こんにちは。ワケガイ編集部です。
共有名義の不動産をめぐって、「思うように売却できない」「修繕費の分担で話がまとまらない」「共有者が増えすぎて管理できない」といった悩みを抱える方は少なくありません。
特に相続によって「共有持分」が発生した場合、当初は問題なく見えた関係性が、時間の経過とともに行き違いや責任の曖昧さを生み、やがて不動産の放置や争いにつながることもあります。
共有持分には、他の共有者との合意が前提となる性質があり、それが思い通りに活用できない最大の原因となりがちです。本記事では、共有持分の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、現実的な解消方法までわかりやすく解説します。

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共有持分の窓口の詳細はこちら共有持分とは
共有持分とは、1つの不動産を複数人で所有している場合における、各人が持つ所有権の割合を指します。
たとえば、実家を兄弟3人で相続し、分けずに共同で所有することになった場合、それぞれが「3分の1ずつの共有持分」を持つことになります。
民法ではこの状態を「共有」と呼び、第250条において以下のように定められています。
“各共有者は、その持分に応じて、共有物の負担に任ずる”
引用:民法第250条
つまり、共有持分は単に所有割合を示すだけでなく、利用権・費用負担の基準としても機能するということです。
なお、不動産を相続によって発生することが多く、持分割合は遺言や遺産分割協議によって決まります。遺産分割が未了の状態では、法定相続分に基づく共有状態となるのが一般的です。もちろん、話し合いによって1人が単独で相続し、共有を避けることも可能です。
関連記事:共有持分を相続しなければならない可能性がある場合、相続放棄は可能?
関連記事:実家を共有名義で相続するとトラブルになる?共有不動産の持つリスクについて論考
共有持分権とは
共有持分権とは、財産を複数の人で共有している際、その共有持分やそれに伴って発生するさまざまな権利のことを指します。
共有持分権者は、持分に応じて権利を持っているものの、「持分が半分だから建物の半分が自分のもの」という具体的な内容ではなく、「不動産全体に対し半分の割合の権利を持っている」という抽象的な考えです。
共有持分はなぜ発生する?
不動産を共有するのは、以下のようなケースが考えられます。
<共有持分が発生するケース>
| ケース分類 | 内容の概要 |
| 共同購入 | 夫婦・親子・兄弟・友人などが資金を出し合って不動産を購入するケース。住宅ローンを分担する場合も含まれる。 |
| 相続 | 複数の相続人が同じ不動産を相続し、持分を分けないまま共有状態になるケース。遺産分割協議が整わない場合もある。 |
| 贈与 | 不動産を複数人に分けて贈与するケース。例:親が子どもたちに均等に持分を贈与するなど。 |
| 投資目的の共有 | 賃貸物件などの収益目的で複数人が出資し、共同で不動産を保有するケース。法人化せずに行うこともある。 |
| 事業・法人の共有財産 | 複数の事業者や法人が業務用地などを共同で所有しているケース。登記上も法人や複数の名義人が記載されている。 |
| 財産分与 | 離婚時に夫婦間で不動産を完全に分割せず、それぞれが持分を保有する形で分与されるケース。 |
特に、夫婦でマイホームを共同購入するケースや、相続によってアパートなどの賃貸物件を兄弟で引き継ぐケースは一般的です。しかし、これら以外にもさまざまな状況で共有持分が発生することがあり、それぞれに特徴やリスクが伴います。
【自由度順】共有持分で認められる行為・権利
共有持分を持っているからといって、常に自由に不動産を活用できるとは限りません。
実際には、行使できる範囲に差があり、他の共有者の同意が必要になるケースも多くあります。
そこで本章では、共有不動産に対して可能な行為を「自由度の高い順」に整理し、それぞれどこまで単独で行えるのか、どのような合意が求められるのかを明確にしていきます。ご自身の判断材料として役立ててください。
保存行為(単独で実行可能)
保存行為とは、共有不動産の状態を維持し、価値の低下を防ぐための行為を指します。
他の共有者に不利益を与えない限り、こうした行為は共有者が単独で実施できます。修繕や不法占拠者の排除など、物件を守る目的の行動が主な対象です。
とはいえ、自由に行えるからといって、事後の説明や配慮を欠くと共有者間の関係悪化を招くこともあります。一例を挙げると、自費で修繕を行ったあとに費用の分担を求める場合、他の共有者にとっては「知らされていなかったのに請求された」という印象を持たれるおそれがあります。
こうしたトラブルを避けるためには、事前または事後に通知を行いつつ、写真や見積書・領収書などの記録を残しておくことが有効です。実務では、正当性の証明が後から求められる場面も多いため、慎重な対応が望まれます。
<保存行為の例>
- 建物の軽微な修繕(屋根の雨漏り、外壁の補修など)
- 無断占拠者に対する明渡し請求
- 相続に伴う所有権移転登記
- 登記名義の誤り訂正や抹消請求
使用行為(共有物全体の利用は可能、ただし制限あり)
共有者は、民法第249条に基づき、自分の持分に応じて共有不動産の全体を使用できます。
たとえば、持分が2分の1であっても、建物の半分だけしか使えないわけではありません。
ただし、共有物全体を使用できることと、他の共有者の権利を無視して独占できることは別です。共有者の1人が建物全体に居住する場合など、自己の持分を超えて使用しているときは、別段の合意がない限り、他の共有者に使用の対価を支払う義務があります。
そのため、共有不動産に誰が居住するのか、無償で使用するのか、使用料を支払うのかといった条件は、共有者間であらかじめ取り決めておくことが望ましいでしょう。
また、自分が使用することと、第三者へ貸し出すことは法律上の扱いが異なります。第三者との賃貸借契約については、契約内容や期間に応じて、持分の過半数による決定または共有者全員の同意が必要になる場合があります。
<使用行為の例>
- 共有名義の実家に居住する
- 庭や納屋などを共有者同士で使用する
- 共有者間の合意に基づいて特定の部屋を専用利用する
- 使用料を取り決めたうえで、共有者の1人が建物全体を使用する
(参照:e-Gov法令検索「民法(第249条)」)
関連記事:共有持分の使用貸借は解消できる?共有時のトラブルを回避する方法とは
管理行為(持分の過半数による合意が必要)

共有不動産の管理行為は、共有者の人数ではなく、持分価格の過半数を基準に決定します。
管理行為とは、共有不動産の利用方法や維持管理などを決める行為です。
民法第252条では、共有物の管理に関する事項は、原則として各共有者の持分価格の過半数で決定すると定めています。
ここで重要なのは、共有者の人数ではなく、持分割合を基準に判断することです。
たとえば、Aさんが2分の1、BさんとCさんがそれぞれ4分の1ずつ所有している場合、Aさんだけでは持分がちょうど半分のため、過半数に達しません。一方、AさんとBさんが賛成すれば、持分の合計は4分の3となり、過半数の要件を満たします。
管理行為には、共有物の利用ルールの決定や、一定の範囲での賃貸借契約などが該当します。ただし、すべての賃貸借契約を持分の過半数だけで締結できるわけではありません。賃借権の種類や存続期間、借地借家法の適用などによって、共有者全員の同意が必要となる場合もあります。
また、管理に関する決定が、すでに共有物を使用している共有者に特別な影響を及ぼす場合には、その共有者の承諾が必要です。
<管理行為の例>
- 駐車場や庭などの利用ルールを決める
- 共有不動産の管理者を選任する
- 法律上認められる範囲で賃貸借契約を締結する
- 共有不動産の形状や効用を著しく変更しない工事を決定する
なお、共有者の所在が分からない場合や、催告しても賛否を明らかにしない場合には、裁判所の手続きを通じて管理に関する決定を行える制度もあります。
(参照:e-Gov法令検索「民法(第251条・第252条)」)
関連記事:共有持分の管理行為とは?できること・できないことと対処法をわかりやすく解説
関連記事:共有不動産の火災保険は誰が支払うべき?保険金の受取人は?
変更・処分行為(全員の合意が必要)
共有不動産全体の売却や、建物の取り壊しなど、共有物の性質や権利関係を大きく変える行為には、原則として共有者全員の同意が必要です。
民法第251条では、共有物に変更を加える場合、他の共有者の同意を得なければならないと定めています。そのため、共有者の1人が不動産全体の売却を希望しても、他の共有者が反対している場合には、原則として単独で売却できません。
ただし、2023年4月施行の民法改正によって、共有物の形状または効用の著しい変更を伴わない「軽微な変更」については、持分価格の過半数で決定できるようになりました。
たとえば、土地の砂利道をアスファルトで舗装する工事や、建物の外壁・屋上防水の修繕などは、具体的な工事内容によって軽微な変更に該当する場合があります。
<原則として共有者全員の同意が必要な行為>
- 共有不動産全体を第三者へ売却する
- 建物を取り壊す
- 共有不動産全体に抵当権を設定する
- 共有物の形状や効用を著しく変更する工事を行う
一方、自分が所有している共有持分だけを売却する場合には、原則として他の共有者の同意は必要ありません。不動産全体の処分と、自分の持分だけの処分を区別することが重要です。
なお、共有者の所在が不明な場合などには、裁判所の手続きを利用して変更行為を実施できる制度も設けられています。
(参照:e-Gov法令検索「民法(第251条・第252条)」)
共有持分のメリット
共有不動産にはリスクや制約もありますが、一方で特定の状況下では金銭的なメリットが得られることもあります。以下に、代表的な2つのメリットをご紹介します。
メリット①:住宅ローン控除を夫婦それぞれで活用できる
夫婦が共有名義で住宅を購入し、それぞれ住宅ローンを利用している場合、所定の要件を満たせば、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを取得した人が、一定の要件を満たした場合に、所得税などから所定の金額を控除できる制度です。
2022年以降の入居に適用される制度では、控除率は原則として0.7%です。住宅ローンの年末残高等を基に控除額を計算しますが、住宅の取得対価が借入金の年末残高より少ない場合には、その取得対価が計算の基礎となります。また、住宅の種類や入居年に応じた借入限度額も設けられています。
控除期間についても、住宅の種類や入居時期によって異なります。たとえば、2026年入居の場合、要件を満たす新築の認定住宅等では13年間の控除が認められ、一定の既存住宅でも13年間となる場合があります。一方、その他の中古住宅では10年間です。
ただし、共有名義にするだけで夫婦双方が住宅ローン控除を受けられるわけではありません。それぞれが住宅取得に係る借入金を負担し、居住要件、返済期間、所得要件などを満たす必要があります。
連帯債務を利用する場合には、夫婦それぞれの債務負担割合や共有持分と、控除対象となる借入金との関係にも注意が必要です。
制度の適用を検討する際には、住宅の取得年・入居年・住宅性能・借入方法などを確認しておきましょう。
(参照:国税庁「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」)
メリット②:高額物件でも資金を出し合って購入しやすい
共有名義で不動産を取得するメリットの1つは、複数人が資金を出し合うことで、単独では購入しにくい価格帯の物件も検討できることです。
たとえば、3,000万円の住宅を夫婦で購入する場合、夫婦それぞれが1,500万円ずつ負担すれば、資金負担割合に応じて2分の1ずつの持分を設定できます。
親子で住宅を購入したり、兄弟で土地を共同取得したりする場合も、各人の資金負担に応じて持分を設定する方法が考えられます。
ただし、共有持分の割合を決める際には、実際の資金負担との整合性に注意が必要です。
たとえば、夫が住宅の購入資金をすべて負担しているにもかかわらず、妻にも2分の1の持分を設定すると、妻が取得した持分に相当する利益が、贈与税の課税対象となる可能性があります。
そのため、共同購入では、頭金の出資額や住宅ローンの負担関係を整理し、実際の資金負担に見合った持分割合を設定することが重要です。
(参照:国税庁「贈与税がかかる財産」)
関連記事:不動産共有のメリット・デメリットとは?マイホーム購入の際の判断基準を紹介
共有持分を所有し続けるデメリット
共有持分を所有し続けるデメリットは、以下のものが挙げられます。
- デメリット①:利活用が難しい
- デメリット②:相続により権利関係が複雑になる
- デメリット③:他の共有者の持分が第三者に売却される恐れがある
- デメリット④:他の共有者の借金により持分が差し押さえられることがある
それぞれ個別にみていきましょう。
デメリット①:利活用が難しい
前述のとおり、共有名義の不動産は、共有者それぞれが単独で自由に使えるものではありません。
一定の行為には持分の過半数、あるいは全員の合意が必要とされるため、共有者間で意見が分かれた場合には、物件の活用が思うように進まなくなることがあります。
たとえば、空き家となった実家を賃貸に出したいと考えても、他の共有者が「思い出があるから残したい」と反対すれば、それだけで話は止まってしまいます。また、修繕の必要が生じた場合でも、費用負担についての意見がまとまらず、放置されるケースも少なくありません。
特に、相続などで共有者が増えた場合は、連絡や意思決定の調整が難しくなり、結果として物件が放置され老朽化していくといった事態も現実に起こっています。
関連記事:共有持分のリスクとは? 共有状態はなぜリスクが高いのか?
関連記事:共有名義不動産を「独り占め」したらどうなる?問題発生時の解決方法について紹介
デメリット②:相続により権利関係が複雑になる
共有不動産は、相続が発生するたびに持分の所有者が増えていく傾向があります。
たとえば、親と子2人の3人で所有していた不動産を、子どもがそれぞれ自分の子どもに相続すると、次の世代ではさらに所有者が増えることになります。
こうした状態が繰り返されると、最終的には誰がどれだけの権利を持っているのかが分かりにくくなってしまいます。
また、共有者が増えることで、前述の利活用の問題もさらに深刻になります。所有者全員の合意が必要な場面で話し合いが難航しやすく、結果的に「誰も管理しない」「売却もできない」といった状況に陥りかねません。さらに、遠方に住んでいる共有者がいる場合や、相続によって持分の一部が海外に渡った場合などは、連絡を取ること自体が困難になることもあります。
デメリット③:他の共有者の持分が第三者に売却される恐れがある
共有持分は、それぞれの共有者が単独で自由に売却できる権利を持っています。
つまり、他の共有者の同意がなくても、自身の持分を第三者に売ることが可能です。
この仕組みにより、突然見知らぬ第三者が新たな共有者として登場するという事態が起こり得ます。たとえば、親族が共有する実家の持分を、経済的理由から1人が不動産買取業者に売却した場合、残された共有者は赤の他人と一つの不動産を共有する状態に置かれることになります。
新たな共有者が利活用や売却を強く求めてくるケースもあり、トラブルに発展することも少なくありません。こうした事態は、自分が注意していても防げない「外からのリスク」である点が厄介です。
デメリット④:他の共有者の借金により持分が差し押さえられることがある
共有者の一人に多額の借金がある場合、その人の持分が債権者に差し押さえられ、競売にかけられる可能性があります。
これは、債権回収の一環として、持分が財産として扱われるためです。
競売で落札された持分は、第三者(ときには投資目的の買取業者)に取得されることが多く、結果として共有状態が不安定化することになります。
たとえ自身にまったく非がなくても、他人の金銭トラブルに巻き込まれるリスクがあるという点は、共有ならではの重大な弱点といえるでしょう。また、競売にかかった後は、落札者が共有物分割請求を行う可能性もあり、共有状態の継続が困難になることもあります。
関連記事:共有持分が差し押さえられた場合の対処法とは?強制執行の影響も踏まえて詳しく解説
関連記事:他の共有者の持分が競売にかけられた場合の対処法は?未然に防ぐ方法はある?
共有持分を所有していると発生する税金の種類
共有持分を所有していると発生する税金の種類は、以下のとおりです。
| 税金の種類 | 内容と注意点 |
| 固定資産税・都市計画税 | 毎年課される税金。持分割合に応じて負担する。納税通知書は代表者に届くのが一般的。 (参考:総務省「固定資産税」「都市計画税」) |
| 不動産取得税 | 不動産を取得した際に一度だけ課税される。持分の売買・相続・贈与の各ケースで発生する。(参考:総務省「不動産取得税」) |
| 譲渡所得税・住民税 | 共有持分を売却した場合、利益(譲渡所得)に応じて課税される。持分のみの売却でも課税対象となる。(参考:国税庁「土地や建物を売ったとき」) |
これらの税金は、不動産を所有している限り避けられないものです。共有状態が長引くと、誰がどの税金をどのように支払うのかで揉める原因にもなり得るため、共有持分を整理・解消することが、税務リスクの低減にもつながるといえるでしょう。
関連記事:共有持分にかかる税金一覧!計算方法や控除制度もセットで徹底解説
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関連記事:共有持分を取得した場合にかかる「取得税」とは?節税対策もセットで解説
不動産の共有状態を解消する方法
不動産の共有状態を解消する方法は、以下の3つが代表的です。
- 方法①:共有持分の売却
- 方法②:共有持分の分割
- 方法②:共有持分の放棄
それぞれ個別にみていきましょう。
方法①:共有持分の売却
共有持分の売却とは、所有している持分を他の共有者や第三者に売ることです。
持分を売却することで、共有状態を解消することも可能です。売却には主に以下の2つの方法があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
①-1:一般的な不動産仲介を利用する
共有持分のみを売却する際、まず検討されるのが不動産仲介会社を通じた売却方法です。
ただし、一般的な不動産市場では、「持分だけを購入したい」という買主は非常に限られています。
理由としては、持分だけを取得しても物件全体を自由に使えるわけではなく、活用に制約があるためです。そのため、仲介を通じた売却は以下のような条件に合致する場合に限定されやすくなっています。
通常の物件売却に比べて売却期間が長期化しやすく、価格交渉も不利に働く可能性があるため、時間と労力に余裕がある場合に限られるでしょう。
<一般的な不動産仲介が向いているケース>
- 他の共有者が購入に応じてくれる(=共有者間売買)
- 元から持分購入を希望している投資家が現れる
関連記事:共有持分の不動産を売却する方法とは?売却費用やよくあるトラブルを紹介!
関連記事:マンションの共有持分は売却できる?方法やポイントを徹底解説!
①-2:専門業者に買取を依頼する
共有持分の場合、訳あり物件に特化した不動産買取業者に相談した方がスムーズな場合も多々あります。
こうした業者は、他の共有者との交渉や権利関係の調整に慣れており、持分単独での売却にも柔軟に対応してくれるのが特徴です。
「一刻も早く共有状態を解消したい」「他の共有者と連絡がつかない」など、複雑な事情を抱えている場合には、現実的かつ有力な選択肢となります。
なお、あらかじめ共有持分の売却価格の決まり方も把握しておき、買取業者から提示された査定額については、金額だけでなく査定額の「根拠」についてしっかりチェックしましょう。
専門業者による買取の主な特徴は以下のとおりです。
<専門業者への買取依頼が向いているケース>
- スピード重視(最短即日で売却完了となる場合も)
- 交渉の負担が少ない(共有者との調整を代行してくれることもある)
- 価格は仲介よりやや低めに設定されることが多い
持分を売却するといくらになるか知りたいなら、まずは共有持分の簡易査定ができるので以下より試してください。

関連記事:【2025年版】東京都の共有持分に強い買取業者6選!
方法②:共有持分の分割
共有持分の分割とは、共有者それぞれが単独所有となるように、不動産を分けることです。
共有者ごとに独立した所有権を持つことで、共有状態の問題を解消できます。分割には3つのの種類があり、状況に応じた適切な方法を選ぶ必要があります。
②-1:現物分割
現物分割とは、不動産を物理的に分け、それぞれの共有者が単独で所有する形にする方法です。
たとえば、広い土地を分筆して、それぞれの区画を個別に登記すれば、共有状態を解消できます。
この方法は、不動産自体に分割可能な余地があること、かつ共有者間で分割内容に合意が取れていることが前提となります。
ただし、建物は原則として物理的に分割できないため、現物分割が適用できるのは主に土地に限られます。また、分筆にあたっては測量や境界確定が必要になるため、費用と時間がかかる点にも注意が必要です。
地域の条例や建築基準法上の制限によっては、分筆後に建築できない「再建築不可地」になるおそれもあるため、専門家への事前相談が不可欠です。
関連記事:現物分割とは?メリット・デメリットや検討すべきケースを解説
関連記事:「共有物分割請求」と「不動産の交換」の違いとは?
②-2:代償分割
代償分割とは、不動産を一人の共有者が単独で取得し、その代わりに他の共有者へ金銭(代償金)を支払うことで持分を整理する方法です。
たとえば、兄弟で共有していた家を兄が取得し、弟に持分相当額の現金を支払うといったケースが代表的です。この方法は、現物分割のような土地の分筆が不要で、物件を維持したまま共有状態を解消できる点が大きなメリットといえます。
ただし、代償金の額について合意が取れないと交渉が長期化するおそれがあり、また、取得者側に相応の資金的余裕が必要となります。
遺産分割協議においても頻繁に用いられる方式ですが、不動産評価の方法や負担割合に関する調整が必要になるため、司法書士や税理士などの関与が推奨されます。
関連記事:「代償分割」とは?共有持分の分割方法方法として選ぶべきケースを解説
②-3:換価分割
換価分割とは、共有している不動産そのものを売却し、その売却代金を共有者間で分け合う方法です。
現物分割が難しい場合や、代償分割を行うだけの資金が共有者間にない場合に選ばれる、比較的中立的で現実的な解決手段です。
この方法の大きな特徴は、共有者全員が協力して不動産全体を売却することで、共有状態そのものを終了させられるという点にあります。売却益は持分割合に応じて分配され、共有名義の関係もこれを機に解消されます。
なお、同じく「売却によって共有関係から抜ける」手段として、「共有持分の売却」がありますが、両者には重要な違いがあります。「共有持分の売却」は、自分の持分だけを単独で第三者に売る方法であり、他の共有者の合意は不要です。その結果、共有関係は解消されず、新たな第三者が共有者として加わることになります。
これに対して換価分割は、共有者全員が合意して不動産全体を売却するため、取引後に共有関係そのものが残らないという点で、最終的な清算手段として位置づけられます。
関連記事:共有持分の「換価分割」とは?メリット・デメリット、選択すべきケースを紹介
方法②:共有持分の放棄

共有持分を放棄すると、その持分は他の共有者に帰属します。ただし、登記の変更手続きは別途必要です。
共有持分の放棄とは、自分が所有する持分を手放し、共有関係から離脱する方法です。
民法第255条では、共有者の1人が持分を放棄した場合、その持分は他の共有者に帰属すると定めています。
共有持分の放棄は、他の共有者との合意を成立要件としない単独行為です。そのため、持分を放棄すること自体について、他の共有者全員の同意を得る必要はありません。
ただし、放棄の意思表示と不動産登記の変更手続きは別です。
共有持分の放棄によって他の共有者へ持分が帰属しても、登記簿上の名義が自動的に変更されるわけではありません。持分移転登記は原則として共同申請となるため、登記手続きを進める際には他の共有者の協力が必要になります。
他の共有者が登記に協力しない場合には、登記手続を求める訴訟などを検討することになります。
また、共有持分を放棄すると、持分を取得する他の共有者に贈与税が課される可能性があります。放棄した人についても、住宅ローンなどの個人的な債務が当然に消滅するわけではありません。
固定資産税についても、放棄の時期や登記の状況などによって納税義務の扱いが変わるため、放棄した時点ですべての税負担から直ちに解放されるとは限りません。
共有持分を放棄する場合は、権利の帰属だけでなく、登記手続き、税金、残存する債務を整理したうえで進めることが大切です。
(参照:e-Gov法令検索「民法(第255条)」)
関連記事:共有持分は放棄できる?具体的な手順や発生する費用をチェック!
関連記事:共有名義の不動産を「名義変更」する方法とは?
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通常の市場では売却が難しい物件でも、豊富な実績と専門的なノウハウを活かし、迅速な対応を可能にしています。
共有持分の不動産は、所有者が複数いるため単独での売却が難しく、買い手を見つけるのに時間がかかることが少なくありません。こうした問題を抱える方に向けて、ワケガイでは単独持分の買取を行い、スムーズな売却をサポートしています。
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共有持分についてよくある質問
共有持分についてよくある質問は、以下のとおりです。
- 共有持分はどうやって決めますか?
- 共有持分1/1とはどういう意味ですか?
それでは、それぞれの質問とその回答を紹介します。
共有持分はどうやって決めますか?
共有持分の割合は、不動産を取得した原因によって決め方が異なります。夫婦や親子が資金を出し合って購入する場合には、実際に負担した購入資金の割合を基準に持分を設定するのが基本です。たとえば、3,000万円の住宅について、夫が2,000万円、妻が1,000万円を負担した場合、持分割合は夫が3分の2、妻が3分の1となるのが基本です。一方、相続によって取得する場合は、遺言や遺産分割協議の内容などによって決まります。遺産分割が成立するまでの相続人間の共有については、法定相続分が基準になります。なお、民法第250条では、各共有者の持分が明らかでない場合、持分は等しいものと推定すると定めています。購入時の実際の資金負担と登記上の持分が一致していない場合には、贈与税の課税対象となる可能性もあるため注意が必要です。
共有持分1/1とはどういう意味ですか?
「共有持分1/1」は、割合としては「1分の1」、つまり100%を意味します。通常、共有持分は「2分の1」「3分の1」などの分数で表され、複数人が1つの不動産の所有権を分け合っています。これに対して、対象となる不動産の所有権について、ある人の持分が1/1であり、他に共有者が存在しない場合には、その人が不動産全体を単独所有していることになります。ただし、登記記録の一部分に「1/1」という数字が記載されているだけでは、その数字が何についての割合を示しているのか判断できないことがあります。現在の所有関係を調べる際には、登記事項証明書の権利部(甲区)などを確認し、所有者が誰であるか、他に共有者が記載されていないかを確かめることが重要です。
まとめ
共有名義の不動産は、一見すると公平な形に見えても、実際の管理や活用の場面では多くの壁に直面します。
誰か一人の意思だけでは前に進めず、気づけば長年放置されてしまうことも少なくありません。
とはいえ、共有持分の扱いには法律上のルールがあり、自分の持分であってもできることとできないことが明確に分かれています。だからこそ、現状を正しく整理し、自分にとってどの方法が現実的なのかを冷静に判断していくことが大切です。共有状態を放置していても、時間とともに状況は複雑になりかねません。
まずは、自分の持分がどのような状態にあるかを確認し、必要であれば早めに専門家へ相談するなど、着実な問題解決を図りましょう。





















