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不動産の差押えは、住宅ローンや税金の滞納、個人的な借金などが原因で発生することはご存知でしょう。
しかし、実際に差押えを受けるとどうなるのか。あるいは、差押え後の流れや対処法については、よくわからないという方が多いのではないでしょうか。
特に、差押えを受けた不動産を任意売却する方法や、そのメリットについては、あまり知られていない重要な情報です。差押えによって不動産を失うリスクを回避し、できるだけ有利な条件で問題を解決するためには、任意売却の仕組みを理解しておくことが大切。
そこで本記事では、不動産の差押えが発生するケースとその後の流れに加え、差押え不動産を任意売却するための方法と注意点について、詳しく解説します。
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編集ポリシー・コンテンツ制作方針の詳細不動産の差押えが発生する3つのケース

不動産が差し押さえられる主な原因と、それぞれ異なる手続きの流れを整理した図です。
そもそも不動産の差押えは、以下のようなケースで発生します。
- ローンの滞納
- 税金などの滞納
- 個人から借りた借金の滞納
それぞれ詳しく解説します。
ローンの滞納
住宅ローンや不動産投資ローンを利用して購入した不動産には、金融機関が抵当権を設定していることがあります。
抵当権は、返済が行われなくなった場合に、担保となっている不動産の売却代金から優先的に弁済を受けるための権利です。
ローンを滞納しただけで、直ちに不動産が差し押さえられるわけではありません。返済が続かず、金融機関などの抵当権者が担保不動産競売を申し立て、裁判所が競売開始決定をすると、不動産の差押えが宣言されて差押登記が行われます。
競売手続きが進むほど任意売却に使える時間は限られていきます。住宅ローンの返済を続けることが難しいと感じた段階で、金融機関や不動産会社へ売却方法を相談しておくことが重要です。
税金などの滞納
所得税や固定資産税などを滞納した場合も、不動産が差し押さえられることがあります。
税金の滞納による差押えは、民間の債権者が裁判所へ強制競売を申し立てる場合とは異なり、国や自治体による滞納処分として進められます。
国税の場合、督促を受け、督促状の発付日から起算して10日を経過した日までに完納しないことが、差押えの要件の一つです。差押え後も滞納が解消されなければ、公売などによって財産が換価され、売却代金が滞納税の支払いに充てられます。
そのため、税金を滞納している段階で売却を考えている場合は、差押えや公売に進む前から所管の税務署や自治体と納付方法を相談しておくことが大切です。
個人から借りた借金の滞納
個人から借りたお金を返済できなくなった場合も、一定の手続きを経て不動産が差し押さえられる可能性があります。
ただし、貸主が返済を催告し、一定期間が経過しただけで不動産を差し押さえられるわけではありません。一般的な強制競売では、判決や和解調書、支払督促、公正証書など、強制執行の根拠となる債務名義を用意したうえで、地方裁判所へ申し立てる必要があります。
一方、貸主が不動産に抵当権などの担保権を持っている場合は、担保権の実行として競売を申し立てる方法があります。個人間の借金と税金の滞納では差押えまでの法的手続きが異なるため、国税徴収法第47条の差押要件をそのまま個人間の借金へ当てはめることはできません。
不動産の差押えを受けるとどうなる?
前述したように、不動産が差し押さえられるシナリオはいくつか存在します。
住宅ローンや税金の滞納、あるいは個人間の借金などが原因となって、債権者が法的手段に訴えた結果、不動産の差し押さえに至るのです。
では、実際に不動産が差し押さえられた場合、具体的にどのような事態が生じるのでしょうか。まずは、差し押さえの基本的な流れと影響について、詳しく見ていきましょう。
まずは「差押え登記」される

差押え登記後も所有権は直ちに失われませんが、安全に売却するには差押解除などの調整が必要です。
裁判所が不動産競売の開始決定をすると、不動産を差し押さえる旨が宣言され、法務局へ差押登記が嘱託されます。
差押えによって所有権が直ちに失われるわけではありません。
差押登記が残った状態でも、売買契約や所有権移転登記そのものが常に不可能になるわけではありません。ただし、差押えの効力を無視して買主が安全に取得できるわけではなく、その後に競売や公売が進めば、買主が取得した権利を維持できないおそれがあります。税の滞納処分でも、差押登記が残ったまま第三者へ所有権移転登記がされる場合が想定されています。
そのため、通常の売買取引として成立させるには、決済までに差押えの解除や競売申立ての取下げ、抵当権の抹消などに必要な条件を関係者と調整しておくのが基本です。
競売で買受人へ所有権が移るのは、原則として買受代金が納付された時点です。競売に要する期間は事件や裁判所によって異なるため、「差押えから10カ月以上」と一律の期間を前提に退去計画を立てるのは避けたほうがよいでしょう。
関連記事:自宅の差押えの解除方法とは?手順や期限について解説
差押え後は競売・公売にかけられる
債権者は、差し押さえた不動産を競売あるいは公売にかけることで、滞納された債務の回収を図ります。
売却によって得られた金銭を、未払いの債権の弁済に充てるわけです。
ただし、競売や公売にかけられた不動産が、必ずしも債務の全額をカバーできる価格で売却されるとは限りません。物件の状態や市場の需給状況によっては、債務の一部しか回収できないケースも少なくないのです。
差押えられた不動産は任意売却なら売却可能!

任意売却とは、債権者から承諾を得て売却する方法です。任意売却にはメリットがあり、差し押さえられた後でも、活用できる場合もあります。
差押えを受けた不動産でも、関係する債権者と差押えの解除や競売申立ての取下げ、抵当権の抹消などについて条件を整えられれば、任意売却できる可能性があります。
住宅ローンの残高が売却価格を上回る場合は、売却代金だけではローンを完済できないため、金融機関から抵当権抹消の同意を得なければなりません。住宅金融支援機構でも、売出価格の確認や抵当権抹消の審査を経てから売買契約へ進む手順が示されています。
税金の滞納による差押えがある場合は、金融機関だけでなく、税務署や自治体など差押えを行った機関との調整も必要です。差押えを残したまま買主へ引き渡すのではなく、決済と差押解除・抵当権抹消・所有権移転を連動させられる状態を整えてから売却を進めます。
差押えられた不動産を任意売却するメリット
差押えられた不動産を任意売却するメリットは、以下のとおりです。
- キャッシュを多めに残せる
- 引っ越し費用をもらえる
- 周りに知られにくい
次項より、詳しく解説します。
キャッシュを多めに残せる
任意売却のメリットは、必ず売主の手元に現金が残ることではなく、競売より高い価格で売却できれば、債務の返済へ回せる金額を増やしやすい点にあります。
通常の不動産取引として売買する任意売却では、一般的に競売より高値での売却が期待でき、残債務の圧縮につながります。
売却代金は必要経費や債権者への返済に充てられるため、オーバーローンの状態では売主の手元に現金が残らないケースもあります。任意売却では、「いくら現金を受け取れるか」ではなく、「売却後にどの程度の債務が残るか」を確認することが重要です。
引っ越し費用をもらえる
任意売却では、債権者との交渉によって、売却代金の一部から引っ越し費用を確保できる場合があります。
実務上の目安として10万円〜30万円程度とされる例がありますが、金額や可否は債権者や取引条件によって異なります。
そのため、「任意売却をすれば金融機関から10万円〜30万円を必ず受け取れる」という制度ではありません。引っ越し費用を見込む場合は、売却代金の配分案を作る段階で、債権者がどこまで認めるかを確認しておく必要があります。
周りに知られにくい
任意売却のもう1つの利点は、競売や公売と比べて、周囲の人々に不動産の売却を知られるリスクが低いという点です。
競売に付された不動産については、裁判所のWebサイトや裁判所内の掲示板に、物件の詳細情報が公開されます。同様に、公売の場合も、国税庁や自治体のWebサイトなどで、公売物件の詳細情報が公示されるのが一般的です。これらの情報は、誰でも自由に閲覧することができます。
つまり、競売や公売によって不動産が売却されると、債務者の経済的困窮状態が周囲の人々に知られてしまう可能性が高くなるのです。親戚や知人、あるいは近隣住民などに、自分の不動産が競売や公売に付されたことを知られるのは、債務者にとって精神的な負担となるでしょう。
一方、任意売却は、債務者と金融機関の間で交渉と手続きが進められるため、外部に情報が漏れるリスクは比較的低いと言えます。不動産の売却に関する詳細な情報が公になることはありませんし、物件の内覧も債務者の意向を踏まえて設定できます。
【ケース別】差押えを受けた不動産を任意売却する難易度
ここからは、ケース別に差押えられた不動産を任意売却することの難易度について解説します。
ケース①:債権者が金融機関
債権者が金融機関の場合は、任意売却について相談できる余地があります。
ただし、金融機関へ申し出れば必ず承諾されるわけではありません。
金融機関は、査定価格や売出価格、売却に必要な費用、他の債権者への配分、任意売却によって回収できる金額などを確認したうえで、抵当権の抹消に応じるかを判断します。
住宅金融支援機構の任意売却でも、価格査定、売出価格の確認、購入希望者が現れた後の抵当権抹消審査を経て売買契約へ進む流れとなっています。
そのため、競売手続きが進んでから相談を始めるよりも、返済継続が難しいと分かった段階から金融機関と調整を始めるほうが、売却に使える時間を確保しやすくなります。
ケース②:債権者が公的機関
税金の滞納によって国や自治体から不動産を差し押さえられている場合でも、「公的機関だから任意売却はほとんど認められない」と一律に判断することはできません。
国税では、差押えに係る国税が納付などによって消滅した場合には差押えを解除する制度があり、一定の条件では差押えを解除できる場合も定められています。また、納税の猶予を受けた場合に、申請によって差押解除が認められる制度もあります。
任意売却を行う場合は、売却価格や滞納額、他の担保権との優先関係、売却代金から納付できる金額などを示し、差押えを行った税務署や自治体と解除条件を調整することになります。対応は個別事情によって異なるため、差押え後は早い段階で所管機関へ相談することが重要です。
ケース③:債権者が個人
差し押さえを行った債権者が一般の個人である場合、任意売却の難易度は債権者の考え方や債務者との関係性によって大きく変わります。
個人間の金銭トラブルに起因する差し押さえでは、債権者が任意売却に関する十分な知識を持っていないことも少なくありません。任意売却のメリットを理解していなかったり、不動産売買の手続きに不慣れだったりするため、債務者からの任意売却の申し入れを拒絶してしまう可能性があります。
差押えられた不動産を任意売却する際の流れ
差押えられた不動産を任意売却する際の流れは、以下のとおりです。
- Step1.不動産会社への査定依頼
- Step2.債権者への確認
- Step3.売買契約の締結
- Step4.決済・引き渡し
それぞれ詳しく解説します。
Step1.不動産会社への査定依頼
金銭債務の返済が滞りそうな兆候が見えてきたら、早めに任意売却に精通した不動産買取業者に相談するのが賢明です。
すでに滞納状態に陥っていたり、差押通知を受け取った後でも、不動産買取業者に相談することは可能ですが、できる限り早い段階で専門家に相談するのが望ましいと言えるでしょう。
早期に行動を起こせば、金融機関との交渉スケジュールにも余裕を持って臨むことができます。任意売却の実現に向けて、十分な時間的猶予を確保できるからです。
任意売却の相談をした際は、まず不動産買取業者に物件の査定を依頼し、査定書を作成してもらいましょう。
Step2.債権者への確認
査定額の目安が分かったら、抵当権者や差押債権者など、売却に関係する債権者を確認します。
住宅ローンが残っている場合は、売却価格や返済へ充てる金額を示し、金融機関から抵当権抹消の承諾を得る必要があります。税金による差押えがある場合は、税務署や自治体とも差押解除の条件を別途調整しなければなりません。
債権者が複数いる場合は、売却代金から各債権者へいくら配分するのかを整理し、決済日に抵当権の抹消や差押えの解除、所有権移転を連動して行える状態を整えます。
任意売却では、購入希望者が見つかった後になって条件がまとまらないと取引を完了できません。住宅金融支援機構でも、抵当権抹消の承諾後に売買契約を締結する流れとなっているため、契約前から関係者との調整を進めることが重要です。
Step3.売買契約の締結
不動産買取業者が物件を購入する場合、不動産業者と所有者(債務者)の間で正式な売買契約を締結する必要があります。
任意売却ならではの特殊な事情がある場合は、売買契約書の特約事項欄にそれらを明記しておくことが重要です。例えば、売主が動産を物件内に残置したまま売買するといった内容は、特約事項に記載しておくべきでしょう。
Step4.決済・引き渡し
売買契約の締結後、いよいよ物件の決済と引き渡しを行う段階となります。
決済当日には、所有者(債務者であり売主)、買主、債権者、不動産仲介業者など、関係者全員が一堂に会します。そして、手付金を除く残金の支払いと、物件の引き渡しが行われます。
訳あり不動産の悩みを解決する「ワケガイ」の相談サービス
本ブログで情報発信を行っている「ワケガイ」は、訳あり物件を積極的に買い取っている専門業者です。
ワケガイは、共有持分や再建築不可の土地、空き家やゴミ屋敷、事故物件など、通常の不動産市場では売却が難しい「訳あり不動産」に特化した買取サービスを提供しています。
全国47都道府県の物件に対応しており、これまでにさまざまな訳あり不動産の買取実績を積み重ねてきました。
ワケガイでは、不動産の状況を丁寧に調査し、適切な買取価格をご提案。最短即日の現金一括払いで、売却に伴う面倒な手続きもサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
差し押さえ物件の売却についてよくある質問
差し押さえ物件の売却についてよくある質問は、以下のとおりです。
- 差し押さえ前に滞納があっても売却は可能ですか?
- 差し押さえられた土地は売買・所有権移転できますか?
- 差押えを解除するにはどうすればよいですか?
それでは、それぞれの質問とその回答を紹介します。
差し押さえ前に滞納があっても売却は可能ですか?
差押登記がされる前であれば、滞納があるだけで不動産の売却が禁止されるわけではありません。ただし、住宅ローンの抵当権が残っている場合は、通常の売却と同様に決済時の完済や抵当権抹消が必要です。また、滞納を放置して取引途中に差押登記が入ると、そのままでは決済できなくなるおそれがあります。売却を検討している場合は、差押えに進む前から金融機関や税務署・自治体と支払い方法や売却予定を相談し、売却代金から精算できる状態を整えておくことが重要です。
差し押さえられた土地は売買・所有権移転できますか?
差押登記がある不動産でも、売買契約や所有権移転登記そのものが直ちに無効になるわけではありません。ただし、差押えを残したまま所有権を移しても、差押えによる競売や公売の手続きを止められるわけではありません。買主が取得した後に換価手続きが進み、所有権を失うリスクが残ります。税の滞納処分でも、差押登記が残ったまま第三者へ所有権移転登記が行われるケースが制度上想定されています。実際の売却では、決済日までに差押解除や競売申立ての取下げ、抵当権抹消などの条件を整え、所有権移転と連動して処理するのが基本です。
差押えを解除するにはどうすればよいですか?
解除方法は、差押えの原因によって異なります。裁判所による強制競売や担保不動産競売では、債務の弁済や債権者との合意を行い、競売申立ての取下げなどを調整します。税金の滞納処分では、滞納税を納付して差押えの原因を解消する方法のほか、一定の条件を満たせば納税の猶予に伴う差押解除を申請できる場合があります。任意売却では、売却代金から債権者へ配分する金額を事前に調整し、決済と同時に差押解除や抵当権抹消を実行できる状態を整えることが重要です。
まとめ
差押えを受けた不動産でも、債権者や差押えを行った機関と解除条件を調整できれば、任意売却によって競売・公売を回避できる可能性があります。
重要なのは、差押えを受けた時点で売却を諦めるのではなく、抵当権や差押えの内容、債権者、滞納額、競売・公売の進行状況を確認することです。
任意売却では関係者との調整に時間がかかるため、競売や公売が進む前から対応を始めるほど、売却方法を検討できる余地を確保しやすくなります。
運営団体 2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。 訳あり不動産の買取サービス「ワケガイ」、空き家、訳あり不動産CtoCプラットフォーム「空き家のURI・KAI」を展開。 経済界(2022年)、日刊ゲンダイ(2022年)、TBSラジオ「BOOST!」(2023年)、夕刊フジ(2023年)などで訳あり不動産について解説している。2024年度ベストベンチャー100選出。 これまでの買取の経験をもとに、訳あり不動産の解説をする著書『拝啓 売りたいのに家が売れません』(代表取締役 丸岡・著)を2024年5月2日に出版。 |












