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相続・遺贈・贈与の違いとは? 相続放棄したい場合や発生する税金について解説

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財産を子どもや孫に渡す方法は「相続」だけではありません。「遺贈」や「贈与」という方法もあります。しかし、相続と遺贈・贈与の違いについて明確に説明できる人は多くないのではないでしょうか。そこで今回はこの3つの違いについてお伝えいたします。

また「管理が大変だから、不動産を引き継ぎたくない」などといった場合に相続や贈与を放棄することはできるのか、その方法もあわせて解説します。

 

■相続とは?


相続についてと、相続を受ける対象者について説明します。

 

・相続とは?

相続とは、ある人が死亡したときにその人の財産(遺産)を引き継ぐことです。遺産とは、現金や預貯金以外にも有価証券や車、貴金属、不動産、権利などが含まれます。また借入金などの債務も相続対象です。亡くなった人のことを「被相続人」と言い、引き継ぐ人のことを「相続人」と言います。

 

・相続を受ける人とは?

法定相続の場合、遺産をもらえる人は民法で決められた配偶者と血族であり、これを「法定相続人」と言います。優先順位は以下の通りです。

 

配偶者は必ず相続人となる

亡くなった方(被相続人)に夫や妻がいれば、配偶者は必ず相続人となります。

配偶者以外の法定相続人には順序があるため、次より説明します。

 

法定相続人の第一順位:子ども、孫

配偶者の次に優先される人は、子どもです。ただし、子どもが先に死亡している場合、代襲相続が認められます。代襲相続とは、本来相続人になる人が死亡などの理由で相続できない場合、代わりに相続をする制度のことです。子どもが先に死亡していれば孫が相続人となり、孫も先に死亡している場合はひ孫が、ひ孫も先に死亡していればひ孫の子どもが、など、直系卑属の場合は代々と代襲相続が続きます。

 

法定相続人の第二順位:父母、祖父母

第一順位の相続人がいない場合、被相続人の親が相続人となります。親が先に死亡している場合、祖父母が相続人となります。祖父母も先に死亡している場合は、曾祖父母が相続人となります。

 

法定相続人の第三順位:兄弟姉妹、甥姪

子どもや孫、親や祖父母などがいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹が先に死亡している場合は代襲相続が認められ、兄弟姉妹の子どもである甥姪が相続人となります。ただし、この場合の代襲相続は一代限りであり、甥姪が死亡している場合でも甥姪の子どもは相続人にはなれません。

 

 

■遺贈とは?

遺贈についてと、遺贈を受ける対象者について説明します。

 

・遺贈とは?

遺贈とは、生前に遺言書で誰に財産を引き継ぐか明確にしているケースです。この場合、亡くなった方を「遺贈者」、引き継ぐ人を「受遺者」と言います。

 

・遺贈を受ける人とは?

遺贈は、血縁関係のない人でも受けることができます。ただし、遺贈を実現させるために遺贈義務者による引き渡しや名義変更の協力が必要となる場合があります。例えば、血縁関係のないAさんに不動産を遺贈する場合、名義変更をするために被相続人の子どもが遺贈義務者となり、協力しなければいけなくなります。

 

・遺言執行者を定めるとスムーズ

遺贈が行われる場合「遺言執行者」を定めるケースがあります。遺言執行者とは、遺言内容を実現する人であり、受遺者への交付や名義変更などを行ってくれる人のことです。受遺者自身が手続きを行う必要がないため、スムーズに進めることができるでしょう。

遺言執行者は誰でもいいため、親族を指定することも可能ですが、第三者にした方がトラブルなく進行できることが多いようです。

 

・遺贈の種類

遺贈には2種類あるため、ご紹介します。

 

遺贈①包括遺贈

遺贈する財産を特定しない方法です。例えば、「財産の2分の1をAに遺贈する」などと遺言書に記せば包括遺贈となります。この場合、負債も割合的に負担することになるため注意が必要です。「財産の2分の1」の遺贈を受けた受遺者は、借金も2分の1負担しなければいけません。これを拒絶したい場合の方法はのちほどご紹介します。

 

遺贈②特定遺贈

遺贈する財産を特定する方法です。例えば、「不動産をAに遺贈する」など遺言書に記せば特定遺贈となります。特定遺贈の場合は、包括遺贈とちがい負債を相続する必要がありません。もし特定遺贈を受けたくない場合、放棄することもできます。その方法はのちほどお伝えいたします。

 

■贈与とは?

贈与についてと、贈与を受ける対象者について説明します。

 

・贈与とは?

贈与とは、特定の相手に財産を無償で渡す「契約」のことです。相続と遺贈が死亡時に効力を発生させることに対し、贈与は生前でも行うことができます。そのため、「生前贈与」とも呼ばれています。贈与する人を「贈与者」、受ける人を「受贈者」と言います。

 

・贈与を受ける人とは?

親族以外でも贈与を受けることは可能です。贈与は「契約」のため、贈与者と受贈者が合意する必要があります。

 

・贈与の種類

贈与には種類があるため、それぞれご紹介します。

 

贈与①生前贈与

生きている間に財産を渡す方法です。税金については後述しますが、節税対策にもなるため、実行している人が多い方法です。

 

贈与②死因贈与

生前には財産が移転せず、死亡した際に贈与をすることを「死因贈与」と言います。この場合、贈与税ではなく相続税が発生します。遺贈と似ているのですが、「契約」をするため「贈与」となります。生前に贈与者と受贈者が同意して契約を結ぶ必要がある方法です。

 

贈与③負担付贈与

何らかの負担と引き換えに贈与をする契約のことを言います。例えば「死亡するまで介護をしてくれた場合、財産をすべて贈与する」などが挙げられます。贈与は「契約」のため、受贈者もこれに合意する必要があります。また、契約後に介護をしないなど契約違反が見受けられた場合、贈与者は契約解除することもできます。

「介護をしてくれた場合、死亡時に財産を贈与する」などといった「死因贈与」と組み合わせることも可能です。

 

 

■遺留分とは?

遺言や贈与を行う際にはトラブルにならないよう、遺留分についても覚えておきましょう。

 

・遺留分とは

遺留分とは、法定相続人に認められる最低限の遺産取得割合のことです。遺言や遺贈によって遺産をすべて法定相続人以外に渡してしまった場合や、子どもが複数人いるにも関わらず1人だけに全財産渡してしまった場合などに考慮されます。

 

・遺留分が認められる人

遺留分が認められるのは、配偶者と子どもや孫、親や祖父母となっています。兄弟姉妹や甥姪は認められていません。

 

・遺留分割合

民法で保障されている財産相続割合は下記の通りです。

 

・配偶者のみの場合:2分の1

・配偶者と子どもが1人いる場合:配偶者4分の1、子ども4分の1

・配偶者と子どもが2人いる場合:配偶者4分の1、子ども8分の1ずつ

・子ども1人のみの場合:2分の1

・片親のみの場合:3分の1

 

このように、遺留分割合はケースによって異なります。詳しくは専門家に相談するといいでしょう。

 

・遺留分を請求する場合

正当な遺産の配分がされなかった場合、配偶者や子どもなどは遺留分が侵害されたとして「遺留分侵害額請求」をすることができます。話し合いで解決しない場合は、調停や訴訟へと発展します。

 

■相続・遺贈・贈与の税金について

相続や遺贈、贈与をしたときに発生する税金について説明します。

 

・相続と遺贈の場合は「相続税」が発生

相続や遺贈をした際には相続税が発生します。相続税について詳しく解説します。

 

基礎控除内であれば相続税はかからない

財産の合計金額が基礎控除額を超えなければ、相続税はかかりません。基礎控除額を超えた場合、超えた分が課税対象となるのです。

 

相続税の計算方法と基礎控除額

相続税は、遺産金額から基礎控除額を引き、残りの金額の割合に応じた税率を掛けて算出することができます。相続税は自分で計算し、申告書を作成しなくてはいけません。自分でできない場合は、税理士に依頼し作成してもらうといいでしょう。

 

【基礎控除額】

3000万円+(法定相続人数×600万円)

 

【税率と控除額】

法定相続分に応ずる取得金額1000万円以下:税率10%(控除なし)

法定相続分に応ずる取得金額3000万円以下:税率15%(控除50万円)

法定相続分に応ずる取得金額5000万円以下:税率20%(控除200万円)

法定相続分に応ずる取得金額1憶円以下:税率30%(控除700万円)

 

・贈与には「贈与税」が発生

贈与の場合は贈与税が発生します。ただし、生前贈与には控除制度があります。生前贈与の税金について解説します。

 

生前贈与には控除がある

生前贈与は「贈与税の控除制度」によって控除を受けることができます。1年に110万円までの贈与分であれば贈与税がかからないのです。毎年110万円以内の贈与を行う「暦年贈与」は節税対策にもなるため、この方法を行っている人は多いでしょう。

 

生前贈与は定期贈与とならないよう注意が必要

暦年贈与をする場合、注意が必要です。「定期贈与」とみなされると税金が発生する場合があります。定期贈与とは、最初に「1000万円を渡す」など、まとまった財産を贈与する契約をした上で毎年分割払いをする方法です。この場合、一括払いしたことと同じ扱いになってしまうため、1年110万円以内の贈与であっても控除が適用されません。気をつけましょう。

 

 

■相続・遺贈・贈与を撤回・放棄したい場合

相続や遺贈・贈与を「やはり渡したくない」と思った場合、撤回はできるのでしょうか?また、受け取る側は「財産を引き継ぎたくない」と思った場合、放棄することは可能なのでしょうか?説明します。

 

・相続の撤回・放棄の仕方

相続は自然に発生するもののため、撤回という概念はありません。しかし、相続人は相続を放棄することは可能です。相続放棄には期間が限定されており、「相続を知ってから3ヶ月」の間に家庭裁判所に申請をしなくてはいけません。これを過ぎると受け付けてもらえなくなるため、相続するしか方法はありません。

 

相続放棄の手順1.家庭裁判所に申し立て

家庭裁判所で「相続放棄の申述」を行います。申請先は自分の居住地ではなく、被相続人の最後に住んでいた地の家庭裁判所で行います。また相続人本人が申し立てることが原則です。相続人が未成年の場合は、その親などの法定代理人が申し立てることができます。

 

相続放棄の手順2.家庭裁判所から送付された照会書に回答

家庭裁判所に申し立てをすると、後日、相続放棄に関する照会書が送られてきます。回答を記入する箇所があるため、記入して家庭裁判所に送り返しましょう。

 

相続放棄の手順3.相続放棄申述受理通知書が届く

審査が行われ受理されれば、相続放棄申述受理通知書が送られてきます。これで相続放棄が完了です。

 

遺産分割協議で相続放棄を伝える

遺言書がなく法定相続人で遺産分割協議をする場合は、その場で相続しない旨を伝えるといいでしょう。ただし、「負債を回避したい」という目的で相続放棄をするとプラスの遺産も引き継ぐことができなくなります。よく検討してから相続放棄をしましょう。

 

・遺贈の撤回・放棄の仕方

遺言者は遺言を自由に撤回できます。公正証書遺言の場合は、原本が公証役場に保管されているため、撤回するためには新たに遺言書を作成するしかありません。新たに遺言書を作成すれば、それ以前の遺言書は撤回したとみなされます。

受遺者は遺贈を放棄することが可能です。特定遺贈の場合は、相続人に「遺贈を受けない」と伝えれば放棄ができます。包括遺贈の場合は、遺贈を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に「遺贈放棄の申述」を行う必要があります。

 

・贈与の撤回・放棄の仕方

生前贈与や死因贈与は契約によって決めたことのため、どちらか一方の一存で取りやめることはできません。負担付贈与の場合、負担が履行されていなければ撤回することは可能です。

 

■相続や遺贈・贈与でお困りの場合はプロにご相談を

現金の相続や贈与であればシンプルな場合が多いですが、不動産の相続となると問題が複雑化するケースがあります。例えば、法定相続人が複数おり、全員が不動産相続を希望する場合や、反対に誰もが相続したくない場合など、なかなか解決できないケースがあります。

問題を放置してしまうと、さらに複雑化してしまう可能性があるため、早めに対処した方がいいでしょう。その場合、プロに相談することをおすすめします。時間や労力を削減でき、スムーズな解決へと導いてくれることでしょう。

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