借地権付き建物は本当に売れない?原因と高く売る方法を徹底解説

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「借地権付き建物は売れない」と聞いたことはありませんか?

借地権付き建物は、土地を借りて建物だけを所有している不動産です。

通常の所有権物件とは異なり、「買い手が見つからない」「思ったより安くしか売れない」といった問題が起こりやすい傾向があります。

借地権付き建物が売れないといわれる理由は、借地権特有の権利関係や費用負担によって、購入希望者が限られてしまうことです。

しかし、借地権の種類や契約内容を確認し、自分の状況に合った方法を選べば、売却できる可能性は十分にあります。

本記事では、訳あり物件不動産の専門家であるワケガイ編集部が借地権付き建物が売れない理由や売却相場、売却方法について詳しく解説します。

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目次

借地権付き建物とは?売れない理由を解説

借地権付き建物が売れない5つの理由

借地権付き建物とは「借りた土地の上に建物だけを所有している不動産」のことです。借地権付き建物は、以下の理由から「売れにくい」と言われています。

  • 土地と建物の所有権が異なり権利関係が複雑
  • 地主の許可が必要で売却に費用と時間がかかる
  • 借地権付きだと住宅ローンの審査が厳しくなり売れにくい
  • 地代や更新料が固定負担となり継続的に支出がある
  • 建物が老朽化して資産価値が低下している

ここからは、各理由について詳しく解説します。

土地と建物の所有者が異なるため売却に制限がかかる

借地権付き建物が建っている土地は地主から借りている状態です。特に、購入を検討する人は次のような点に不安を感じやすい傾向があります。

買主が不安に感じる点不安に思う理由
自由に売却・建替えできない地主の承諾が必要になる場合があるため
将来の費用負担が読みにくい地代や更新料、承諾料が発生することがあるため
資産価値が下がりやすい土地の所有権を取得できず、需要が限定されるため
権利関係が複雑でトラブルにならないか

借地権付き建物は「売れない」というよりも、「通常の不動産より売却のハードルが高い不動産」なのです。

地主の譲渡承諾と承諾料が必要になる

地主の譲渡承諾と承諾料の4つのケース

借地権付き建物を第三者へ売却する場合、借地契約の内容によっては地主の譲渡承諾が必要になります。承諾の有無や費用負担は、売却価格や手取り額にも影響します。

地主の対応ケース売却への影響
承諾が得られる売却手続きを進めやすい
承諾料を求められる売却後の手取り額が減る
承諾を拒否される売却が止まる、または借地非訟手続きが必要になる
条件交渉が長引く買主が離脱する可能性がある

特に、地主との関係が悪い場合や、借地契約書の内容が曖昧な場合は、承諾交渉に時間がかかることがあります。

売却を始める前に、契約書で譲渡承諾の要否を確認し、承諾料の目安も不動産会社へ相談しておきしょう。

住宅ローン審査が通りにくく買主が限定される

借地権付き建物は、普通の戸建てより住宅ローンを組みにくくなります。土地を所有していないことから、金融機関が担保価値を低く見積もるためです。

借地権付き建物の住宅ローン審査が通りにくくなる理由は以下のとおりです。

  • 土地を所有してないので担保価値が下がる
  • 借地契約の残存期間が短いと長期ローンが組みにくい
  • 地主の譲渡承諾や承諾料の支払いが必要になる場合があり、手続きが複雑になりやすい
  • 借地権付き建物は再売却がしにくいため融資に慎重になる購入希望者の多くは住宅ローンを利用するため、融資を受けにくい物件は買主が限られます。

特に定期借地権のように契約満了がある物件は、残存期間が短いほど審査で不利になり、、売却期間の長期化や価格下落につながります。

毎月の地代や更新料など継続的な負担がある

毎月の地代や更新料など継続的な4つの負担

借地権付き建物を購入した場合、建物の購入代金だけでなく、土地を借り続けるための費用も負担しなければなりません。

主な費用は以下のとおりです。

費用項目内容費用目安
地代地主へ毎月または毎年支払う土地の使用料月額数千円〜数万円程度
更新料契約更新時に地主へ支払う費用借地権価格の5〜10%程度
譲渡承諾料売買時に地主の承諾を得るための費用借地権価格の10%前後
建替承諾料建物の建替え時に必要になる場合がある費用更地価格の3〜5%程度

所有権の不動産であれば発生しない費用が継続的にかかるため、購入希望者にとっては大きな負担になります。

また、契約内容によっては将来的に地代が増額される可能性もあります。

建物が古く資産価値が下がっているケースが多い

借地権付き建物は、築年数が古く、建物自体の価値が下がっていることも多くあります。建物の評価が低い場合、売却価格は建物よりも借地権の価値を中心に判断されます。

特に、老朽化した建物では、買主は以下のポイントを気にします。

買主が気にする点売却への影響
雨漏りや設備故障がないか修繕費を見込んで価格交渉されやすい
建替えができるか地主の承諾が必要な場合、買主が慎重になる
解体費用がかかるか購入後の負担として見られやすい
そのまま住める状態か状態が悪いと買主が限定される

例えば、築30年以上の木造住宅では、建物価格がほとんど付かず「古家付きの借地権」として評価されることがあります。

売却前には、建物の状態だけでなく、建替えや増改築ができる契約内容かどうかも確認しておきましょう。

 

借地権付き建物の種類による売却難易度の違い

借地権付き建物の種類による4つの難易度

借地権の種類によって売却のしやすさも大きく変わります。主な借地権の種類と売却のしやすさをまとめると、以下のとおりです。

借地権の種類存続期間更新売却しやすさ
旧法借地権原則30年、堅固建物は60年あり比較的売却しやすい
普通借地権(新法)30年以上あり売却しやすい
定期借地権50年以上なし残存期間次第で売却しにくい
一時使用目的の借地権一時的な利用目的に応じた短期間なし売却対象になりにくい

(参考:e-Gov 法令検索「借地借家法」)

ここからは、借地権の種類ごとの特徴と売却のしやすさについて解説します。

旧借地権は借地人の権利が強く比較的売却しやすい

旧借地権が売却しやすい4つの理由

旧借地権とは、借地借家法が施行される前の1992年7月31日以前に設定された借地権を指します。

旧借地権は借地人の権利が強く保護されており、契約期間が長いうえ、更新も認められています。

契約期間建物の構造により30~60年以上
契約更新あり
地主による更新拒絶正当事由が必要
売却のしやすさ比較的高い

一方で、地主側から見ると土地を自由に利用しにくいため、譲渡承諾や更新を巡って交渉が長引くこともあります。

それでも、借地人の権利が強く、長期利用が見込めることから、借地権の中では比較的売却しやすい種類といえるでしょう。

普通借地権は更新できるため買主が見つかりやすい

普通借地権は、当初の契約期間は30年以上とされており、契約期間が満了しても更新が認められています。

購入後も継続して利用できる可能性が高く、定期借地権と比べると買主が見つかりやすい傾向があります。

当初の契約期間30年以上
契約更新あり
更新後の期間1回目20年以上、2回目以降10年以上
売却のしやすさ比較的高い

ただし、建物の建て替えや譲渡に地主の承諾が必要になることもあるため、自由に売却できるわけではありません。

それでも、契約更新によって長期利用が期待できることから、借地権付き建物の中では比較的需要があり、売却しやすい種類といえます。

定期借地権は残存期間が短いほど売却しにくくなる

定期借地権は、契約期間の満了によって借地契約が終了し、土地を更地にして地主へ返還する借地権です。普通借地権のような契約更新は認められていません。

契約期間は50年以上と定められていますが、売却時には「残り何年使えるか」が判断材料になります。

契約期間50年以上
契約更新なし
契約終了後原則として更地返還
売却のしやすさ残存期間による

例えば、契約期間が残り40年以上ある場合は比較的買主を見つけやすい一方、残り10年や20年程度になると、利用できる期間が限られるため需要が大きく低下します。

また、金融機関の住宅ローン審査でも残存期間が重視されるため、契約満了が近い物件は融資を受けられないことも珍しくありません。

一時使用目的の借地権は売却の対象になりにくい

一時使用目的の借地権とは、工事現場の仮設事務所やイベント施設など、一時的な利用を目的として設定される借地権です。

借地借家法では、臨時設備などの一時使用を目的とする場合には、普通借地権や定期借地権に関する規定を適用しないこととされています。
(参考:e-Gov 法令検索「借地借家法」)

契約期間一時使用の目的に応じた短期間
契約更新原則なし
契約終了後利用目的の終了に合わせて土地を返還
売却のしやすさ極めて低い

一時使用目的では、短期間の利用を前提としているため、第三者が購入して長期間利用することは想定されていません。

そのため、不動産市場で売買の対象となるケースは少なく、売却が難しい借地権といえます。

 

借地権付き建物を売却する4つの方法

借地権付き建物を売却する4つの方法

借地権付き建物は、通常の不動産のように自由に売却できるわけではありません。主な売却方法をまとめると、以下のとおりです。

売却方法メリットデメリット向いている人
地主に買い取ってもらう地主の承諾が不要で、比較的スムーズに売却しやすい買取価格が相場より低くなることがある早く手放したい人、地主との関係が良好な人
第三者へ売却する市場価格に近い金額で売れる可能性がある地主の承諾や譲渡承諾料が必要になることが多いできるだけ高く売却したい人
底地を買い取って所有権化して売却する所有権物件として高値で売却できる可能性がある底地の購入資金が必要で、地主の協力も欠かせない資金に余裕があり、高値売却を目指したい人
借地権専門の買取業者へ売却する短期間で現金化しやすく、地主との交渉をサポートしてもらえる場合がある買取価格は仲介より低くなる傾向があるできるだけ早く確実に売却したい人

次項より、詳しく解説します。

方法①:地主に買い取ってもらう

地主にとっては、借地権が消滅することで土地を自由に利用できるようになるため、条件次第では買い取りに応じてもらえる可能性があります。

地主へ売却する場合のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット
  • 買主を探す手間が少ない
  • 譲渡承諾の問題が生じにくい
  • 比較的短期間で売却しやすい
デメリット
  • 地主が買い取りに応じない場合がある
  • 価格交渉で不利になることがある
  • 市場価格より低くなることがある
向いている人
  • 地主との関係が良好な人手続きを簡単に済ませたい人
  • 早めに借地権付き建物を手放したい人

まずは地主の意向を確認し、交渉の余地があるかを探ることが大切です。

方法②:第三者に買い取ってもらう

借地権付き建物を第三者へ売却する方法は、最も一般的な売却方法でしょう。特徴は、以下のとおりです。

メリット
  • 市場価格に近い金額で売却できる可能性がある
  • 地主が買い取らない場合でも売却できる
  • 複数の購入希望者を比較できる
デメリット
  • 買主が見つかるまで時間がかかることがある
  • 地主の譲渡承諾が必要になることが多い
  • 仲介手数料が発生する
向いている人
  • できるだけ高く売却したい人
  • 売却期間に余裕がある人

ただし、借地権付き建物は権利関係が複雑であるため、通常の不動産よりも買主が見つかりにくいのが実情です。

なお、借地契約の内容によっては、地主の承諾が得られなければ売却を進められない場合があります。

方法③:底地権を買い取って売却する

地主が所有する底地権を買い取り、土地と建物を一体の所有権不動産にしてから売却する方法もあります。

メリット・デメリットをまとめると、以下のとおりです。

メリット
  • 所有権不動産として高値で売却しやすい
  • 住宅ローンを利用できる買主が増える
  • 権利関係がシンプルになる
デメリット
  • 底地の購入資金が必要地主が売却に応じない場合がある
  • 手続きに時間がかかることがある
向いている人
  • まとまった資金を用意できる人
  • 地主との関係が良好な人高値売却を優先したい人

この場合、底地の価格は高額になるケースが多く、まとまった資金を用意しなければなりません。また、地主に売却の意思がなければ実現できない方法でもあります。

方法④:借地権専門の買取業者に売却する

借地権付き建物の買取実績

「地主が買い取ってくれない」「第三者への売却が進まない」という場合は、借地権を専門に扱う買取業者へ売却する方法があります。

専門業者は、地主との交渉や権利関係の整理を前提に物件を購入するため、一般の不動産会社では取り扱いが難しい借地権付き建物でも対応可能です。

メリット
  • 短期間で現金化しやすい
  • 地主との関係が悪くても相談できる
  • 老朽化した建物でも対応できる場合がある
デメリット
  • 市場価格より安くなることが多い
  • 業者によって査定額に差がある
  • 買取価格の交渉余地が小さいことがある
向いている人
  • すぐに売却したい人
  • 地主との交渉に不安がある人他社で断られた人

訳あり物件の買取専門サービスであるワケガイでは、借地権付戸建の買取実績もあります。借地権があるためどの業者も買い取ってくれないとお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

借地権付戸建の買取実績はこちら

 

借地権付き建物売却における手取額

借地権付き建物売却における手取り額

借地権付き建物の売却では「想定していたより手元に残る金額が少なくなった」とならないよう、以下の2点を知り、売却前におおまかな金額を把握しておくことも大切です。

  • 借地権割合と借地権価格の計算方法
  • 承諾料・名義書換料など売却時にかかる費用

借地権価格の計算方法と、売却時に発生する主な費用について解説します。

借地権割合と借地権価格の計算方法

借地権割合とは、その土地を利用する権利が土地価格の何%に相当するかを示す割合で、国税庁が地域ごとに定めています。
(参考:国税庁「No.4611 借地権の評価」)

借地権の価格は、「土地の価格 × 借地権割合」で計算します。例えば、以下の計算例で考えてみましょう。

項目金額・割合
土地の時価3,000万円
借地権割合70%
借地権価格2,100万円(計算式:3,000万円×70%)
底地価格900万円(計算式:3,000万円×30%)

この場合、土地全体の価値3,000万円のうち、借地人が持つ「土地を利用する権利」が2,100万円、地主が持つ「底地の権利」が900万円という考え方になります。

なお、以下のような事情によって価格は変動します。

  • 借地契約の残存期間
  • 地代の金額
  • 地主の譲渡承諾の有無
  • 建物の老朽化の程度
  • 地域の需要

借地権割合はあくまで価格を考える際の目安の一つと考えましょう。

承諾料・名義書換料など売却時にかかる費用

借地権付き建物を売却する際は、通常の不動産売却にはない費用が発生することがあります。

主な費用は以下のとおりです。

費用項目目安支払い先内容
譲渡承諾料(名義書換料)借地権価格の10%前後地主借地権の譲渡承諾を得るための費用
仲介手数料売却価格×3%+6万円+消費税(上限)仲介会社買主探しや契約手続きに対する報酬
印紙税1,000円~数万円程度売買契約書に貼付する印紙代
登記費用数万円程度法務局・司法書士抵当権抹消などの登記手続きで発生する費用

売却後の手取り額を正確に把握するためには、売却価格だけでなく、こうした費用も含めて事前にシミュレーションしておくことが大切です。

 

借地権付き建物を売却する際の注意点

借地権付き建物を売却する際には、以下のポイントにも注意しましょう。借地権の種類と契約内容を確認する

  • 地主の譲渡承諾を事前に得る
  • 借地人に認められる権利の範囲を整理する
  • 建物時価と借地権価格のバランスを取る
  • 売却に必要な書類を揃える
  • 契約不適合責任のリスクに備える

ここからは、上記について個別に解説します。

借地権の種類と契約内容を確認する

借地権の種類によって、売却方法や必要な手続きは変わってきます。例えば、普通借地権と定期借地権では契約更新の有無が異なるといった形です。

売却前には、少なくとも以下の項目を確認しておきましょう。

確認項目確認する理由
借地権の種類売却方法や価格に影響するため
契約期間と残存期間買主が見つかりやすさに影響するため
契約更新の有無長期利用の可否を判断するため
地代の改定条件将来の費用負担を把握するため
建替えに関する条項建物の利用価値に影響するため
譲渡承諾の条件売却手続きを円滑に進めるため

古い借地契約では「契約書を紛失している」「契約内容が曖昧になっている」こともあります。

まずは借地契約書や登記事項証明書を確認し、自分の借地権がどのような内容になっているのかを把握しましょう。

地主の譲渡承諾を事前に得る

借地権付き建物を第三者へ売却する場合、契約内容によっては地主の譲渡承諾が必要です。

買主が決まってから承諾を求めると、交渉が長引いて契約が破談になることもあるため、売却を検討し始めた段階で地主へ相談しておきしょう。

事前に確認しておきたい事項は、以下のとおりです。

  • 借地契約上、地主の譲渡承諾が必要か
  • 譲渡承諾料が発生するか
  • 承諾料はいくら程度を求められるか
  • 地主が売却に協力的か

承諾を得るまでにどのくらい時間がかかるかまた、地主によっては、そもそも借地権の売却に前向きではないこともあるでしょう。できるだけ早い段階で相談し、協力を得られる環境を整えておくことが大切です。

借地人に認められる権利の範囲を整理する

借地契約の内容によっては、建物の建替えや借地権の譲渡に制限が設けられている場合があります。

これらを把握しないまま売却を進めると、契約後のトラブルにつながることもあります。確認したい項目は以下のとおりです。

確認項目確認する理由
建物の増改築・建替えの可否建物の利用価値に影響するため
借地権の譲渡・転貸の可否売却手続きに制限が生じるため
地代の支払い条件将来的な負担を把握するため
契約期間満了時の建物の取り扱い更地返還義務の有無を確認するため

例えば、建替えが自由にできない借地権や、契約終了時に建物を解体して返還しなければならない借地権は、買主にとって大きな負担になります。

売却活動を始める前に借地契約書を確認し、権利の範囲を整理しておく必要があります。

建物時価と借地権価格のバランスを取る

借地権付き建物の売却価格は、建物の価値だけで決まるわけではなく、以下の要素によって左右されます。

価格要素主な判断材料
建物の時価築年数、構造、設備、修繕状況など
借地権価格借地権割合、残存期間、地代など
権利関係地主との関係、譲渡承諾の取得状況など

例えば、築40年の建物では建物自体の価値がほとんど残っていない一方、立地が良く借地権割合が高い場合は、借地権の価値が価格の大部分を占めることがあります。

相場とかけ離れた価格設定をすると、売却が長期化する原因になりますので、借地権の取扱実績が豊富な不動産会社へ査定を依頼することをおすすめします。

売却に必要な書類を揃える

借地権付き建物の売却時、必要書類が不足していると、買主や金融機関の確認作業に時間がかかり、売却手続きが長引くことがあります。

主な必要書類は以下のものが挙げられます。

書類名用途取得方法
建物の登記事項証明書所有者や権利関係の確認法務局または登記情報提供サービスで取得
借地契約書契約内容や残存期間の確認手元の契約書を確認。紛失時は地主へ相談
固定資産税納税通知書税額や物件情報の確認毎年自治体から送付。紛失時は市区町村へ相談
建物の図面・設備資料建物状況の確認購入時資料や建築会社の資料を確認
地主の譲渡承諾書譲渡承諾が必要な場合地主と協議して作成
譲渡承諾料の領収書承諾料支払いの証明地主へ支払い後に発行してもらう

古い借地権では、契約書を紛失していることもあります。その場合は、地主や不動産会社へ相談し、契約内容を確認しながら手続きを進めましょう。

契約不適合責任のリスクに備える

契約不適合責任とは、売却後に契約内容と異なる欠陥が見つかった場合に、売主が一定の責任を負う制度をいいます。

特に、以下のようなケースではトラブルになりやすい傾向があります。

<契約不適合責任に問われやすいケース>

  • 雨漏りやシロアリ被害など、建物に不具合があった
  • 借地契約の期間や地代が、事前に説明した内容と異なっていた
  • 境界や越境など、権利関係に問題があった
  • 建替えや譲渡に制限があることを、買主へ十分に説明していなかった

売却後のトラブルを防ぐためには、建物や借地契約の状況を正確に把握し、買主へ事前に説明しておかなければなりません。

築年数が古い借地権付き建物では、十分に把握できないこともあるため、その場合は契約書に免責条項を設けましょう。

 

地主の承諾が得られない場合の対処法

地主の承諾が得られない場合の4つの対処法

借地権付き建物を売却際に、地主の承諾がとれないなら、以下の対処をしましょう。

対処法概要向いているケース
借地非訟手続き裁判所に地主の承諾に代わる許可を求める地主が正当な理由なく承諾しない場合
建物のみの売却借地契約の解消を前提に建物を処分する借地権自体を手放したい場合
任意売却金融機関の同意を得て売却する住宅ローンの返済が困難な場合
専門家への依頼交渉を第三者へ委ねる地主との関係が悪化している場合

状況によっては複数の選択肢があるため、まずは自身の状況に合った対処法を把握することが大切です。

次項より、それぞれの対処法を解説します。

借地非訟手続きで裁判所に許可を求める

借地非訟とは、借地権に関するトラブルを解決するための非訟事件手続で、裁判所が地主の承諾に代わる許可を出す制度です。
(参考:裁判所「第1 借地非訟とは」)

主な特徴は以下のとおりです。

利用できるケース地主が合理的な理由なく承諾を拒否している場合
申立先借地の所在地を管轄する地方裁判所
必要期間数か月~1年程度が目安
費用申立費用・弁護士費用などが発生

借地非訟によって売却できる可能性はありますが、手続きには時間と費用がかかります。

また、地主との関係がさらに悪化することもあるため、交渉による解決が難しい場合の最終手段として検討するのが一般的です。

建物のみの売却を試みる

地主の承諾が得られず売却できないときは、建物の処分を含めて借地契約の終了を検討することになります。

そうなった場合は、以下の点を確認しておきましょう。

確認事項重要な理由確認方法
借地契約を終了できるか手続きを進められない場合があるため借地契約書の終了条項を確認する
建物を地主へ譲渡できるか処分方法が大きく変わるため地主へ買取・引き取りの意向を確認する
解体費用の負担者手取り額に影響するため契約書の更地返還条項を確認し、必要に応じて地主と協議する
清算金の有無受け取れる金額が変わるため借地権価格や建物評価をもとに、不動産会社や弁護士へ相談する

特に、更地返還が契約条件になっている場合は、解体費用によって手取り額が大きく変わることがあります。

建物の処分方法は借地契約の内容や地主の意向によって異なるため、自己判断で進めず、不動産会社や弁護士へ相談しながら進めることをおすすめします。

任意売却を検討する

任意売却とは、金融機関の同意を得たうえで不動産を売却し、売却代金をローン返済に充てる方法をいいます。

借地権付き建物は競売になると価格が大きく下がる傾向があるため、競売を避ける目的で任意売却が利用されることもあります。

<任意売却のメリット>

  • 競売より高値で売却できる可能性がある
  • 売却時期や条件を調整しやすい

周囲に事情を知られにくいただし、任意売却であっても地主の譲渡承諾が必要になるケースがあるため、金融機関・地主・不動産会社の三者で調整を進めることになります。

地主との交渉を専門家に依頼する

地主との関係が悪化していて、自分で交渉することに不安がある場合は、専門家へ依頼することも有効です。

借地権を取り扱う不動産会社や弁護士であれば、過去の事例を踏まえて交渉を進めてもらえます。

専門家へ依頼するメリットは以下のとおりです。

<交渉代行を依頼するメリット>

  • 感情的な対立を避けやすい
  • 適正な承諾料を判断できる
  • 法的手続きを検討できる
  • 売却まで一貫してサポートを受けられる

特に、借地権のトラブルは法律と不動産実務の両方の知識が必要になるため、当事者同士だけで解決しようとすると長期化することがあります。

 

借地権付き建物を少しでも高く売るコツ

借地権付き建物を少しでも高く売却したい場合は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 建物の状態を整える
  • 借地権のメリットを整理する
  • 複数の不動産会社へ査定を依頼する

売却時期を見極める所有権の不動産よりも買主が限られるため、何も準備せずに売却すると相場より安くなってしまうことがあります。以下より、個別に解説します。。

建物のリフォームで価値を高める

借地権付き建物でも、建物の状態が良ければ買主が見つかりやすくなり、売却価格の改善に繋がります。

以下のように、比較的少ない費用で印象を改善できるリフォームは、売却前に検討する価値があります。

リフォーム内容期待できる効果費用目安
壁紙や床の張り替え室内の印象が良くなり、内覧時の評価が上がりやすい5万〜30万円程度
水回り設備の交換・補修購入後の修繕負担への不安を軽減できる30万〜150万円程度
外壁や屋根の部分補修建物の老朽化した印象を和らげられる20万〜100万円程度
給湯器や設備の交換「すぐ住める家」として訴求しやすい15万〜50万円程度

ただし、大規模なリフォームを行えば高く売れるとは限りません。

まずは借地権に詳しい不動産会社へ相談し、必要な範囲だけ手を入れることをおすすめします。

立地など借地権の強みをアピールする

借地権付き建物を売却する際は、建物だけでなく、借地権そのもののメリットを買主へ伝えることも大切です。

以下のような条件は買主にとってプラス材料になります。

買主に伝える情報買主にとってのメリット
駅から近い立地資産価値や利便性が高い
借地権の残存期間が長い長期間利用できる
地代が周辺相場より低い維持費を抑えられる
更新可能な借地権である将来的な利用の安心感がある
建替えが認められている自由度が高い

普通借地権や旧借地権は、契約更新が見込めるため、定期借地権よりも需要が高い傾向があります。

売却時には、「なぜこの物件に価値があるのか」を具体的に整理し、買主へ分かりやすく伝えることが高値売却に繋がるでしょう。

複数の不動産会社に査定を依頼する

借地権付き建物は、不動産会社によって借地権の評価方法や地主との交渉ノウハウが異なるため、同じ物件でも査定額に数百万円の差が出ることもあります。

比較したいポイントは以下のとおりです。

比較項目確認ポイント
査定額相場とかけ離れていないか
借地権の取扱実績売却事例が豊富か
地主との交渉経験承諾取得のサポートがあるか
販売戦略どのような買主を想定しているか
費用仲介手数料や諸費用

1社だけで売却を決めてしまうと、本来より安い価格で手放してしまう可能性があります。

まずは複数の不動産会社へ相談し、査定額だけでなく、借地権の取扱実績や提案内容も含めて比較しましょう。

売却タイミングを契約更新前後で見極める

借地権付き建物は、売却するタイミングによって価格が変わることがあります。特に変動しやすいのは、以下のタイミングです。

売却タイミング特徴注意点
更新直後利用期間が長く、買主が見つかりやすい更新料を支払った直後は手取り額も確認する
契約満了が近い時期価格が下がりやすい住宅ローン審査で不利になりやすい
残存期間が十分にある時期比較的有利に売却しやすい早めに売却準備を進めると選択肢が広がる

借地権付き建物の売却を検討している場合は、契約期間の残りや更新時期も踏まえ、早めに売却の準備を進めましょう。

 

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当社が提供するワケガイは、借地権付き建物をはじめ、通常の不動産市場では売却しにくい物件の買取に対応しています。

借地権付き建物は、一般的な不動産会社では取り扱いが難しいのが実情です。ワケガイでは、こうした権利関係を踏まえて査定を行い、売却方法をご提案します。

「地主との交渉が進まない」「建物が古く買主が見つからない」「他社で断られた」といった借地権付き建物でも、状況に応じて買取いたします。

借地権付き建物の売却でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 

FAQ:借地権付き建物に関するよくある質問

最後に、借地権付き建物の売却に関するよくある質問をQ&A形式で整理しました。ぜひ参考にしてください。

借地権の付いた建物は自由に売買できるのか?

自由に売買できるとは限りません。借地契約によっては、第三者へ売却する際に地主の譲渡承諾が必要になります。まずは借地契約書を確認し、譲渡に関する条件を確認しましょう。

借地権付き建物を売るメリットはあるか?

地代や固定資産税などの維持費の負担から解放されることです。

利用予定のない建物を放置すると老朽化が進み、さらに売却しにくくなるため、早めに現金化できる点もメリットといえます。

建物を解体して更地に戻す必要はあるか?

借地権の種類や契約内容によって異なります。

定期借地権では、更地で返還することが原則です。一方、普通借地権や旧借地権では、更新や地主との合意によって利用を継続できることもあります。

借地権付き建物の固定資産税は誰が払うのか?

土地の固定資産税は地主、建物の固定資産税は建物所有者が負担するのが原則です。そのため、借地人は地代に加えて、建物にかかる固定資産税を支払うことになります。

借地権付き建物は相続できるのか?

相続できます。借地権も財産権の一つであるため、建物とともに相続の対象になります。なお、相続による取得であれば、原則として地主の承諾は必要ありません。

 

まとめ:借地権に詳しい不動産会社に早めに相談しよう

借地権付き建物は、土地と建物の所有者が異なるため、一般的な所有権物件より売却のハードルが高くなります。

地主の譲渡承諾、承諾料、住宅ローンの通りにくさ、地代や更新料の負担などが、買主の不安につながるためです。

借地権付き建物を売却するなら、契約内容と手取り額を整理したうえで、借地権に詳しい不動産会社へ早めに相談しましょう。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

坂本 孝文 (司法書士)

昭和55年7月6日静岡県浜松市生まれ。大学から上京し、法政大学の法学部へ進学。
平成18年に司法書士試験に合格。その後、司法書士事務所(法人)に入り債務整理業務を中心に取り扱う。
平成29年に司法書士法人さくら事務所を立ち上げ、相続手続や不動産登記、債務整理業務を手がける。

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