「空き家を解体したいが、費用がどのくらいかかるのか分からない」「見積もりが高くて払えない!相場を知りたい!」と悩む方は多くいらっしゃいます。
空き家の解体工事費は、付帯工事や廃材処分なども含めて数十万円から数百万円かかることがあります。
費用相場や安くするコツ、補助金を把握しないまま進めると、想定以上の出費になったり、解体費用が払えず放置し、維持費や固定資産税の負担が続いていきます。空き家の解体費用は、建物の構造や立地条件、依頼方法によって大きく異なるためです。
本記事では空き家不動産の専門家であるワケガイ編集部が、費用相場や内訳、高くなるケース、費用を抑える方法について解説します。
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目次
空き家の解体費用は構造別に坪3〜8万円が相場

空き家の解体費用は、建物の構造によって大きく変わります。 一般的な費用相場は、木造で坪3〜5万円、鉄骨造で坪4〜6万円、RC造で坪6〜8万円前後です。
構造別の相場を整理すると、以下のようになります。
| 構造 | 坪単価の目安 | 30坪の本体工事目安 |
| 木造 | 3〜5万円 | 90万〜150万円 |
| 鉄骨造 | 4〜6万円 | 120万〜180万円 |
| RC造 | 6〜8万円 | 180万〜240万円 |
構造によって差が出る理由は、建物の壊しやすさや、搬出する建材の量・重さが違うからです。 木造は比較的解体しやすい一方で、鉄骨造は切断作業が必要になり、RC造はコンクリートの破砕や鉄筋の分別まで発生するため、費用が上がりやすくなります。
庭木や塀の撤去、残置物の処分、立地条件などによって総額は変わることもよくあります。
木造の解体費用相場

木造住宅の解体費用は、坪3〜5万円前後がひとつの目安です。30坪の一戸建てなら、90万〜150万円程度が本体工事の相場感になります。
| 延床面積 | 坪単価3万円 | 坪単価5万円 |
| 20坪 | 約60万円 | 約100万円 |
| 30坪 | 約90万円 | 約150万円 |
| 40坪 | 約120万円 | 約200万円 |
国税庁の「地域別・構造別の工事費用表」でも、木造住宅は鉄骨造やRC造に比べて工事費の基準額が低く設定されており、建物そのもののコストが比較的抑えられる構造であることが分かります。
解体でも同様に、建材が軽く、施工工程が比較的シンプルなため、構造別では安い部類に入ります。ただし、これは建物本体だけの目安です。庭木やブロック塀の撤去、残置物の処分、前面道路が狭い立地などがあると、総額はさらに上がります。
例えば、残置物の処分だけでも、一軒家(戸建て)全体の場合は、 20万円〜60万円程度費用がかかります。
鉄骨造の解体費用相場

鉄骨造の解体費用は、坪4〜6万円前後が一般的な目安です。30坪程度の建物なら、120万〜180万円程度になるケースが多くなります。
| 延床面積 | 坪単価4万円 | 坪単価6万円 |
| 20坪 | 約80万円 | 約120万円 |
| 30坪 | 約120万円 | 約180万円 |
| 40坪 | 約160万円 | 約240万円 |
木造より高くなる理由は、鉄骨の切断や重機作業が必要になり、建材の搬出・処分費も上がりやすいからです。
前述した国税庁の資料でも、鉄骨造は木造より高い工事費基準が設定されており、解体工事でも、その差が費用に反映されやすくなります。
住宅用の軽量鉄骨なら一般住宅に近い価格帯になることがありますが、倉庫や店舗併用住宅など重量鉄骨になると、さらに高くなる点には注意しましょう。
RC造(鉄筋コンクリート)の解体費用相場

RC造(鉄筋コンクリート造)の解体費用は、坪6〜8万円前後が目安です。30坪程度の建物でも、180万〜240万円前後になることが多く、木造や鉄骨造より高額になりやすい構造です。
| 延床面積 | 坪単価6万円 | 坪単価8万円 |
| 20坪 | 約120万円 | 約160万円 |
| 30坪 | 約180万円 | 約240万円 |
| 40坪 | 約240万円 | 約320万円 |
RC造の解体費が高くなる理由は、コンクリートを砕くだけでなく、内部に入っている鉄筋を切断・分別しながら撤去する必要があり、重機作業や廃材処分にも手間がかかります。
RC造は建物自体が重く頑丈なため、基礎部分の撤去やコンクリートガラ(がれき)の搬出費も高くなりやすいのが特徴です。
また、築年数が古いRC造では、アスベスト調査や追加工事が発生することもあります。RC造は坪単価だけでなく、追加費用まで含めて見積りを確認しておく方が安心です。
一軒家30坪・40坪・50坪の解体総額目安は?
30坪の一軒家を解体する場合、建物本体だけなら90万〜240万円前後が目安です。
| 構造 | 坪単価の目安 | 30坪の本体工事目安 | 40坪の本体工事目安 | 50坪の本体工事目安 |
| 木造 | 3〜5万円 | 90万〜150万円 | 120万〜200万円 | 150万〜250万円 |
| 鉄骨造 | 4〜6万円 | 120万〜180万円 | 160万〜240万円 | 200万〜300万円 |
| RC造 | 6〜8万円 | 180万〜240万円 | 240万〜320万円 | 300万〜400万円 |
ただし、実際の請求額は本体工事だけで終わることは少なく、付帯工事や処分費が加わるため、総額では100万〜300万円前後になるケースもあります。
30坪の一軒家でも「坪単価×30」で終わるとは考えず、本体工事+付帯工事を含めた総額で見積りを比較することが、予算オーバーを防ぐポイントです。
空き家の解体費用の内訳とは?
空き家の解体費用の主な内訳を整理すると、以下のようになります。
| 費用項目 | 主な内容 | 30坪の目安 | 40坪の目安 | 50坪の目安 | 安くするコツ |
| 本体工事費 | 建物本体の取り壊し、基礎撤去 | 90万〜240万円 | 120万〜320万円 | 150万〜400万円 | 3社以上で相見積もりを取り、構造別の相場と比較する |
| 付帯工事費 | 庭木・塀・物置・カーポートなどの撤去 | 10万〜50万円前後 | 20万〜70万円前後 | 30万〜100万円前後 | 不要な庭木や小型物置は事前に整理しておく |
| 廃材処分費 | 木くず・コンクリート・金属などの処分 | 20万〜50万円前後 | 30万〜70万円前後 | 40万〜100万円前後 | 残置物を自分で処分し、建物廃材と分ける |
| 諸経費 | 届出、養生、近隣対応など | 10万〜30万円前後 | 10万〜40万円前後 | 20万〜50万円前後 | 見積書の「一式」表記を確認し、不要な上乗せがないか比較する |
いわゆる「坪単価」や「㎡(平米)単価」として提示されるのは、「本体工事費」になります。
空き家の解体費用は、本体工事費のほかに、庭木や塀の撤去費、廃材処分費、諸経費などが分かれて計上されます。
坪単価だけで解体費用を想定していると、コスト高と感じてしまいます。それぞれの費用について、見積もりのチェックポイントや安くするコツについても解説します。
本体工事費(建物の取り壊し)

本体工事費とは、建物そのものを解体する費用であり、解体費用の中心になる部分です。木造なら坪3〜5万円、鉄骨造なら坪4〜6万円といった相場は、基本的にこの本体工事費を指します。
| 項目 | 内容 | 見積りのチェックポイント | 安くするコツ |
| 建物の解体 | 屋根・壁・柱・床などの取り壊し | 「建物解体一式」ではなく作業範囲が明記されているか | 3社以上で相見積もりを取り、構造別の相場と比較する |
| 基礎撤去 | コンクリート基礎の撤去 | 基礎撤去まで含まれているか | 「基礎別料金」になっていないか確認する |
| 重機作業 | 建材の破砕・搬出 | 重機搬入が難しい立地で追加費用があるか | 搬入経路を事前に確認しておく |
| 分別作業 | 木材・金属・コンクリートなどの仕分け | 廃材処分費と二重計上されていないか | 内訳が細かい業者を選ぶ |
建物の構造だけでなく、前面道路が狭く重機が入らない、隣家との距離が近く手壊し作業が必要といった条件があると、本体工事費は上がりやすくなります。
見積書では「建物解体一式」とだけ書かれていることもありますが、基礎撤去まで含まれているか、追加費用の条件は何かを確認しておくと、後から費用が膨らみにくくなります。
付帯工事費(庭木・塀・カーポート等)
付帯工事費とは、建物本体以外の撤去費用です。空き家の解体では、この部分が想定以上に高くなることがあります。
| 撤去対象 | 費用の目安 | 見積りのチェックポイント | 安くするコツ |
| 庭木・雑草 | 数万円〜 | 伐採・抜根・処分まで含まれているか | 自分で処分できる草木は事前に整理する |
| ブロック塀 | 数万円〜数十万円 | 一部撤去か全撤去か確認する | 必要な範囲だけ撤去する |
| カーポート | 数万円〜 | 解体・搬出費が含まれているか | 不要なものは事前に撤去相談する |
| 物置・倉庫 | 数万円〜 | 中の荷物処分が別料金か確認する | 荷物を空にしておく |
| 井戸・浄化槽 | 数十万円前後 | 埋戻し・撤去方法まで含まれているか | 解体前に現地調査で確認してもらう |
なお、見積り段階で細かく確認されていないと、現地調査後に「塀の撤去は別料金」「井戸埋戻しが必要」と追加費用が発生することもあります。
見積書を見るときは、建物以外に何が残っているか、それが費用に含まれているかを確認しておくと、総額のズレを防ぎやすくなります。
廃材処分費・運搬費
廃材処分費・運搬費とは、解体で出た木材やコンクリート、金属などを現場から運び出し、適切に処分するための費用です。解体工事では必ず発生する費用で、本体工事費とは別に計上されることがあります。
| 廃材の種類 | 主な内容 | 見積りのチェックポイント | 安くするコツ |
| 木くず | 柱・床材・屋根材など | 処分費が本体工事費と分かれているか | 木造の相場と比べて高すぎないか確認する |
| コンクリートがら | 基礎・外構・RC建材など | 基礎撤去費と二重計上されていないか | 外構撤去の範囲を事前に整理する |
| 金属類 | 鉄骨・配管・サッシなど | 金属処分費が別料金か確認する | 解体範囲を明確にして不要な撤去を減らす |
| 混合廃棄物 | 内装材・断熱材・設備類など | 「一式」表記の内訳を確認する | 分別しやすい荷物は事前に整理する |
| 運搬費 | 処分場までの搬出・運送 | 距離や回数による追加費用があるか | 残置物を減らして搬出量を抑える |
費用が上がりやすいのは、RC造でコンクリートが多い場合や、残置物が大量に残っている場合です。建物廃材とは別に処分費が上乗せされることもあります。
見積書では「廃材処分一式」とまとめて書かれていることもありますが、残置物の処分が含まれているのか、建物廃材だけなのかを確認しておくと、後から費用のズレが出にくくなります。
諸経費(届出・近隣挨拶・養生)
諸経費とは、解体工事を安全かつ円滑に進めるための付随費用です。具体的には、届出、近隣挨拶、養生などです。
| 項目 | 内容 | 費用目安 | 安くするコツ |
| 届出関係 | 建設リサイクル法の届出など | 数万円前後 | 他の諸経費と二重計上されていないか確認する |
| 近隣挨拶 | 工事前の説明や案内 | 数万円前後 | 「一式」の内訳を確認し、対応範囲を把握する |
| 養生費 | 防音・防塵シートの設置 | 10万〜30万円前後 | 養生範囲が必要以上に広くないか確認する |
| 現場管理費 | 作業員管理・安全対策など | 数万円〜十数万円前後 | 他社と比較して相場から大きく外れていないか確認する |
解体工事では、騒音・振動・粉じんが発生するため、養生シートの設置や近隣対応が必要になります。住宅密集地では養生範囲が広くなり、その分費用が上がることもあります。
また、古い建物の解体では、法律に基づく届出や現場管理が必要になるため、「建物を壊すだけ」の費用では終わりません。
見積書では「諸経費 一式」「現場管理費 一式」と書かれることもありますが、養生費が含まれているのか、別計上なのかまで確認しておくと比較しやすくなります。
空き家の解体費用は誰が払う?

空き家の解体費用は、ケースによって負担する人が変わります。
| ケース | ポイント |
| 空き家の所有者 | 原則として所有者が負担する。相続した空き家の場合は、相続人が支払う。 |
| 借地に建っている場合 | 建物の所有者が負担するのが一般的 |
| 売却時 | 売主か買主は、売り方や契約条件によって決まる。 |
空き家の解体費用は、基本的に所有者が負担しますが、借地や売却時などは考え方が変わることがあります。
相続した空き家では、「相続人の誰が払うのか」「売却時に解体費はどう扱うのか」で迷うこともあるため、ケース別に整理しておきましょう。
基本は空き家の所有者
空き家の解体費用は、登記上の所有者が負担するのが原則です。相続した空き家であれば、相続人が所有者になった時点で、解体費用もその負担対象になります。
共有名義の場合は、一人が勝手に解体できるわけではなく、共有者全員の同意や費用負担の調整が必要です。話し合いがまとまらないと、解体自体が進まないこともあります。
また、親名義のままになっている空き家でも、実際には相続人が解体費を負担して手続きを進めるケースが多くなります。まずは、現在の所有者が誰なのかを確認しましょう。
借地に立っている場合は建物の所有者
借地に建っている空き家も、建物の解体費用は原則として建物の所有者が負担します。借地契約では、契約終了時に建物を解体して更地で返還する内容になっていることも多く、借主側が解体費を負担するケースがよくあります。
| 確認したい項目 | 内容 |
| 借地契約の内容 | 更地返還義務があるか |
| 地主との取り決め | 解体条件や費用負担の確認 |
| 建物買取請求権 | 一定条件で地主に買い取りを求められる場合もある |
土地が地主のものであっても、建物の撤去費用まで地主が負担するのが一般的ではありません。
ただし、借地借家法の建物買取請求権が使えるケースなど、解体せずに済む場合もあるため、契約内容の確認が必要です。
(参考:e-Gov 法令検索「借地借家法」)
空き家の売却時は売り方による?
空き家を売却する場合、解体費用を誰が負担するかは、どの売り方を選ぶかによって変わります。 必ずしも売主が先に解体するとは限らず、建物付きのまま売却して買主が解体するケースもあります。
判断の目安は以下の通りです。
| 売却方法 | 解体費用の負担 | メリット | デメリット |
| 更地にして売る | 売主が負担 | 買い手が見つかりやすい/土地として使い道が明確になる | 解体費用がかかる/固定資産税が上がることがある |
| 古家付きで売る | 買主が負担することが多い | 解体費用をかけずに売却できる/現状のまま売れることがある | 買い手が限られる/価格交渉されやすい |
| 買取業者へ売る | 契約条件による | 現状のまま売れるケースがある/売却まで早い | 仲介より売却価格が低くなることがある |
先に解体すると、解体費用がかかるうえ、住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がることがあります。
また、相続した空き家には、条件は厳しいものの、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。
(参考:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)
令和6年(2024年)以降は、売却後に買主が建物を取り壊す場合でも、一定条件を満たせば適用できるケースがあり、「先に解体しないと特例が使えない」という制約は緩和されています。
空き家の解体費用の見積り手順
空き家の解体費用の見積り手順は、以下の流れで進みます。
- 手順①:解体業者へ見積りを依頼する
- 手順②:現地調査で建物の状況を確認してもらう
- 手順③:見積書の内容や追加費用を確認する
解体費用は、建物の大きさだけで決まるものではありません。立地条件や残置物の有無、付帯工事の内容によって金額が変わるため、見積りの流れを理解したうえで進めることが必要です。
ここからは、見積りから契約までの基本的な手順を順番に見ていきます。
手順①:解体業者へ見積りを依頼する(3社以上の相見積もり推奨)
解体業者へ以下の内容を伝え、見積りを依頼しましょう。
| 依頼時に伝える内容 | 具体例 |
| 建物の基本情報 | 所在地、構造、延床面積 |
| 現地の状況 | 前面道路、隣家との距離 |
| 建物以外の情報 | 庭木、塀、カーポート、残置物の有無 |
費用を安く抑えるためにも、必ず3社以上で相見積もりを取ることが大切です。依頼時には、建物の所在地や構造、延床面積、残置物の有無などを伝え、登記簿謄本や固定資産税の課税明細があると、話が進みやすくなります。
解体業者には現地調査をしてもらい、追加料金なしの正確な見積もりを取り、比較しましょう。
相見積もりがあると、値下げ交渉もしやすくなります。
手順②:現地調査で建物の状況を確認してもらう
解体費用は、現地調査をして初めて正式な見積りが出ます。 建物の大きさだけでは、正確な費用は分からないためです。
業者は現地で、建物本体だけでなく、解体工事に影響する条件を確認します。
| 主な確認項目 | 確認内容 | 費用が高くなるケース |
| 建物の状態 | 構造、老朽化、基礎の状況 | RC造・基礎が大きい・老朽化が進んでいる |
| 周辺環境 | 道路幅、重機の搬入可否 | 前面道路が狭い・重機が入らない |
| 付帯物 | 庭木、塀、物置、カーポート | 庭木が多い・ブロック塀や井戸がある |
| 残置物 | 家具・家電・粗大ごみの有無 | 家財や粗大ごみが大量に残っている |
「道路が狭くて重機が入らない」「庭木が多い」「ブロック塀の撤去が必要」といった条件があると、見積り金額は上がります。
この調査で確認漏れがあると、契約後に追加費用が発生しやすくなります。建物の中だけでなく、敷地全体を見てもらうことがポイントです。
手順③:見積書の内容や追加費用を確認する
画像:実際の見積もり書の画像はあるか?
解体費用は初めは安い見積もりを出し、解体作業後に追加費用を請求されることがあるため、内訳まで確認して比較することが大切です。
確認したいポイントは以下の通りです。
| 確認項目 | チェック内容 | 費用の目安 |
| 本体工事費 | 建物解体・基礎撤去まで含まれているか | 90万〜240万円前後(30坪目安) |
| 付帯工事費 | 庭木・塀・物置などが含まれているか | 10万〜100万円前後 |
| 廃材処分費 | 建物廃材と残置物処分の区分 | 20万〜100万円前後 |
| 諸経費 | 養生・届出・近隣対応の内容 | 10万〜50万円前後 |
| 追加費用の条件 | 地中埋設物、アスベストなどの扱い | 数十万円〜数百万円前後 |
見積書でよくあるのが、「解体工事一式」「諸経費一式」とまとめられていて、この場合、追加料金を請求される可能性があります。
ただし、以下のような項目は実際に追加費用になりやすくなります。
- 地中埋設物が見つかった場合
- アスベスト対応が必要な場合
- 残置物が想定より多い場合
契約前に、追加費用が発生する条件まで確認しておくことが、見積り比較・解体費用を安くするポイントです。
空き家の解体費用が高くなる5つのケース

空き家の解体費用が高くなりやすいケースをまとめると、以下のように大別できます。
- ケース①:前面道路が狭く重機が入れない立地である
- ケース②:隣家との距離が近く手壊しが必要
- ケース③:庭木・ブロック塀・物置などの付帯撤去が多い
- ケース④:アスベストや地中埋設物が見つかった
- ケース⑤:残置物(家財・粗大ごみ)が大量に残っている
解体費用は、建物の構造や広さだけで決まるものではありません。立地条件や敷地の状況によっては、相場より高くなることがあります。
ここからは、解体費用が上がりやすい代表的な5つのケースを解説します。
ケース①:前面道路が狭く重機が入れない立地である
通常の解体工事は、重機で建物を壊しながら廃材を搬出します。しかし、住宅密集地や古い路地では、トラックや重機が敷地まで入れないことがあります。
| 状況 | 費用への影響 | 費用の上がり幅の目安 | 安くするコツ |
| 重機が入れる | 通常の相場で進みやすい | 追加費用なし〜少額 | 複数社で相見積もりを取る |
| 重機が入らない | 人力作業が増え、費用が上がる | 10万〜50万円前後 | 搬入経路を事前に確認し、手壊し範囲を比較する |
前面道路が狭い空き家は、重機が入れず手作業が増えるため解体費用が高くなります。廃材を小分けに運ぶ手間と日数がかかる分、人件費もかさむためです。
古い住宅街や再建築不可物件では起こりやすいケースなので、見積り前に前面道路の幅や搬入経路を確認しておくと、費用感を把握しやすくなります。
ケース②:隣家との距離が近く手壊しが必要
隣家との距離が近い空き家も、解体費用が高くなりやすい条件です。
| 状況 | 費用への影響 | 費用の上がり幅の目安 | 安くするコツ |
| 隣家との距離に余裕がある | 重機作業中心で進めやすい | 追加費用なし〜少額 | 通常の相場で比較する |
| 隣家と密接している | 手壊し作業が増え、費用が上がる | 10万〜50万円前後 | 養生範囲や手壊し範囲を確認する |
建物同士が密接していると、壁や屋根を人の手で少しずつ解体しなければならないことがあります。重機で隣家を傷つける恐れがあるためです。
手壊しは重機より時間がかかり、作業員の人数も必要になるため、人件費が上がります。養生範囲が広くなることもあり、諸経費にも影響します。
ケース③:庭木・ブロック塀・物置などの付帯撤去が多い
建物以外の撤去物が多い空き家は、解体費用が高くなります。 建物本体とは別に、付帯工事費がかかるためです。
| 撤去対象 | 費用が発生する理由 | 費用の目安 | 安くするコツ |
| 庭木・雑草 | 伐採・搬出・処分が必要 | 数万円〜20万円前後 | 自分で処分できる草木は事前に整理する |
| ブロック塀 | 解体・廃材処分が必要 | 10万〜50万円前後 | 必要な範囲だけ撤去する |
| 物置・倉庫 | 別途撤去作業が必要 | 数万円〜20万円前後 | 中の荷物を空にしておく |
| カーポート | 切断・搬出が必要 | 数万円〜15万円前後 | 事前に撤去範囲を確認する |
古い空き家では、庭木が大きく育っていたり、使っていない物置が残っていたりすることも珍しくありません。
見積りでは建物本体に目が行きがちですが、付帯工事費が数十万円単位で上乗せされることもあるため、敷地全体の撤去対象を確認しておくことがポイントです。
ケース④:アスベストや地中埋設物が見つかった
古い空き家からアスベストや地中埋設物(浄化槽、井戸、古い基礎など)が見つかると、解体費用は大きく跳ね上がります。通常の解体とは別に、特別な調査・除去・処分費用が追加で発生するためです。
| 発見されたもの | 費用が上がる理由 | 費用の目安 | 安くするコツ |
| アスベスト含有建材 | 調査・除去・専用処分が必要 | 20万〜100万円以上 | 築年数が古い建物は事前調査を検討する |
| 古い基礎・コンクリート | 追加撤去が必要 | 10万〜50万円前後 | 過去の増改築履歴を確認する |
| 井戸・浄化槽 | 埋戻し・撤去工事が必要 | 10万〜50万円前後 | 現地調査で有無を確認してもらう |
| 廃材・がれき | 搬出・処分費が追加される | 数万円〜数十万円 | 敷地内に不要物がないか事前確認する |
これらは、工事中に発覚して追加費用になるケースもあります。
築年数が古い空き家や、過去に増改築をしている建物では起こりやすいため、見積り時に追加費用が発生した場合の対応条件まで確認しておくことがポイントです。
ケース⑤:残置物(家財・粗大ごみ)が大量に残っている

家財や粗大ごみが大量に残っている空き家も、解体費用が高くなります。 建物廃材とは別に、片付け・分別・処分費がかかるためです。
| 残置物の例 | 費用が発生する理由 | 費用の目安 | 安くするコツ |
| 家具・家電 | 搬出・処分が必要 | 10万〜50万円前後 | 自治体の粗大ごみ回収を活用する |
| 衣類・日用品 | 分別作業が必要 | 数万円〜10万円前後 | 自分で分別処分する |
| 粗大ごみ | 別途処分費がかかる | 数万円〜20万円前後 | 解体前にできる範囲で処分する |
| 物置の荷物 | 想定以上に物量が増えやすい | 数万円〜30万円前後 | 荷物を整理して搬出量を減らす |
残置物が多いと、解体前に片付け作業が必要になり、数十万円単位で費用が上がることもあります。
残置物処分は解体処分と別料金のため、見積りに含まれているのか事前に確認しておくことが必要です。 自分で処分できるものを減らしておくと、費用を抑えやすくなります。
空き家解体費用を安く抑える方法
空き家の解体方法を費用を抑える方法をまとめると、以下のように大別できます。
- 方法①:3社以上から相見積もりを取って比較する
- 方法②:残置物を自分で処分してから依頼する
- 方法③:解体業者に直接依頼して中間マージンを省く
- 方法④:閑散期(春〜夏)を狙って依頼する
解体費用は、依頼の仕方によっても差が出ます。少し工夫するだけで、数十万円単位で費用を抑えられるケースもあります。
ここからは、空き家解体費用を安く抑える代表的な4つの方法を解説します。
方法①:3社以上から相見積もりを取って比較・交渉する

解体工事は、業者ごとに人件費・重機費・廃材処分費・利益設定が違うため、1社だけでは相場が分かりません。数十万円単位で差が出ることもあります。
| 比較したい項目 | 確認ポイント | 費用差の目安 |
| 総額 | 単純に安いかどうか | 数万円〜数十万円差が出ることもある |
| 内訳 | 本体工事・付帯工事・諸経費の差 | 「一式」表記で差が出やすい |
| 追加費用 | 別料金になる条件 | 工事後に数十万円増えることもある |
| 対応内容 | 現地調査や説明の丁寧さ | トラブル回避につながる |
解体費用を安く抑えるなら、3社以上から相見積もりを取る方法が基本です。 同じ建物でも、業者によって見積り金額に差が出るためです。
ただし、総額だけで決めるのは危険です。悪徳な業者は最初の見積りを安くし、後から高額な追加費用を請求してくる場合もあります。一般社団法人あんしん解体業者認定協会も動画で後出し請求の罠について解説しています。
「何が含まれていて、何が別料金か」まで比較することが、相見積もりで失敗しないポイントです。
方法②:残置物を自分で処分してから依頼する
解体業者に家具や家電の処分まで丸投げすると、人件費や処分手数料が上乗せされて費用が割高になります。事前に自分で処分できるものを減らしておくのが費用を抑えるコツです。
| 残置物 | 費用を抑える方法 | 業者費用目安(1個あたり) | 自分で捨てる費用目安(1個あたり) |
| 家具・家電(タンス・ソファ・テーブルなど) | 自治体の粗大ごみで回収依頼 | 3,000円~15,000円 | 300円~2,000円 |
| 家電リサイクル対象品(冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン) | 指定引取場所やクリーンセンターへ持ち込む | 5,000円~20,000円 | 1,000円~6,000円程度(リサイクル料金+運搬費) |
| 小型家電(電子レンジ・炊飯器・扇風機など) | 小型家電回収ボックスや粗大ごみを利用 | 1,000円~5,000円 | 無料~1,000円 |
洋服など一般ごみでも、業者に依頼すると処分費用がかかるため、自治体のごみ回収を活用してできる限り自分で捨てましょう。
方法③:解体業者に直接依頼して中間マージンを省く
解体費用を抑えたいなら、解体業者に直接依頼する方法もあります。 紹介会社や一括見積もりサービスによっては、中間マージンが上乗せされることがあるためです。
| 依頼先 | 特徴 |
| 解体業者へ直接依頼 | 中間マージンがかかりにくい |
| 不動産会社・ハウスメーカー経由 | 手間は少ないが、費用が上乗せされることがある |
ただし、直接依頼なら必ず安いとは限りません。廃材処分の許可や施工実績が乏しい業者を選ぶと、追加費用やトラブルにつながることもあります。
費用だけでなく、許可・実績・見積りの透明性まで確認したうえで直接依頼することがポイントです。
方法④:閑散期(春〜夏)を狙って依頼する
解体費用は、依頼する時期によって安くなることがあります。 工事が集中しにくい時期は、業者のスケジュールに余裕があり、価格交渉しやすくなるためです。
解体工事は、建て替えや不動産売却が動きやすい時期に依頼が集中する傾向があります。
| 時期 | 傾向 |
| 秋〜年度末 | 工事が集中しやすい |
| 春〜夏 | 比較的依頼が分散しやすい |
工事が立て込む時期は、価格交渉がしにくく、希望日程も取りづらくなる一方で、比較的空きがある時期は、条件調整しやすいことがあります。
ただし、台風シーズンや梅雨時期は工期に影響することもあるため、「安い時期」だけで決めず、工事時期とのバランスを見て依頼することが大切です。
解体費用の捻出になる補助金やローン
空き家の解体費用は、自治体の補助金や金融機関のローンを使って負担を軽減できることがあります。
費用を用意する方法をまとめると、以下のように大別できます。
- 自治体ごとの空き家解体補助金を活用する
- 金融機関の空き家解体ローンを利用する
解体費用は数十万円から数百万円かかることもありますが、条件に合えば補助金で一部をまかなえるケースがあります。補助金だけでは足りない場合は、ローンを活用する方法もあります。
ここからは、解体費用の負担を軽減する代表的な方法を解説します。
自治体ごとの空き家解体補助金(上限50〜100万円が目安)

(出典:神戸市のすまいの総合窓口 すまいるネット「神戸市老朽空家等解体補助事業」)
空き家の解体費用を抑えたい場合は、まず自治体の空き家解体補助金を確認しましょう。老朽化した空き家や危険空き家などを対象に、解体費用の一部を補助している自治体があります。
補助額は自治体によって異なりますが、上限50万〜100万円前後が多いです。ただし、すべての空き家が対象になるわけではなく、建物の状態や所有者の条件などに制限があります。
| 確認したいポイント | 内容 |
| 補助対象 | 老朽化した空き家・危険空き家など |
| 補助額 | 上限50万〜100万円前後が目安 |
| 申請時期 | 工事前申請が必要なことが多い |
| 注意点 | 予算上限があり、受付終了になることもある |
補助金は、工事を始めた後では使えない制度も多いため、見積りや契約の前に自治体へ確認しておきましょう。
金融機関の空き家解体ローン

(出典:福岡銀行「空き家解体ローン」)
解体費用をすぐに用意できない場合は、地方銀行や信用金庫、JAなどの金融機関の空き家解体ローンを利用する方法もあります。
補助金だけで足りない場合や、売却前に先に解体費用が必要な場合に検討されることが多い方法です。
| 確認項目 | 内容 | 注意点 |
| 借入可能額 | 解体費用全体をまかなえるか | 上限額が決まっている |
| 金利 | 固定金利・変動金利 | 総返済額が変わる |
| 返済期間 | 月々の返済負担 | 長いほど利息が増える |
| 対象工事 | 空き家解体に使えるか | 商品によって用途制限がある |
ローンを使えば、自己資金が不足していても解体工事を進めやすくなります。ただし、借入になる以上、金利や返済負担まで含めて考える必要があります。
売却予定の空き家であれば、解体してから本当に売れる見込みがあるのか、売却代金で返済できるのかまで整理してから判断すると、資金計画を立てやすくなります。
空き家の解体費用にお悩みなら「ワケガイ」が買い取ります!

当社(株式会社ネクスウィル)は、空き家や共有持分、再建築不可物件などの訳あり不動産に対応する買取サービス「ワケガイ」を提供しています。
空き家は、解体してから売却する方法だけでなく、建物が古いまま・残置物があるままでも売却できるケースがあります。立地や建物の状態によっては、解体費用をかけるより、そのまま売却した方が手元に残るお金が多くなることもあります。
ワケガイでは、空き家やゴミ屋敷、再建築不可物件など、一般的な仲介では売却しにくい不動産についても、現状のままご相談いただけます。
FAQ:空き家の解体についてよくある質問
空き家の解体では、「固定資産税はどうなるのか」「解体するべきか、そのままにするべきか」など、費用以外にも気になる点が多くあります。
ここからは、空き家の解体についてよくある質問をまとめて解説します。
解体後に固定資産税が最大6倍になるって本当?
空き家を解体すると固定資産税が必ず6倍になるわけではありません。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があり、固定資産税の負担が軽減されていますが、更地にするとこの特例が外れるため、土地の税額が上がることがあります。
空き家3000万円特別控除を使うための解体時期は?
相続した空き家の3,000万円特別控除は、一定の条件を満たせば利用できます。以前は「売却前に解体」が前提になるケースが多かったですが、制度改正により、買主が売却後に解体する場合でも適用できるケースが出てきました。
空き家を解体せず放置するとどんなリスクがある?
空き家を放置すると、固定資産税や管理費がかかり続けるだけでなく、建物の劣化や近隣トラブルにつながることがあります。管理状態が悪いと「特定空き家」に指定され、行政指導の対象になるケースもあります。
解体工事の期間はどれくらいかかる?
解体工事の期間は、木造住宅なら1〜2週間程度が目安です。鉄骨造なら2〜3週間、RC造は3週間〜1か月程度かかることがあります。
ただし、これは工事そのものの期間であり、実際には見積り、現地調査、届出、近隣挨拶などの準備期間も必要です。依頼から完了まで1か月以上かかることも珍しくありません。
悪徳解体業者を見抜くポイントは?
悪徳解体業者を避けるには、見積書の内容が明確かどうかを確認することがポイントです。「解体工事一式」だけで内訳がない、極端に安い見積りを出す業者には注意しましょう。
解体後の更地は売却と土地活用どちらが得?
更地にした後に「売却」と「土地活用」のどちらが得かは、立地や需要によって変わります。駅近や住宅需要がある土地なら、駐車場や賃貸活用など収益化できるケースもあります。
まとめ:解体費用だけで決めず、空き家全体の処分方法を整理しましょう
空き家の解体は、建物を取り壊す費用だけでなく、付帯工事や追加費用まで含めて考える必要があります。見積り金額だけを見て判断すると、解体後に「売却しづらい」「想定より費用がかかった」といったケースもあります。
更地にして売却した方がよい場合もあれば、解体せず現状のまま売却した方が負担を抑えられる場合もあります。大切なのは、解体すること自体を目的にするのではなく、その空き家にとってどの方法が合っているかを整理することです。
まずは解体費用の見積りを確認し、売却や活用も含めて比較したうえで、自分に合った方法を判断しましょう。












