こんにちは。ワケガイ編集部です。
2025年以降は、相続をきっかけに実家を引き継ぐ世代がさらに広がり、実家じまいは一部の人だけの話ではなくなりつつあります。相続件数の増加や空き家問題の深刻化を背景に、「実家をどうするか」という問いに直面する人が、この数年でさらに増えていくでしょう。
一方で、いざ相続した実家を前にすると、何から考えればよいのか分からず、判断を先送りにしてしまうケースも目立ちます。
維持管理、税金、権利関係、売却の可否といった問題が同時に押し寄せるため、解決方法を整理しきれないまま時間だけが過ぎてしまう状況が生まれやすいのが実情です。
本記事では、日本が今後直面する相続・空き家問題という社会的課題を整理した上で、いざ相続した実家をどうすればいいのかについて、具体的な解決策である「実家じまい」を軸に解説します。
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目次
相続件数の増加とともに空き家問題が深刻化
ここ数年、「相続」と「空き家」は切り離せないテーマとして語られるようになりました。相続が増えれば、それに伴って実家を引き継ぐ人も増えます。
しかし、引き継いだ実家をどう使うのか、どう手放すのかが決まらないまま時間が過ぎ、結果として空き家になるケースが目立っています。まずは、相続そのものがどれほど増えているのかを確認してみましょう。
2024年は相続件数が過去最大に
相続が身近な出来事になっている背景には、統計上のはっきりした変化があります。国税庁の公表データを見ると、相続税の申告件数は年々増加しており、2024年は過去最多を更新しました。これは一部の資産家だけの話ではなく、一般家庭にも相続が広がっていることを示しています。
(参考:国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」)

相続件数が増えている要因の一つが「団塊世代の高齢化」で、この世代が後期高齢者となり、死亡者数そのものが増えています。
(参考:東洋経済オンライン「『二重の打撃』団塊世代75歳超の『2025年問題』と『コロナ禍』深まる日本経済の財政依存構造と、自律性回復への期待」)
加えて、その子世代もすでに高齢期に差しかかっており、「老老相続」と呼ばれる状況が珍しくなくなりました。相続人自身が定年後、あるいは持病を抱えながら判断を迫られる場面も増えています。
相続は一度きりの出来事ではありません。親から子へ、さらにその次へと連続して発生します。件数の増加は、単なる数字の話ではなく、判断を担う人が増え続けている現実を映しています。相続が特別な出来事ではなくなった今、その後に何が起きているのかを冷静に見ていく必要があります。
相続の増加も相まって空き家も増え続けている
相続件数の増加と歩調を合わせるように、空き家も増えています。総務省の住宅・土地統計調査では、全国の空き家数、空き家率はいずれも長期的に上昇傾向にあります。
注目すべきなのは、新築需要の低下だけでなく、「相続された家」が空き家化していることです。

実家を相続したものの、自分はすでに別の場所に住んでいる。仕事や家庭の事情で戻る予定もない。しかし、すぐに売る決断もつかない。こうした宙ぶらりんの状態が続いた結果、誰も住まない家として残ってしまい、使い道が決まらないまま、時間だけが経過していく構造です。
当初は個人や家族の問題として始まった話でも、空き家が増えれば地域全体に影響が及びます。管理が行き届かない家が増えれば、防犯や景観、災害時の安全性といった点で周囲に不安が広がります。
関連記事:空き家を相続してしまったらどうすればいい?空き家の維持費はどのくらい?
相続した実家を放置し続けることで発生するリスク
相続した直後は、葬儀や各種手続きに追われ、実家のことまで手が回らない人も多いのが実情だとは思いますが、「少し落ち着いてから考えよう」と判断を先送りにした結果、実家が空き家の状態で時間だけが過ぎていくケースは珍しくありません。
ただ、実家は誰も住んでいなくても、所有している限り、一定の負担と責任が発生します。以下より、実家を放置することで、どのようなリスクが積み重なっていくのかを解説します。
維持管理の負担が続く
まず挙げられるのが維持管理の負担です。相続したばかりの実家であっても、最低限の管理からは逃れられません。
人が住まなくなった家は、想像以上に傷みが早く進み、定期的に窓を開けて換気をしないと湿気がこもり、室内にカビが発生しやすくなります。庭がある場合は、雑草や庭木の手入れも必要です。これらを放置すれば、近隣から苦情が出る原因にもなります。
実家が遠方にある場合、管理のたびに移動時間や交通費がかかります。月に一度でも足を運べば、交通費や時間などが負担になります。
当然、住んでいなくても固定資産税の支払いは毎年続きます。管理の手間と出費が重なり、「使っていない家に時間とお金を割いている」という感覚を持つ人は少なくありません。放置しているつもりでも、実際には継続的な対応を求められるのが現実です。
特定空き家に指定されると固定資産税の支払いが6倍に
前述の固定資産税の話と繋がる内容について、より詳しく解説します。まず、空き家であっても、一定の管理がされている間は「住宅用地特例」が適用され、固定資産税は軽減されています。
(参考:総務省「固定資産税」)
しかし、管理不全の状態が続くと、自治体から指導や勧告を受け、最終的には「特定空き家」に指定される可能性があります。特定空き家と判断されると、この軽減措置が外れ、固定資産税の負担が大きく変わります。
(参考:e-Gov 法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」)

(出典:国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」)
具体的には、住宅用地としての扱いがなくなり、土地にかかる固定資産税が最大で約6倍になることがあります。
建物を放置した結果、税負担だけが跳ね上がる構造です。所有者としては何も変えていないつもりでも、行政からの評価が変わることで支出が増える点は見落とされがちです。相続直後に判断を先延ばしにしたことで、数年後に重い税負担だけが残るケースもあります。
関連記事:空き家の放置を続けるとどうなる? 行政代執行までの流れを解説
経年で劣化が進み、売却の判断が難しくなる
空き家は、人が住んでいる家よりも劣化の進行が早いとされています。日常的な換気や清掃が行われないため、湿気が溜まり、カビや異臭が発生しやすくなります。屋根や外壁の小さな不具合も気づかれないまま放置され、雨漏りに発展することがあります。シロアリ被害も、発見が遅れやすい問題の一つです。
こうした劣化が進むと、「売ろうと思えば売れる」と考えていた実家が、いつの間にか条件付きでしか売れない状態になることがあります。修繕費をかけるか、解体を前提にするかといった選択を迫られ、判断のハードルが一段上がります。時間が経つほど選択肢が増えるわけではなく、むしろ絞られていく点は意識しておく必要があります。
近隣トラブルや苦情が発生しやすくなる
実家を空き家のままにしておくと、近隣との関係にも影響が出やすくなります。雑草が伸び放題になったり、庭木が越境したりすると、周囲から管理を求められることがあり、相続したばかりで状況を把握しきれていない段階でも、所有者として対応を求められるのが現実です。
また、人の出入りが少ない家は、不法投棄や空き巣被害の対象になりやすい傾向があります。被害が起きた場合、近隣からの視線は厳しくなり、関係が悪化しかねず、実家をどう扱うかの判断を後回しにした結果、周囲との摩擦が増えてしまう点も、放置によるリスクの一つなのです。
2025年以降は「実家じまい」が重要になってくる
以上のとおり、相続した実家をどう扱うかは、単に個人宅の話題ではなく、大きな社会問題になっており、親や祖父母が住んでいた実家を子世代が整理・処分する「実家じまい」の必要性が高まっています。
近年は「家じまい」という言葉が使われることが増えていますが、これは単に物理的に家を手放すのではなく、人生の一区切りとして不動産の扱いを整理する意味合いが強い言葉です。
どちらも住まいに関わる決断という点では共通していますが、家じまいが所有者本人の意思で進むのに対して、実家じまいは相続人が主体になって進める点が特徴です。
こうした実家じまいの必要性は、社会の構造が変わっていることと無関係ではありません。前述した「団塊世代の後期高齢者化」「空き家の増加」以外にも、2024年から相続不動産の登記義務化が進み、空き家対策の税制や流通促進策も段階的に導入されたことも影響しています。
(参考:東京法務局「相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)」)
これらは、実家じまいを“考えるタイミング”を前倒しすることにも繋がっていると推察されます。
当社ネクスウィル株式会社の独自調査では、実家を相続した後に「実家じまいを検討している」と答えた人が半数以上に昇り、親の体調変化や家族が集まるタイミングをきっかけに実家じまいを意識し始めるケースが多いことが分かっています。

その一方で、何から始めれば分からないという声も多く、実家じまいが具体的決断に至る前段階で多くの人が立ち止まっている状況も明らかになりました。
関連記事:実家じまいはいつするべき?必要な費用や時期について解説
実家じまいを行った場合に発生する費用
一方で、実家じまいでは費用面の問題が発生します。もちろん、実家じまいにかかるお金は一律ではありません。家の状態や立地、相続後の期間によって、必要になる費用の種類や金額は大きく変わります。
以下より、実家じまいの過程で発生しやすい代表的な費用について整理していきます。
遺品整理・特殊清掃費用
実家じまいの最初の壁になりやすいのが、家の中の片付けです。長年暮らしてきた実家には、家具や家電だけでなく、衣類、書類、思い出の品などが残されています。
自分たちで少しずつ整理する方法もありますが、量が多い場合や時間が取れない場合は、遺品整理業者に依頼するケースもあります。
遺品整理は単なる不用品処分とは異なり、仕分けや取り扱いに配慮が求められるため、費用は部屋数や荷物量に応じて変動します。
また、長期間空き家だった実家では、カビや害虫、臭いが発生していることもあり、その場合は特殊清掃が必要になることがあります。特殊清掃は専門的な作業になるため、通常の片付けよりも費用がかかる点を想定しておく必要があります。
解体工事費用
実家の老朽化が進んでいる場合、建物を解体して土地として整理する必要がありますが、解体工事にかかる費用は、建物の構造や延床面積、立地条件によって大きく変動します。
一般的には木造住宅よりも鉄骨造や鉄筋コンクリート造の方が高くなり、前面道路が狭い場合や重機が入りにくい立地では、追加費用が発生することもあります。
解体費用は一度にまとまった金額が必要になるため、実家じまいを検討する際の心理的なハードルになりやすい部分です。
また、建物を解体すると土地の固定資産税が上がる場合もあり、解体後の維持費用まで含めて考える必要があります。解体するかどうかは、売却方法や今後の使い道とあわせて検討することが求められます。
関連記事:空き家の解体費用はどのくらい?抑えるための方法や高くなるケースを解説
不動産売却における諸費用
実家を売却する場合、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。一般的な仲介売却では、不動産会社への仲介手数料が発生します。成約価格に応じて上限が定められており、売却額が低い物件では割高に感じられることもあります。
このほか、相続登記が済んでいない場合は登記費用(登録免許税+司法書士への報酬)が必要になり、状況によっては測量費用や書類取得費用がかかることもあります。
売却益が出た場合には、譲渡所得税の対象になるケースもあります。実家じまいでは「売れるかどうか」だけでなく、「売却までにどのような費用がかかるのか」を把握しておくことが、判断を誤らないためのポイントになります。
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実家問題は放置し続けるのではなく早めに対処しよう
相続した実家は、何もしなくても時間とともに状況が変わっていきます。管理の負担や税金、建物の劣化、近隣との関係など、判断を先送りにした結果として生じる問題も少なくありません。
一方で、相続直後は何から考えればよいのか分からず、動けなくなる人が多いのも実情でしょう。実家じまいは、急いで結論を出すことよりも、止まらずに考え続けられる状態をつくることが大切です。
選択肢を整理し、現実的な進め方を知ることで、実家は「重荷」ではなく、きちんと区切りをつけられる存在になります。放置するのではなく、早めに向き合うことで、後悔の少ない判断に繋がるものです。












