再建築不可

不動産の前が私道だと再建築できない? 再建築不可になる可能性がある私道と、その対処法を解説

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道路にはいくつかの種類があり、その種類によって土地の活用が制限されることがあります。多くの人にとって「私道」と「公道」の意味をなんとなく理解はしていても、どの道路が私道なのか把握している方は少ないと思われます。同様に私道の場合、再建築ができない可能性があることを知っている方も多くはないのはないでしょう。

そこで今回は、再建築不可になる私道についてご紹介します。また、不動産の前の道路が私道だった場合の対処法もあわせて解説いたします。

 

■公道と私道のちがいとは?

まずは、公道と私道のちがいについて説明します。

 

・公道とは?

公道とは、国や自治体が所有する道路のことです。道路整備なども国や地方公共団体が行います。誰でも通行することが可能ですが、道路交通法が適用されるため、車両を運転する場合には運転免許証が必要です。

 

・私道とは?

私道とは、国や自治体以外の個人や団体などが所有する道路のことです。基本的に、運転免許がなくても車両の運転ができます。自動車教習所などが主な例です。

通行の許可権限は私道の所有者にあり、通行を制限することも可能です。「ここから先は私道です」や「関係者以外通行禁止」などといった立札が掲げられている場合があります。

私道の所有者とは、主に下記の通りです。

【私道の所有者】

①地主

②土地を購入した人たちの共有名義

③土地を購入した人たちで私道を分筆して持つ

 

私道負担とは?

不動産を購入する際に「私道負担」という言葉を目にすることがあると思います。私道負担とは、上記【私道の所有者】②と③のケースと、接道義務を果たすためにセットバックが必要になるケースです。

接道義務とは、「幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけない」というものです。もし道路の幅が4mに満たない場合、所有地の一部を私道とすることで4m以上にし、接道義務を果たすことができます。これを「セットバック」と言います。このケースも「私道負担」と言われます。

 

私道には固定資産税がかかる

私道には所有者がおり、その所有者は私道の固定資産税を支払わなければいけません。地主がすべての私道を所有している場合や、上記でお伝えしたセットバックをして自分の敷地を私道にした場合は、所有者1人が負担します。複数人で共有している場合や分筆している場合はそれぞれが持分割合ずつ、またはそれぞれの私道部分の固定資産税を支払う必要があります。

しかし、位置指定道路として認められ要件を満たす場合には固定資産税が課せられないケースがあります。自治体によって異なるため、詳しくはお問合せください。

 

 

■公道か私道か調べる方法

「私道」という立札があればわかりますが、一見しただけでは公道か私道かの区別をつけることはできません。そこで、公道か私道かを調べる方法をご紹介します。

 

・役所で確認する

地域の役所へ行って調べることができます。道路管理課(建築指導課・道路所管課など)の窓口で相談してみましょう。また自治体によっては、インターネット上で確認できる場合もあります。

 

・公図で確認する

法務局で入手できる公図で確認する方法もあります。公図とは、土地の形状や地番などがわかる地図のことです。公道には地番がついていないため、公図上で地番がついている道路は「私道」ということになります。

ちなみに、地番とは住所とは異なり、不動産の登記情報を管理するために一筆ごとに定められた番号のことを指します。

 

■公道でも私道でも、法律上の「道路」であれば再建築できる

公道と私道のちがいについてお伝えしましたが、公道でも私道でも法律上の「道路」であれば、再建築が可能です。建築基準法で定められている道路の定義についてご紹介します。

 

・法律上の道路の定義

建築基準法で定められている道路の定義とは、下記の通りです。

 

【建築基準法で定められている「道路」】

  • 法42条1項1号道路

道路法による道路。(国道・都道・区道などの公道)

 

  • 法42条1項2号道路

都市計画法や土地区画整理法・旧住宅地造成事業に関する法律などに基づき、認可を受けてつくられたもの。(開発道路)

 

  • 法42条1項3号道路

建築基準法の施行時(1950年以前)または、当該市町村が都市計画区域に指定された時点のどちらか遅い方より前に、すでに幅員4m以上の道として存在するもの。(既存道路)

 

  • 法42条1項4号道路

道路法や都市計画法などの法律による新設または変更の事業計画のある道路で、2年以内に道路をつくる予定がされており、かつ特定行政庁が指定したもの。(計画道路)

 

  • 法42条1項5号道路

私人(一般の個人や法人)が築造した私道で、申請を受けて特定行政庁がその位置を指定したもの。(位置指定道路)

 

  • 法42条2項道路

建築基準法の施行時(1950年以前)または、当該市町村が都市計画区域に指定された時点のどちらか遅い方より前に、すでに存在する幅員4m未満の道で、すでに建築物が建っており、その他一定の条件をもとに特定行政庁が指定したもの。(みなし道路)

 

  • 法43条1項ただし書きの適用を受けたことがある道
    法42条に定める道路に該当しないものの、法43条第1項ただし書の適用を受けたことがある建築物の敷地が接する道のこと。

道路と認められた私道は「5号道路」や「位置指定道路」と呼ばれることがあります。これにあたる私道であれば再建築できる、ということです。

 

位置指定道路と認められるための要件

私道が位置指定道路として認められるためには、いくつかの条件があるのでご紹介します。

 

①道路幅が4m以上
道路幅4m以上であることが条件のひとつです。

 

両端が他の道路に接続していること

道の両端が他の道路につながっている必要があります。ただし、道が行き止まりになっている袋路状道路の場合でも、要件を満たせば認可が可能です。袋路状道路の要件ついてはのちほどお伝えします。

 

接道する道路と交わる部分に隅切りがある

隅切りとは、角地の土地の角を道路状にすることです。公道への接道部分に両端2m以上の隅切りが必要です。見通しを良くしたり車両の転回に要する幅を確保したりすることが目的です。

 

ぬかるみ防止をしていること

未舗装の道路の場合、砂利などを敷いてぬかるみを防止する必要があります。


縦断勾配が12%以下

勾配(水平面に対する傾きの度合い)が12%以下で、階段状ではないことが条件のひとつです。

 

排水設備を設けること

側溝や街きょ(排水用の側溝)など、排水設備を設ける必要があります。

 

【袋路状道路の場合の条件】

通り抜けができない袋路状道路でも、以下を満たせば位置指定道路として認められることがあります。

 

①道路延長が35m以下

袋路状道路の場合、道路延長が35m以下でなくてはいけません。

 

②道路延長が35mを超える場合は転回スペースがあること

道路延長が35mを超える場合は、国土交通大臣が定める車が転回できるスペースが必要です。

 

③幅員6m以上であること

緊急車両の進入や車が転回できるようにするため、幅員6m以上が必要です。ただし、自治体によっては4m以上でも認められる場合があります。

 

接道する道路と交わる部分に隅切りがある

通り抜けができる道路と同じく、接道する部分に隅切りが必要です。

 

 

■位置指定道路の認可を受ける流れ

私道を位置指定道路と認めてもらうための流れをご紹介します。自治体によって異なる場合があるため、詳しくはお問合せください。

 

①事前相談

役所へ行き、相談をします。申請書の説明や必要書類を教示してくれるでしょう。

 

②申請書の提出

指定申請書や必要な書類を役所へ提出し、本申請を行います。

 

③審査

審査後、問題がなければ「受理通知書」が交付されます。

 

④工事着手

道路の工事に入ります。工事着手は申請書受付前でも可能な場合があります。

 

⑤工事完了検査

工事が完了したあとに検査を行い、問題がなければ位置指定道路として認められます。

 

■位置指定道路にも関わらず再建築不可になるケース

上記の条件をクリアし、関係権利者の承諾をもとに申請手続きをしている道路が位置指定道路として認められます。しかし、位置指定道路として認められているにも関わらず、再建築できないケースがあります。

 

・幅員が4m以下の不完全な位置指定道路

位置指定道路として認められるためには4m以上必要ですが、昔ながらの市街地の中には幅員4m以下の不完全な位置指定道路が存在します。建て替え時に確認する際に、指摘を受ける場合があります。

 

・昔と今で道路位置が異なる場合

昔からある位置指定道路の場合、建設時に提出した図面と現在の状況が異なる場合があります。建設時の図面と現在の道路位置などが違うと、再建築できない可能性があります。

 

■再建築前に確認すること

再建築する前に確認すべきことをご紹介します。

 

・法律上の「道路」である位置指定道路か、確認

まずは、上記でお伝えした「道路」の定義に該当する「位置指定道路」であるか確認しましょう。役所の建築課などの窓口に行けば、図面を閲覧することができます。

自治体によっては、「指定道路調書証明書」として道路位置指定図の写しを交付していることもあります。

 

・所有者の同意を得る

私道は所有者がいるとお伝えしました。再建築する際には所有者の同意が必要です。私道の所有者は1人ではなく、道路と接している建物の数だけいることも多くあります。

私道が位置指定道路であっても、原則として土地の所有者の同意が必要です。

 

同意書を作成

所有者の同意を得られた場合、口頭での約束だけではなく同意書を作成しましょう。トラブルを防ぐことにつながります。

 

【同意書に記載すること】

・日付

・同意内容

・同意する旨

・署名

・捺印

 

私道負担の同意書では、私道を所有する面積を変更したとしても他の共有者の持分などは変わらない、という一文を入れておきましょう。同意書は自分たちで作成するよりも、不動産会社や行政書士などの専門家に依頼した方がトラブルを回避できます。

 

■再建築できない場合の対処法

土地が接している道路が私道であり、位置指定道路として認められず再建築できない場合はどうしたらいいのでしょうか?対処法をご紹介します。

 

・セットバックする

道路の中心線から2m以上後退させることができれば、位置指定道路と認められることがあります。中心線がわかりづらいこともあるため、役所の建築指導課などに確認するといいでしょう。

建築できるスペースは狭くなってしまいますが、認可を受けられれば再建築可能です。また、自治体によってはセットバックの費用を補助してもらえる場合があります。

 

建築基準法第42条2項道路として認可を受ける

位置指定道路ではない私道でも、「法42条2項道路」として認可を受ければ再建築は可能です。

「法42条2項道路」とは、建築基準法の施行前からすでに存在する幅員4m未満の道で、一定の条件をもとに特定行政庁が指定した「みなし道路」のことを指します。

この場合も再建築する前には所有者全員の同意が必要です。同意を得られたら同意書を作成しましょう。位置指定道路の場合は「私道の通行・堀削同意書」となりますが、42条2項道路の場合は「私道負担同意書」を作成する必要があります。

 

・建築基準法第43条ただし書き道路の申請

不動産前の道路が位置指定道路や法律上の道路として認められていなくても、十分な広さの公園や広場などに面している場合、建て替えが認められるケースがあります。

接道義務の目的は、火事などの災害時や急病時に消防車や救急車が入ったり避難したりするための経路や広さを確保するためです。つまり、幅員4m未満であってもそういったスペースが他にあれば、特別に認められることがあります。

 

■お困りの場合はプロに相談を

「私道で再建築ができない」「位置指定道路の所有者から同意を得られない」など、再建築ができずにお困りの場合はプロに相談しましょう。私道に接する不動産の建て替えは、権利関係や法律などの問題が関わってきます。独断で対処することによってさらなるトラブルを生む前に、専門家に頼りスムーズに対処しましょう。

また、再建築の相談から実際に建築できるまで時間を要することがあります。余裕をもって早めに依頼することをおすすめします。

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