相続などで「古い家」を所有していると、その扱いに悩むことが多いでしょう。特に、売却を検討する場合、市場の動向や税制、さらには売却の方法など、多くのポイントを考慮する必要があります。
この記事では、古い家を売却する際の手法や注意点、さらには税制上の控除や特例について詳しく解説します。これから古い家の売却を検討している方、あるいは空き家問題に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
「古い家」の定義とは?
「古い家」という言葉の定義は、人それぞれの感じ方や基準によって変わります。しかし、この記事では、以下の特定の要件を持つ空き家を「古い物件」として取り扱います。
- 築年数が20年以上経過していること
- 1981年の5月31日以前に建てられた旧耐震基準の物件であること
空き家や古い戸建て物件の売却価格において、「築年数」や「賃貸需要」は価格に大きく影響します。
特に、築20年を越えると物件の評価額は大幅に下がる傾向がみられます。旧耐震基準で建築された物件は、耐震性が現行の基準よりも低いため、市場での価値も相対的に低くなりがちです。
古い家を売る際の6つの方法
古い家を売却する際には、以下の6つの選択肢が存在します。
- 方法①:古家付き土地として売却
- 方法②:更地にして売却
- 方法③:瑕疵担保保険をつけてから売却
- 方法④:リフォームして売却
- 方法⑤:空き家バンクに登録
- 方法⑤:空き家バンクに登録
- 方法⑥:訳あり物件の買取専門業者に依頼する
ここからは、それぞれ個別に解説します。
方法①:古家付き土地として売却
一般的に、特定の条件を満たす古い家は市場での売却が難しいとされます。そこで、そのまま「古家付き土地」として売却するのが1つの方法。
これは家が既に建っている土地を指し、土地を求める人々や古い家自体に興味を持つ人々の双方をターゲットにできます。
関連記事:古家付き土地は売却可能?メリット・デメリットについて徹底解説
方法②:更地にして売却
物件が大きく劣化している場合や再利用が困難であると判断される際には、家を解体して更地として売却するのがよいでしょう。
ただし、解体にはコストがかかるので注意が必要です。費用は物件の材質や立地により異なりますが、おおよその相場は以下のとおりです。
- 木造建築:4~5万円/坪
- 鉄骨造:6~7万円/坪
- RC造:6~8万円/坪
方法③:瑕疵担保保険をつけてから売却
多くの古い家は、壁の裂け目や水漏れなどの損傷を持っています。これらの瑕疵は契約時に明記されるべきですが、万が一明記されていない瑕疵が後に発見された場合、販売者が責任を負うことになる場合があります。
このリスクを軽減するために、瑕疵担保保険を付保してから売却する方法があります。この保険により、発見された瑕疵に関する修復費用の一部が保険でカバーされるため、売却後のトラブルを減少させられます。
方法④:リフォームして売却
古い家の売却を考える際、部分的にリフォームを実施するという方法が考えられます。多くの古い家を求める購入希望者は、自身の趣味やライフスタイルに合わせてカスタマイズを行いたいと思っていることが多々あります。
その一方で、風呂やトイレなどの基本的な設備のリフォームは、購入希望者にとっての大きな負担になり得ます。そこで、売主側で先行して改装しておくことで、物件に対する興味や購入意欲を高められるでしょう。
方法⑤:空き家バンクに登録
「空き家バンク」とは、各地方自治体や専門業者が運営する、空き家情報専用のWebサイトを指します。空き家バンクへの掲載を通じて、より効率的に買い手を探すことが可能となります。
ただし、買い手の対象は主にその自治体の管轄エリア内の住民となるため、買い手との交渉や連絡を直接行うことも想定されるため、その点に注意が必要です。
方法⑥:訳あり物件の買取専門業者に依頼する
通常の仲介業者や空き家バンクを利用しない方法として、訳あり物件を対象とする買取専門業者に直接売却を依頼する選択肢も存在します。
こういった業者は、通常の市場価格の5〜7割程度での迅速な買取提案をしている場合が多く、時間を大幅に節約できます。
特に、リフォームや解体などの追加の手間や費用を省くことができる点も、この方法の大きな魅力といえるでしょう。
古い家を売る前にやっておきたいこと
古い家の売却を検討する際、意外と見落とされがちなのが、近隣の住民への直接の売却提案です。
近隣住民との直接取引により、仲介手数料の節約や解体費用の削減などのメリットが期待できます。特に、隣接する土地が農地や長く住んでいる家系である場合、その土地を拡大できる。隣地との形状を整えられるというメリットが生まれることで、取引の可能性が高まるかもしれません。
古い家を売却する際の注意点
古い家を売却する際には、以下の点に留意しましょう。
- 再建築不可物件かどうかをチェックする
- 取り壊すと固定資産税の支払額が上昇する
- 自治体の補助制度も確認しておく
次項より、それぞれ個別に解説します。
再建築不可物件かどうかをチェックする
古い家の中には、現行の建築基準法に準拠していないため、一度解体してしまうと再建築が認められない物件が存在します。特に接道義務の問題などが再建築の障害となることが一般的です。
更地にする前に、再建築の可否を確認しておくことで、買い手のニーズに合わせた最適な売却戦略を立てることができます。
取り壊すと固定資産税の支払額が上昇する
空き家であっても、物件が存在する間は住宅用地の軽減税率を享受することが可能です。しかし、解体後には土地の税率が増加し、固定資産税の負担が増大するリスクがあります。実際、支払額が最大で6倍に跳ね上がる場合も存在します。
そのため、解体する際のタイミングや期間を計画的に考えることが重要です。
自治体の補助制度も確認しておく
多くの自治体では、古い家のリフォームや解体に関する補助制度を提供しています。このような制度を上手く活用することで、リフォームや解体にかかる費用の一部を補填できる場合があります。
具体的な補助内容や上限金額は自治体によって異なるため、早めに確認して適切な手続きを進めることをおすすめします。
古い家を売る際に使える控除・特例
古い家を売却する際には、以下のような控除・特例を利用することで、課税額を抑えられます。
- マイホームの売却で利用できる3,000万円特別控除
- 低未利用地等を売却したときの100万円特別控除
- 低未利用地等を売却したときの100万円特別控除
ここからは、それぞれ個別にみていきましょう。
マイホームの売却で利用できる3,000万円特別控除
家を売却した際に生じる売却益には譲渡所得税が課せられます。この税金は、物件取得から売却までの期間に基づき、「長期譲渡所得」や「短期譲渡所得」として区分されます。しかしながら、特定の要件を満たす場合、最大3,000万円の特別控除を活用できます。
そのため、事前の確認と適用を考慮すると大きな節税が期待できるのです。
低未利用地等を売却したときの100万円特別控除
古い家の売却価格が500万円以下の場合、特定の条件下で低未利用地等の売却時の100万円特別控除を利用することが可能です。
この控除を利用すると、譲渡所得の算出式が「売却価格 – 取得費 – 売却に関する経費 – 100万円」となり、税額が大幅に抑制される可能性があります。
相続した空き家で利用できる3,000万円特別控除
もし売却対象の古い家が相続で取得されたもので、かつ昭和56年5月31日以前に建てられた物件であれば、特別な控除制度「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」を利用できます。
この制度を利用することで、譲渡所得から最大3,000万円の控除が可能となりますが、該当する物件や条件には特定の要件が設けられていますので、事前にきちんと確認しておくことが重要です。
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まとめ
築20年が過ぎたり、旧耐震基準であったりする古い家でも、決して売却できないという訳ではありません。しかし、一般市場での需要が見込めない場合においては、解体やリフォームを実施することが求められます。
訳あり物件の買取専門業者なら、そのままでは売却が難しい物件も解体などの必要なく、スピーディに買い取ってくれる可能性がありますので、あわせて検討しましょう。
運営団体 株式会社ネクスウィル 2019年1月29日設立。訳あり不動産の買取を行う不動産会社。相続やペアローンによる共有持分、空き家、再建築不可物件、借地、底地など、権利関係が複雑な不動産を買い取り、法的知識や専門知識を以って、再度市場に流通させている。 |