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不動産が差押えを受けた場合、登記解除は可能?

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不動産が差し押さえられ、登記簿に「差押え登記」がされると、所有者であってもその不動産を自由に売却することができなくなります。

差押え登記がされた後、具体的にどのような影響があるのか。差押え登記を解除するにはどのような方法があるのかについては、あまり知られていないのではないでしょうか。

差押え登記は、放置しておくと不動産の価値を大きく下げてしまう可能性があり、早期の対応が求められます。そこで本記事では、差押え登記がされた場合の影響と、その解除方法について詳しく解説します。

不動産が差押え登記をされた場合どうなる?

所有不動産が差押えを受けた場合には、以下のような状態に陥ります。

  • 自由に売却できなくなる
  • 差押え登記の通知が届く
  • すぐに公売にかけられるわけではない

次項より、個別にみていきましょう。

自由に売却できなくなる

差押登記が付されると、不動産の自由な売却が制限されます。差押えの対象となった物件は、いつ競売や公売に掛けられるか不明な状況に置かれます。

そのような物件を購入する買主は見つかりにくいため、売却を希望するタイミングで差押え登記が存在する場合、まずはその解除が必要不可欠となります。

解除するための方策としては、売却代金の利益配分などを約束し、差押え債権者との和解を図ることです。仮に、税金の滞納が継続し、そのまま差押え解除の手続きを取らずに放置した場合、最悪のケースでは公売という手続きを経て、強制的に売却されてしまう可能性もあります。

公売に至るまでの滞納金額や期間に明確な規定はなく、市区町村や個別案件ごとの判断に委ねられているため、即座に立ち退きを迫られることはないからと言って、対処を怠ることは避けるべきでしょう。

関連記事:不動産の共有者が差押えられたらどうなる?自分への影響と対処法を解説

差押え登記の通知が届く

自宅や所有不動産が差し押さえの対象となった場合、登記事項証明書(登記簿謄本)上に「差押」という記載がなされます。

法務局に保管されている不動産登記受付帳の情報を基に、差押登記された不動産の地番が特定され、登記事項証明書を取得することで所有者が確認できます。これを利用して、任意売却の案内や金融業者からの営業DMが送付されるのです。

すぐに公売にかけられるわけではない

差押えが行われたからといって、直ちに強制的な売却が実施されるわけではありません。ただし、滞納が長期間に渡って継続する場合、役所や国も最終手段として公売という手続きを踏むことになります。

公売に至るまでの滞納期間や金額に関する明確な規定は存在せず、市区町村や国が案件ごとの個別判断に基づいて決定していくことになります。

関連記事:不動産の「差押え」とは?回避する方法はあるのか

金融機関による不動産の差押え登記を解除する方法

金融機関が不動産に差押えを行う主なケースは以下の2つです。

  • 住宅ローンなどの担保付き借入れに基づく、金融機関の「担保権者」としての差押え
  • フリーローンなどの無担保借入れに基づく、金融機関の「一般債権者」としての差押え

「担保権者」としての差押えの場合、金融機関は抵当権等により配当の優先権を持ちます。債務者のローン滞納により、不動産は競売に付され、金融機関は優先的に債権を回収します。

一方、「一般債権者」としての差押えの場合、金融機関は他の債権者と同等の立場となり、債権額に応じた配当を受けることになります。これは、他の債権者が開始した競売手続きに参加する形で行われます。

差押え解除のための要件

金融機関が差押えを解除し、抵当権を抹消するための基本的な条件は、「残債務や遅延損害金等の全額弁済」です。

経済的に安定している人が不動産売却に伴い差押え登記を消去してもらう場合、売却金額が低く抵当権者への返済が不足する分を「債務者の手持ち資金」から補填し、全額返済した上で抵当権を消去してもらいます。

しかし、数カ月間滞納を続けている債務者の場合、売却代金で返済しきれない金額を補うのは現実的ではありません。

物件売却でも完済が難しいことが多いため、差押え解除を実現するには「金融機関との交渉」により、満額以下の金額で差押え取り下げに同意を得るしかありません。

なお、これらは「任意売却」の場合であり、「競売・公売」では当事者間の交渉の余地はなく、手続き内で配当額が決定され、強制的に抹消されます。

差押え解除の流れ

不動産売買を伴う差押え登記の抹消手続きは、不動産会社への相談から始まります。

具体的な流れは以下のとおりです。

  • 債務者が不動産会社に依頼し、査定書を基に金融機関と交渉してもらい、差押え解除の条件を決め、合意を得る。
  • 金融機関に、売買代金決済日に間に合うよう取り下げ書類を作成してもらう。
  • 司法書士は差押え取り下げ書類と他の売買必要書類を確認し、決済当日に決済の許可を出す。
  • 金融機関の担当者は代金決済後、入金を確認し、裁判所に取り下げ書を提出する。
  • 裁判所は書類を確認した上で、法務局に差押え抹消登記を嘱託する。

司法書士は差押え以外の「抵当権抹消登記」と「売買の所有権移転登記」を行いますが、差押え抹消登記は法務局職員が行います。

よって、以下の流れで差押え登記は抹消されます。

  1. 司法書士が申請した「従来の抵当権の抹消、買主への所有権移転」が先に完了する。
  2. その後、法務局によって差押えの登記が抹消される。

債務の弁済以外の解除方法

債務の弁済以外にも、不動産の差押えを解除する方法として、個人再生手続と差押禁止債権の範囲の変更があります。

個人再生手続は、借金の返済が困難な人が、債務の一部を3年間で返済することで、残りの債務が免除される制度です。

住宅ローンは通常対象外ですが、住宅資金特別条項を活用することで、住宅ローンを継続して支払いながら、住宅の差押えを防げます。ただし、住宅ローンの継続支払いが必要で、住宅ローン以外の債務も必要です。

差押禁止債権の範囲の変更は、差押えにより生活に支障が出る場合に、裁判所に申し立てることで、差押えの範囲を縮小する方法です。

差押えが一部または全部取り消されることがありますが、差押え自体は解除されず、根本的な解決にはならないことに注意が必要です。

公的機関による不動産の差押え登記を解除する方法

公的機関による不動産への差押えは主に以下のケースで発生します。

  • 国による国税滞納処分(相続税、贈与税、所得税など)
  • 市町村による地方税滞納処分(固定資産税など)

差押えのタイミングは税の種類やその自治体の方針によって異なるため、「必ず〇カ月滞納すれば差し押さえられる」と断言することはできません。

実際、固定資産税などでは差押えのタイミングが比較的遅いケースも見られます。

しかし、一旦差押えが行われると、それを解除するのは非常に困難です。そのため、滞納の可能性が予見される場合は、事前に対処することが肝要です。

公的機関による差押えを解除するためには、滞納税金の完済が原則となります。ただし、納税者の経済状況によっては、分割納付や納付猶予などの措置を申請することで、差押えを回避または解除できる可能性があります。

個人再生手続きや破産手続きを利用することで、滞納税金の減額や免除を受けられる場合もあります。ただし、これらの手続きには一定の要件があり、専門家の助言を得ながら慎重に検討する必要があります。

公的機関による差押えは、金融機関による差押えとは異なり、当事者間の交渉による解決が難しいため、早期の対応と専門家の助言が重要となります。

差押え解除のための要件

国税や地方税における差押えとその解除は、「国税徴収法」の規定に従って行われます。

国税徴収法では、本来の目的である「滞納の解消」以外の事由も含めて、「解除しなければならない」場合と「解除することができる」場合について、以下のように定めています。

<差押えを解除「しなければならない」場合>

  • 国税の納付等により滞納が解消された場合
  • 無益な差押えがなされている場合

<差押えを全部または一部解除「できる」場合>

  • 超過差押えとなっている場合
  • 適当な財産を提供した場合

なお、差押え解除の基本原則は「税滞納の全額解消」ですが、全額の支払いが完了しなければ絶対に差押えが解除されないわけではありません。実務上は、状況に応じて柔軟な対応が取られることもあります。

差押え解除の流れ

公的機関による差押え解除の基本的な流れは、金融機関の場合と同様に、交渉で条件を決定し、差押え解除の承認を得た上で、決済日までに必要書類を作成してもらうというものです。

ただし、役所の場合、役所の担当者が売買の代金決済当日に、(裁判所ではなく)法務局に差押え取り下げの書類を提出するという点が、民間金融機関との流れの違いとなります。

このように、公的機関による差押え登記の抹消は、司法書士が申請するのではなく、役所の担当者が行うため、司法書士が申請する抵当権抹消や買主への所有権移転よりも、差押えの抹消が遅れることがあります。これは、金融機関の場合と同様の事情によるものです。

差押え解除にかかる日数

差押え解除の手続きは、不動産をはじめとする財産が差し押さえられてから1週間以内に行う必要があります。滞納していた税金等を完納した場合、差押えは数日から1週間程度で解除されます。

ただし、不動産の売却代金を用いて滞納税金を完納する場合は、買主への物件引き渡しと同時に残金の決済と所有権移転登記の手続きを行うため、1か月以上の時間を要するケースも少なくありません。

一方、専門の買取業者に買い取ってもらう場合は、迅速に現金化することができます。

滞納税金の支払いのために早期に不動産を売却したいと考えている方は、専門の買取業者に相談することをおすすめします。

関連記事:自宅の差押えの解除方法とは?手順や期限について解説

差押え解除の通知とは

差押え解除の通知は、口頭ではなく文書で行われます。差押解除通知書により、差押えが解除されたことが書面で通知されます。

滞納額が完納された段階で、差押解除通知書が債務者(事業主および個人)本人に送付されます。まれに、差押えに不正がある場合など、「差押取り消し」となることがあります。この場合、最初から差押処分がなかったものとみなされます。

そのため、差押取り消しの場合、差押えによる時効の中断は完成しません。一方、差押えが取り消されなかった場合、時効は中断し、時効期間が延長されるため、債務はなくならないことになります。

住宅ローンの返済が難しい場合は任意売却を検討しよう

差押えがあり、さらに住宅ローンが残っている場合は、任意売却を検討することをおすすめします。任意売却とは、住宅ローンの残債が不動産価値を上回っているオーバーローンの状態で売却する唯一の方法とされています。

差押えがある状態で債務者の生活が苦しくなり、住宅ローンの支払いまで滞納してしまった場合、債権者は結果的に債務の回収ができなくなります。より高値で売却し、返済できる金額を多くするために、任意売却が認められるのです。

ただし、この場合、住宅ローンの債権者から売却の同意を得る必要があります。オーバーローンの状態では、残債を超える売却益が出ないため、住宅ローン債権者と差押え債権者の合意が必要となり、より難しい売却交渉になります。

このような状況では、任意売却を専門に扱う業者に依頼することで、売却が可能になる可能性があります。

まとめ

不動産が差し押さえられ、登記簿に差押え登記がされると、所有者であっても自由に不動産を売却することができなくなります。差押え登記がされた不動産は、いつ競売や公売にかけられるかわからない状態となり、その価値は大きく下がってしまいます。

差押え登記を解除するには、滞納している債務を完済するか、債権者と交渉して和解するなどの方法があります。

ただし、債務の完済が難しい場合は、任意売却を検討するのも一つの選択肢です。任意売却では、不動産を売却して得た資金で債務の一部または全部を返済し、差押え登記を解除してもらうことができます。差押え登記の解除は、状況に応じて適切な方法を選ぶ必要があり、専門家の助言を得ることをおすすめします。

この記事の監修者

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松本 大介 (司法書士)

得意分野:相続全般、遺言書作成、不動産売却
お客様に「君にまかせてよかった」「君だから依頼したんだよ」そう言っていただけることを目標に、この仕事に誇りを持って取り組んでおり、お客様の立場に寄り添い考えるよう心がけています。

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