相続で土地をもらったけど使い道がなく、固定資産税や管理費だけがかかりそうで悩んでいませんか?いらない土地だからといって無料で誰かに譲ることは可能ですが、簡単に引き取ってもらえるとは限りません。
譲渡の方法や手続きを誤ると、税金や契約上の責任など、思わぬ問題が生じることがあります。
本記事では、不要な土地を無償で譲ることは可能なのか、具体的な処分方法や手続き、注意点について詳しく解説します。
について今すぐご相談できます。
そもそも「いらない土地」とはどんなものか?

使い道がなく、管理や固定資産税の負担が続く土地は「いらない土地」になりやすい傾向があります。
「いらない土地」とは、所有していても使い道がなく持ち続けることが負担になる土地です。
▼いらない土地の例
- 相続で受け継いだものの住む予定がない実家の敷地
- 遠方にある山林
- 売ろうとしても買い手がつかない再建築不可の土地 など
固定資産税や草刈り・修繕といった費用と手間がかかるだけでなく、遠方だと手入れも行き届かず近隣から苦情にもつながります。
持っていてもメリットがない土地は処分に困る人が増えています。
「いらない土地」が増えている背景
「いらない土地」が増えている背景は、日本全体の人口は減少傾向にあり、地方では過疎化が進んでいるからです。

(出典:国土交通省「令和4年度版 過疎対策の現況」)
そのため、若い世代が都市部へ移り住み、残された土地や家は使い手がいないまま空き地や空き家になりやすい状況です。固定資産税や草刈り、建物の管理などの負担が重くのしかかり、使わない土地を持ち続けることが難しくなっています。
バブル期に投資目的で購入された土地や、相続で受け継いだまま放置されている土地も少なくありません。
遠方に住むと土地を活用できず管理も後回しになるため、登記や整理が進まず、ますます使いにくい状態になってしまいます。
どんな土地が「無償譲渡」の対象になるのか

「無償譲渡」の対象になりやすい土地の特徴は、以下のとおりです。
- 特徴①:相続で取得したが使い道がない土地
- 特徴②:固定資産税や管理費が負担になっている土地
- 特徴③:地方や過疎地で需要が少ない土地
- 特徴④:境界問題や権利関係が複雑な土地
「いらない土地を無料で引き取ってもらえる」と聞くと、どんな土地でも譲渡できるように思いがちですが、実際には引き取りの対象になりやすい土地とそうでない土地があります。
代表的な4つの特徴をもとに、譲渡対象となるケースを解説します。
特徴①:相続で取得したが使い道がない土地
もっとも多いのが、親や祖父母から相続した土地です。
とくに実家が遠方にあり自分が住む予定もない場合は、使い道がなく管理や活用が難しくなります。相続後に「そのうち売ろう」と思っていても、結局手をつけないまま放置されるケースが少なくありません。
こうした土地は市場価値が低くても、書類や登記の状態が整っていれば引き取り先が見つかる可能性があります。
特徴②:固定資産税や管理費が負担になっている土地
所有するだけで毎年税金や維持費が発生する土地も、無料譲渡の対象として扱われやすい傾向があります。
▼負担かかる土地の例
- 草刈りや倒木防止といった管理に時間やお金がかかる山林
- 修繕を要する建物が残ったままの土地 など
管理の手間がかかると「タダでもいいから引き取ってほしい」という方が増えます。引き取り手側も、管理が容易であれば譲渡を受けるハードルは下がります。
特徴③:地方や過疎地で需要が少ない土地
都心部や利便性の高いエリアの土地であれば売却できますが、地方や過疎地の土地は買い手がつきにくいため無料譲渡の候補になります。
人口減少が進む地域では不動産価値が落ち、タダでも欲しい人が限られるのが現実です。
そのため、農地転用やキャンプ場などの新しい活用法を見越して、NPOや個人が無料譲渡を受けることもあります。
特徴④:境界問題や権利関係が複雑な土地
境界が不明確だったり、複数人の共有名義になっている土地も無料譲渡を検討するケースです。
ただし、こうした土地はトラブルの火種になりやすいため、引き取り手が現れても譲渡前に測量や権利調整が必要になることがあります。
条件をクリアできれば対象となりますが、事前に名義や権利関係を整理しておきましょう。
いらない土地を誰かにあげることは本当に可能なのか?

いらない土地は、引き取り手を探し、贈与契約と所有権移転登記を行うことで無料で譲渡できます。
いらない土地を第三者へ無料で譲ることは可能です。
土地を無料であげる場合は売買ではなく贈与となり、引き取り手との合意後に贈与契約を結びます。その後は所有権移転登記を行い、土地の名義を新しい所有者へ変更します。
ただし、「無料で土地をあげます」と募集すれば簡単に手放せるとは限りません。土地を受け取る側にも税金や登記費用が発生する可能性があり、利用しにくい土地ほど引き取り手を見つけにくくなります。そのため、土地の状態や費用を整理したうえで相手を探すことが重要です。
無料で土地を譲渡できる仕組み
所有者と受け取り手の間で贈与契約を結び、その内容をもとに法務局で名義変更の登記を行えば、無償で土地を譲渡できます。
ただし、契約書を作らずに口頭だけで済ませようとすると、後々「言った・言わない」のトラブルにつながる危険があるため注意が必要です。
譲り受けた側はその土地にかかる固定資産税や管理の義務を引き継ぐことになります。つまり、譲渡する側が「無料でいいからもらってほしい」と言っても、受け取る側には実質的に負担が生まれるのです。
そのため、引き取り手を見つけるには「税金がかかっても使える土地か」「管理しやすいか」といった観点で納得してもらえる条件を提示する必要があります。
最近は不動産会社やNPOが「無料引き取り」を打ち出す事例も増えていますが、どんな土地でも受け付けられるわけではありません。多くは条件が厳格で、建物が老朽化し過ぎていないか、境界が明確かなど、細かい審査をクリアしなければならないのが現状です。
譲渡できる土地とできない土地の違い
| 項目 | 譲渡しやすい土地 | 譲渡が難しい土地 |
| 登記状況 | 登記簿が整理され、所有者が明確 | 登記が古く、所有者が不明確 |
| 境界 | 境界が確定しており、測量図も整備されている | 境界が曖昧で隣地と揉めやすい |
| 権利関係 | 単独名義、もしくは同意の取りやすい共有 | 共有者が多く、同意が得られない |
| 立地・状態 | 小規模な空き地、使いやすい畑や宅地 | 再建築不可地、急傾斜地、山林など |
| 管理状況 | 雑草や建物の管理が行き届いている | 放置され荒廃し、追加整備が必要 |
受け取る側が安心して名義変更できる土地であれば譲渡できることが多いです。
▼譲渡しやすい土地の例
- 登記簿が整理されていて所有者が明確
- 境界がきちんと確定している
- 管理の負担が少ない など
例えば、小さな空き地や使わなくなった畑などは、条件次第でNPOや個人が活用目的で引き取ることもあります。
一方、譲渡が難しい土地とは、以下の通りです。
▼譲渡しにくい土地の例
- 境界が不明確で隣地とのトラブルの火種になりやすい土地
- 複数人の共有名義になっていて全員の同意が取れていない土地
- 接道義務を満たさず再建築できない土地 など
こうした土地は名義変更の前に測量や権利調整が必要となり、「無料でも受け取れない」と判断されることがあります。
いらない土地を誰かにあげるメリット
不要な土地を無料で譲渡する大きなメリットは以下の4つです。
- メリット①:固定資産税や管理費用の負担から解放される
- メリット②:将来のトラブルや法的リスクを回避できる
- メリット③:相続人に負担を残さずに済む
- メリット④:土地の活用や再生につながる可能性がある
メリット①:固定資産税や管理費用の負担から解放される
土地を譲渡できれば、固定資産税や管理費用がかからなくなります。
土地を所有していると、たとえ活用していなくても毎年固定資産税がかかります。都市部であれば年間数万円程度でも、地方の広い土地や山林などは意外に税額が大きいケースも珍しくありません。
さらに、土地を管理するための費用や手間も負担になり、草刈りや倒木の処理、老朽化した建物があれば解体や修繕の費用も発生します。
無料譲渡によって土地を手放せば、こうした固定資産税や管理費用の出費から解放され、将来的な経済的負担をゼロにできるので非常に大きなメリットです。
メリット②:将来のトラブルや法的リスクを回避できる
無料譲渡を通じて土地を手放しておけば、以下のような将来のトラブルや責任を回避できます。
- 草木が伸び放題になって近隣から苦情が寄せられる
- 老朽化した建物が倒壊の危険を指摘される
- 不法投棄の温床になる
放置された土地に対して自治体から行政代執行(所有者に代わって強制的に建物を撤去し、後から費用を請求する手続き)が行われる可能性もあります。相続時にそのまま子どもや親族に土地を引き継がせてしまえば、同じ悩みを次の世代に押しつけることにもなりかねません。
自分だけでなく、子どもや家族に余計な負担を残さないとため大きな安心につながります。
メリット③:相続人に負担を残さずに済む
所有者のうちに土地を無料で譲渡しておけば、相続人の負担やトラブルを避けられます。
土地は相続財産として引き継がれますが、使い道がなく税金や管理費だけがかかる土地を相続した家族は、負担を背負うことになります。
相続をきっかけに兄弟姉妹の間で「誰が管理するか」「誰が税金を払うか」といった話し合いがこじれるケースも少なくありません。
特に、遠方の土地や利用価値の低い土地は、相続人が現地に行って状況を確認するだけでも大きな負担です。もし老朽化した建物が残っていれば解体費用まで発生します。そのため、子や孫にとっては「もらいたくない相続財産」になる可能性もあります。
無償譲渡は家族に余計な迷惑をかけず負担を先送りしないメリットがあります。
メリット④:土地の活用や再生につながる可能性がある
「いらない土地」と言われるものでも、受け取る側によっては価値が見出されることがあり、自治体やNPOは空き地を防災拠点や公園、地域農園として再活用する取り組みを行う例があります。
個人でも、キャンプ場や菜園、アトリエ用地など、アイデア次第で土地を活かすことが可能です。
所有者が維持管理できず放置していた土地でも、譲渡によって新しい用途が見つかれば、地域にとってプラスになります。
不要な土地を譲渡することは、単に負担を減らすだけでなく土地の新たな価値を引き出すきっかけにもなります。
いらない土地を誰かにあげるデメリット
無料で土地を譲渡するデメリットは以下の4点です。
- デメリット①:譲渡手続きや名義変更に費用がかかる
- デメリット②:引き取り手がなかなか見つからない場合がある
- デメリット③:土地の状態によっては譲渡後も責任を問われる可能性がある
- デメリット④:相手の都合で譲渡が取り消しになるリスクがある
デメリット①:譲渡手続きや名義変更に費用がかかる
土地を誰かに無償で譲る場合でも、手続きにはお金がかかります。
所有者と受け取り手との間で贈与契約書を作成し、法務局で登記名義を変更する際には登録免許税を納めなければなりません。また、司法書士に登記を依頼すれば報酬が発生します。土地の種類や評価額にもよりますが、数万円から十数万円規模の費用になることもあります。
土地の状態によっては事前の測量や境界確定作業も必要になってきます。測量士に依頼すれば数十万円ほどの出費です。
無償譲渡であっても、費用が多くかかってしまうこともあるので注意しましょう。
デメリット②:引き取り手がなかなか見つからない場合がある
そもそも土地をもらってくれる人が見つからないこともあります。
いくら無料でも、引き取る側には固定資産税や管理の義務が生じます。雑草が伸び放題の土地や、建物が倒壊寸前の土地、境界があいまいで隣地トラブルのリスクがある土地は特に敬遠されがちです。
自治体やNPOに引き取りを相談しても、「再利用の見込みがない」「維持費がかさむ」と判断されれば断られることもあります。
結果として、土地を譲りたくても長期間引き取り手が現れず、固定資産税を払い続ける状況が続くケースも少なくないのです。無料譲渡を考えるときは、相手が見つからない可能性も念頭に置いておく必要があります。
デメリット③:土地の状態によっては譲渡後も責任を問われる可能性がある
土地を譲渡すれば「もう自分とは関係ない」と考えがちですが、実際には土地の状態によっては譲渡後も責任を問われるケースがあります。
例えば、譲渡した土地に埋設物(古い井戸や廃棄物)が残っていた場合、後から発覚すると元の所有者に撤去費用を請求されることがあるのです。また、老朽化した建物が倒壊し、その原因が譲渡前の管理不足にあったとされれば、損害賠償を求められる可能性もあります。
こうしたリスクを避けるには、譲渡前に土地の現状をしっかり調査し、契約書に「譲渡後の責任範囲」を明確に記載しておく必要があります。曖昧な状態で「とりあえずあげる」と進めてしまうと、後から予想外のトラブルに巻き込まれるかもしれないため注意が必要です。
デメリット④:相手の都合で譲渡が取り消しになるリスクがある
相手の事情で譲渡が途中で取り消しになるリスクもあります。
たとえ話がまとまっていても、登記を完了する前に受け取り手が「やはり受け取れない」「想定より費用がかかりそうだ」と判断し、辞退することがあります。
なかには契約後に相手の資金計画が崩れたり、家族の反対が出て計画が白紙に戻るケースも少なくありません。
譲渡が取り消されれば、固定資産税や管理の負担は再び元の所有者に戻ってきます。さらに、取り消しに伴って契約書の修正や追加の手続きが必要になり、余計な手間と費用が発生することもあります。
「相手が決まったから終わり」ではなく、登記が完了するまで終わりではないと認識しておくことが大切です。
いらない土地を譲渡するための5つの方法
いらない土地を譲渡する代表的な方法は以下の5つが挙げられます。
- 方法①:不動産会社や専門業者に引き取りを依頼する
- 方法②:自治体やNPOへ無償譲渡を申し込む
- 方法③:知人や親族に譲渡して活用してもらう
- 方法④:無償譲渡サイトや空き家バンクを利用する
- 方法⑤:隣地の所有者に相談する
方法①:不動産会社や専門業者に引き取りを依頼する
もっとも手間が少ないのは、不動産会社や土地の引き取りを専門とする業者に依頼する方法です。
これらの業者は「訳あり土地」や「売れにくい土地」を扱うノウハウを持っており、一般的な仲介業者が断るような案件でも対応してくれることがあります。
依頼すると、業者が現地を確認し、引き取り可能かどうか、譲渡条件や費用負担の範囲を提示されます。
業者によっては「完全無料」で名義変更まで対応するケースもありますが、登記費用や測量費を依頼主が負担する場合も多いので、契約前に確認しておきましょう。
この方法は、譲渡のスピードが速く、煩雑な手続きを任せられる点で便利ですが、業者を見極める必要があります。
なかには高額な手数料を請求したり、不必要な工事を勧めてくる業者もあるため、複数社に相談して条件を比較しましょう。
方法②:自治体やNPOへ無償譲渡を申し込む
一部の自治体やNPOが「土地の無償譲渡」に応じる制度を設けています。
たとえば、限界集落の再生や移住促進を目的に、住民から土地や空き家を受け取り、地域の活用計画に組み込むという取り組みです。公共性の高い活用が期待でき、譲渡後の土地が地域のために使われる可能性があります。
ただし、どんな土地でも受け付けてくれるわけではありません。立地が極端に悪い土地や管理が難しい土地、境界が未確定な土地などは断られることがあります。
申し込む際は、必要書類や条件が自治体ごとに違うため、各担当窓口に問い合わせましょう。書類を揃え、用途や活用計画の説明が求められる場合もあります。
方法③:知人や親族に譲渡して活用してもらう
親族や知人に土地を譲れるケースもあります。
相続予定の子どもに早めに譲っておく、親しい友人に「趣味の畑として使ってもらう」など、信頼関係のある相手に渡すことで、スムーズに話が進むことがあります。
しかし、たとえ親族でも土地をもらえば固定資産税や管理義務が発生するので、「タダだから」と安易に譲ると、後で不満が出たり、関係が悪化する原因になりかねません。
なお、贈与税や登記費用などの法的手続きは親族間でも必要です。
方法④:無償譲渡サイトや空き家バンクを利用する
土地を無料で譲りたい場合は、無償譲渡サイトや自治体の空き家バンクを利用して引き取り手を探す方法があります。
所有者と土地を探している人をつなぐサービスを利用すれば、親族や知人だけで相手を探すよりも広い範囲へ情報を届けられます。
ただし、掲載条件や費用、契約手続きへの関与範囲はサービスによって異なります。空き家バンクについても対象となる物件や利用条件は自治体ごとに違うため、土地の所在地にある自治体や各サービスの条件を確認してから利用しましょう。
また、サイトへ掲載しても必ず引き取り手が見つかるわけではありません。土地の所在地や面積だけでなく、接道状況や境界、建物の有無なども整理しておくと、譲り受ける側が検討しやすくなります。
方法⑤:隣地の所有者に相談する
いらない土地を手放したい場合は、隣地の所有者に譲渡を相談する方法もあります。
第三者にとって使い道が少ない土地でも、隣地の所有者であれば敷地を広げたり、駐車スペースとして利用したりできる可能性があるためです。
特に、面積が小さい土地や単独では活用しにくい土地では、隣地と一体で利用することで価値が生まれる場合があります。ただし、無料であっても相手に取得を求めることはできません。土地の状態や取得後に必要となる費用を伝え、双方が条件に合意したうえで贈与契約と所有権移転登記を進めましょう。
いらない土地を譲渡する際の注意点
土地を無料で譲るとき、事前に知っておくべき注意点が4つあります。
- 注意点①:贈与税や登録免許税など税金が発生する場合がある
- 注意点②:譲渡後も法的責任を問われるリスクがある
- 注意点③:譲渡手続きや登記変更に費用と時間がかかる
- 注意点④:引き取り手が見つからないケースも想定する
注意点①:贈与税や登録免許税など税金が発生する場合がある
土地そのものを無料で譲っても、手続きや土地の取得に伴う税金まで無料になるわけではありません。
特に、土地をもらう側は、贈与税や登録免許税などが発生する可能性を確認しておく必要があります。
個人から個人へ土地を贈与した場合、原則として贈与を受けた側が贈与税の対象となります。暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の価額が基礎控除額の110万円を超えると贈与税の申告が必要です。ただし、実際の課税関係は贈与する相手や適用する制度によって異なる点には注意が必要です。
さらに、所有権移転登記では登録免許税が必要です。司法書士へ登記を依頼する場合は報酬も発生します。土地の境界が不明確な場合には測量費が必要になることもあるため、「0円で土地を譲る=費用が一切かからない」と考えず、譲渡前に必要な費用を確認しておくことが大切です。
注意点②:譲渡後も法的責任を問われるリスクがある
譲渡前から埋設されていた廃棄物や井戸、地中障害物などが後から見つかれば、元の所有者に撤去や処理を求められる場合があります。
渡時点で老朽化した建物が残っており、その後の倒壊事故が「以前の管理不備」によるものだと判断されれば、損害賠償を請求されかねません。そのため、譲渡前に土地の状態をできる限り確認し、契約書に「譲渡後の責任範囲」を明確に定めておくことが大切です。
曖昧なまま進めてしまえば、譲渡した後になっても思わぬ義務が戻ってくるリスクがあります。
注意点③:譲渡手続きや登記変更に費用と時間がかかる
土地を譲渡する際には、贈与契約書の作成や法務局での登記申請といった手続きが必要です。
これらは自分で行うことも可能ですが、ほとんどのケースでは司法書士などの専門家に依頼します。
ただし、数万円から十数万円ほどの費用かかるのが一般的です。さらに、名義変更に伴って必要となる登録免許税も固定資産税評価額に応じて課税されるため、費用が思った以上に膨らむこともあります。
土地の状態によっては測量や境界確定が必要になることもあります。隣地との境界が曖昧な場合、測量士による作業が入り、これも十万円単位の追加費用と数週間〜数か月の時間が必要になります。
「ただ渡せばいい」と思って始めても、こうした作業に時間とお金がかかることを覚えておきましょう。
注意点④:引き取り手が見つからないケースも想定する
無料で土地を譲ると決めても、前述したように「もらいたい」と言ってくれる相手がすぐ見つかるとは限りません。
譲渡を申し込んだ不動産会社や自治体、NPOから「この土地は活用の見込みがない」と断られることも多くあります。特に、山林や急傾斜地、再建築不可の土地などは維持費や管理リスクが大きく、受け取り手が現れにくいのが実情です。
仮に相手が見つかっても、条件交渉に時間がかかることもあります。譲渡費用の分担や、譲渡後に残る責任の扱いを巡って話がまとまらなければ、契約まで進められません。その間も固定資産税や管理の義務は元の所有者に残り続けます。
「相手が見つからないかもしれない」「長期戦になるかもしれない」と想定しながら、複数の方法を同時並行で進めることが現実的な対応策です。
いらない土地を無料譲渡以外で手放す方法
無料譲渡以外の代表的な方法は以下の4つです。
- 土地を売却する
- 自治体やNPOに寄付する
- 土地活用を検討する
- 相続放棄をする(※これから相続予定の場合)
- 相続土地国庫帰属制度を利用する
土地を売却する
立地や状態によっては、思っているより高く売れる可能性があります。
近年は、狭小地や古家付きの土地を専門に買い取る不動産業者も増えており、通常の仲介で売れない土地でも直接買い取ってもらえるケースも存在します。
仲介と買取では流れが異なり、仲介なら時間はかかりますが価格は市場に近く、買取なら早く現金化できる代わりに価格はやや低めです。まずは不動産会社に査定を依頼し、売れるかどうかを調べるところから始めましょう。
自治体やNPOに寄付する
一部の自治体では、公共施設の用地や公園、農地として利用する目的で土地の寄付を受け付けています。
また、NPOや公益法人も地域活性化や環境保全のために土地を活用する取り組みを行っていることがあります。
ただし、寄付も無条件ではありません。活用の見込みがない土地や、管理が難しい土地は断られることがあります。寄付を検討する際は、役所の担当部署やNPOに事前相談し、土地の条件や必要な書類を確認しておきましょう。
土地活用を検討する
売れない土地でも自分で活用できれば「負担」から「収入源」に変えられる場合があります。
▼自身での活用例
- 駐車場や資材置き場として貸す
- 太陽光発電を設置して電力を販売する
- 小規模な農園や貸し菜園にする など
もちろん初期投資や管理の手間がかかりますが、譲渡する前に自分で活用できないか検討してみましょう。
相続放棄をする(※これから相続予定の場合)
まだ土地を相続していない段階であれば、相続放棄も有効な選択肢です。
相続放棄をすれば、その土地は最初から自分の所有にならず、税金や管理の負担を背負うこともありません。
ただし、相続放棄には家庭裁判所での手続きが必要で、相続開始から3か月以内という期限があります。また、放棄すると他の財産(現金や預金など)も一緒に受け取れなくなるため、慎重な判断が求められます。
関連記事:相続放棄の手続きは自分でできる?流れや専門家に相談すべきケースを紹介
相続土地国庫帰属制度を利用する
相続や一定の遺贈によって取得した土地であれば、相続土地国庫帰属制度を利用して国へ土地を引き渡せる場合があります。
相続した土地を使う予定がなく、売却や無償譲渡でも引き取り手を見つけられない場合に検討できる方法です。
ただし、すべての土地を国へ引き渡せるわけではありません。建物がある土地や境界について争いがある土地など、申請できない土地や承認されない土地の条件が定められています。申請時には土地1筆につき14,000円の審査手数料が必要です。さらに、国庫への帰属が承認された場合は10年分の土地管理費用に相当する負担金を納付する必要があります。
そのため、相続土地国庫帰属制度は「不要な土地を無料で国に引き取ってもらえる制度」ではありません。土地の状態や必要な費用を確認し、売却や第三者への無償譲渡と比較したうえで利用を検討しましょう。
「ワケガイ」なら訳あり物件も短期で買取いたします!

当社(株式会社ネクスウィル)は、訳あり不動産の買取に特化したサービス「ワケガイ」を提供しています。
共有持分や再建築不可の土地、相続で引き継いだまま放置されている空き家、ゴミ屋敷、事故物件まで、通常の市場では売却が難しい物件にも柔軟に対応してきました。全国各地における豊富な買取実績を活かし、状況に応じて最短1日での現金化も可能です。
不要な土地や持ち続けることが負担になっている物件を抱えている方に、迅速かつ丁寧な解決策をご提案いたします。お気軽に無料査定をご活用ください。
「無料で土地をあげます」についてよくある質問
「無料で土地をあげます」についてよくある質問は、以下のとおりです。
- 土地をただであげるには?
- 家や土地をタダであげますと言ったら、贈与税などの税金はかかりますか?
- やめたほうがいい土地の特徴は?
- 土地の無償譲渡を探せるサイトはある?
- 「空き家譲ります」「空き家をもらってください」といった無料物件は本当にもらえる?
それでは、それぞれの質問とその回答を紹介します。
土地をただであげるには?
土地を無料で譲るには、まず引き取り手を探す必要があります。親族や知人に声をかけるほか、自治体の空き家バンクや、不動産の無償譲渡を扱う掲示板サイトに登録する方法が一般的です。相手が見つかったら、売買契約ではなく贈与契約を結び、法務局で所有権移転登記を行います。ただし、登記には登録免許税や司法書士への報酬など一定の費用がかかる点に注意が必要です。また、境界が確定していない土地や測量が済んでいない土地は敬遠されやすいため、事前に整えておくと引き取り手が見つかりやすくなります。管理が難しい土地は早めに専門家へ相談するのも一つの方法です。
家や土地をタダであげますと言ったら、贈与税などの税金はかかりますか?
個人から個人へ土地や家を無償で譲る場合、受け取った側には贈与税がかかる可能性があります。贈与税は基礎控除額を超える部分に課税される税金であり、評価額が低い土地であれば控除の範囲内に収まり課税されないこともあります。一方、譲渡した側には原則として課税されませんが、登記費用や測量費などの実費は発生することがあります。実際に税金がかかるかどうかは土地の評価額や利用できる控除制度によって異なるため、具体的な金額については税理士や税務署に確認しておくと安心です。
やめたほうがいい土地の特徴は?
引き取りを避けたほうがよい土地には、いくつか共通点があります。境界が未確定で隣地とのトラブルが想定される土地、傾斜地や崖地など造成に費用がかかる土地、再建築ができない接道条件の土地などは、無償であっても管理や活用が難しくなりがちです。土壌汚染や地中埋設物の可能性がある土地、農地法などの規制で用途が制限される土地も注意が必要です。固定資産税や管理コストが継続的にかかる一方で、売却や活用の見込みが薄い土地は受け取った後に負担だけが残ることもあるため、譲渡前に現地確認と法的な制限の調査をしておくことが大切です。
土地の無償譲渡を探せるサイトはある?
土地を無料で譲りたい人と譲り受けたい人をつなぐ手段としては、自治体が運営する空き家バンクや、不動産の無償譲渡・0円物件を扱う民間の掲示板サイトなどがあります。地域を限定して物件を探せるものから、全国規模で情報を集めているものまで形式はさまざまです。ただし、こうしたサイトに掲載されている土地は境界未確定や再建築不可なども含まれている場合もあるため、条件をよく確認したうえで問い合わせることが大切です。契約や登記の手続きは、自治体の窓口や司法書士などの専門家に相談しながら進めると安心です。
「空き家譲ります」「空き家をもらってください」といった無料物件は本当にもらえる?
こうした表現で掲載されている物件は、実際に無償で譲渡されるケースがあります。所有者が固定資産税や管理の負担から解放されたいという理由で、買い手ではなく引き取り手を探していることが背景にあります。ただし、「無料」といっても、譲渡契約や登記にかかる費用、老朽化した建物の解体費、リフォーム費用などは譲り受ける側の負担になるのが一般的です。物件の状態や立地によっては想定以上の出費が必要になることもあるため、現地確認や見積もりを行ったうえで、本当に活用できるかを慎重に判断することが重要です。
まとめ
いらない土地は、放置すると固定資産税や管理費の負担が続くだけでなく、近隣トラブルや行政指導のリスクを抱えることになります。
そのため、早めに譲渡や活用を検討しましょう。無料譲渡は有効な手段の一つですが、土地の条件によっては引き取り先が見つからないケースもあります。
譲渡を考える際は、事前に権利関係や税務上の負担を確認し、無理なく進められる方法を選ぶことが大切です。リスクを避けるためにも、自治体や専門家への相談を活用しながら、いらない土地の問題を解決しましょう。
運営団体 2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。 訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。 経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。 これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。 |












