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公正証書とは?普通の契約書との違いや効力を解説

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公正証書は、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書であり、契約内容の明確化やトラブル防止に重要な役割を果たします。

しかし、具体的にどのような場合に公正証書が用いられるのか、詳しく知らない方も少なくないはずです。

そこで本記事では、公正証書の基礎知識から、不動産取引で公正証書が用いられるケース、作成の流れと必要書類まで、公正証書に関する事柄を詳しく解説します。

公正証書とは

公正証書とは、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書を指します。個人や企業などの私人からの依頼を受けて、土地や建物の売買、賃貸借、金銭消費貸借などの契約に関して作成されるのが一般的です。

公正証書は、契約内容が法律に則っており、公序良俗に反していないことを公証人が確認し、当事者双方の意思を確認した上で作成されます。

原本は公証役場で保管され、当事者には謄本が交付されます。公正証書は、後々のトラブルを未然に防ぐために重要な役割を果たします。

公正証書を作成する「公証人」とは?

公正証書を作成する権限を持つ公証人は、裁判官や検察官、弁護士として長年の実務経験を持つ法律の専門家の中から、法務大臣によって任命されます。

公証人は国家公務員として公証事務を行い、全国に約500名、公証役場は約300箇所存在します。

公証人は、依頼者から提出された契約書や関連書類を精査し、契約内容が法令に適合し、当事者の真意に基づいていることを確認します。本人確認や意思確認を厳格に行い、公正証書が適正に作成されるようにサポートします。

普通の契約書との違い

公正証書と普通の契約書の大きな違いは、「証拠能力」と「強制執行力」です。普通の契約書は私文書であるのに対し、公正証書は公文書として扱われます。そのため、公正証書は当事者の意思に基づいて適正に成立したという強い推定が働きます。

トラブルが発生した際には、契約内容や契約の有効性を改めて証明する必要がなく、スムーズな解決が可能です。公正証書に「強制執行認諾文言」が含まれている場合、契約不履行があった際に裁判を経ずに直ちに強制執行ができるという大きなメリットがあります。

不動産取引で公正証書が用いられるケース

不動産取引において、公正証書が用いられるケースは大きく分けて、以下の2つがあります。

  • 法律で義務付けられている場合
  • 当事者の合意により使われる場合

それぞれ個別にみていきましょう。

法律で義務付けられている場合

不動産取引において、法律で公正証書の作成が義務付けられているのが「事業用定期借地権」です。事業用定期借地権とは、事業用建物の所有を目的とした土地の賃貸借契約のことを指し、借地借家法第23条により公正証書による契約締結が義務付けられています

事業用定期借地権を普通の契約書で締結した場合、その契約は無効となります。法律で定められた要件を満たすためにも、公正証書の作成が不可欠です。

関連記事:借地権付き建物とは?メリット・デメリット、売却方法を詳しく解説

当事者の合意により使われる場合

法律で義務付けられている場合以外にも、当事者間の合意により公正証書が用いられるケースがあります。例えば、不動産売買や賃貸借において、契約内容を明確にし、トラブルを未然に防ぐために公正証書を作成することがあります。

特に高額な取引や長期間に及ぶ契約の場合、公正証書を用いることで契約の安定性を高めることが可能。金銭消費貸借契約において、貸主側が債権回収を確実にするために公正証書を要求するケースもあります。

公正証書を使うメリット・デメリット

公正証書を利用することには、メリットとデメリットがあります。以下では、それぞれについて詳しく解説します。

公正証書を使うメリット

公正証書を作成する過程で、公証人が契約内容を確認し、当事者双方の意思を確認するため、契約内容が明確になります。これにより、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。

公正証書は公文書として扱われるため、契約内容や契約の有効性について強い推定が働きます。裁判になった場合でも、契約内容を改めて証明する必要がなく、スムーズな解決が可能です。

公正証書に「強制執行認諾文言」が含まれている場合、契約不履行があった際に裁判を経ずに直ちに強制執行ができます。これにより、債権回収が容易になります。

公正証書を使うデメリット

公正証書の作成には、公証役場への申込み、必要書類の準備、公証人との面談など、一定の時間と手間がかかります。普通の契約書と比べると、手続きが煩雑です。

さらに、公証人手数料や印紙代などの費用が発生します。手数料は契約内容や契約金額によって異なりますが、数万円から数十万円となる場合もあります。

公正証書の作成では、公証人に契約内容を開示する必要もあります。機密性の高い情報が含まれる場合、当事者にとって抵抗があるかもしれません。ただし、公証人には守秘義務があります。

公正証書作成の流れと必要な書類

公正証書の作成には、一定の流れと必要書類があります。ここからは、公正役場への申込みの方法と、公正証書作成に必要な書類について説明します。

公正役場への申込み

公正証書の作成を申し込むには、まず最寄りの公証役場に連絡を取ります。その際、公正証書を作成したい旨を伝え、必要な手続きや持参する書類について確認しておきましょう。次に、公証人との面談日時を予約します。

当事者双方が公証役場に出向く必要があるため、各自の都合に合わせた日程調整が大切です。面談前には、公正証書に記載する契約内容を事前に準備しておきます。

契約書のドラフトがある場合は、事前に公証役場に提出しておくことで、当日の面談をスムーズに進められます。契約内容に不明点がある場合は、弁護士等の専門家に相談しておくことをおすすめします。

公正証書作成に必要な書類

公正証書を作成する際には、以下の書類を準備する必要があります。

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
  • 印鑑証明書(実印を使用する場合、3ヶ月以内に発行されたもの)
  • 委任状(当事者本人が公証役場に出向けない場合、実印と印鑑証明書が必要)
  • 契約関連書類(売買契約書、賃貸借契約書など)
  • 登記簿謄本(不動産に関する契約の場合、法務局で発行されたもの)
  • その他の必要書類(契約内容によって異なる)

これらの書類は、公正証書の作成において重要な役割を果たします。

公証役場からの指示に従って、必要な書類を漏れなく準備することが大切です。書類の不備があると、公正証書の作成が遅れたり、追加の手間が発生したりする可能性があるので注意しましょう。

まとめ

公正証書は、不動産取引において契約内容を明確にし、法的安定性を高めるために重要な役割を果たします。特に、事業用定期借地権では公正証書の作成が法律で義務付けられています。

公正証書を利用することで、強制執行力の付与や契約内容の保全といったメリットがある一方、作成に時間と手間がかかることや費用が発生するといったデメリットもあります。

公正証書の作成には、公証役場への申込みや必要書類の準備など、一定の手続きが必要です。

不動産取引における公正証書の活用に関して不明な点がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家の適切なアドバイスを受けることで、より安心で円滑な不動産取引が可能になるでしょう。

この記事の監修者

監修者プロフィール写真

川村 有毅 (司法書士)

私が司法書士になる前は、接客サービス・営業等、お客様と直に接する仕事に長く携わってきました。
そこから、お客様とのコミュニケーションを事務的にせず、お話をしっかりと拝聴し、問題を共有することの大切さを学びました。
お客様と接する機会をもっと重要視し、人と人とのつながりを大切にします。
お客様に人の手のぬくもりが感じられる「あたたかな安心」を提供いたします。

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