事故瑕疵物件

不動産の「告知事項あり」とは? 瑕疵の種類や告知事項あり物件の見分け方を解説

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土地や建物などの不動産を購入する際に「告知事項」について説明されることがあります。この意味を正しく理解していないと、購入して住んだ後に後悔することになってしまうかもしれません。

そもそも、「告知事項」とは何なのでしょうか?また、告知事項あり物件を回避したい場合、どのような方法で見分けることができるのでしょうか?今回は不動産の告知事項あり物件について解説します。

 

■告知事項とは?

不動産広告のチラシなどで「告知事項あり」という文字を目にしたことが一度はあるのではないでしょうか。賃貸物件であっても中古住宅であっても、告知事項がある場合、売主は伝える義務があるのです。それでは告知事項について詳しく説明します。

 

・告知事項とは

告知事項とは、告知義務の対象になる事項のことです。告知事項は告知義務者の知っている事実に限られます。もし事実と異なる報告をしたり該当する事実を伝えなかったりすると「告知義務違反」となり、ペナルティを受ける場合があるので注意が必要です。

保険業界でも使用されることがありますが、保険においての「告知事項」とは被保険者の健康状態や過去の病歴などを指すことが多くなっています。

一方、不動産業界においての「告知事項」については下記となります。

 

・「瑕疵(かし)」があると「告知事項あり」となる

不動産業界において、土地や建物、それらを取り巻く環境に「瑕疵」があると「告知事項あり」となります。

瑕疵とは、傷や欠陥・不具合などを意味する言葉ですが、不動産関連での「瑕疵」とは物理的損傷だけではなく、心理的不都合や環境的不都合がある場合も「瑕疵」と表現されます。

つまり、不動産関連で「告知事項あり」と記載されている場合は、過去に何らかの事故や事件が発生していたり住みにくい環境であったりする可能性が高いと言えます。

 

・瑕疵(かし)は伝える義務がある

物件購入や契約をする際に、瑕疵があるかどうかは大きな決め手になります。そこで宅地建物取引業法第35条で「購入者等が売買等の意思決定をする上での重要な判断材料を(中略)契約が成立するまでに説明しなければならない」と、定めています。

つまり、瑕疵の内容は告知事項として購入希望者が購入を決める前に伝える義務があるということになります。

 

・瑕疵(かし)内容を伝えないと損害賠償責任が発生することも

土地や建物などの不動産を購入することは、人生でそう何度もあることではありません。また購入金額も大きいため、ほとんどの人が一度入手したら簡単に手放すことはできないでしょう。瑕疵の有無は購入の意思決定を大きく左右します。

購入後に知った場合、「瑕疵があるなら購入はしなかったのに」と、契約解除や損害賠償請求をする可能性があるのです。売主側は告知事項を説明しないと後々大きなトラブルになり、余計な手間やコストがかかってしまう可能性があります。

■告知事項の種類

告知事項の種類は大きく4つに分けることができます。

・告知事項の種類①物理的瑕疵(かし)

「瑕疵」の本来の意味通り、傷や損傷など物理的な瑕疵のことです。ひび割れやシロアリ・雨漏りなどによって傷んでいたり耐震基準を満たしていなかったりすることで、使用上不都合がある物件を指す場合が多いです。

また建築物以外にも、地盤沈下や土壌汚染・地中の障害物などの場合も物理的瑕疵に含まれます。

 

【物理的瑕疵の具体例】

・ひび割れ

・シロアリによる傷み

・アスベスト

・雨漏り

・床下浸水

・地盤沈下

・土壌汚染

・耐震基準未満

など

 

・告知事項の種類②心理的瑕疵(かし)

購入者が住むことで心理的に障害となる問題のことです。例えば、過去に自殺や殺人事件があった物件や火災などがあった物件などを指します。

事故や事件によって死亡者が出た場合、心理的瑕疵とされることが多く、自然死の場合はこれに該当しないとされます。しかし、自然死でも遺体の発見までに時間がかかった場合などは心理的瑕疵に含まれることがあります。(賃貸物件の場合は、前の入居者が自然死したとしても、次の入居者には死亡の事実を伝える必要があります。)

ただし、「事故によって死亡した人がいたとしても、過去のことだから気にしない」と考える人もいるため、買い手によって判断が大きく分かれる瑕疵と言えるでしょう。

 

【心理的瑕疵の具体例】

・過去の入居者が自殺をした

・過去に殺人事件が起こった

・過去の入居者が事故によって死亡した

・過去の入居者が死亡し遺体発見までに時間がかかった

など

 

・告知事項の種類③法的瑕疵(かし)

法律によって活用が制限されている物件のことです。例えば、「再建築不可物件」が挙げられます。再建築不可物件とは接道義務を果たしていないため、一度解体すると再度建築することができない物件のことです。建築基準法や都市計画法によって建物の形状や土地の活用方法を制限される場合、法的瑕疵となります。また違法建築の物件も、増改築や建て替えができないため、法的瑕疵の物件となります。

 

これらの物件は、現状の建物に住むことやリフォームをして住むことは問題ないため、安く入手して活用することができます。

しかし、災害などによって倒壊した場合には住めなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。メリット・デメリットを把握した上で購入の検討をするといいでしょう。

 

【法的瑕疵の具体例】

・接道義務に違反している再建築不可物件

・違法建築

・防災設備が古い

など

 

・告知事項の種類④環境的瑕疵(かし)

物件の周辺環境の瑕疵のことです。例えば、異臭や騒音・公害が発生する懸念のある施設や治安が悪化する可能性がある施設を指します。

異臭が発生する施設とは、ゴミ焼却場や下水処理場・産業廃棄物処理施設などが挙げられます。騒音や公害が発生する懸念のある施設とは、工場や大型トラックが頻繁に出入りする施設を指すことが多いです。治安が悪化する可能性がある施設とは、風俗店や反社会勢力の拠点などが挙げられます。

 

「不安感や不快感を与える」とし、火葬場や刑務所・宗教施設・軍事施設なども環境的瑕疵と考えられることもあります。環境的瑕疵も心理的瑕疵同様、買い手によって捉え方が大きく変わるため、知らずに物件購入した場合、契約解除などが難しいことが特徴です。購入前に周辺環境を調査するか、地図上でも確認できるため、自分自身で調べることも大切です。

 

【環境的瑕疵の具体例】

・ゴミ焼却場

・下水処理場

・産業廃棄物処理施設

・工場

・火葬場

・刑務所

・宗教施設

など

 

 

■告知事項あり物件のメリットとデメリット

上記のような瑕疵がある告知事項あり物件に住む場合、どのようなメリットとデメリットがあるでしょうか?それぞれご紹介します。

 

告知事項あり物件のメリット

瑕疵がある告知事項あり物件に住む場合のメリットについてお伝えします。

 

メリット①物件料金が安い
告知事項ありの物件は、周りの物件と比べて料金が安いことが一番のメリットです。瑕疵の度合いによってどれくらい安くなるかは異なりますが、自殺などの場合は相場の4分の3程度、事件や事故の場合は5割程度、自然死などの場合は1割程度安くなることが多くなっています。

賃料を大幅におさえられることで、他にコストがかけられたり貯金にまわすことができたりするため、物件料金が安いということは大きなメリットになります。

 

メリット②綺麗な状態で入居できる

事件や事故の痕跡がある場合は消すことが多いため、リフォームすることがあります。また念入りに掃除がされている場合もあるため、自分自身で掃除やリフォームをする手間がなくなります。入居してすぐに綺麗な状態で住むことができます。

 

告知事項あり物件のデメリット

次は、瑕疵がある告知事項あり物件に住む場合のデメリットについてお伝えします。

 

デメリット①不安感・不快感
事件や事故が起きた物件であれば、人によっては「気味が悪い」と感じたり幽霊などの心霊現象に怯えたりするかもしれません。

また環境的瑕疵がある物件であれば、騒音や匂いなどの不快感や、治安へ不安感から精神的ストレスを感じるでしょう。それらのストレスが原因となって不眠などの体調不良を招くこともあるかもしれません。

 

デメリット②近隣住民からの嫌悪感

近隣住民は、その物件内で何が起こったかを知っている場合があります。近所づきあいを良好に行いたいと考えても、「事故物件に住んでいる」ということから忌み嫌われてしまう可能性があります。

 

デメリット③住所が特定されることも

事件や事故などであれば、ニュースやネットなどで情報が公になっている場合があります。住所が特定されることもあり、それらを狙って勧誘やセールスなどが来るかもしれません。ブライバシーを侵害される可能性があることはデメリットと言えるでしょう。

 

■告知事項を伝えられないケース

瑕疵がある物件は、告知事項として契約前に伝える義務があると上述しました。しかし、告知事項を伝えられないこともあります。それでは、どのようなケースのときに告知事項が伝えられない可能性があるのでしょうか?

 

・告知事項を伝えられないケース①2人目以降の入居者の場合

事件や事故が発生した後に住む入居者には、物件内で何が起こったのかを伝える告知義務がありますが、その次の入居者には告知義務がありません。(事件の内容によっては報告しなければいけないケースもあります。)

よって、前の入居者が短期間で退去をしたとしても不動産業者から知らされない可能性はあります。この場合、後から知ったとしても契約解除などが難しくなってしまうかもしれません。

 

・告知事項を伝えられないケース②長い年月が経過している場合

事件や事故があってからかなり長い年月が経っている場合、告知事項を伝えない不動産業者もいます。告知事項には「〇年間は伝えなければならない」などといった明確な定義がないため、かなり古い事案であれば「もういいだろう」と独自の判断をされてしまうケースがあります。

 

■瑕疵がある物件を見分ける方法

瑕疵がある物件はできる限り避けたいと考える人が多いでしょう。そこで、物件を探す際に瑕疵がある物件かどうかを見分ける方法をご紹介します。

 

・瑕疵がある物件の見分け方①「告知事項あり」と記載されているかを確認する

不動産広告の特記事項に「告知事項あり」と記載されていれば、何らかの瑕疵があると言えます。ただし、広告によっては「告知事項あり」といった表記で記載されていないこともあるため注意が必要です。

直接的に「瑕疵あり」や「瑕疵物件」と記載されていることもあれば、「わけあり物件」「事故物件」などとニュアンスで伝えている場合もあるので見逃さないようにしましょう。

 

・瑕疵がある物件の見分け方②相場よりも料金が安い場合は要注意

告知事項を伝える義務はありますが、不動産広告上に記載する義務はありません。そのため、チラシやインターネット上での情報だけでは分からない場合もあります。

そのときは、賃料や物件価格などが周りと比べて極端に安くないかどうか確認しましょう。売主は、告知事項がある物件をできる限り早く手放したいと考えることから、割安で売りに出すことも想定されます。「安いから」とすぐに飛びつくのではなく、安くなる理由が何かあるのかも確認するようにしましょう。

 

・瑕疵がある物件の見分け方③「一部リフォーム済」と記載されている場合は要注意

不動産広告などに「一部リフォーム済」と記載されている場合、要注意です。事故の痕跡をなくすためのリフォームの可能性もあります。築年数がさほど古くないにも関わらず、部分的にリフォームしている場合は確認するようにしましょう。

 

■告知事項あり物件でお困りの場合は、プロにご相談を

常識的な不動産業者や売主であれば、契約前に告知事項を伝え、その上で購入の判断を任せることでしょう。契約前には、告知事項を知った上で「気にしないから大丈夫」と思っていたとしても、実際に住んでみると不安感や不快感を覚えるというケースもあります。買い手は告知事項をよく確認した上で、慎重に検討するようにしたいものです。

もし「告知事項がよくわからない」「契約してしまったけれどやはり解消したい」などといった場合は、プロに相談することをおすすめします。

 

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