却する方法ですが、売却後も残債の返済が残る可能性があります。任意売却でも補えない場合は競売に出すこともあり、相場より安い価格で売却されるほか、立ち退きを求められることもあります。

オーバーローン時には早い段階で金融機関や不動産会社に相談し、返済計画まで含めて検討することが大切です。

抵当権抹消のタイミングを誤らないための手順

抵当権抹消のタイミングを誤らないための5つの手順

抵当権抹消までの基本的な流れは、以下のとおりです。

  1. 売却活動を始める前に、金融機関へ住宅ローン残債を確認する
  2. 査定額や売却予定価格から、ローンを完済できるか確認する
  3. 売買契約が決まったら、金融機関へ完済予定日を伝える
  4. 決済日までに、抵当権抹消に必要な書類を金融機関に準備してもらう
  5. 決済日に、買主から受け取った売却代金で住宅ローンを完済する
  6. 同日に、司法書士が抵当権抹消登記と所有権移転登記を進める

抵当権抹消は売却後の自由なタイミングで行うものではなく、決済・引き渡しと同じときに進めるのが一般的です。準備が遅れると、決済日や引き渡しに影響するおそれがあります。

住宅ローンが残っている家を売るなら、売却活動を始める前に残債・完済手続き・必要書類を金融機関へ確認しましょう。

築古・訳あり・空き家など条件が悪い家を売る際の落とし穴

条件が悪い家を売る際の3つの落とし穴

条件が悪い家を売却する場合はすぐに売ろうとせず、リフォーム・告知・管理の判断を誤らないことが大切です。

築古の家で安易にリフォームしてはいけない理由

古い家だからといって、安易にリフォームするのは避けましょう。リフォーム費用をかけても高く売れるとは限らず、買主のなかには自分好みにリノベーションしたい人もいます。

古いキッチンや浴室を新品に交換しても、買主が「間取りから変えたい」「設備のグレードを自分で選びたい」というケースではリフォームはあまり評価されません。

それどころか、リフォーム費用を売出価格に上乗せすれば周辺相場より高くなり、問い合わせが減る可能性もあります。

築古住宅を売る場合は不動産会社に相談し、最低限の補修で十分なのか古家付き土地として売るべきかを決めておきましょう。

事故物件・心理的瑕疵物件の告知で失敗しないコツ

心理的瑕疵がある家は自己判断で隠さず、不動産会社へ正確に伝えることが大切です。告知すべき内容を伝えないまま契約すると、買主とのトラブルにつながる可能性があります。

告知で失敗しないためには、以下を整理しておきましょう。

  • いつ、どの場所で、どのような事案があったのか
  • 自然死・事故死・自殺・事件性の有無
  • 特殊清掃やリフォームの有無
  • 近隣でどの程度知られているか

国土交通省のガイドラインでは、「宅地建物取引業者が売主に対して告知書などへの記載を求めることで、通常の情報収集としての調査義務を果たすもの」とされています。

ただし、すべての人の死を必ず告知しなければならないわけではありません。

自然死や日常生活の中での不慮の死は、原則として告げなくてもよいとされています。

心理的瑕疵は判断が難しいため、売主だけで決めるのは危険です。少しでも不安がある場合は、不動産会社に事実を伝え、どこまで告知すべきか確認してから売却を進めましょう。

空き家のまま長期放置するリスク

空き家を売る予定があるなら、長期間放置せず早めに売却方針を決めることが大切です。空き家は人が住んでいないため、建物の傷みが進みやすく以下のリスクが高まります。

  • 建物の劣化が進み、売却価格が下がる
  • 雨漏りや害虫被害に気づくのが遅れる
  • 庭木や雑草で近隣トラブルになる
  • 不法侵入や放火などの防犯リスクが高まる
  • 管理不全空家や特定空家に指定される可能性がある

適切に管理されていない空き家は、管理不全空家や特定空家として指導の対象になることがあります。指導に従わず勧告を受けると住宅用地特例が解除され、固定資産税が最大6倍になります。

早めに不動産会社へ査定を取り、売る・貸す・解体するといった方針を決めましょう。

高齢者が家を売却する際に知っておきたい注意点

高齢者が家を売る場合は、売却価格だけでなく売却後の暮らしまで考える必要があります。

65歳以降に家を売ると後悔しやすい理由

65歳以降に家を売る場合は、売却後の生活を具体的に考えておきましょう。退職後は収入が限られ、住み替え後の固定費が家計に大きく影響します。

持ち家を売却すると、まとまった資金が得られる一方で以下の費用が発生します。

  • 新しい住まいの家賃、管理費、修繕費
  • 介護施設への入居費用 
    など

高齢になるほど入居先の選択肢が限られ、希望するエリアや間取りに住めないこともあります。売却代金を老後資金に充てるつもりでも、住み替え費用や生活費を見込んでおかないと思ったほどお金が残りません。

65歳以降に家を売るなら売却価格だけで判断せず、住み替え後の生活費や介護費まで考えることが大切です。

住み替え先を決めずに売却を進めるリスク

高齢者が住み替え先を決めないまま、家の売却を進めるのは避けましょう。売買契約が進むと引き渡し日が決まるので、住み替え先が決まっていないと以下のリスクを抱えることになります。

  • 希望する賃貸物件や施設がすぐに見つからない
  • 引き渡し日までに引っ越しが間に合わない
  • 仮住まいが必要になり、費用が増える
  • 荷物の整理や処分が間に合わない
  • 通院・買い物・家族のサポート体制が崩れる
  • 焦って条件の悪い住まいを選んでしまう

特に高齢者の場合、引っ越しそのものの負担も大きくなります。家財の整理、不要品の処分、各種手続き、通院先の変更など、準備に時間がかかってしまいます。

あらかじめ住み替え先の候補を決め、引っ越し時期や生活費の見通しを立てたうえで売却活動を始めましょう。

悪質な不動産会社に騙されないためのチェックポイント

家を売るときは、査定額の高さだけで不動産会社を選ばないことが大切です。

囲い込み・両手仲介を見抜くサイン

囲い込みや両手仲介狙いを見抜くには、売却活動の透明性を確認します。囲い込みとは、不動産会社が自社で買主も見つける両手仲介という取引を狙うために、他社からの問い合わせや紹介を意図的に制限する行為です。

両手仲介そのものは違法ではありませんが、買主と売主のどちらからも手数料を得るためトラブルになりやすい側面があります。

囲い込みの特徴は以下のとおりです。

  • レインズの登録内容や取引状況を見せたがらない
  • 他社からの問い合わせ状況を具体的に報告しない
  • 紹介停止中と言われてないのに取引状況が止まっている
  • 広告の掲載先を教えてくれない
  • 「他社に声をかける必要はない」と強く提案される
  • 売主に不利な条件でも、自社の買主との契約を急がせる

特に専任媒介・専属専任媒介では、レインズへの登録期限や業務報告の頻度が決められています。

媒介契約の種類レインズへの登録期限売却活動の業務報告
専属専任媒介契約媒介契約の締結から5日以内1週間に1回以上
専任媒介契約媒介契約の締結から7日以内2週間に1回以上

囲い込みを避けるには、契約後も不動産会社に任せきりにしないことが大切です。レインズの登録証明書、取引状況、内覧件数、他社からの問い合わせ状況を定期的に確認しましょう。

信頼できる担当者を見極める質問リスト

信頼できる担当者かどうかは、契約前の質問である程度判断できます。

査定額や販売戦略の根拠を具体的に説明できるかチェックしましょう。

<質問リスト>

  • この査定額の根拠は何ですか?
  • 周辺の成約事例と比べて、どの点を評価しましたか?
  • 売出価格はいくらから始めるのが現実的ですか?
  • 価格を見直す場合、どのタイミングで判断しますか?
  • レインズにはいつ登録されますか?
  • 登録証明書はいつ受け取れますか?
  • 他社から買主紹介があった場合も対応してもらえますか?
  • 売却活動の報告では、何をどの頻度で教えてもらえますか?
  • 内覧が入らない場合、どのように改善しますか?
  • 囲い込みを疑われないために、どのように情報公開しますか?

数字や事例を交えて説明せず、質問をはぐらかしたり、「任せてください」とだけ言ったりする場合は要注意です。不動産会社選びでは査定額の高さだけでなく、説明の具体性・報告の透明性・質問への対応も重視しましょう。

 

家の売却を成功させるための3つのポイント

家の売却を成功させるためには、目的・パートナー選び・戦略を明確にすることが大切です。

売却目的と優先順位を明確にする(価格・スピード・安心のどれを取るか)

家を売却するときは目的を明確にしましょう。目的を曖昧にしたまま進めると、途中で方針がブレて判断ミスにつながります。

例えば、「転勤が迫っている」「相続税の納付期限がある」という状況なら、価格よりスピードの方が優先順位は高くなります。価格もスピードも安心も全て狙うと売却活動が進まないので、目的に沿った順位づけが重要です。

信頼できる不動産会社を選ぶ(担当者の力量で結果が変わる)

家の売却は担当者の知識と対応力によって、結果が大きく変わります。広告の出し方、価格調整のタイミング、交渉姿勢など、売却を主導するのは不動産会社の担当者です。

実績や会社の規模だけでなく、レスポンスの早さ・説明の丁寧さ・誠実さを確認することが大切です。

複数社に査定を依頼し、担当者の提案内容を比較して信頼できるパートナーを見つけましょう。「誰に任せるか」で売却のスピードも価格も変わります。

市場動向と物件特性に合わせた売却戦略を立てる

市場動向と家の特性に合わせた戦略設計も重要です。不動産市場は、季節や金利、地域の開発計画などによって常に変動しています。

特に、駅近・築浅なら需要が高く、相場よりやや高めの価格設定も行えます。老朽化や事故歴がある「訳あり物件」は、買取や現状渡しにすることでスピーディに現金化できます。

物件の特徴に合わせて、価格や・売却条件を柔軟に見直しながら、不動産会社と一緒に最適な戦略を選びましょう。

 

実家の買取は「ワケガイ」にご相談ください!

訳あり物件の買取サービス「ワケガイ」

当社(株式会社ネクスウィル)は、訳あり不動産の買取に特化したサービス「ワケガイ」を提供しています。共有持分のように所有者間の調整が難しい物件や、老朽化・再建築不可・事故歴のある住宅など、一般的な市場では買い手がつきにくいケースにも柔軟に対応しています。

全国対応で、最短1日・最大3億円の一括決済も可能。査定から契約・決済までをワンストップで完結できる体制を整えています。また、現状のままの買取にも対応しており、残置物の処分や修繕を行う必要はありません。

売却のスピード・安心・確実さを重視される方は、お気軽に無料査定をご活用ください。

 

家の売却でやってはいけないことに関するよくある質問

最後に、家の売却でやってはいけないことに関してよく寄せられる質問にお答えします。

家を売るときのNG行為にはどんなものがありますか?

代表的なNG行為は、相場を無視した価格設定・情報の隠蔽・不動産会社に任せきりな売却活動です。価格設定を高くしすぎると問い合わせの機会が増えず売れ残ってしまいます。

雨漏りや近隣トラブルなどの不利な情報を隠すと、契約後のトラブルになりかねません。不動産会社に丸投げせず、一緒に販売戦略を立てて売却活動を進めることが大切です。

家を1,000万円で売った場合、税金はいくらかかりますか?

所有期間が5年を超える「長期譲渡」なら税率は20.315%、5年以下の「短期譲渡」なら39.63%になります。ただし、居住用の家であれば「3,000万円特別控除」を利用でき、譲渡益が3,000万円以下であれば税金はかかりません。
(参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」「No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」)

条件によって控除・特例の適用が異なるため、早めに税務署や不動産会社へ相談しましょう。

何歳になったら家を売らないほうがいいという目安はありますか?

年齢の目安はなく、今後の生活設計や資金計画が判断基準になります。例えば、80代以降になると新居への引っ越しや各種手続きの負担が大きくなります。

そのため、住み替えを検討している場合は体力や判断力に余裕があるうちに進めるのがおすすめです。自宅で今後も安心して暮らせる環境が整っている場合は、無理に売却する必要はありません。生活・健康・資金のバランスを見て判断することが大切です。

不動産会社が嫌がる売主の行動とは?

不動産会社が最も困るのは、情報提供が不十分な売主です。相場より高い価格を強く主張したり、内覧調整に非協力的だったり、契約後に条件を変更するなどの行動は、販売活動を滞らせる原因になります。他社との二重契約や、家の状態を正確に伝えない行為も信頼関係を損なうので注意しましょう。

 

まとめ

家の売却では、早く売りたい・高く売りたいという焦りから、つい判断を急いでしまいがちです。しかし、スケジュール設計や相場把握、契約内容などを確認することでトラブルを防ぎながら納得のいく取引が可能になります。

特に、訳あり物件のように事情が複雑なケースでは、リスクを把握し誠実な情報開示と専門家のサポートを組み合わせることが成功の鍵です。焦らず段階を踏み、売却の目的を明確にしたうえで、一つひとつの判断を慎重に行いましょう。それが結果的に最も安全で確実な売却への近道となります。

この記事の監修者

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川村 有毅 (司法書士)

私が司法書士になる前は、接客サービス・営業等、お客様と直に接する仕事に長く携わってきました。
そこから、お客様とのコミュニケーションを事務的にせず、お話をしっかりと拝聴し、問題を共有することの大切さを学びました。
お客様と接する機会をもっと重要視し、人と人とのつながりを大切にします。
お客様に人の手のぬくもりが感じられる「あたたかな安心」を提供いたします。

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