こんにちは。ワケガイ編集部です。
相続や離婚、共同購入などで不動産を複数人で所有することになった際、「共有持分と区分所有の違いがよくわからない」「どちらの状態なのか判断できない」と戸惑われる方が少なくありません。
これらはどちらも複数人での所有形態ですが、権利のあり方や活用の自由度に大きな差があります。その違いを曖昧なままにしてしまうと、「知らないうちに不利な立場になっていた」「処分しようとしたら共有者の同意が必要だった」といったトラブルにもつながりかねません。
そこで本記事では、共有持分と区分所有の違いを整理し、それぞれの特徴や注意点を分かりやすく解説します。

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共有持分の窓口の詳細はこちら共有持分とは

共有持分では、建物や土地の特定部分ではなく、不動産全体に対して持分割合に応じた権利を持ちます。
共有持分とは、1つの不動産を複数人で所有する際に、それぞれが持っている「権利の割合」を示すものです。
不動産の特定の場所(例えば1階部分や北側の部屋など)を物理的に分けて所有しているわけではなく、全体に対して「◯分の◯」という形で権利を持っている状態です。
たとえば、ある家族が遺産として家を相続し、兄弟3人で均等に分けることになった場合、それぞれの相続人が不動産全体に対して「3分の1」の共有持分を持つことになります。この場合、3人全員が家全体に対して権利を持つため、売却や修繕などを行うには、原則として他の共有者との協議が必要です。
関連記事:共有持分とは?不動産を共有し続けるリスクや共有状態の解消方法を解説
共有持分権とは
共有持分権とは、1つの不動産を複数人で共有しているときに、各共有者が自分の持分割合に応じて持つ権利です。
共有では建物や土地の特定部分を個別に所有するのではなく、不動産全体に対して持分を持ちます。
そのため、持分が2分の1だからといって建物の半分だけを自由に使えるわけではありません。一方、自分の共有持分そのものは他の共有者の同意を得ずに売却や贈与ができます。
区分所有ではマンションの各住戸など独立した専有部分に所有権が成立するため、ここが共有との大きな違いです。共有は1つの不動産全体を持分割合で所有し、区分所有は独立した部分を個別に所有する仕組みと整理すると違いが明確になります。
共有持分の所有者(共有者)に認められる権利

共有名義の不動産を扱う場合、変更行為・管理行為・保存工によって共有者の承諾が必要になります。
共有者が有する権利は、以下のように分けられています。
- 変更(処分)行為
- 管理行為
- 保存行為
次項より、詳しくみていきましょう。
変更(処分)行為
共有不動産全体を売却するなどの処分を行う場合は、原則として共有者全員の同意が必要です。
共有者の一人だけでは、他の共有者が持つ権利まで含めて不動産全体を処分できないためです。
ただし、自分が所有する共有持分だけを売却したり贈与したりする場合は、他の共有者の同意を必要としません。共有不動産全体の処分と、自分の共有持分だけの処分は分けて考える必要があります。
区分所有では、マンションの専有部分など自分が単独で所有する部分を原則として自分の判断で処分できます。区分所有と共有の違いを考える際は、単独で処分できる対象が「独立した専有部分」なのか「不動産全体に対する持分」なのかを確認することが重要です。
管理行為
共有不動産の管理行為には、共有者の持分割合の過半数の同意が必要です。
例えば、3人の共有者がそれぞれ1/3の持分を持つ場合、2人が同意することで管理行為を行うことができます。
これは、民法第252条により、「共有者の管理に関する事項は、前条の場合を除き、共有者の持分数に応じて、その過半数で決する」と定められています。
(参考:e-Gov 法令検索「民法」)
関連記事:共有持分の管理行為とは?できること・できないことと対処法をわかりやすく解説
保存行為
共有物の価値や状態を維持するための保存行為は、各共有者が単独で行えます。
共有物の損傷を防いだり、現在の状態を維持したりする行為まで毎回ほかの共有者の同意を必要とすると、迅速な対応が難しくなるためです。
一方、共有物の利用方法を決める管理行為や、共有不動産全体を処分する行為では必要となる同意の範囲が異なります。共有不動産に関するすべての行為について、共有者全員の同意が必要になるわけではありません。
そのため、共有では行為の内容によって単独でできることと他の共有者との合意が必要なことが分かれます。区分所有との違いを把握する際も、どの権利を誰が行使できるのかを分けて確認することが大切です。
関連記事:共有している不動産の「保存行為」は単独で行える? 具体例と注意点を紹介
区分所有とは

区分所有では、住戸などの専有部分を各所有者が単独で所有し、廊下・階段・エントランスなどの共用部分を区分所有者全員で共有します。
区分所有とは、分譲マンションなど、複数の部屋に分かれた建物において、各部屋を個別に所有することを指します。
このような部屋の所有者を「区分所有者」と呼び、建物自体は「区分所有建物」と称されます。
区分所有では、各部屋(専有部分)を単独で所有するだけでなく、建物全体の共用部分や、その建物が立つ土地(敷地)については、他の区分所有者と「共有持分」として共同で権利を持つという仕組みになっています。
つまり、共有持分は、区分所有に付随する権利のひとつとして位置づけられるものです。
区分所有建物は「区分所有法(正式名称:建物の区分所有等に関する法律)」に基づいて定められた要件を満たすものであり、各部屋に所有権を設定することによって成立します。
(参考:e-Gov 法令検索「建物の区分所有等に関する法律」)
区分所有建物は「専有部分」と「共用部分」から構成され、分譲マンションの各戸が専有部分、階段やエントランスなどが共用部分となります。専有部分の所有者は共用部分を共有し、その持分割合は専有部分の床面積割合に基づいて決定されます。
敷地権とは
敷地権とは、区分所有建物の専有部分と一体として登記される敷地利用権です。
分譲マンションでは、各住戸の所有権だけでなく、その建物が建つ土地を利用するための権利も必要になります。
ここで注意したいのは、敷地利用権と土地の共有持分が必ず同じ意味になるわけではない点です。敷地利用権には土地の所有権のほか、借地権などが含まれる場合があります。そのうち、専有部分と分離して処分できないものとして登記された権利が敷地権です。
区分所有では専有部分と敷地に関する権利が結び付いていることが多く、1つの不動産全体を持分割合で所有する通常の共有とは権利の構造が異なります。
古いマンションは敷地権が設定されていないケースもある
1983年に区分所有法が改正され、敷地権が制定された背景から、1983年以前に建築されたマンションの中には敷地権が設定されていないケースも存在します。
これらのマンションでは敷地権の設定がなくても売買取引は可能ですが、トラブルの原因となるリスクが伴います。
区分所有者に認められる3つの所有権
区分所有している場合、所有者は以下の権利を有します。
- 専有部分の所有権
- 共有部分の共有持分
- 土地の共有持分
それぞれ、詳しく解説します。
専有部分の所有権
専有部分とは、基本的に住居部分を指し、天井・壁・床に囲まれた内部空間を含みます。
各区分所有者はこの専有部分について自由に使用・修繕・売却などを行う権利を持っています。
ただし、バルコニーや玄関ドア、窓といった部分は、建物全体の外観や安全性に影響を及ぼすため、専有部分には含まれず「専用使用部分」として分類されます。これは見た目には個人の所有物に見えても、他の所有者と共有しているという前提があるからです。
リフォームなどを行う際には管理規約や管理組合の承認が必要になる場合もあるため注意が必要です。
共有部分の共有持分
マンションの廊下や階段、エントランスなどの共用部分は、原則として区分所有者全員で共有します。
専有部分は各区分所有者が単独で所有する一方、建物全体の利用に必要な共用部分については、区分所有者が持分を持つ仕組みになっているためです。
このため、区分所有と共有は完全に別々の関係になるとは限りません。マンションでは「住戸は区分所有」「廊下や階段などの共用部分は共有」という2つの権利関係が同時に存在します。
区分所有と共有の違いは、区分所有では独立した専有部分を単独所有できるのに対し、通常の共有では1つの不動産全体に対して持分を持つ点です。マンションの権利関係を理解するときは、専有部分と共用部分を分けて考えると整理しやすくなります。
土地の共有持分
区分所有マンションの敷地を区分所有者が所有している場合、土地については各区分所有者が持分を共有する形になります。
建物の専有部分を単独で所有していても、その下にある土地まで住戸ごとに物理的に分けて所有するわけではないためです。
ただし、土地を利用する権利である敷地利用権が必ず所有権の共有持分になるとは限りません。借地権などを敷地利用権としているマンションもあるため、「敷地利用権=土地の共有持分」と一律に扱わないことが大切です。
区分所有では専有部分を個別に所有しながら、共用部分や土地について共有関係を持つことがあります。通常の共有との違いは、1つの不動産全体を共有しているのか、独立した専有部分を所有したうえで一部の権利だけを共有しているのかという点にあります。
共有持分と区分所有、どちらが自由に使える?整理・活用のしやすさで見る違い
共有持分と区分所有は、いずれも不動産を複数人で所有する形式ですが、実際の運用には大きな違いがあります。
有持分は他の所有者と利害が絡み合う場面が多く、意思決定に制約が生じやすい一方、区分所有は専有部分の範囲が明確で、比較的自由に活用・処分しやすいという特徴があります。
下表では、主な3つの観点から両者を比較しました。ご自身の物件の状況と照らし合わせながら、適切な対応を検討する際の参考にしてください。
| 所有形態 | 自由度 | 整理のしやすさ | 売却のしやすさ |
| 共有持分 | 他の共有者の同意が必要な場面が多く、自由度は低い | 協議や裁判を要する場合があり、複雑になりやすい | 市場での流通が難しく、買い手が限られる傾向がある |
| 区分所有 | 専有部分は原則として自由に使え、意思決定しやすい | 単独での名義変更が可能で整理しやすい | マンション市場が確立しており、一般に売却しやすい |
共有持分は、自由度や整理のしやすさ、売却のしやすさのいずれにおいても、区分所有と比べて制約が多く、扱いにくい傾向があります。とくに、他の共有者との関係性や利害が絡むことで、物件の活用や売却に時間と手間がかかるケースが少なくありません。
そのため、共有状態にストレスや限界を感じている場合は、「そもそも共有を続けるべきか?」という視点で見直してみるのも一つの選択肢です。必要に応じて、持分の整理や売却など、抜本的な対処を検討することが、長期的には負担を軽減する近道になるかもしれません。
やっかいな共有状態の解消方法
やっかいな共有状態の解消方法は、以下のとおりです。
- 共有持分の売却(買取・第三者への売却)
- 共有持分の交換・譲渡などによる整理
- 共有物の分割(現物分割・換価分割・代償分割)
次項より、個別に解説します。
共有持分の売却(買取・第三者への売却)
共有状態を解消する方法として、まず検討されるのが「自分の持分を売却する」ことです。
理想は他の共有者に買い取ってもらうことですが、感情的な対立や経済的な事情でそれが難しいことも多く見られます。その場合は、第三者に売却するという選択肢もあります。
ただし、共有持分だけを買いたいという人は限られているため、一般的な不動産市場では売却しづらいのが現実です。こうした背景から、共有持分の買取に特化した専門業者を活用するケースも増えています。相場に近い金額であれば、トラブルを避けて早期に手放す手段として有効です。
持分を売った場合の金額を知りたいなら、まずは共有持分の簡易査定ができるので以下より試してください。

関連記事:共有持分の売却相場っていくら?価格の決まり方も交えて解説
関連記事:共有持分の高額買取業者の選び方とは? 買取相場や価格査定のポイントも解説
共有持分の交換・譲渡などによる整理
「共有している不動産が複数ある」「不動産以外の資産(預貯金など)と合わせて調整できる」といった状況であれば、持分の交換や譲渡によって、共有状態を整理することができます。
たとえば、兄弟で複数の不動産を共有している場合、「兄は土地Aの単独所有に、弟は土地Bの単独所有に」といった形で分け合うことが可能です。
こうした方法は、当事者間での信頼関係が一定程度あることが前提になりますが、お互いが納得できる解決を目指すうえでは、比較的円満なアプローチといえます。
関連記事:共有持分の「交換」とは?共有関係を解消する方法を詳しく解説
関連記事:共有持分を譲渡する3つの方法とは?注意点も交えて易しく解説
共有物の分割(現物分割・換価分割・代償分割)
話し合いによる解決が難しい場合には、法的な手続きによって共有状態を解消することも可能です。
これが「共有物分割請求」と呼ばれる方法で、民法256条により認められた正当な権利です。
(参考:e-Gov 法令検索「民法」)
- 現物分割:土地を分筆して、それぞれが単独で所有する形にする方法。
- 換価分割:不動産を売却し、得た代金を持分割合で分ける方法。
- 代償分割:共有者の一人が他の共有者の持分を金銭で買い取ることで、単独所有を実現する方法。
いずれの分割も、まずは協議が必要ですが、話し合いがまとまらない場合には家庭裁判所に調停や訴訟を申し立てて決着を図ることもできます。最終的にどの手段が現実的か、費用や時間、関係性などを踏まえて慎重に判断することが重要です。
共有不動産でお悩みの方は「ワケガイ」にご相談ください!

当社(株式会社ネクスウィル)は、共有持分や訳あり物件の売却に特化したサービス「ワケガイ」を提供しています。
「共有名義の不動産を売りたくても話が進まない」「相続後の権利関係が複雑すぎて動けない」といったお悩みは、実は多くの方が抱える共通の問題です。
ワケガイでは、共有持分のみのご相談にも対応しており、弁護士や司法書士など専門家との連携によって、売却や名義整理まで一貫してサポートしています。
売るべきか、共有を解消すべきか悩まれている段階でも構いません。まずはお気軽に無料査定をご活用ください。
区分所有と共有との違いについてよくある質問
区分所有と共有との違いについてよくある質問は、以下のとおりです。
- 区分登記と共有登記の違いは?
- 区分所有のメリット・デメリットは?
- 区分所有の持分割合はどのように決まる?
- マンションの区分所有者が共有名義の場合はどうなる?
それでは、それぞれの質問とその回答を紹介します。
区分登記と共有登記の違いは?
区分登記は、一棟の建物を複数の独立した部分に分けて、それぞれを別個の不動産として登記する方法です。各部分の所有者が単独で処分できます。一方、共有登記は一つの不動産を複数人が持分割合で所有する形で登記する方法で、処分には共有者の同意が必要になります。二世帯住宅では、どちらの形をとるかによって住宅ローン控除や相続時の扱いが変わるため、事前の検討が重要です。
区分所有のメリット・デメリットは?
メリットは、自分の専有部分を他の所有者の同意なく売却・賃貸できることや、権利関係が明確であることです。一方、共用部分の管理や大規模修繕については集会の決議に従う必要があり、管理費や修繕積立金の負担も発生します。
建て替えには原則として区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成が必要です。ただし、2026年4月1日施行の改正区分所有法により、耐震性や火災安全性の不足など一定の要件を満たす建物では、各4分の3以上に要件が緩和されています。
(参考:国土交通省「マンション関係法令」)
区分所有の持分割合はどのように決まる?
共用部分の持分は、原則として各区分所有者が有する専有部分の床面積の割合によって定まります。規約で別段の定めを置くことも可能です。敷地の持分も同様に専有部分の床面積割合を基準とするのが一般的で、登記事項証明書の敷地権の割合として記載されます。この割合は、管理費や修繕積立金の負担、集会での議決権の計算にも用いられる重要な数値です。
マンションの区分所有者が共有名義の場合はどうなる?
一つの専有部分を夫婦や親子で共有している場合、その住戸については共有者全員が共同で権利を持つことになります。売却や賃貸には共有者全員の同意が必要です。管理組合との関係では、議決権を行使する代表者を一人定めて届け出るのが通常です。管理費の支払いについても連帯して責任を負うため、負担方法をあらかじめ取り決めておくと後の摩擦を避けられます。
まとめ
共有持分と区分所有はいずれも複数人で不動産を所有する形式ですが、その運用性や出口戦略には大きな違いがあります。
共有持分は他の所有者との合意がなければ意思決定ができず、売却や活用が難航するケースも存在します。
一方で、区分所有は専有部分に限れば単独での利用・処分が可能で、管理や売却の自由度も比較的高いといえます。
もし、現在の不動産の所有形態に不便さやストレスを感じているのであれば、自身の権利構造を見直し、今後の活用や整理の方針を検討することが有益です。必要に応じて専門家の力を借りながら、共有状態を続けるのが本当に適切かどうか、冷静に判断しましょう。





















