再建築不可

相続した不動産が再建築不可の物件だった場合は? 相続を回避する方法や売却方法などを解説

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不動産を相続することは珍しいことではありません。大体の場合がプラスの遺産となることでしょう。しかし、相続した不動産が再建築不可物件だった場合、マイナスの遺産となってしまうことがあります。

 

そこで今回は、再建築不可物件だと知らずに相続してしまうことのないよう不動産が再建築不可物件かどうか調べる方法とそうした不動産の相続を回避する方法をご紹介します。

 

また、相続した際の手続き方法や対処法もあわせて解説いたします。すでに再建築不可物件を相続した方もぜひお読みください。

 

■相続予定の不動産が再建築不可物件かどうか調べる方法

相続予定の不動産が再建築不可物件かどうか分からない場合も多いでしょう。そこで調べる方法をご紹介します。

 

・不動産業者に確認する

まずは購入した不動産業者、または売却を考えているのであれば売却予定の不動産業者に確認してみましょう。不動産業者に確認できない場合は、下記の方法で調べることができます。

 

・役所の建築課に確認する

地域の役所の建築課や建築指導課などで調べてもらうことができます。登記簿謄本や建物図面など必要書類を持っていき、再建築不可物件かどうか確認してもらいましょう。

どのような書類が必要かは、自治体によって異なることもあるため事前に確認することをおすすめします。

その際、登記簿謄本などは法務局で入手可能です。法務局ホームページ上で手続きをし、後日郵送してもらうこともできます。

 

■相続した不動産が再建築不可物件だったときのデメリット

万が一相続した不動産が再建築不可物件だった場合、どのようなデメリットが考えられるのでしょうか?ご紹介します。

 

・建て替えができない

再建築不可物件とは、「一度解体してしまうと再度建てることができない物件」のことを指します。つまり、老朽化で住めなくなったり災害によって倒壊してしまったりしても建築できないため、引き続き住むことができなくなってしまいます。

 

・売却しづらい

再建築不可物件は、どうしても不動産価値が低くなるため、売却しても買い手が見つかりにくいことがデメリットとなります。売却できたとしても、近隣の不動産売却価格よりも低い金額での取引となってしまうでしょう。

 

・固定資産税などの費用がかかる

不動産を所有していると、再建築不可物件であっても1月1日現在の所有者に固定資産税がかかります。また、地域によっては都市計画税がかかることもあります。必要であれば確認しましょう。

さらに、税金以外にも修繕費や損害賠償費用などもかかる可能性もあります。例えば、ブロック塀が倒壊して通行人の妨げになってしまったら、当然ながら修繕しなくてはいけません。さらに、その倒れたブロック塀で誰かが怪我をしたとなれば、損害賠償責任などを負うことになります。

 

・メンテナンスの手間がかかる

空き家として放置しておくことで近隣の住人に迷惑をかけたり、人目につきにくいことからゴミを不法投棄されてしまったりする可能性があります。草取りや木の剪定などのメンテナンスを定期的に行わなければいけない、ということも考えられるデメリットでしょう。

 

・自分の子どもや孫に影響を及ぼす可能性も

自分の代だけではなく、自分の子どもや孫が再建築不可物件を相続することも想定できます。年月が経つにつれてさらに売りにくくなれば、子孫に迷惑をかけてしまうことになります。

 

■相続前に再建築不可物件だとわかっている場合の対処法

相続前の段階で(相続予定の)不動産が再建築不可物件だとわかっているのであれば、対処をしましょう。その方法をご紹介します。

 

・遺産分割協議をする

遺言書があれば、原則として遺言書通りの遺産分割となりますが、遺言書がない場合は相続人全員で話し合いをして遺産の分け方を決定します(遺産分割協議)。

 

遺産分割協議の方法

遺産分割協議をする前に、遺産評価額を算定し、財産目録を作成しておくと話し合いがスムーズに進みます。財産目録とは、被相続人の財産や借金などを一覧で記したものです。

相続人全員で協議を行った後は、全員の実印が押された「遺産分割協議書」と全員分の印鑑証明書を提出します。

 

遺産分割協議の注意点

遺産分割協議書には、必ず「全員分」の実印などが必要となります。つまり、誰か1人でも反対の状態だったり連絡がつかなかったりすれば協議通りの相続にはならない、ということです。

 

協議中は全員の共有状態となる

不動産を相続する人が決まらないなど、スムーズに協議が進まないことがあるかもしれません。このような状態のときは「潜在的共有状態」とみなされ、相続人全員が不動産を共有していることになります。つまり、全員に固定資産税などを支払う義務や管理責任があるということになります。

 

・相続放棄をする

相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産または負債などすべてを承継せず、相続人である地位を放棄することです。相続放棄すると最初から相続人ではなかったことになるため、再建築不可物件を相続する必要がなくなります。

 

相続放棄の方法

相続放棄には期間が限定されており、「相続を知ってから3ヶ月」と定められています。3ヶ月以内に「相続放棄申述書」とその他必要書類を家庭裁判所に提出し、「相続放棄申請受理通知書」が届けば相続放棄が完了となります。

自分で手続きするのであれば費用は数千円程度ですが、手間もかかるため、専門家に依頼される方も少なくありません。その場合、費用が数万円程度かかることがあります。

 

相続放棄の注意点

相続放棄するということは、他の相続も放棄することになります。つまり、プラスの遺産があった場合でも、それらを相続することができません。遺産とは、不動産や預貯金以外にも車や証券・保険など資産価値があるものも含まれることがあります。プラスの遺産が多い場合は、相続放棄をすべきかよく考えた方がいいでしょう。

 

相続放棄後は次の相続人に権利が移行

相続放棄をすると、次の順位の相続人に権利が移ります。例えば夫婦と子どもがいて夫が死亡した場合、妻と子どもが法的な相続人となりますが、相続放棄すると第2順位である夫の父と母が相続人となります。事前に相続の権利が移行することを伝えておいた方がいいでしょう。

 

■相続する際の手続き方法

再建築不可物件を含め、被相続人の遺産を相続するのであれば手続きが必要になります。

 

・相続税の申告

相続をすると相続税が課税されることがあります。申告は自ら行わなければいけません。その方法をご紹介します。

 

相続税とは?

ある人が亡くなったときに、その人の財産を「相続」や「遺贈」によって引き継ぐ際に発生する税金のことを相続税と言います。

「相続」とは、生前に自分の財産を誰に渡すか決めていないケースです。一方、「遺贈」とは、生前に遺言書で誰に財産を引き継ぐか明確にしているケースです。

 

基礎控除内であれば相続税はかからない

基礎控除額を超えた場合、超えた分が課税対象となります。つまり、財産の合計金額が基礎控除額を超えなければ相続税はかかりません。課税対象となる財産と課税対象にならない財産は、下記の通りです。

 

【課税対象になるもの】

-現金や預貯金

-株式や債券など

-不動産(土地・建物・山林など)

-貴金属や宝石・骨董品などの家財

-リゾート会員権やゴルフ会員権

-著作権や特許権

など

 

【その他相続税がかかる財産(みなし相続財産)】

-生命保険金

-死亡退職金

-被相続人から生前に贈与を受けて贈与税の納税猶予特例を受けていた農地など

-財産を取得した人が被相続人の死亡3年以内に被相続人から財産贈与を受けている場合

など

 

【課税対象にならないもの】

-墓地や墓石・仏具など

-国や公益法人などに寄附した財産

-非課税枠内で受け取る生命保険金・死亡退職金(500万円×法定相続人数)

など

 

相続税計算方法と基礎控除額

相続税は、遺産金額から基礎控除額を引き、残りの金額の割合に応じた税率を掛けて算出します。
基礎控除額と税率などは下記の通りです。

 

【基礎控除額】

3000万円+(法定相続人数×600万円)

 

【税率と控除額】

法定相続分に応ずる取得金額1000万円以下:税率10%(控除なし)

法定相続分に応ずる取得金額3000万円以下:税率15%(控除50万円)

法定相続分に応ずる取得金額5000万円以下:税率20%(控除200万円)

法定相続分に応ずる取得金額1憶円以下:税率30%(控除700万円)

 

相続税納付期限は10ヶ月

相続税の納付期限は、相続発生を知った日の翌日~10ヶ月以内です。

期限を過ぎてしまうと、加算税や延滞税といったペナルティがかかってしまう他、相続税に関する特例が受けられなくなる可能性があります。

 

相続税申告方法

相続税は自ら申告しなくてはいけません。管轄の税務署に申告書を提出しましょう。申告書はホームページからダウンロードできます。

 

・相続登記をする

不動産の所有者が確定したら相続登記をする必要があります。不動産を売却するとしても、相続登記は必ず行わなければいけません。なぜなら、死亡した方の名義で不動産を売ることはできないからです。

相続登記は法務局で行います。「いつまでに申請しなければいけない」という期限はありませんが、早めに登記した方がいいでしょう。

 

 

■相続後に再建築不可物件だとわかった場合の対処法

相続後に再建築不可物件だとわかった場合、どうしたらいいでしょうか?対処法をご紹介します。

 

・リフォームをして住む又は売却する

再建築不可物件は、一度解体すると再建築できませんが、リフォームであれば可能です。フルリフォームで最新設備を導入したり内装・外装を変えたりすれば、十分住みやすい環境をつくることは可能です。

また、売却するとしても古い状態で売りに出すより綺麗な状態で売った方が、買い手がつきやすくなります。

 

・隣地の所有者に売却する

再建築不可物件は一般の人に売りづらい不動産ですが、隣家の人が「敷地を広くしたい」「増築したい」などと考えていれば、買い取ってくれるかもしれません。一度打診してみることもいいでしょう。

 

・隣の土地を購入して再建築する

道路と接している敷地部分が2m未満であるために再建築不可物件となっているのであれば、隣の土地を購入して2m以上にすることで再建築ができるようになります。隣地の売主に、土地の一部を購入できないか交渉してみるといいでしょう。

 

・セットバックをして再建築する

特定行政庁が指定した道路の場合、セットバックをすれば建て替えられるケースがあります。セットバックとは、道路の中心から2m下がったところに建物を建てる方法です。

建物の面積が小さくなることがデメリットですが、自治体によってはセットバックの費用を補助してもらえる場合があるため、確認するといいでしょう。

 

・建築基準法第43条ただし書き道路の申請をして再建築する

建築基準法第43条のただし書きにあるように、幅員4m未満の道路でも十分な広さの公園や広場などに面している場合は建て替えが認められるケースがあります。

 

接道義務の目的は、火事などの災害時や急病時に消防車や救急車が入ったり避難したりするための経路や広さを確保するためです。つまり、幅員4m未満であってもそういったスペースがあれば、特別に認められることがあります。

不動産がある地域の役所窓口で相談し、必要書類を提出し申請しましょう。しかし申請したからといって必ずしも許可がおりるわけではありません。

 

・業者に売却する

再建築不可物件が一般の人に売却できない場合、買い取り専門の不動産業者に売却することもひとつの方法です。売却額は低くなってしまうかもしれませんが、双方が合意すればすぐに売ることができるため、現金化までがスピーディーに進むことがメリットです。

 

■相続した物件が再建築不可物件でお困りの方は、プロにご相談を

再建築不可物件は、無理に建て替えると違法建築となってしまうため気をつけましょう。また、リフォームは可能ですが、床面積が増える増築は不可ですので注意が必要です。

再建築不可物件は制限されることが多いため、住むにしても売るにしても難しいことは事実です。相続回避できるのであれば、それがいいでしょう。

また、すでに相続している場合は上述した方法をご検討することとあわせてプロに相談することをおすすめします。客観的な視点と法律などの観点からスムーズに対処してくれることでしょう。

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